高校・情報教育 / 実践教材

micro:bit

小さなコンピュータを実際に動かしながら、入力・処理・出力とプログラミングを学びます。 このページでは、Scratchに近い操作で使えるMicrobit Moreを中心に紹介します。

旧ページの内容を整理し、公式情報・動画・準備物・授業設計を一つの流れに再構成しました。

Microbit Moreで始める

このページの動画では、Scratchに近い操作でmicro:bitを扱えるMicrobit Moreを使います。

動画を見ながら動かしてみる

Scratchの基本操作を確認してから、Microbit Moreによる接続と作品例へ進みます。必要な動画だけ選んでも構いません。

Scratchの事始め

Scratchを初めて使う人向け。画面の見方と基本操作を確認します。

Scratch入門2:micro:bit連携

Microbit Moreを使い、Scratchに近い操作でmicro:bitを動かします。

作品例

センサーや出力を組み合わせた作品のイメージをつかみます。

授業や体験に必要なもの

必須

micro:bit本体

本体と、データ通信に対応したUSBケーブルを用意します。充電専用ケーブルでは接続できません。

あると便利

ワークショップモジュール

外部部品をつなぎやすくし、モーターや工作物を使った試作へ発展させられます。

製品リンクは購入先の一例です。価格・在庫・仕様はリンク先で確認してください。

試行錯誤を残す授業にする

操作手順をすべて説明するのではなく、動き始めるために必要な支援と、学習者自身が考える部分を分けます。

最初に支援する

  • 接続とエディタの起動
  • 入力・処理・出力の見方
  • 動かないときの確認方法

学習者に残す

  • 何を作るかというアイデア
  • 動きを実現する組み合わせ
  • 試して直す過程と追加機能

発表資料 28〜38枚目より

授業の設計・実施手順

該当スライドを見る
  1. 01

    Scratchの基本操作

    初めて使う生徒を想定し、画面の見方、ブロックの実行、接続などを一度体験します。次時のmicro:bit操作へ入るための共通土台を作ります。

  2. 02

    micro:bitを観察して接続する

    本体の入出力を確認し、Microbit Moreへ接続します。センサー値の取得と、角度制御・連続回転サーボの違いまでを小さく試します。

  3. 03

    データの記録と課題条件

    リストを使って値を記録し、ファイルへ書き出して活用します。その後、「micro:bitを使った作品を作る」という最小限の条件で個人制作へ移ります。

  4. 04

    アイデアを形にする

    思いつかないときは、書籍、身の回りの行動の言語化、マインドマップなどを使います。実装で止まったときは資料を調べ、必要なブロックの組み合わせを探します。

  5. 05

    褒めることから始める相互評価

    作品、制作過程、工夫、難しかった点をグループで説明します。聞き手は良い点を見つけ、質問や助言を返します。失敗は「できなかった」で終えず、どこで止まったかまで分解します。

  6. 06

    作品と説明をポートフォリオに残す

    発表は横向きの画面で撮影し、動画とプログラムを一緒に保存します。完成品だけでなく、考えたことと改善の過程をあとから振り返れる記録にします。

授業時間の中でしか使えない特別な環境に閉じず、学習者が授業外でも試せる入口を用意することを前提にしています。

授業設計について、もう少し

教えすぎず、放置もしない

「プログラミングは教えるものではない」と書いた理由

以前のページでは、あえて「プログラミングは教えるものではない」と強い言葉で書きました。 これは、何も教えずに学習者を放置するという意味ではありません。接続方法、アプリケーションの起動、 画面の見方、そして何ができるのかという最初の説明は必要です。動かないときに相談できる環境も欠かせません。

一方で、作品のアイデア、その実現方法、さらに付け加える機能まで教師が先回りして説明すると、 学習者が本来経験するはずだった試行錯誤を奪ってしまいます。プログラミングでは、自分で試し、失敗し、原因を考え、直す過程そのものが学習内容になります。

全員が同じ順序で組み立てるだけでは、何が残るのか

レゴブロックを渡した直後に、「まだ触らないでください。全員で説明書の1番から組み立てます」と指示し、 色も順番も完成形もすべて揃えれば、授業は管理しやすくなります。しかし、それだけでは学習者が 「これを組み合わせたら、何が起きるだろう」と考える余地がほとんど残りません。

「この部品とこの部品は、こうつなげられる。車輪はここへ付けられる。まずは少し動かしてみよう」

最初に必要なのは、この程度の手掛かりではないでしょうか。しばらく自由に触ったあとで作品を共有し、 ほかの人の工夫に出会う。そのうえで「いま使っていた仕組みは条件分岐だった」「このセンサーの値を 入力として使っていた」と学問的な言葉へ結びつけるほうが、体験と知識がつながります。

自由に遊ぶことと、授業として学ぶことをつなぐ

ここでは、あえて「遊ぶ」という言葉を使います。ただし、道具の使い方がまったく分からなければ遊べません。 ほんの少しだけ使い方を示し、まず触れる。その後で「ボタン入力を必ず使う」「身の回りの困りごとを 一つ解決する」といった小さな制約を置けば、自由な発想と授業の目標を両立できます。

ゴールが一つに決まっていない授業では、教師の支援は簡単ではありません。それでも、ストップウォッチのような 身近なものを再現するところから始め、作ったものを説明し、他者の作品と比べる経験は、 手順を覚えるだけの授業とは異なる学びを生みます。

教師が担うのは、正解までの道順をすべて示すことではなく、学習者が試行錯誤を始められ、 行き詰まったときにもう一度動き出せる環境を整えることだと考えています。

授業実践と外部発表

本ページの取り組みは、2022年8月開催の第15回全国高等学校情報教育研究会全国大会で発表しました。

発表スライドを見る(PDF)大会ページを見る ↗

高等学校情報科の教員研修

管理人は、情報処理学会が主催する「高等学校情報科教員研修」で講座を担当しています。本ページで紹介している、操作方法を教え切るのではなく、試行錯誤を学習として残す授業づくりについても研修内で解説しています。

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