授業事例アーカイブ
「キミのミライ発見」 授業事例インデックス
河合塾「キミのミライ発見」の授業事例を、分野・教材・教員・学校種・掲載元からさがせるようにした非公式の索引です。
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学校法人河合塾が2013年から公開している「キミのミライ発見」の授業事例380件を、内容・人・公表の場から横断してさがせます。各項目を開くと元の記事へ移動します。
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授業の進め方の要約を見る
- 科目
- 情報Ⅰ
- 時間
- 通年(単元ごと)
- 必要なもの
- 学習管理のためのクラウドサービス(記事ではGoogle Classroom)、表計算の共有シート、事前配信用の短い動画
- 前提
- 動画教材を用意できること
- 単元ごとに、授業の内容・時間配分・身に付けてほしいことを学習管理サービスに掲示する
- 学習事項を短い動画にして授業前に配信し、予習してくることとする
- 授業時間は、他の生徒との情報交換や教員への質問など、学校でしかできない活動にあてる
- 毎時間、本時の目標・学習した内容・振り返りを共有シートに記入させる
- 年5回程度(約10時間ごと)に単元テストを置き、そこまでに単元の学習を終えるペースとする
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- 科目
- 情報Ⅰ(コミュニケーションと情報デザイン)
- 時間
- 同じ著者の事例233は、この授業の背景にある「生命情報・社会情報・機械情報」の3概念を、複数の単元にどう配置するかを報告している
- 必要なもの
- 中央に氏名、周囲に6つの円を描いたプリント
- 前提
- 「生命情報・社会情報・機械情報」の3つの情報概念を先に扱っておくこと
- 2人が何かを伝え合う場面を、①伝えたい気持ち→②表現の選択→③受け取り方→④相手に生じる気持ち の4段階で示し、①と④が同じにはならないことを確認する
- 機械情報を物理的に運ぶものが「伝播メディア」であり、教科書の表現・伝達・記録メディアはすべてこれにあたることを整理する
- 言葉は聞こえているのに意味が分からない場合を考えさせ、社会情報を媒介する「成果メディア」を導入する
- プリントの中央に自分の名前、周囲の6つの円に自分が属するグループ名を書かせる(学級・部活・市民・仲良しの2人組など何でもよい)
- 「そのグループでしか通じない内輪ネタ」を挙げて発表させる。外の人には通じないことを体験させ、それが成果メディアの例だと示す
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- 科目
- 情報Ⅰ(モデル化とシミュレーション)
- 学年
- 高校2年
- 時間
- 全5回の単元のうち第4回
- 必要なもの
- SIRモデルを計算するプログラム、シナリオを書く検討シート
- 前提
- 数学Bの数列(漸化式)を学んでいること。モデル化とシミュレーションの意味を扱っていること
- モデル化とシミュレーションの意味を確認し、対象のどこを取り出すかがモデル化の要点であることを押さえる
- 東日本大震災のデマと訂正の投稿数の推移を示し、SIRモデル(S:まだ拡散していない人/I:拡散している人/R:拡散しなくなった人)を当てはめる
- 微分方程式を数列の漸化式に近似した3本の式を示し、拡散率と訂正率を変えるとピークの値・ピークまでの日数・収束までの日数が変わることを試させる
- 検討シートで、南海トラフ地震で起こり得るデマを分類表から選び、どのような人が・どのような動機で拡散し、何によって収束するかを書かせる
- 自分のシナリオの値でシミュレーションし、拡散を抑えて収束を早めるには何をどう変えればよいかを考えさせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(モデル化とシミュレーション)
- 学年
- 高校1年
- 必要なもの
- 表計算ソフトとPython(同じ内容を両方で扱う)
- 前提
- 数学Bの数列は未習の前提で、漸化式の考え方から丁寧に説明する
- シミュレーションの意義を、住宅の間取り・フライト・衝突実験などの例で確認する
- 「道のり=速さ×時間」「金額=単価×個数」を挙げ、数式モデルはこれまでも使ってきたものだと示す
- 「1、4、7、10…」の並びから、前の数との関係で次が決まる考え方(帰納的定義)を説明する。数学は一般項を求めるが、コンピュータは順に計算すれば足りることを対比させる
- 連番、1からその数までの和、フィボナッチ数列の3つを、表計算では「1つ上のセル+…」の式を下へコピーする形で、Pythonでは繰り返しと変数で作らせる
- 同じ考え方で人口増加・利息・モンテカルロ法・待ち行列のシミュレーションに進む
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- 科目
- 情報Ⅱ(情報とデータサイエンス)
- 時間
- 全10回のうち第1〜4回(前にPythonの基礎を5回)
- 必要なもの
- Google Colaboratory、公開統計データ(SSDSEとe-Stat)、箱ひげ図・相関分析・単回帰・重回帰のプログラム
- 前提
- Pythonの基礎を先に5回扱っておくこと。e-Statより先にSSDSEで演習すること(e-Statから入ると整形でつまずく)
- 「コンサルタント会社の社員になって、政府や企業へデータに基づく提案書を作る」という設定を示す
- SSDSEの家計消費データを取り、必要な項目だけを残してCSVに保存させる(文字コードに注意する)
- ColaboratoryにCSVを読み込み、箱ひげ図を描いて、日本人の食生活について仮説を立てて比べさせる
- 同じデータで相関行列・ヒートマップ・散布図行列を作らせる
- e-Statのデータに移り、整形してから単回帰分析と重回帰分析を行わせる。最後にExcelではなくPythonで扱う利点と難点をアンケートで集める
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- 科目
- 情報Ⅱ(情報とデータサイエンス)
- 必要なもの
- サンプルデータ、機械学習を扱える環境
- 前提
- 生徒が最後に自分で課題を設定して探究できるようにすることを到達点に置く。すべての手法を教える必要はないという立場
- 「情報Ⅱ」は創造的な活用と新たな価値の創造を目指す科目であることを、情報Ⅰとの違いとして確認する
- 問題の発見→データの収集と明確化→整理・整形→モデル化→処理→分析→評価→改善という一連の流れを、まず一度は通して経験させる
- その際、何のためにその操作をするのか、なぜその操作なのか、結果として何が得られたのかを、操作と結び付けて理解させる
- 教師あり学習・教師なし学習・ニューラルネットワークのうち、いくつかを実際に経験させる(全部を学ぶ必要はない)
- サンプルデータでの処理から、自分たちで集めたデータを加工して機械学習にかけられる状態へ進め、最後は生徒自身が課題を設定して取り組めるようにする
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- 科目
- 情報Ⅱ(2単位)
- 学年
- 高校2年・3年(単位制で合同)
- 時間
- 週4時間・半期で2単位
- 必要なもの
- ブラウザで動くPython環境(記事ではGoogle Colaboratory)
- 前提
- 単位制でプログラミングの履修歴に大きな差がある(情報Ⅰだけの生徒もいる)。広く薄くではなく濃淡を付ける方針
- 学習指導要領と教科書の範囲は広いため、扱う内容を「プログラム」「データサイエンス」「コンテンツ制作」の3つに絞る
- プログラムの前半で、変数・選択・繰り返し・関数・配列の基本を扱う。グループワークにして生徒同士で教え合わせ、履修歴の差を埋める
- 続いてPythonでのグラフの書き方を学ばせ、データサイエンスへつながるようにする
- 後半はモンテカルロ法やガチャのシミュレータなど統計的な題材で問題解決を行わせ、グラフを用いた分析と考察までさせる
- データサイエンス、コンテンツ制作の柱へ進む
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- 科目
- 情報Ⅰ(各単元の振り返り)
- 時間
- 各授業の最後の数分(通年)
- 必要なもの
- 要約に使う生成AI、作曲に使うサービス(記事ではSuno)、授業で使っているプリント、曲を置く公開ページ
- 前提
- 生徒が生成AIを使う環境は不要(教員が作って流す形)
- 授業で使っているプリントを生成AIに渡し、歌詞の形に要約させる
- 歌詞を作曲サービスに入れて数曲作らせ、歌詞が聞き取れるものを選ぶ
- イントロに曲名を入れる。長さは2分以内にして、時間があれば繰り返せるようにする
- AIの読み間違いはあえて直さずに残し、「AIが作るとこうなることもある」と示す材料にする
- 授業の最後の振り返りの時間に流す。単元ごとに作りためて公開ページにまとめる
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- 科目
- 情報の表現と管理(3年選択科目)
- 学年
- 高校3年
- 必要なもの
- micro:bit(人数分)、課題ごとのプログラムリストを載せたプリント
- 前提
- 1年次にプログラミングの基礎を学んでいること。繰り返しは今回扱っていない
- micro:bitの基本操作、つなぎ方、できることを確認する
- 課題1「じゃんけん」をプログラムリストのとおりに写して作らせる(ボタンで音とマークが出る)
- 課題2「おみくじ」も写経で作らせる。乱数と分岐が増える
- 課題3「サイコロ」は、おみくじを改良して条件に合わせる。どこを変えればよいかを考えさせる
- 課題4「落下ゲーム」で変数を説明したうえで写経し、最後にオリジナルのプログラムを作らせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報セキュリティ)
- 学年
- 中学1年(中高一貫で情報Ⅰを中1と高1に分割履修)
- 時間
- 2コマ
- 必要なもの
- 考案を書く紙、回収した紙をスキャンして共有する仕組み、学習管理システム(評価シートの配布用)、教室前のプロジェクタ
- 前提
- 認証の種類(知識情報・所持情報・生体情報)と、それぞれの弱点を先に扱っておくこと
- 実際に届いたスパムメールやなりすまし被害を取り上げ、認証の種類と現状、脆弱性を狙った攻撃を確認する
- 「堅牢にすると手間と時間がかかる」「生体情報はコストがかかる」というシステムと利用者の間の葛藤に気づかせる
- 「楽しさ」「利便性」「操作性」「堅牢性」「利用者の立場に立つ」などの手がかり語を示し、20分で新しい認証技術を紙に考案させる
- 回収してスキャンし、氏名を伏せてユニークなものを選び、次の時間にプロジェクタで全員に見せる
- 他の生徒の考案を「優れた点」「課題となる点」「実用化に向けた戦略」の3つの視点で評価させる
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- 科目
- 情報Ⅰ(データの活用)
- 学年
- 高校3年
- 時間
- 2コマ連続×2回(計4時間)
- 必要なもの
- ブラウザで使えるテキストマイニングのツール(記事ではユーザーローカルのAIテキストマイニング)、表計算の共有シート、スライド作成ツール、事前に採った自由記述アンケートの回答
- 前提
- 相関分析など量的データの扱いを済ませていること。分析用のアンケートを事前に実施しておくこと
- 教科書の質問紙を示し、自由記述は代表値やグラフでは扱えないことから問題提起する
- 教員が用意した通販サイトのレビューを配り、ワードクラウド・出現頻度・共起ネットワークの読み方を例示する
- 生徒が自分で選んだ商品のレビューを集めて分析し、結果のリンクと自分の解釈を共有シートに書く
- 他の生徒の分析を見て、別の読み取り方がないかを書き足させる。あわせてデータの集め方による偏り、解釈の幅、表記の揺れの処理を伝える
- 匿名化した校内アンケートの回答を配り、理想と現実のギャップを見出して改善策を提案するスライドを作らせる
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- 科目
- SSHの学校設定科目(情報Ⅰの代替)
- 学年
- 高校1年・2年
- 時間
- 1年生「データサイエンス」1単位、2年生でさらに展開
- 必要なもの
- p5.js(1年)、Python Tutor(2年)、表計算で扱える身近なデータ、公開統計データ、ブラウザで動く統計処理アプリ
- 前提
- SSHの特別科目として、課題研究につなげる位置づけで設計している
- 1年「Data Science演習」で、ポテトの長さのような身近なデータを使って統計分析を経験させる
- 1年「Code Science演習Ⅰ」で、p5.js を使い、図形を動かしながらコードとイメージを結び付けさせる
- 2年「Code Science演習Ⅱ」で、Python Tutor を使い、FizzBuzzなどを1行ずつ実行して処理の流れを可視化し、デバッグに重点を置く
- 2年の普通科では公開データから問題解決を図る探究、理数科ではWebアプリケーション開発へ分ける
