情報Iの教科書におけるピクトグラムの扱いについての比較

先日開催された情報処理学会 コンピュータと教育研究会 162回研究発表会 (SITE/CLE/CE合同研究会)で発表しました。

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御家雄一,伊藤一成:情報Ⅰの教科書におけるピクトグラムの扱いについての比較,情報処理学会研究報告 コンピュータと教育,CE162 7p (2021.12.05) 

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情報Ⅰは令和4年度から実施される高等学校の必履修科目です。すなわち普通科の高校に入学した生徒すべての人が必ず学ぶ科目です。

管理人
教科と科目が混同する人がいます。数学で例えると【教科】は「数学」,【科目】は「数学Ⅰ 数学A 数学Ⅱ 数学B 数学Ⅲ」のような感じです

情報Ⅰが世間で話題にあがりますが,その話題の多くは大学入学共通テストに情報Ⅰが採用され,それが選考に採択されるかといった話題です。

図1.

 

情報Ⅰの教科書は6社から発刊され,中には複数冊発行するところもあります。

教科書の比較を書きますが,先に特筆しておくことがあります。

日本文教出版の711,712にあたる「情報Ⅰ 図解と実習-図解編」と「情報Ⅰ 図解と実習-実習編」は教科書として(実質的に)1冊扱いであることです。

日本文教出版は「Book in Book」を表記しています。アニメーションスライドで表現したものを動画化しましたので載せます。

動画リンク

なお日本文教出版の紹介ページでは 各冊単体での採択ができない旨の表記があります。

※ブックインブック2冊セットの教科書です。各冊単体での採択はできません。

引用元:https://www.nichibun-g.co.jp/textbooks/joho/2022_joho01_2/textbook/

そのため実質的に1冊扱いであると解釈し,以後このWebサイトでも同様の扱いをします。

このページでは情報の教科書におけるピクトグラムの扱いについて比較します。

なぜピクトグラム

ピクトグラムとは

ピクトグラムは 意味するものの形状を使って, その意味概念を理解させる記号 のことを指します。実はすごく奥が深いもので,簡潔に言い表すことはできません。

図には3つのピクトグラムを示しています。

 

左から順に「非常口」「お手洗い」「歯が痛い」を意味している図です。

それぞれのピクトグラムの意味を併せて書いてありますが,それがなかったとしても意味を想起することはできるでしょう。それがまさに,意味概念を形状だけで理解しているということです。

図では用途別に2種類に大別しています。ピクトグラムは大雑把にわけて2種類の用途が存在しています。

サイン用途

サイン用途はピクトグラムが発するメッセージを,そのピクトグラムを見る人に対して一方向的に示していることです。

コミュニケーション用途

コミュニケーション用途はそのピクトグラムを使って,対人コミュニケーションに利用します。

イメージしやすい例を出すと,海外の病院に行ったことを想定します。そこでは言葉が通じませんが今自分の症状を伝えようとします。今は右の腹部がズキズキ痛むとします。ジェスチャーで伝えようにも困難を極めるでしょう。「どこが」を伝えることはおそらく容易です。何が起きているのか,どのような痛みであるかを伝えることは工夫が必要になりますね。

そこでピクトグラムを使うと,使用言語に左右されずに思っていることなどを伝えることができるでしょう。

ピクトグラムのルール

たくさんのピクトグラムがこの世の中にはあります。そこには自作ピクトグラムが多くあります。実はピクトグラムには制作の基準,ルールがあります。まず簡単なところでいえばこのようなことです。

(Pictogramming作者提供)

このようなことは自作される際には気をつけたいですね。

他にもすごく簡単なルールですが,このようなものもあります。

赤色の円に斜線が入った図形があれば,それは「禁止だ!」ということは恐らくほとんどの人が知っていることでしょう。ほとんど意識していなくても,そこに描かれていることをやってはいけないことは分かるはずです。

これは「歩きスマホ禁止」ですね(自作です)。

ピクトグラムは「事前学習なしでも,だれにとっても見ただけですぐ意味が分かる。言語の違いや教育,あるいは経験の違いを超えて国際的に理解できる。(*記号学大事典)」と書かれています。先の歩きスマホ禁止は事前学習なしに理解できることでしょう。ただし赤色の円に斜線が入ったものが禁止を表すことは,きっとどこかで学習しているはずです。

同様に,意味のある色と形状を紹介します。

(例は省略,後日追加予定)

 

==執筆中==

 

 

先日開催された情報処理学会 コンピュータと教育研究会 162回研究発表会 (SITE/CLE/CE合同研究会)で発表しました。

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