- ブラウザで動く統計処理アプリ(表計算ファイルを上げてクリックで分析)を用意し、探究で使えるようにする
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- 科目
- 情報Ⅰ(デジタル化・光の三原色)
- 必要なもの
- フルカラーLED、タイマーIC555、500kΩの可変抵抗器2個、0.01μFのコンデンサ2個、保護抵抗(120Ω程度)、基板
- 前提
- 教具は教員が自作する。LEDはアノードコモンかカソードコモンかで回路が変わるので、買う前に確かめる
- 教科書の光の三原色の図を示し、画面をルーペで拡大してRGBの点で白ができていることを見せる
- RGBの値を変えて色を作るソフトでも確かめる。ただし画面上の操作にとどまることを押さえる
- タイマーIC555の非安定マルチバイブレータで、ハイとローの比を変えると明るさが変わることを説明する
- 可変抵抗2つの比を変えてR・G・Bそれぞれの明るさを調節し、実物のLEDで色が混ざるところを見せる
- (記事の反省)量産は手間がかかる。明るさを変えず、点灯・消灯の組み合わせだけでも足りる可能性がある
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- 科目
- 情報Ⅰ演習(3年選択)×物理演習の教科横断
- 学年
- 高校3年
- 時間
- 2コマ連続(+後日、専門家の話を聞く回)
- 必要なもの
- エナメル線、LEDライト、リーダライタの付いた自動販売機、結果を集める共有シート
- 前提
- 物理の教員と組むこと。コイルの巻き方の条件とLEDの選定は物理側に決めてもらう
- 「東京で使っている交通系ICカードを、大阪の駅では使えるのに、東京から乗って途中の駅では降りられないのはなぜか」と問い、背景を多面的に考えさせる
- 導入時にエラー率が高かったものをどう下げたのかを、技術と情報デザインの両面から考えさせる
- 改札ではカードを触れているか浮かせているかを聞き、非接触で通信できる理想の距離を考えさせる
- 休憩時間を使い、各自が異なる巻き数・面積でエナメル線を巻いてLEDをつなぎ、自販機のリーダライタに当てて反応する距離を測って共有シートに入れる
- 2時間目にRFIDの仕組みと利点・欠点を扱い、実験結果と結び付ける
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- 科目
- 情報Ⅰ(アルゴリズムとプログラミング)
- 学年
- 高校2年
- 時間
- グループワークは2時間
- 必要なもの
- 共有スライド(グループ数分のページ)、フローチャート作成ソフト(記事ではFlowgorithm)、公開されている演習教材、解説動画
- 前提
- 前週末に授業スライドと解説動画、当日朝にワークシートを配信しておく。4〜5名×8グループを席順で作る
- フローチャートの読み取りを、公開されている動画教材で扱う(記号・変数・代入・順次反復分岐・配列)
- フローチャート作成ソフトで作図し、複数の言語へ書き出させて言語ごとの表現の違いを見せてからPythonに入る
- グループワーク①として「100連ガチャ」の課題を解かせ、グループごとに解答例をスライドに貼って代表者が解説する
- グループワーク②として、FizzBuzzの分岐条件を変えた問題を各グループに作らせ、別のグループが解いて、作った側が解答例を解説する
- 授業直後に模範解答と解説の動画を配信し、各自で定着を確かめさせる
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- 科目
- 「情報デザイン」で本質的に扱うべき内容としての「データとデザインの分離の原則」の提言
- 必要なもの
- ワープロソフトの「文書の概要」表示と読み上げ機能(見出しレベルを設定した文書と、見た目だけ整えた文書を比べるため)
- 前提
- 「情報Ⅰ」で情報デザインが必修化されたが、「読み手にわかりやすく伝えるにはどうするか」に視点が行きがちで、「わかりやすくするために凝ったフォームを作る」方向に走りかねないという問題意識から出発している。/※同じ著者の事例190はこの内容を実践として報告したもので、本文がそのことを明記している
- 見た目が全く同じ2つの文書を並べ、「文書の概要」の表示に違いがあることを示す。片方は見出しの項目が並び、もう片方は何も出ない。文書自体に構造が記述されているかどうかの違いである。文字列を一つずつ選んで大きさ・太字・フォント・罫線・網掛けを設定するのは見た目を整えているだけで、文字列にどんな意味を持たせているかを認識させることにはなっていない
- 2つの文書を読み上げさせると違いが分かる。構造を記述した文書は、どこが見出しでどこが本文かがある程度分かる。目の不自由な方がこの文書の情報を得たいとき、この機能で見出しと本文の構成を認識できる
- 次に見た目だけが違う2つの文書を示し、どちらも「文書の概要」では構造が同じであることを見せる。文書の見た目が変わっても情報の中身は変わらない、つまり見た目と中身は連動しておらず独立している
- 見る環境に合わせて表示させる考え方が「レスポンシブデザイン」で、文章の構造を示すデータと見た目を規定するデザインを明確に分離して考えるものである。構造の示し方には、見出しに大きな括弧を付けて括弧の種類でレベルを表す方法、文字列の前に■や●を付ける方法、HTMLのタグで囲む方法、ハッシュ記号の数で見出しレベルを表すマークダウン記法などがある。記法ごとにルールは決まっているが自分で決めてもよく、大切なのは文章の構造がどうなっているかを意識することだとしている
- この原則はレイアウトの話にとどまらない。世の中によく出回っている申し込みフォームは「百害あって一利なし」だとして、そのように集めたデータの再利用が非常に困難であることを挙げる。データは整理や分析が可能な形で収集されるべきで、誰かに見せるならフォームに流し込んで印刷すればよく、データとデザインは明確に別のものとして扱うべきだと述べている
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- 科目
- 情報Ⅰ(アルゴリズムとプログラミング/シミュレーション)
- 時間
- 2学期。基礎3時間+アルゴリズム2時間+シミュレーション+総まとめ
- 必要なもの
- 学校の端末に入れたPython環境(記事ではAnaconda+Jupyter Notebook)、家庭用にブラウザで動く環境(Google Colaboratory)、外部の学習サービス(記事ではpaiza)、課題プリント
- 前提
- 夏休みのうちに外部サービスで課題をやらせておく。学校と家庭で見た目の揃う環境を選ぶ
- 夏休みの課題として、外部の学習サービスでプログラミングの課題に取り組ませる
- 2学期に3時間ほどかけて、その復習を兼ねて基礎をスモールステップで確認する。授業スライドに「分からなければサービスのどこを見ればよいか」を書き添える
- バブルソートを1時間、乱数の活用を1時間扱う
- 同じ環境でガチャや円周率のシミュレーションを行い、プログラミングに触れ続けさせる
- 総まとめとしてオリジナルのゲームを作らせる。分岐と反復を必ず使うことを条件にし、最後に相互評価する
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報技術の進歩)
- 学年
- 高校2年
- 時間
- 2コマ
- 必要なもの
- 生成AIを実演する教員側の環境、ワークシート、班ごとのA3の紙とサインペン、貼り出す黒板
- 前提
- 生徒自身は年齢制限で生成AIを使えない前提で、教員が実演して見せる形をとる
- AI生成のタレントが出ているCMを見せ、実在しないことを明かしてから本題に入る
- 従来の技術は「考えるのは人、作るのはコンピュータ」、AIは考えるところもコンピュータであることを対比する。画像を判定するアプリを例に、意味を理解しているのではなく学習した中から確率の高いものを選んでいることを説明する
- 教員が生成AIを実演する。事実を尋ねる/計画を立てる/手紙を書く/絵を描くなど種類を変え、でたらめな答えが返る場面も見せる
- ワークシートに、それぞれの問いに何が返ってきたか、それを見てどう思ったかを書かせる
- 活用できそうなことと課題を個人で調べてから班で話し合わせ、A3の紙に書いて黒板に貼り、全体で共有する
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- 科目
- 学校設定科目「SG情報」(英語科との連携)
- 学年
- 高校3年(理系)
- 時間
- 1単位。連携は1学期中間考査まで
- 必要なもの
- スライド作成ツール(記事ではCanva)、動画を撮る環境、提出用の学習管理システム、英語科が作るワークシート
- 前提
- 英語の教科書にプレゼンテーションを扱う箇所があること。3年次に演習の枠を作るため、他教科の単位を組み替えている
- 英語の教科書のプレゼンテーションの単元を、英語科と情報科の共同で扱うことにする
- 英語科主体で、ブレインストーミング・情報収集・考察をワークシートで進める
- 情報科側で、その考察をスライドにまとめさせる
- 顔を出したプレゼンテーション動画を制作させる
- 成果物はリンクで提出させ、クラスごとのリンク集を作って生徒と教職員に公開する。評価は情報分野は考査、英語分野は英語科の考査と活動で行う
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- 科目
- 情報Ⅰ(モデル化とシミュレーション)
- 時間
- 50分1コマ(単元の初回)
- 必要なもの
- 割り当てを書き込む紙の枠と表計算の枠、スライド作成ツール
- 前提
- 単元の導入に置く。表計算の数式を使った本格的なシミュレーションはこの後に扱う
- 5人のアルバイトに8つの仕事を割り振る課題を示し、各人の熟練度がプラスとマイナスで異なること、熟練度が高い人ほどコストがかかることを表とレーダーチャートで見せる
- 「1人に最大3つまで」「仕事ごとの担当人数」「接客と厨房は別の人」「担当者の熟練度の和は0以上」という条件と、コストの合計を最小にするという目標を示す
- 紙の枠と表計算の枠を配り、15分ほど試行錯誤させる(3〜4人のグループを組ませることを勧めている)
- コストだけを最小にすると熟練度がほぼ0に近い配置になることを示し、「料理を美味しくする」など店の方針をグループで決めたうえで、なるべくコストの小さい配置を考えさせる
- 10分でスライドにまとめさせ、振り返りは次時に回す。表計算の数式を使えば同じ試行錯誤が簡単にできることを示して単元本体につなぐ
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- 科目
- 情報科の授業について、校長・元指導主事の立場から述べた10項目の提言(五七五の形式でランキングにしたもの)
- 時間
- 10項目
- 前提
- 長年情報科に携わってきた立場からのメッセージを、第10位から第1位までのランキング形式で述べたもの。/※同じ著者の事例94・130・195・250も提言型の記事
- 第10位「そのデータ 生徒は興味 持っているか」——生徒にとって切実で身近なデータを使う。興味を持てないデータでグラフを作ったり数値をいじるだけで、身近な問題解決につながらない授業に出会うことがある。第9位「プログラミング 試行錯誤 テイクオフ」——「写経」と言われるソースコードを言われたとおりに写す授業やコードの穴埋めだけでは、本当の意味での情報活用能力もプログラミング能力も付かない
- 第8位「ラスト5分 そこが重要 振り返り」——チャイムが鳴ったら終わりにせず、毎時間の最後にその日学んだことを振り返る。第7位「グループで 発表してから 提出ね」——できたものを先生に提出して終わりにせず、仲間同士で発表して相互評価をし、もらった意見を取り入れて改善してから提出する
- 第6位「情報I 共通テストのための科目じゃない」——問題集をやるばかりでは情報活用能力は育めない。もともとの「情報Ⅰ」の目標にしっかり対応していれば共通テストの点も取れるはず。第5位「交流は 授業づくりの 問題解決」——情報科の教員は各学校に一人しかいないことが多いが、一人で悩まずセミナーや交流会に参加して、他の人の授業を知り自分の授業作りに活かす
- 第4位「成果物 ポートフォリオに まとめよう」——ラフスケッチやプロトタイプ、リハーサル前の段階も含めて学習過程をクラウド上に蓄積・整理する。自分の授業を学校内にとどめず全世界に情報発信するつもりで行う。第3位「生成AI 使うの前提 情報科」——学習指導要領の公示時には想像できなかったとしても、教員が今の時代に合わせてアレンジする必要がある。使えない環境ならまず改善する
- 第2位「GIGA端末 情報科でも 使おうよ」——情報科がGIGAスクールの推進役になる。パソコン教室を飛び出してクラウドを活用し、情報科で使うことで他教科での活用も進む。第1位「情報科 活動なくては 学びなし」——生徒同士が話し合い、発表し、相互評価し、試行錯誤することが本当の情報活用能力につながる。座学だけ、問題集を解くだけではない
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- 科目
- 情報Ⅰの制作物を使った文化祭展示
- 時間
- 文化祭の2日間(各日、午前と午後に1時間ずつ開室)
- 必要なもの
- ポスターのテンプレート、大判プリンタ、プログラムを動かせる教室のPC、廊下の展示スペース
- 前提
- 新たに作品を作らせない。1年次の情報Ⅰで作った制作物をそのまま使う
- プログラミングに関心のある生徒が自由に参加する場(記事では学習管理システム上のクラス)を作り、授業で作った作品を投稿し合わせる
- そこで出展したい生徒を募る。授業を受けていない1年生は作品を出さず、運営を担当させる
- ポスターのテンプレートを配って各自に作らせる。時間の取れない生徒には、1年次の振り返りシートの記述を使って教員側で作る
- 大判プリンタで印刷し、PCにゲームを表示して横にポスターを貼る。壁面には全作品の紹介と、情報科の授業紹介も貼る
- 当日は開室を各日2時間に限り、それ以外は施錠して廊下の展示だけを見せる。開室中はメンバーが来場者に説明する
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- 科目
- 情報Ⅰ
- 学年
- 高校1年
- 時間
- アルゴリズム3時間+プログラミング複数回
- 必要なもの
- ブラウザで動くプログラミング環境(記事ではPyTry)
- 前提
- とくになし(1学期のアルゴリズムから始める)
- 1学期にアルゴリズムを3時間扱い、カップラーメンを作る手順を言葉で書き出させる
- 実際の商品の手順表記を見比べ、粗すぎても細かすぎてもいけないことを確認する
- トランプの並べ替えの攻略法を考えさせ、代表的な整列の方法を紹介する
- 2学期は同じ構造のプログラムを1時間に1つ、題材を変えて繰り返し作成する
- 2か月以上あけてから、総まとめの題材に取り組ませる
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- 科目
- 情報Ⅰ(コンピュータとプログラミング)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- プログラミング単元の総まとめとしての課題実習
- 必要なもの
- Python環境とテキストエディタ、生成AIを使える環境、オンラインのプログラミング学習教材
- 前提
- アルゴリズムの基本制御構造、モデル化とシミュレーションを先に扱っておくこと。生成AIの説明も済ませておく
- 自分たちが解決したい問題を意識してプログラムを作る課題を示す。関数、乱数、条件分岐または繰り返しを使うことを条件にする
- 生成AIを使ってよいが、「作ったコードを1行ずつ完璧に説明できること」を条件として明示する(誤りや不審なコードが混じる前提に立たせる)
- 出てきたコードをそのまま貼らず、必ず自分たちの「こだわり」を入れて一手間加えることを求める
- 教員が例示する。あえて60点程度の作例を示し、工夫の余地を残す
- 生徒が制作し、最後に発表会を行う
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- 科目
- 情報Ⅰ(単元の基礎的な学習とPBL)
- 時間
- 基礎は2時間続き/単元の後半にPBLをもう1サイクル
- 必要なもの
- 資料を共同編集できるツール、生成AIを使える環境、発表を聞きに回れる机の配置、活動ごとのルーブリック、Webアンケートの仕組み
- 前提
- 「習得→活用→探究」の段階を教員が設定せず、生徒が行き来できるように単元を組む。教員の一斉説明はほぼ置かない。活動前にルーブリックを提示して到達段階を示す。単元の後半で、基礎の学習が終わったところからPBLをもう1サイクル回す
- 【基礎・デジタル表現】活動の流れと中学校での学習の復習だけを短く伝えたあと、数値・文字・音・画像・動画の5つから班ごとにテーマを選ばせ、デジタル化の仕組みの説明資料を作らせる(教科書・記事・生成AIとの対話を使ってよい。使うソフトも自分たちで決めさせる)
- 班の全員が同じ説明をできるよう内容を決めさせ、各班1人を残して他は聞きに回る形で、持ち時間5分の説明と質疑を何回か繰り返す。個人で相互評価と振り返りを行い、重要事項は確認クイズで押さえる
- 【基礎・プロンプトエンジニアリング】「効果的なプロンプトを書くときのポイント」を班で調べて資料を共同編集させ、1分で発表させる(ポイント/効果的なプロンプトとそうでない場合の回答の違い/書くためのアドバイス、の3点を入れさせる)
- 【PBL・アンケート】「仮想の行政職員として施策を提案する」という設定を与え、クラスにWebアンケートを採って可視化し、実態を明らかにしたうえで立案させる。プレゼンは動画で提出させ、相互評価する
- 【PBL・Webデザイン】仮想の学校を考え、その生徒募集のWebサイトを作らせる。企画書の段階でユーザー分析→問題の定義→どんな学校にするか(教育理念まで)を決めさせ、プロジェクトマネージャー・ライター・デザイナー・コーダーの4役に分担して制作させる。統合テストのあとギャラリーウォークで、企画書とサイトを見比べて相互評価する
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- 科目
- 情報Ⅰ
- 時間
- 50分×2コマ連続(前時の設計を含む)
- 必要なもの
- 家庭用ルータ、スイッチングハブ、長さで色分けしたLANケーブル、ディスプレイにつないだRaspberry Pi
- 前提
- 前時にネットワークの仕組みと用語を学び、構成図を作っておく
- 前時に、ネットワークの仕組みと用語を各自の方法で学び、班ごとにまとめて共有する
- くじで引いた条件に沿って、班ごとに部署のネットワーク構成図を作る
- 本時は構成図に従って実機を配線する。指示は「構成図のとおりに接続する。機材はここにある」だけにする
- 作業前に、他の班とプライベートIPアドレスが重複していないかを確認させる
- わからないところは生徒自身に調べさせ、教員は答えを与えない
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- 科目
- 学校設定科目「課題研究(情報)」
- 学年
- 高校1年・2年(各1単位の分割履修)
- 必要なもの
- 共通テスト模試、生徒が主体的に取り組める課題設定
- 前提
- 学力層が違っても授業の内容と方針は変えない。授業の大枠と方向性は教員が用意し、その中で生徒に取り組ませる
- 授業の大枠と方向性を教員が決めたうえで、生徒が主体的に取り組む形にする(教員が話す時間を減らす)
- 一斉に同じ内容を同じペースで進める形から、個別最適な学びの中で協働する形へ寄せる
- 文理を問わず複数の分野からアプローチが必要になる題材を扱う(記事では完全自動運転を例に、技術に加えて法学や心理学の視点が要ることを示す)
- 共通テスト模試を用いて、生徒の到達状況を把握する
- 模試の結果を踏まえて授業や指導を調整する
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- 科目
- 専門学科情報科(学校設定科目・課題研究)
- 学年
- 高校2年・3年
- 時間
- 2年次と3年次の通年
- 必要なもの
- システム開発の環境、外部連携先(記事では県立の短期大学)、発表会の会場と配信環境、レポートを冊子にする手立て、ルーブリック
- 前提
- 専門学科情報科(専門教科25単位以上)。教員が複数いること。3年次の課題研究を到達点として全体を設計する
- 2年次「SPアルゴリズム」の1学期に、データベースなどの基礎を習得させる
- 2学期から、架空の会社の販売顧客管理システムを班で開発させる。1人が1画面を担当し、班で連携して1つのシステムにする
- 一度完成させて中間発表を行い、そこからカスタマイズして最終発表へ進める(大きな探究の中で小さな探究を回す)
- 3年次「AIとデータサイエンス」で、高度な数学には踏み込まず、課題解決型の実習でAIに触れて使えるようにする
- 3年次の課題研究で各自が課題を設定し、外部公開の発表会・レポートの冊子化・配信までを行う。評価は生徒自身のルーブリック記入を含める
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- 科目
- 情報Ⅰ(アルゴリズムとプログラミング・シミュレーション)
- 時間
- 50分×2コマ/※事例325は同じ実践の見学記事で、11月開始・前半micro:bit 5回+後半Pythonという全体設計が書かれている
- 必要なもの
- Pythonが動く環境、12段階に分けた課題の資料(紙とPDFの両方を用意する)、4人1組で座れる教室配置
- 前提
- 4月の最初の単元から、生徒が自分で問題を選ぶ授業にしておくこと
- 出欠を取り、その日に何をするかを10〜12分だけ説明する。以降は教員から一斉に説明しない
- 席の移動を自由にし、資料は紙でもPDFでも生徒に選ばせる。分からないときは周りに聞きに行かせる
- 「100連ガチャで当たりの出る確率」のような身近な題材で、基本課題6問・応用課題6問の計12段階を各自のペースで進めさせる
- 最初の1問だけ3行程度のコードを写経させ、次からはそれをコピーして書き換えさせる。どこを変えたからどう変わったのかを意識させる
- 15分ごとに区切って全員の進み具合を確認する。最後まで進んだ生徒はオリジナルのプログラム制作に移らせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(データの活用/情報社会・知的財産)
- 時間
- テーマごとに2時間ずつ
- 必要なもの
- 白書や報告書のデータを表計算の形に整えたファイル(教員が用意する)、表計算ソフト
- 前提
- 基本統計量・散布図・相関を先に押さえておくこと。オープンデータの取得と整形は教員側で済ませ、生徒は分析から始める
- 教科書の天気やテスト結果のデータは数学でも使われ既視感があること、オープンデータは取得と整形に時間を取られることを踏まえ、白書・報告書のデータを教材にする
- 個人情報(情報通信白書、漏えい事例)、情報セキュリティ(警察白書、情報セキュリティ白書)、知的財産(特許行政年次報告書)の3テーマ分を、表計算のファイルにして配る
- テーマごとに2時間かけて読み取りと分析を行わせる。分析方法は指定せず、見方と結果を必ず示させる
- 「2つのデータを組み合わせて複合的に分かることを考える」といった縛りを、テーマによって付けたり外したりする
- 何が分かったか、どんなデータがあればもっと分かったかを書かせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報通信ネットワーク)
- 時間
- 1コマ程度
- 必要なもの
- ブラウザ、クラスの共有フォルダ、公開鍵暗号の体験用Webツール(無料公開)
- 前提
- 暗号化と復号の用語を扱っていること
- 席替えでペアを作る
- 各自が受信者としてWebツールで秘密鍵を作り、自分の端末に保存する
- 秘密鍵から公開鍵を作り、氏名を付けてクラスの共有フォルダに置く
- 送信者としてメッセージを書き、ペアの公開鍵で暗号化して共有フォルダに置く
- 自分の秘密鍵で復号して読む
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- 科目
- 情報Ⅰ(プログラミングの課題採点の仕組み)
- 必要なもの
- 学習管理システム(記事ではGoogle Classroom)、フォーム、表計算、GAS(Webアプリ化用)
- 前提
- 生徒全員が組織のアカウントを持つこと。採点自体は教員が行い、進捗の見える化だけを自動化する
- フォームの回答先を1つの表計算ファイルにまとめ、課題のスコアを1か所に集約する
- VLOOKUPとINDIRECTで生徒ごとの一覧表にし、IMPORTRANGEで複数ファイルを1つに集約する
- その一覧をGASでHTMLに書き出し、生徒が自分の取り組み状況とスコアを見られるWebアプリにする
- アクセス権を組織内に限り、常に本人のアカウントを関数の引数にして、自分の情報しか出ないようにする
- 提出をSORT関数でタイムスタンプ順に並べ、上から順に採点する。未採点は空欄のまま残るので、生徒には「採点待ち」と見え、再提出の結果も追える
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- 科目
- 情報Ⅰ(観点別評価)
- 学年
- 高校2年(40人×8クラスを1人で担当)
- 時間
- 年間
- 必要なもの
- シラバス(単元ごとの評価方法を明示したもの)、知識習得用の動画、単元テスト
- 前提
- 学校として定期考査を廃止し、教科ごとに単元テストを置く体制にしていること。評価は目の前の生徒の実態に合わせて決めるもので、そのまま流用はできない
- 年間の計画をシラバスの形で示し、全単元でどのように評価するかを生徒に明示する
- 知識の習得は動画配信で自学させ、授業時間は問題の発見・解決の活動にあてる
- 客観テストだけに寄らず、自由記述・図・観察・実技・成果物・ポートフォリオを組み合わせて評価する
- 単元の区切りごとに単元テストを行い、定着を確かめる
- 生徒が自分の学習状況を把握できる状態を作り、自己調整の様子を「主体的に取り組む態度」として見取る
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- 科目
- 情報Ⅱ(文系選択)
- 学年
- 高校2年
- 必要なもの
- micro:bit(温度計測用)、風速を測る道具、アンケートの仕組み、文献を調べる環境
- 前提
- 情報Ⅰでプログラミングとデータ分析を学んでいること。プログラミングを「ものづくり」ではなく「計測と分析」に使う方向で設計する
- 身近な問題を出させ、その中からセンサで計測できるものを選ばせる(記事では教室内の暑い席・寒い席)
- まずアンケートで体感を集め、座席表に色分けして傾向を見せる
- 順序尺度のデータを平均していないか、体感の個人差を無視していないかを教員が問い返す
- 文献調査で先行研究を確認させる(体感温度の個人差、足元の気流や体幹の温度の影響)。そこから測る場所を机の上・机の下・気流に絞らせる
- 同じ被験者に全座席で1時間授業を受けてもらい、micro:bitで5秒ごとに温度を測りながら、体感と表面温度の変化を記録する
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- 科目
- 情報Ⅰ(問題解決・情報デザイン・データの活用)
- 学年
- 高校2年
- 時間
- 3時間(記事では3時間半かかっている)
- 必要なもの
- A4のコピー用紙、手順書を書く紙、飛距離を測れる広い場所(記事では講堂の床に2mごとの表示)、箱ひげ図を描ける端末
- 前提
- 単元の冒頭に置く。教科書は最後まで開かない
- 「A4用紙でよく飛ぶ紙飛行機を作る」を目標として示し、作り方と飛ばし方を2つ以上のサイトや動画から調べさせる
- 20分で紙飛行機を折り、残り30分でその折り方を伝える手順書を手書きで作らせる。過去の分かりにくい手順書を見せて、番号・矢印・図解を意識させる
- 広い場所に移り、決めた位置から各自10回飛ばして飛距離を記録する(先に10分の練習時間を取る)
- 「よく飛ぶとはどういうことか」を問い、最大値・最小値・平均値・中央値のどれで表すかを考えさせて、箱ひげ図を描かせる
- ここで初めて教科書を開き、いま行った活動が教科書の問題解決の流れと同じであることを確認して、身の回りのものが何の問題解決なのかを考えさせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(データの活用・データベース)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 2時間連続の授業
- 必要なもの
- フォームと表計算(記事ではGoogleフォームとスプレッドシート)、SQLを学べるオンライン教材
- 前提
- 冬休みの宿題として、オンライン教材でSQLを一通りやらせておく。授業では基礎の確認から始める
- 自走学習で学んだSQLの「選択」「射影」「結合」を授業で確認する
- クライアントサーバ型の情報システムがWeb3層構造になっていることを説明する
- 元になるフォームの回答が入った表計算ファイル(データ層)を用意する
- IMPORTRANGE関数で自分の表計算ファイルへ取り込ませる(アプリケーション層)。元が更新されると自分側も更新されることを確かめさせる
- QUERY関数で必要なものだけを取り出させ(プレゼンテーション層)、3層構造を作業しながら実感させる
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報社会・生成AI)
- 時間
- 最低3時間
- 必要なもの
- テキスト・画像・音楽を生成できる環境
- 前提
- 「生命情報・社会情報・機械情報」の3つの情報概念を扱えること。基礎情報学の視点から生成AIを捉え直す設計
- 「使ってみよう」の段階として、生成AIで文章・画像・音楽を自由に試させる
- AIは自律的に見えても、ルールが外部から与えられた他律システムであることを押さえる(人間が設計し、学習データに基づいて動く)
- 「理解しよう」の段階として、生成AIの仕組みをダイジェストで扱う
- 3つの情報概念のうち、コンピュータが扱うのは意味が欠落した「機械情報」であることを示す(数式を意味を考えずに写すことと同じだという例で説明する)
- 「考えよう」の段階として、生成AIを倫理的にどう使うか、技術をどう批判的に評価するかを考えさせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(コンピュータとプログラミング)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- プログラミング全体で10時間前後。うち制作は4時間
- 必要なもの
- Python環境、Processing、生成AIを使える環境、相互評価の仕組み
- 前提
- Pythonを先に扱っておくこと。生成AIは「ノーコードで作らせる」ためではなく、新しい言語を覚える負担を減らすために使う
- Pythonで情報オリンピック予選の課題などに取り組み、プログラミングの基礎を固める
- 最後に「プログラミングは楽しい」と思える作品制作の時間を置き、Processingで動画やゲームを作らせる
- 制作の条件を示す。何を調べてもよい、友達に聞いてもよい、生成AIを使っても使わなくてもよい、ただし公序良俗に反しないこと
- 4時間で制作させる。新しい言語の細かい書き方は生成AIに聞かせ、こだわる部分は自分で調整させる
- ギャラリーウォーク方式で相互評価する。制作者が自分の画面でアピールし、「技術」「努力」「芸術性」を各5段階で評価し合う
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- 科目
- 情報Ⅰ(データの活用・相関分析)
- 必要なもの
- 表計算ソフト、分析対象のデータ、成果物の評価基準表
- 前提
- 複数校・複数の教員で同じ内容の授業を行い、同じ基準で評価する枠組みで実施している。1校1人では基準を比べられないという課題への対応
- 学習目標を「相関を用いた分析ができる」「関係を適切に考察できる」「成果を表現できる」の3つに定める
- 既存の成果物(記事では38点)を複数の教員がそれぞれ見て、評価したい項目を各自で挙げる
- 挙がった項目を持ち寄って似たものをまとめ、観点を設定する(記事では「ソフトウェア技能力」「分析力」「思考的活動力」の3つ)
- 観点ごとに段階の基準を作る(適切なグラフの数、相関の判断の深さ、結果と考察の記述の到達度)
- 複数校で同じ授業を行い、同じ基準で成果物を評価して、基準そのものを検討する
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- 科目
- 情報Ⅰ(コンピュータとプログラミング)
- 時間
- 2学期。言語を選ぶ授業を夏休み前に1コマ
- 必要なもの
- 4種類の言語(記事ではPython・JavaScript・VBA・Scratch)の実行環境、言語を選ぶアンケート
- 前提
- 言語を統一しない。到達点は同じでも、そこへ至る道筋は生徒ごとに違ってよいという設計
- 夏休み前に1コマ取り、2学期からプログラミングを行うことを10分ほど説明する
- 4つの言語について、特徴・使われている分野・難易度・実際のコード例を10分ほどで示す
- 20分の自由時間を取り、友達と相談したり自分で調べたりさせる
- 最後の10分でどの言語を選ぶかアンケートを取る。夏休み中に考えが変わってもよいので、後日の修正を認める
- 2学期に、生徒が選んだ言語で授業を進める
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報通信ネットワーク)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 構築実習は1コマ(記事では1コマで終わらなかった)。前に3回の学習を置く
- 必要なもの
- 班の数だけの家庭用無線LANルータ(記事では10台+予備1台)、上位のルータ、ハブ、LANケーブル、掲示板を置いたWebサーバ、リセット用のクリップ、課題項目と設定書
- 前提
- パケットやルーティングの実習を済ませていること。つなぎ方やファイアウォールの設定の動画を授業サイトに置いておくこと
- 長期休業の宿題として、ネットワーク構築を扱った公開の動画教材で予習させる
- ネットワーク機器の役割・配線・プロトコル・ルーティング・暗号化を、紙面上の配線実習なども交えて扱う
- 4人1班に、ルータ一式(ACアダプタ・LANケーブル・リセット用クリップ)と、課題項目・ルータ設定書を配る
- 班全員で初期状態のルータに無線接続し、pingで互いに疎通を確認して、既定ではどうつながるのかを確かめる
- 設定書に沿ってWAN側IPアドレス・デフォルトゲートウェイ・DNS・LAN側IPアドレス・DHCPの接続台数を設定し、上位ルータへの疎通とWebサーバの掲示板が見えることで確認して、最後に初期化して返却する
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- 科目
- 情報Ⅰ(コンピュータとプログラミング)
- 学年
- 高校3年
- 時間
- 10時間(前期中間試験前まで)。うち自由制作3時間
- 必要なもの
- ブラウザで動くPython環境(記事ではPyTry)、市販の副教材、例題をアレンジした自作の練習問題
- 前提
- 3年次に情報Ⅰを置いており、12月末で授業が終わるため時数が少ない。共通テストを受ける生徒と受けない生徒が混在する
- 年度初回の授業でアンケートを取り、入試への不安がどこにあるかを把握する(記事ではプログラミングに集中していた)
- 不安の大きい単元を先に置く。4月中旬からプログラミングを開始する
- 基本的な内容は市販の副教材で押さえ、その例題をアレンジした自作の練習問題を解かせて時間を節約する
- 最後の3時間を自由制作にあてる。input文・print文・乱数のライブラリを使うことだけを条件にし、他は制約を付けない
- 評価は「作りたいものが作れたか」で見る。特定の構文を使ったかどうかで加減点しないことを生徒に明言する
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- 科目
- 情報Ⅰ(データの活用)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 3学期
- 必要なもの
- 教育用に整形された統計データセット(記事ではSSDSE)、表計算ソフト、数学Ⅰの教科書
- 前提
- 数学ⅠのPPDACとデータの分析を2学期までに終えていること。生のオープンデータは使わない
- オープンデータをそのまま使うと、量が多すぎ、形式が揃わず、目標も立てにくいことを踏まえ、教育用に整形されたデータセットを使う
- PPDAC(Problem・Plan・Data・Analysis・Conclusion)を数学Ⅰで学んだものとして確認する。スライドに数学の教科書のページ番号を書き添える
- 班で分析を進める。「今2つ目のPだから次はD」と段階を共有できるようにする
- 整形済みのデータセットから対象を選び、分析させる
- 結論から次の問題を見つけられないかを考えさせ、サイクルを回す
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- 科目
- 情報Ⅰ(入試対応の学習計画)
- 学年
- 高校2年(1年と3年に授業がない)
- 必要なもの
- 公開されている授業・研修用の動画コンテンツ、外部コンテストの募集情報、校内の実力試験や模擬試験
- 前提
- 入試方式ごとに必要な対応が違う。共通テストの配点比率も大学ごとに異なるため、一律の時間配分は決められない
- 入試方式を整理する。総合型選抜では学外の発表実績が求められる場合があるためアドミッション・ポリシーを確認し、学校推薦型選抜では評定のため全授業に取り組ませる
- 総合型選抜を目指す生徒には、外部のコンテストへの応募を勧める
- 情報Ⅱを開講していなくても、公開されている動画コンテンツで生徒が自力で探究を進められるようにする
- 一般選抜については、志望大学ごとの配点比率を調べて時間配分を個別に判断する
- 配点が今年度ゼロでも次年度から加わる大学があるため、浪人を視野に入れる生徒には、校内の実力試験や模擬試験を準備して受けさせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報社会の問題解決・情報モラル)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 4時間(調査3時間+教科書での整理1時間)
- 必要なもの
- 検索できる端末、共有のスプレッドシート、回答を集めるフォーム
- 前提
- 年度の最初の単元として置く。教科書は4時間目まで開かない
- オリエンテーションの回に、教員自身の名前を生徒に検索させ、自分の気づかないところにも情報が残り続けることを実感させる
- 「炎上とは何か」を説明し、過去の炎上事件を各自で調べる。同じ事件について2本以上の記事を読み比べさせ、共有シートに集める
- 事件を1つ選び、3つ以上の記事から経緯を時系列に整理し、何が問題だったかをフォームで提出させる。あわせて炎上時の対応(無視・反論・謝罪・留保・削除)それぞれの利点と欠点を扱う
- 炎上や拡散に関与するとどの罪に問われるか、具体的にどのような行為が該当し、どこからが該当しないかを、根拠となるURLを2か所以上つけて共有シートに整理させる
- 4時間目に教科書を開き、ここまでの3時間の活動を教科書の記述と照らし合わせて整理し、問題演習を行う
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- 科目
- 情報Ⅰほか(生成AIの校内利用)
- 時間
- 導入の初回授業+各教科での活用
- 必要なもの
- 生徒全員分のアカウント、学校として安全性を確認した生成AIの環境
- 前提
- 偏差値50・1学年9学級の規模で実施している。「あの学校だからできる」と切り捨てず、使えるところだけ持ち帰ってほしいという趣旨で報告されている
- 学校として安全な環境を用意する。生徒が打ち込んだ内容が学習されて他者に出る可能性があることを前提に、安全性を最優先で確認する
- 導入の初回授業で、使ってよい場面と使ってはいけない場面を考えさせる(「東京駅まで移動する」なら交通手段を選ぶが、「マラソン大会で8km走る」ならタクシーは使わない、という対比で説明している)
- 一人ひとりの学習を支える使い方を試す(個別最適な学びのサポート)
- 生徒が自分の思考を深めるための道具として使う方向を試す
- 授業事例として記録し、校内で共有する
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- 科目
- 情報Ⅰ(データベース・データサイエンス入門)
- 時間
- 2コマ
- 必要なもの
- オンラインのデータベース学習システム(記事ではsAccess)、バーコードリーダー
- 前提
- ネットワークを2学期に履修済みであること。3学期のテーマ「社会と未来」の中に位置づけている
- 身の回りのデータがどう使われているかを問い、ATMや交通系ICカードなどが「情報システム」であることに気づかせる
- POSシステムを取り上げ、実際にバーコードリーダーで読み取って見せる。金額計算だけでなく販売記録が更新され在庫管理や発注につながることを示す
- ネットワークという「道路」の上をデータが飛び交い、それを1つにまとめて共有できるようにするのがデータベースだと確認する
- データベース学習システムにログインし、選択・射影・結合の操作を教員が実演する。欲しい結果を出すためにコマンドをどう組み立てるか(構造化)を考えさせる
- 2つの表をつなぐには何がキーになるかに気づかせ、「朝の時間帯にいちばん売れているものは何か」などの問いを自分で解かせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報通信ネットワーク)
- 必要なもの
- 2つの通信方式の仕組みを示すアニメーション付きスライド、それぞれの方式を推す技術者の文章(各1ページ程度)
- 前提
- 探究のうち「問いと手順は決まっていて、答えは生徒ごとに異なる」型(構成された探究)として設計する。短時間でも成立する
- 「今は1960年です」という想定を示し、コンピュータ同士をつなぐには回線交換とパケット交換のどちらがふさわしいかを、理由を付けて答える問いを出す
- 実験とアニメーションのスライドで、それぞれの方式の仕組みと特徴を理解させる
- それぞれの方式を推す技術者の文章を読ませ、どこが違うのかを考えさせる(まず個人、次に班、そして発表)
- 重視している点の違いに気づかせる(速度を重視するか、接続台数を重視するか)
- 自分はどちらを推すか、理由を付けて答えさせる
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- 科目
- 情報Ⅱ(総合学科・単位制・三部制の学校)
- 学年
- 2年次以上
- 時間
- 年間(章ごとに考査で区切る)/※同じ著者の事例278は同じ学校の「情報Ⅰ」の授業実践(題名はほぼ同じだが科目が違う)
- 必要なもの
- パソコン教室、1人1台端末(記事ではiPad)、課題提出と考査に使う学習管理システム
- 前提
- 中学校までに不登校を経験した生徒が多く、学力とニーズの幅が広い。登校時間帯が3つに分かれ、卒業年次も3〜6年と幅がある。情報科の教員4人で授業案を作る
- 1年次に情報Ⅰと、小中の復習やパソコンの使い方を扱う学校設定科目を必ず履修させる
- 情報Ⅰの履修後、2年次以上で情報Ⅱか専門科目(プログラミング、コンテンツ制作)を選べるようにする
- 情報Ⅱは教科書に沿って、章ごとに考査で区切る計画にする(情報社会→コンテンツ→データサイエンス→情報システム)
- 毎回、出欠確認とタイピング練習を行い、遅刻してくる生徒に対応しながら本題に入る
- 課題の提出と考査は学習管理システムで行う
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- 科目
- 情報Ⅰ(コミュニケーションと情報デザイン)
- 必要なもの
- プロト・ペルソナ作成支援シート(教員が用意する)
- 前提
- データ収集によるユーザ像のパターン化は省く。高校では時間と技能が足りないため、擬人化と優先順位付けに絞る
- 作ったものを誰がどんなときに使うのかを想定できていない制作物の例を示し、問題意識を持たせる
- 人間中心設計とペルソナ手法の考え方を扱う(代表的なユーザ像を作ってから設計する)
- 支援シートを使って、ユーザ像に具体的な情報を与え、実在の人物のように書かせる(擬人化)
- 複数のユーザ像に優先順位を付けさせ、コンテンツへの要求を取捨選択させる
- そのユーザ像を前提にコンテンツを設計・制作させる
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- 科目
- 情報Ⅰ(生成AIを組み込んだ年間計画)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 年間
- 必要なもの
- 校内に閉じた生成AIの環境(入力が外部で学習されないもの)、1人1台端末、学習プラットフォーム
- 前提
- まず高校1年と全教員に限り、機能を限定して試行する。段階を一方向に上げるのではなく、学習サイクルを何度も往復させる設計
- 生成AIを使う前に、テキストを読み合って知識を共有する協働学習を行い、素地を作る
- その協働学習を「質問する側」と「答える側」に分けて行う。質問する側は知りたい答えが得られる問いを作り、答える側は資料を調べて返す
- 受け取った回答が知りたかった答えになっているかを確かめさせ、問いの立て方と回答の検証が必要なことを体験させる
- 校内に閉じた環境で生成AIの実習を行う
- 年間を通じて同じサイクルを繰り返し、段階を行き来しながら情報活用能力を高める
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- 科目
- 総合的な学習の時間「ゼミ活動」
- 学年
- 中学2年(18名)
- 時間
- 4月から通年
- 必要なもの
- ブロック型プログラミングのロボット教材(記事ではレゴ マインドストーム)、競技のルール
- 前提
- 高校1年の個人研究(10000字の論文)の準備段階として位置づける。「問いを立てる」を最初に求めない
- 4〜5月に基本的な知識を導入する
- 6〜10月は経験値をためることに集中する。競技のルールを課題として与え、プログラミングで工夫して解く経験を積ませる
- ロボットの製作工程を自分で想像できる状態にする(作れないものを構想しても活動に移せないため)
- 問いを立てたくなる環境に置く。教室で「課題を考えなさい」と言うだけでは思い付かないという前提に立つ
- そこで生まれた問いをもとに、生徒自身が課題を立てて取り組む
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- 科目
- 情報Ⅰ(年間計画の見直し)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 2単位・45分7時間授業
- 必要なもの
- パソコン教室、1人1台端末、オンラインのプログラミング学習サイト、解説動画
- 前提
- 共通テストは3年次に受けるが、情報Ⅰの履修は1年次。教科書の並び順で進めると復習しやすい
- 教科書の流れに沿って年間計画を組み、各学期に大きな実習を1〜2回入れる
- 夏休みにオンラインのプログラミング学習サイトを宿題として与える
- 冬休みに解説動画を見て感想を書く課題を出し、3学期につなげる
- パソコン教室のPCと1人1台端末の役割を分ける(端末は手元で見るためのビューアーとして使う)
- 生徒のコメントを見て、翌年度に難易度の設定を調整する(記事では共通テストを意識しすぎた反省が挙げられている)
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- 科目
- 情報Ⅰ(総まとめ「技術と人間の接点」)
- 時間
- 2回(最終回)
- 必要なもの
- 表裏が白黒のタイル25枚以上、黒板、QRコードの例
- 前提
- ユーザーインタフェースとUXを3学期に扱っていること。1年間の総まとめとして、問題解決だけが情報科の目的ではないことを伝える回
- 3学期に行ったUX改善の実習を振り返る(利き手が使えないときでも貼れる絆創膏など)。「頑張れば出来る」ではなく「頑張らなくても出来る」を目指す考え方を確認する
- 壊れないものはないという前提から、異常時に安全側へ倒す設計(フェイルセーフ)を扱う。踏切の遮断機が停電時に重力で閉まる例で説明し、他のものでも考えさせる
- ミスをしない人はいないという前提から、ミスしても危険を回避する設計(フールプルーフ)を扱う。加熱中にドアを開けると止まるレンジなど
- 黒板に白黒のタイルを5×5で並べて記憶させ、教員が1行1列足して6×6にする(縦横の黒が偶数になるよう仕込む)。1枚裏返させて、どこを裏返したか当てる
- 種明かしとして、これがパリティビットの仕組みであることを示す。QRコードが3割汚れても読めることにつなげ、根性論ではなく技術で誤りに備える考え方を伝える
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- 科目
- 情報Ⅰ(問題解決・データの活用)
- 時間
- 3時間(このあとに自分たちで調査する授業へつなぐ)
- 必要なもの
- 矛盾する2つの文章を比較できる協働学習ツール(記事ではEDDiE)、表計算ソフト
- 前提
- 散布図と相関係数の概念を数学で2学期の終わりに学んでいること
- 第1回:「教育予算と学力テストの得点に相関係数0.2の相関がある」というデータについて、相関があるから予算を増やすべきという主張と、相関はないという主張の2つの文章を読ませる
- なぜ矛盾が生じたのかを考えさせ、発信する側の立場による評価のバイアスに気づかせる。続いて自分の中にあるバイアスを考えさせる
- 第2回:朝食の頻度と学力テストの成績の相関を扱い、相関があっても因果関係があるとは言えないことを学ばせる
- 第3回:相反する2つのダイエット方法の効果を扱い、調査対象・期間・サンプル数の違い、仕組みの違いを考えさせる
- この3時間の後、自分たちでアンケートを取って相関係数を計算し、結果から言えることを考える授業につなぐ
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- 科目
- 情報Ⅰ(アルゴリズムとプログラミング)
- 時間
- 11月開始。前半micro:bit 5回+後半Python/※事例352は同じ実践を鎌田先生ご本人が全国大会で発表したもの(この記事は見学記事)
- 必要なもの
- micro:bit、Python環境、フローチャート、論理回路と真理値表の教材
- 前提
- 生徒がつまずくのは反復構造だという判断から、前半5回は順次と分岐だけで進める。反復は後半で扱う
- micro:bitでハードウェアとソフトウェアの役割、入力と出力の関係を体験させる。コードの1つずつと並び順に意味があることを押さえる
- 前半5回は順次構造と分岐構造だけを使い、変数・乱数・関数を各自のペースで学ばせる
- Pythonに入る前に、論理回路と真理値表でコンピュータの演算の仕組みを扱う
- 順次と分岐を復習してから反復構造を導入し、3つの基本構造をそろえる。フローチャートに対応した簡単なコードを書かせながら、print・if・else・for、比較演算子、字下げを扱う
- 「公平な発表順を瞬時に決めるプログラム」でリストとモジュールを扱い、使う場合と使わない場合を比べさせる。そのうえで「100連ガチャ」のシミュレーションへ進む
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- 科目
- 情報Ⅰ(プログラミング/生成AIの活用)
- 時間
- 1コマ
- 必要なもの
- 1人1台端末、生成AIを使える環境、付箋を書き出せる共有ツール、教員が用意したプロンプトの例3種
- 前提
- 生成AIを「あるから使う」のではなく、どの場面で使うと効果的かを考えさせることが目的。1コマに収めるため、プロンプトは例を用意しておく
- 教員が生成AIに作らせた簡単なゲーム(モンスターを倒すだけで、常に最大火力・ランダム要素がない)を生徒に遊ばせる
- それがどんなゲームか、普段遊んでいるゲームや人気のあるゲームとどこが違うかを話し合わせる
- もっと面白くするための指示を考えさせる。時間が限られるため、教員が用意した3パターンの例で生成AIに修正させ、動くところを体験させる
- ゲーム制作の流れから「生成AIに今すぐ任せられる作業」と「すぐには難しい作業」を書き出して整理させる(難しい生徒には日常生活の話に広げる)
- 人間が生成AIをどう使うべきかを考えさせる
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- 科目
- 課題研究(情報の専攻コース)・情報モラル
- 学年
- 高校3年が作り、高校1年が実施する
- 時間
- 週2時間の課題研究の時間
- 必要なもの
- 公開されているすごろく形式の情報モラル教材(記事では愛知県警のサイバーポリスゲーム)、印刷したカード、事前・事後のアンケート
- 前提
- 盤面は既存のものを使い、変えないこと(記事の1年目は盤面づくりに時間を取られ、問題やクイズの検討が薄くなっている)
- まず既存の小学生向け版を実際に遊ばせ、教材の仕組みを体験させる
- 高校生向けの「問題発生カード」の質問と「クイズカード」の問題を考えさせる
- それぞれの解説を作らせる。この作業を最も重要なものとして位置づける
- 「なぜその内容を取り上げたのか」を書かせ、ネットで見かけた問題なのか自分の周りにある行動なのかを考えさせる
- 完成したゲームを下級生の授業で実施し、作った側と遊んだ側の双方から振り返りを取る
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- 科目
- 情報Ⅰ(コンピュータとプログラミング)
- 時間
- 単元全体(8段階の構成)
- 必要なもの
- 副教材の練習問題、パズル形式のアルゴリズム教材、オンラインのプログラミング学習教材、Python環境
- 前提
- 中学校で2進法を学んでいることを前提に復習から入る。論理回路を単元全体の出発点に置く構成
- 論理回路から始める。AND・OR・NOTを集合と電気回路(直列・並列・押すと消灯)の両方で説明し、真理値表を段階的に埋めさせる
- 2進法の足し算は4パターンしかないことを示し、入力2つ・出力2つの真理値表に表して、それを回路で作らせる(半加算回路)
- 足し算をもとに、掛け算・引き算・割り算をどう行うかを考えさせる。桁数の制限から誤差が生じることも扱う
- 四則演算がそれぞれ順次処理・反復処理・判断に対応することを使って、アルゴリズムの基礎につなげる
- パズル形式の教材で頭を柔らかくしてから、Pythonの基礎・シミュレーション・問題解決の実習へ進む
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- 科目
- 情報Ⅰ(データの活用・仮説検定)
- 時間
- 6時間(5〜6時間目が演習)
- 必要なもの
- 表計算ソフト(NORM.S.DIST・T.TEST・CONFIDENCE.T を使う)、数学のテキストの演習問題、身近な題材の価格データ
- 前提
- 数学科が正規分布・帰無仮説・対立仮説・有意水準と検定の手順まで扱っていること。t検定は数学の教科書に本文の記載がないため未習の前提
- 数学科がどこまで扱ったかを事前に数学の教員に確認する
- 二項分布と正規分布を演習を交えて扱い、「なぜ正規分布が重要か」を考えさせる。関数で自分の試験の得点が上位何%にあたるかを計算させる
- Z検定で、帰無仮説と対立仮説の意味を押さえ、検定の手順を確立させる。棄却された場合・されなかった場合の考え方も扱う
- t検定は、母分散が分からないという状況から必然性を示す。理論には深入りせず、何ができるかと関数の使い方を重視する。区間推定も意味と関数の紹介にとどめる
- 5〜6時間目に、身近な題材(記事ではラーメンの価格)でt検定の演習を行う
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- 科目
- 情報Ⅱ(データサイエンス)
- 必要なもの
- 3Dプリンタ(記事では4台)、ブラウザで動く3Dモデル作成ツール(記事ではTinkercad)、出目を数える手立て、考察用ワークシート
- 前提
- サイコロ1個の印刷に約40分。45個を4台で出力して7.5時間かかっている。印刷時間を見込んだ計画が必要
- 「サイコロの各目が出る確率は本当に6分の1なのか」と問題提起し、3Dプリンタで作ったサイコロを班ごとに振ってデータを集める(記事では計1358回、最大値と最小値の差3.90%)
- その差が0に近づくようサイコロを改良する方法を各自に考えさせる(記事では彫られた数字の深さに着目する生徒が多かった)
- 3Dモデルを配布し、モデルの仕組みを説明してから、自分の工夫を反映させる
- 各自の案を班で共有し、班として印刷するサイコロを決めて出力する
- 自分たちのサイコロで各班500回振って出目を分析し、考察をワークシートに書かせる(数え方の工夫も班に委ねる)
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- 科目
- 情報Ⅰ(人工知能と人間の関わり)
- 学年
- 高等部2年(情報Ⅰを2年かけて履修)
- 必要なもの
- 題材となる取り組みの記録(記事ではAI模擬裁判の配信動画)、外部から招く当事者、事前に意見を集める仕組み
- 前提
- AIの基礎的な知識と仕組みを体験的に学んだうえで行う。動画の紹介だけでは理解に限界があるという判断から、当事者を招く形をとる
- AIの概論として、基礎的な知識と仕組みを体験的に学ばせる
- 題材(AIが裁判官を務めた模擬裁判)を提示し、前の回の授業で生徒の意見や考えを集めておく
- 企画・運営した当事者を招き、生徒と同じ空間で話を聞く形の授業を行う
- 実装にあたっての苦労や課題、なぜその企画を行ったのかを直接聞かせる
- AIを司法に用いる利点・課題・必要な制度設計を考えさせ、生徒自身の考えを持たせる
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- 科目
- 夏期講習(情報オリンピックへの挑戦)
- 時間
- 夏期講習
- 必要なもの
- プログラミングの実行環境、情報オリンピックの過去問、外部の協力者(記事では企業の技術者と共同で実施)
- 前提
- プログラミング未経験者も対象にする。1次予選突破を最初の目標に置く(9〜11月の3回のうち1回でも基準点に達すれば通過)
- 「自ら目標を設定して精進する」「講習外でも自分で課題を解く」ことを講習の目標として掲げる
- 情報オリンピックが「アルゴリズムを考える」と「プログラムに実装する」の複合競技であることを説明する
- 入力を受け取って答えを返すものとしてプログラムを捉えさせ、平易な問題(身長の差を求めるなど)から入る
- 1次予選突破を目標に据えて演習を重ねる
- 講習外でも自分で課題に取り組む状態をつくる
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- 科目
- 情報Ⅰ(知的財産・生成AI)
- 必要なもの
- 矛盾する2つの文章(教員が作成)、付箋を書き出せる共有ツール、画像生成を実演できる環境
- 前提
- 複数の矛盾する文章を比較させる「事例対比」の授業デザインを使う。文章は生成AIに作らせると難しすぎたため教員が書き直している
- 生成AIの仕組みを簡単に説明し、実際に画像生成を実演して、著作権上問題がありそうな出力を見せる
- 「今の法体系で対応できる」「新たな法規制が必要だ」という矛盾する2つの文章を読ませる。題材は既存キャラクターの学習(現行法で違法)と、画家のタッチの学習(現行法では違法とできない)の2つ
- 2つの主張について、一致すること・違うこと・一方だけが言っていることを付箋に書き出させる
- なぜ矛盾するのかを考えさせる。「理由の理由」まで掘るよう促す(記事では「AIを人間と同じと見るか、道具と見るか」の違いを見出した班があった)
- 自分は新しい規制が必要だと思うか、理由を付けて答えさせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報デザイン)
- 必要なもの
- プレゼンテーションソフト(記事ではGoogleスライド)、色の3属性を示す資料
- 前提
- とくになし
- 「安全」「注意」などの表示の色を入れ替えて示し、色そのものが情報を持っていることに気づかせる
- 色相・彩度・明度の3属性を押さえる
- 見づらい標識や文字の例を見せ、色相と彩度を固定して明度だけを変えた画像で、視認性を左右するのが明度差であることを確かめさせる
- 写真の上に重ねた文字は、明度差をつけた縁取りで読めるようになることを示す
- ベースカラー・メインカラー・アクセントカラーの3色で、カラーパレット上で彩度と明度を固定し色相だけを動かして配色を作らせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(年間カリキュラム)
- 学年
- 高校2年
- 時間
- 1コマ45分・2期制
- 必要なもの
- スライド(プリントは使わない)、PDF化した教材を配る学習管理システム、プログラミングのオンライン教材、生徒の自己所有端末
- 前提
- 教員1人で18コマ(9クラス)を担当。3年次に情報の授業はない。端末の機種が生徒ごとに違うため、ブラウザで動くツールに揃える
- 前期中間までに情報モラル・個人情報・知的財産・2進数・デジタル化・論理回路を座学中心で扱う
- 前期期末までに情報デザインとプログラミングを行い、夏休みにオンライン教材で補う
- 後期中間までにコンピュータの仕組み・ネットワーク・セキュリティ、表計算でのデータ分析と仮説検定を扱う
- 後期期末までにモデル化とシミュレーション、データベースを終え、残りを共通テスト演習にあてる
- 1コマは「説明10〜15分→実習・グループワーク20〜25分(個人で考えてから共有)→まとめ10分」とし、最後にマーク形式の問題を解かせて、その日の内容が入試でどう問われるかを把握させる
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- 科目
- 情報Ⅰ(各単元の導入の発問)
- 時間
- 各単元の導入部分
- 必要なもの
- 生徒のスマートフォン(録音アプリ・カメラ・ストップウォッチ・回線速度の計測)、ワークシート、Bluetoothで通信できるマイコン
- 前提
- 単元ごとの導入を、生徒にとって身近で切実な題材の発問から始める。説明は10分程度に抑えてグループワークへ移る
- 音のデジタル化:スマートフォンの録音アプリで波形を出し、波が高くなる・低くなる条件を操作して確かめさせる。そのうえで「この波をどうやって0と1にするか」と問う
- 画像のデジタル化:スマートフォンでPCの画面を至近距離で撮って拡大させ、光の三原色が見えることから仕組みを問う
- 情報の構造化:ゲームのボタンをプログラミングで作らせ、どんなボタンにするかをワークシートに書かせて形にさせる
- データの活用:ストップウォッチで各自が10秒を計測し、2人分のデータを比べて「どちらが正しい10秒の感覚か」と問う。平均が同じでも標準偏差が違う例を扱う。教員が用意したデータではなく生徒自身に生成させる
- ネットワーク:2枚のスマートフォンの画面(4GとWi-Fi)を見せて違いを問い、各自で回線速度を計測・集計させたうえでネットワーク図を書かせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(プログラミング)
- 時間
- 4時間(前年度は7時間かけていた)
- 必要なもの
- エラーメッセージが日本語で出るWeb上のPython実行環境(記事ではPyTry)、まとめ用のワークシート
- 前提
- 前年度の反省から題材を減らして演習時間を確保している。3つの題材はすべて同じ基本構造(変数の宣言、繰り返しの中の条件分岐、乱数)にする
- 「あたり1%ガチャ」を作る。第1段階から第6段階まで、各段階で動く小さなプログラムが完成し、次の段階で書き換えると機能が増える構成にする
- 同じ基本構造で「おみくじ」を作る。最初は2種類だけ出るものから、種類を増やす・連続で引くへ発展させる
- 同じ基本構造で「じゃんけん」を作る
- エラーメッセージを読んで直す活動を通して、プログラミングに触れる回数を増やす
- 4時間目にワークシートで一つずつ構文を確認する
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報通信ネットワーク)
- 時間
- 4時間(うち3時間に実習を入れる)
- 必要なもの
- ブラウザで動くネットワークシミュレータ、トランプ(IPアドレスとパケットに見立てる)、宛先を書いた封筒、通信機能があるプログラミング環境、PC教室と一般教室の実物の配線
- 前提
- 目に見えない内容なので、各時間に手や体を動かす実習を1つは入れる。実習の後に、校内の実物(PC教室のケーブル、プリンタ、教室の無線の機器)を見せて現実とつなげる。他の教員の公開事例や書籍から使えるものを探して組み合わせる
- 1時間目にネットワークの構成を扱う。シミュレータで、ケーブルをつながずに疎通確認して失敗させ、ケーブルをつないで成功させる。次に「40台すべてを直接つなぐのは非現実的」と気づかせてハブを入れさせる。そのうえでPC教室の実物のケーブル、プリンタにつながるケーブル、教室の隅で集約されている様子、一般教室の無線の機器を見せる。最後にルータで異なるネットワーク間がつながることを説明する
- 2時間目にプロトコルを扱う。トランプ2枚(自分のIPアドレスと、誰かのパケット)を配り、同じマークのパケットを持つ人を一斉に大声で探させる(1分半ほどで、労力のわりに見つからない)。次に校内放送のように呼びかけて反応した人と交換する形に変え、ルールを決めると効率がよいことを実感させる
- 続いてルーティングを扱う。まず「手渡しリレーだけで有名人に手紙を届けるとしたら、直接知っている人の中で誰に託すか」を問い、選んだ理由(この人に頼めば何とかなりそう)を聞く。これがルーティングだと示す
- グループにルータ役を決め、少し離れたグループ宛の封筒を渡す。ルータ役は、線でつながっているグループのルータ役にしか渡せないという制約を付ける。終わったあと「最初にどのグループへ託したか、なぜか」を振り返らせ、ルータも同じことを考えていると説明する
- 3時間目にクライアントサーバの仕組みを扱う。実店舗とネットショップの買い物を対比して、店員のように振る舞う存在があることを説明する。グループでサーバ役1人、送信者1人、残りを受信者に分け、通信機能のあるプログラミング環境でチャットを体験させる。送信直後は受信者の画面に何も出ないが、サーバ役の画面には表示されていることを確認させ、受信ボタンを押して初めて届くことを体験させる
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- 科目
- 情報Ⅰ(モデル化とシミュレーション)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 3時間(1学期)
- 必要なもの
- ブロック型のプログラミング環境、公開されている感染症拡散のシミュレーション、実習ワークシート、表計算ソフト
- 前提
- プログラムの中身は細かく扱わず、パラメータを変えて結果を考える活動に重点を置く(プログラミングを学ぶ前でも実施できる)。コードの改変は、既に作ってあるブロックを置き換えるだけにとどめる。もとのシミュレーションの非現実的な点を、段階的に現実へ近づけていく
- 1コマ目に「モデル化とは」「シミュレーションとは」を教科書に沿って説明する。手作業では手間のかかることをコンピュータに任せる例として、表計算ソフトでサイコロの出目のシミュレーションをやってみせる
- 2コマ目の冒頭で「インフルエンザなどの感染症は、どんな理由で流行してしまうか」を問う(手を洗わない、密着する、ワクチンを打たないなどが挙がる)。それが本当にそうかを確かめようとして本題に入る
- 公開されているシミュレーションを渡し、初期の人数と感染者数を変えると結果が変わることを確認させる(人数を増やすと密な状況になり、感染の速さが変わることを補足する)
- もとのシミュレーションは感染率が100%で非現実的なので、感染率を1〜100で設定できるようブロックを置き換えさせる。次に、一度感染すると治らない点も、感染期間を設定できる形に変えさせる。これでパラメータが人数・感染者数・感染率・感染期間の4つになる
- 3コマ目の課題——「密な状態で流行している」場面を想定して人数を100人に固定し、残る3つは各自に決めさせて5回実行し、終了したか・感染者数・感染回数・経過時間を記録させる。次に1つだけ数値を変えて5回実行させ、前後を比較させて「その変化は現実世界では何が起きたときか、どのような手立てをしたときにあたるか」を考えさせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(コンピュータとプログラミング)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 1コマ(レポート準備の前に挟む)
- 必要なもの
- Python環境、回答を集めるフォーム、トレース形式の問題18問程度
- 前提
- 「プログラミングわからん」と抽象的に言う生徒が、何が分からないのかを自覚できるようにするための回。その日は解答を出さず、1コマ考え続けさせる。生徒同士の相談は可、教員の補助はなし(問題の意味の補足だけ)
- 問1として、途中まで書かれたコードの続きを説明文に沿って書かせる。反復と変数の再代入がどう進むかを問う
- 出力結果とフローチャートを提示するタイミングをクラスごとに変えて比べる(記事では、解答前に出力結果を示さないとほとんど正解数ゼロになった)
- 問2として、完成済みのコードと決まった出力結果から、反復と再代入の理解を問う。コードを作れなくても読み取れることを重視する
- あわせて「この出力を変えるにはどのコードを削除すればよいか」を問う
- 教員は解答結果と生徒の様子を観察し、他のつまずきどころを探すことに専念する。後日、解説しながら途中まで一緒に解いて残りを解かせる形にする
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- 科目
- 情報Ⅰ(プログラミング)
- 時間
- 全11時間(自由制作4時間+実技テスト)
- 必要なもの
- オンラインのプログラミング学習教材(記事ではProgate)、ブラウザで動くPython環境、教員が用意した長めのサンプルプログラム
- 前提
- ペアで進めることを基本にする。生成AI以外は何を見てもよい(テストも資料の持ち込み自由)。「難しいけれど楽しい」を目標に置く
- 夏休みの宿題として、オンライン教材を関数のところまで各自で進めさせる
- 夏休み明けに、ペアで意思疎通するために必要なアルゴリズムとフローチャートの書き方を扱う
- ペアプログラミングを2時間。教材で学んだことを使い、お題を自分たちで考え・相談し・検索して解かせる
- 教員が作った長めのプログラムを配り、一部を書き換えて文化祭の食販の値段を決める体験をさせる(長いコードでも読めることに気づかせる)
- 自由制作を4時間。企画書を書かせてから作らせる。教員は答えを教えず「自分で調べてみよう」と促す。最後に持ち込み可の実技テストを行う
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- 科目
- 情報Ⅰほか(1人1台端末の活用方針)
- 必要なもの
- 生徒の1人1台端末(機種はそろわなくてよい)、共通のクラウドサービス、Webサイトを作れるツール
- 前提
- 高校は端末整備の補助金がなく、自治体ごとに整備方法が異なる。機種やOSがばらばらでも、クラウドサービスが同じなら授業は成り立つ
- 端末の目的を「何かを作り出す創造的な学び」に置く。オンライン授業や動画視聴、ノートの代わりは付随する利点として扱う
- デジタルポートフォリオを単元ごとにWebサイトのページとしてまとめさせる(紙のファイリングでは残せない動画やリンクも残せる)
- 教員側が先に、ワークシート・スライド・フォームをWebサイトにまとめた形で教材を提供する
- 生徒に自分のデジタルポートフォリオを作らせる。制作過程を段階ごとに写真で残すなど、過程を蓄積させる
- 意見の収集と共有、繰り返しの小テスト、発表の相互コメントなど、どの教科でも使える活用を重ねる
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- 科目
- 情報Ⅰ(1人1台端末とPC教室の併用)
- 学年
- 高校1年
- 必要なもの
- 生徒の1人1台端末(記事ではiPad)、PC教室のPC、学習管理システム、ブラウザで動く実習用サイト
- 前提
- PC教室のPCがある前提で、端末を「サブモニター・実習機・連絡手段」として重ねて使う。端末の配布と設定に1時間かかる(複数人の応援が必要)
- 端末の配布と初期設定に1コマを充てる。動作確認、パスコード、校内Wi-Fiの登録、学習管理システムの登録まで行う(教員だけでは回らないため応援を頼む)
- 毎回PC教室へ端末を持参させ、授業スライドや資料を端末に表示させてサブモニターとして使う(目線の移動が減る)
- PCでコードやまとめを打ちながら、手元の端末で見本や指示を見る形にする
- タッチやペン入力が活きる実習は端末で行う(暗号機のエミュレータ、手描きを機械が認識するサイトなど)
- 振り返りやアンケートはフォームで行い、授業内に終わらなければ教室に戻ってからでも入力できるようにする
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報のデジタル化)
- 必要なもの
- 冊子形式のプリント、1人1台端末、データから画像を作るツール(教員が自作)、作品を共有できる学習管理システム
- 前提
- 一斉学習→個別学習→協働学習の3段階で組む設計。ツールは他校の教員の教材に着想を得て自作している
- 一斉授業でプリントを使い、デジタル化の基本的な知識を確認する
- 1人1台端末で、0と1のデータから画像を作る実習を行う(6ビットのデータを各ドットに設定してピクセルアートを作る)
- 学んだ知識が実感を伴うところまで、実習で確かめさせる
- 作品を学習管理システムで共有する
- 互いにコメントを付け合い、協働学習としてまとめる
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- 科目
- 情報Ⅰ(プログラミング)
- 学年
- 中学・高校
- 時間
- 2学期を中心に段階的に
- 必要なもの
- micro:bit(人数分)、外部LED、ブロック型のプログラミング環境、ブラウザで動くアルゴリズム学習・Python学習の教材
- 前提
- 夏休みにアルゴリズム学習、2学期前にPythonの自走学習を済ませておく。外部機器を使う実習は時間がかかるので、自走式の教材と組み合わせる
- 数字や文字の出力から始め、続いてハート型を点滅させて順次構造を扱う
- 本体の左右のボタンでアイコンを光らせ、トリガー制御とリセットの概念を扱う(条件分岐の入り口)
- 2つのボタンでそれぞれ変数を増やし、同時押しで足し算を表示する計算機を作らせ、変数・初期値・リセットを実装させる
- 乱数を変数に入れて、値ごとに違うアイコンを光らせるくじ引きを作らせる。さらに確率に傾斜(30%・50%・20%)を付ける課題に発展させる
- 外部LEDを光らせて歩行者用信号を作らせ、無線通信を使ったゲームで発信と受信を体験させたうえで、班で1つの交差点を制御するシステムを作らせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(完全ペーパーレスでの授業運営)
- 学年
- 高校2年
- 時間
- 毎回
- 必要なもの
- 1人1台端末(電子ペン付き)、書き心地のよい液晶保護フィルム(電子ペンは滑りやすい)、貸し出し用端末、ある程度の大きさのサブモニター(USB接続で充電も兼ねられる)、課題を配布・提出できる仕組み、振り返りをまとめるサイト、デジタル採点システム
- 前提
- 配布物をすべてデジタルにして紙を使わない。始める前に生徒へ「こういう授業をやろうと思うがどう思うか」と聞き、受け入れられたことを確認してから始める。反転授業は生徒がハードルを感じたため最初は入れず、慣れてから始める。定期考査は紙で行う
- 前日に授業スライドを配布し、当日の朝にワークシートなどを配布する
- 授業は教科書の概要説明から実習を中心に進める。ノートはスライドに電子ペンで書き込ませ、問題演習もPDFに電子ペンで入力させる
- 授業後に振り返りシートを入力させ、それをまとめたサイトに掲載する
- 授業終了後に授業動画を配信する(実習を自分で振り返れるようにするため、また欠席者や授業内で理解できなかった生徒のため)
- 定期考査は紙のマークシート方式にしてデジタル採点システムで採点する。副教材の問題集は、フォームで練習できるものを作っておく。返却は課題配布の仕組みで行い、試験当日にほぼ全問の解説動画を公開して、動画視聴レポートを週末課題として提出させる
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- 科目
- 情報Ⅰ(データの活用×情報社会の問題解決)
- 時間
- 2回(初回は前単元の後半25分から)
- 必要なもの
- 情報漏洩事件の公開データを表計算に整形したファイル(教員が用意)、白書のデータ、考察を書く作業用の文書ファイル、回答を集めるフォーム
- 前提
- ダミーデータや「平均は同じで標準偏差が違う」ような予定調和のデータは使わない。単元を横断させ、データの活用と情報社会の問題解決を関連づける
- 前単元の後半25分で、白書から企業のサイバー攻撃の被害状況のデータを配り、被害の実態を数値で認識させる
- 公開データを整形した1年分のファイルを配り、代表値を求めるなどの表計算の実習を行う
- 2回目に、被害企業の従業員数を加えたデータを配り、「従業員数が多いほど狙われやすいのか」を考えさせる
- さらに5年分のデータを配り、経年で何が読み取れるか、どんなデータが加われば深く考察できるかを書かせる
- 何人かの生徒の考察文を全体に見せてから次のテーマに進む(記事では、これによって考察文の質が上がっている)
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- 科目
- 情報Ⅰ(各単元の導入の協働学習)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 2時間連続
- 必要なもの
- 教科書と副教材、調べるための端末、確認クイズ・ドリル
- 前提
- 知識の獲得が必要な単元の冒頭に置く。教員の説明は最初の10分程度にとどめる
- 冒頭10分程度で中学校の学習をざっと復習する
- 教科書と副教材の担当ページを班の各自に割り振り、ざっと読んですぐに班内でプレゼンさせる
- 「エキスパート役」と「ユーザ役」に分け、ユーザ役は掘り下げたい質問を作り、エキスパート役は文献を調べて回答を作る
- 回答を見て、疑問が残る部分や求めた答えと違う部分について質問を変えながら質疑応答を繰り返させる
- 班でまとめを作ってクラスで共有し、振り返り・まとめの作成・確認クイズとドリルで押さえる(ワードウルフのようなゲームを挟んでアウトプットの機会を増やすこともある)。この「質問を工夫して回答の精度を上げる」経験が、生成AIへの問いの立て方にもつながる
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- 科目
- 情報Ⅰ(入学時のアンケート調査)
- 学年
- 高校1年(入学時)
- 必要なもの
- 入学時に実施するアンケート
- 前提
- 同じ設問を毎年続けることで経年変化を見る(記事では2004年から20年分)。目的は生徒の実態把握
- 入学時に、コンピュータの活用と学習履歴についてアンケートを行う
- 家庭のパソコンの有無、家での利用時間、携帯・スマートフォンの所持、インターネットへのアクセス手段を尋ねる
- パソコン操作が得意かどうか、パソコンを何の目的で使うかを尋ねる
- 過去のデータと並べて経年変化を読み取る(記事ではスマートフォンの普及に伴い、家でのパソコン利用と「得意」の回答が減っている)
- 結果を踏まえて授業の前提を見直し、設問自体も継続して検討する
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- 科目
- 情報Ⅰ(問題解決・情報デザイン・プログラミング)
- 学年
- 本文に明記なし
- 時間
- 各単元のまとめ(複数時間)
- 必要なもの
- 1人1台端末、Googleドライブ(ポートフォリオ)、Micro:bit(プログラミング実習時)、企画書・ルーブリック作成シート、動画作成環境
- 前提
- 知識や基本スキルの習得(教師が話すのは冒頭10分程度)。習得と活用の往還を経て探究へ移行する
- 各自で身近な課題やアイデアを個人で出した後、持ち寄って企画書を作成し、解決に向けたプロジェクトチームを結成する
- 達成目標と「何をもって達成できたと言えるか」の証拠(エビデンス)を生徒自身に決めさせ、ポートフォリオの計画を立てさせる
- プロジェクト全体の評価基準と個人評価のルーブリックを生徒同士で作成し、学習の物差しを共有する
- 企画に基づいて制作活動(文化祭の情報デザインやMicro:bitを用いた身近な課題解決ツールの開発等)を進め、活動記録と成果物をGoogleドライブに蓄積する
- プロジェクトの最後に、ポートフォリオの記録を根拠として自分たちの成長プロセスをまとめた5分間の動画を制作し、生徒相互でルーブリック評価を行う
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報デザイン・データの活用)
- 時間
- 1コマ
- 必要なもの
- ブラウザで動くピクトグラフ作成アプリ(記事では「ピクトグラフィング」)、最低限の記述だけを入れたHTMLファイル
- 前提
- ピクトグラムと情報デザインを先に扱っていること。パソコン室の環境復元が働く場合、アプリの保存機能は使えない
- ピクトグラムとは何か、文化が違うと伝わらないものがあることなどを復習する
- 博物館の展示手法として1918年に始まった考え方からISOTYPEに至る経緯を示し、絵で数量を表すピクトグラフの考え方を説明する
- 人数のグラフの人型を新郎新婦の絵に差し替える例を見せ、アイコンの選び方だけで何のグラフかが直感的に伝わることを確かめさせる
- アプリで項目名と数を入力してピクトグラフを作らせ、アイコンも自分で作らせる。「このアイコンで伝わるか」を近くの生徒と話し合わせる
- 作ったグラフの共有URLを、配布した最低限のHTMLに読み込ませる。外部で作ってもらったものを自分のページで使う感覚から、Web APIに触れさせる
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- 科目
- 県の研究会が「コンピュータとプログラミング」をテーマに集めた7校の授業実践の紹介
- 学年
- 高校1年の「情報Ⅰ」が中心(旧課程「社会と情報」での2021年度の実践、3年次履修で翌年度から実施の学校も含む)
- 時間
- 7校(1時間/12時間/8時間/10時間/6時間/5時間など)。使用言語はJavaScriptが2件、Python3が4件、VBAが1件
- 必要なもの
- JavaScript(htmlファイル内に記述)、p5.js(ProcessingをJavaScriptで使えるようにしたライブラリ)、外部のプログラミング学習サービス、Google Colaboratory、Bit Arrow、表計算ソフトとVBA
- 前提
- 県内の情報科教員10名程度で毎年共通のテーマを決めて授業実践を共有している研究会の報告。「情報Ⅰ」の単元の中でもプログラミングの授業で悩んでいる先生が多かったため、実践事例を共有して授業をブラッシュアップすることを目指している。
- JavaScriptの2件。1つは「1時間で授業のプログラミングの面白さに触れさせたい」という導入で、htmlファイル内のJavaScriptでおみくじを作る(ボタンを押した時刻の秒を60で割った余りを配列の添字にする)。完成したものを少しずつ改変させるのでエラーが起きにくく、間違えても教材ファイルを再度コピーすればやり直せる。もう1つはp5.jsで、左にプログラム・右に描画が出て記述するとすぐプレビューされるので、数値を変えて拡大縮小したり色や位置を変えたり条件分岐や反復で図形を描いたりしながら基本構造を押さえる
- Pythonの1件目は外部のプログラミング学習サービスを使った12時間の授業。共通テストの受験率がほぼ100%の進学校で9クラス360人を1人の教員が担当しており、360人分の採点が大きな負担になるため活用した。画面が4分割で動画・入力欄・ヒント・実行結果が並び、自動採点で負担軽減になる。キャラクターを育てられるので生徒のモチベーションにもつながる。ブラウザで動くので環境設定が不要で、動画教材があるので自宅学習もできる
- Pythonの2件目はGoogle Colaboratoryを使った8時間の授業。10〜15分で要点スライドを1枚提示し、その後35〜40分で演習課題を行う。Colaboratory上に解説とサンプルコードを載せ、その下にサンプルを読めばできる演習問題を置いて、生徒が自分で進め教員がサポートする設計。終わった生徒が終わっていない生徒のサポートに回れる。最後に「10連ガチャ」の実装に落とし込み、統計上「1回は当たる確率」は63%だがクラス40人では72%だったところに他クラスのデータを足していくと63%に近づくことを確認させて「モデル化とシミュレーション」につなげている
- Pythonの3・4件目はBit Arrowを使った2人の先生の実践。プログラミングを書かせる前にフローチャートでアルゴリズムを理解させ、それに基づいてコーディングする形を徹底した。1人は例題や課題に多くの時間を割いて10時間、もう1人は分岐構造と反復構造の説明から組み合わせて使うところまでを6時間で組んだ。VBAの1件は、表計算ソフトで計算式を作る考え方を基本にしてプログラミングのハードルを下げるもので、5時間でシート上のプログラミングを行う
- 7校から見えてきたことは2つ。限られた時間でどう教えるかのアプローチには違いが多いが、自分で何かを生み出す経験が大事であること(習ったことを組み合わせて何かを作る過程で周りから自然に拍手が起こったり皆で共有したりという経験が必要で、協働して問題解決を体験することが大事)。もう1つは生徒間の能力差に配慮することが重要であること
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- 科目
- 情報Ⅰ(コンピュータとプログラミング)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 10回(7〜8回では窮屈だったため延ばしている)
- 必要なもの
- 4言語それぞれのプリント(大学入試センターの疑似言語を併記)、インストール不要でブラウザで動く実行環境、個人アカウントを作れるサービス
- 前提
- 言語を統一しない。過去の実践で、言語や実行環境が違っても試作問題の得点や難しさの感じ方に有意差は出ていない。ただしブロック型を選んだ生徒は疑似言語を読む練習を余分に要する
- 共通テストの公表問題からプログラミングの要素を13個抽出し、教科書で扱われていない要素を教員が補う形で単元を設計する
- 言語を選ばせる前に、4言語の特徴・使われている分野・難易度・サンプルを説明し、相談と調査の時間を取ってからアンケートで選ばせる
- 毎回の授業は、まずその日の内容をフローチャートで説明する
- 続いて大学入試センターの疑似言語でプログラムを説明する(言語によらない説明ができる)
- 各自が選んだ言語で例題を入力して実行させ、早く終わった生徒は発展課題に進ませる。実行環境はブラウザで動き個人アカウントが作れるものを選び、自宅学習や長期休業の課題にもつなげる
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- 科目
- 情報Ⅰ(入試を意識した年間の授業設計)
- 時間
- 年間・考査は年5回
- 必要なもの
- 教科書のほかに他社準拠の問題集や副教材、オンラインのプログラミング教材、回答を集めるフォーム、デジタル採点システム、外部テスト
- 前提
- 中学1年から端末を日常的に使わせてきた基盤がある。プログラミングは「丁寧に教えた年」より「オンライン教材で基礎を自分で学ばせた年」のほうが同じ問題での成績が良かった
- 授業スライドの1枚目に必ずその授業の目的と学ぶことを書き、終わりに達成できたかを振り返らせる
- 授業の最初に問題集の問題を3分読ませる。解けなくてよい。「これは何だろう」という状態を作ってから授業に入り、授業後にもう一度取り組ませる
- プログラミングの基礎はオンライン教材で自分で学ばせ(夏の宿題など)、授業では導入と応用の演習を扱う
- 授業の終わりに、学んだことや興味を持ったことを1つだけ書かせる。集めた内容を次の授業で全体に示し、前回の振り返りから始める
- 定期考査はデジタル採点で問題ごとの正答率を分析し、学年末は外部テストを使う(他人が作った問題で点が取れるかを確かめ、教員自身の授業の振り返りにも使う)
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- 科目
- 情報Ⅱ(データサイエンス)/情報Ⅰの応用
- 必要なもの
- ブラウザや携帯でも動く分析ツール(記事では大学の研究室が開発したConnect DB。サンプルデータ入り、ログイン不要で使える)
- 前提
- 情報Ⅰの単回帰分析の応用として扱う。導入なので専門用語はできるだけ使わない。やり直しが何度もできるツールを選ぶ
- 気温とアイスクリームの売上で単回帰分析を行い、散布図に回帰直線を引かせる。相関係数と傾きから何が読めるかを確認する
- マンションの家賃のデータを見せ、駅からの時間・築年数・面積・階のどれが家賃に効くかを肌感覚で予想させる
- 家賃と各説明変数を個別に回帰分析させる(駅からの時間は相関が薄い、築年数は負、面積は正など予想と違う結果も出る)
- 散布図行列で全ての組み合わせを一度に見せ、関係を俯瞰させる
- 説明変数を3つ以上選んで重回帰分析を行わせる。組み合わせを変えて決定係数を比べ、影響力の小さい変数を外しても精度が落ちないことを見つけさせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(データの活用)
- 時間
- 11回程度(インプット→実習→発表)
- 必要なもの
- 表計算ソフト、利用時間を記録する機能、Web上で統計処理ができるサイト、発表のひな型、授業動画
- 前提
- 生徒の「自分ごと」になる題材にする。調査の前に「自分は何時間くらいだと思うか」を予想として書かせてから実際を測らせる(体感と実際に差が出る)。集めたデータは個人情報を除いてから配る。筆記の対策はせず実習だけを行う
- 利用時間などをアプリの記録機能で調査させる。項目のうち一部は、調査の前に予想を書かせておく
- 実際のデータを見せて「これ、分析してみたくない?」と持ちかける。自分たちの傾向を知りたい気持ちが高まったところで、分析のための統計の勉強に入る
- 度数分布とヒストグラムを扱う(変数・平方根・度数分布表などの用語を説明し、MAX・MIN・COUNTなどの関数でデータをまとめさせる。ヒストグラムは設定が難しくきれいに作れないので、棒グラフの間隔を詰めてヒストグラムのように見せる方法を教える)。続いて平均と分散を扱う——3つのサービスの利用時間がどれも同じ平均になる例を見せ、「でもおかしくない? データの分布ってあるよね」と分散に入る
- 度数の比較を扱う。数の差があっても本当に差があると言えるのかを問い、「スポーツで1回勝ったら、勝ったチームが絶対に強いことになるのか」という例え話から検定の考え方に入る(検定はWeb上で統計処理ができるサイトを使う)。続いて平均の比較(標準偏差のひげで比べ、効果量に触れる)、散布図と相関係数を扱う——相関係数を先に教えると数値だけで判断してしまうので、「まず散布図を作って人間の目で見ると、いろいろなことが見えてくる」という順序にする
- 個人情報を除いたデータを配り、仮説を立てさせる(分析できない仮説を選ぶ問題より、自分で仮説を立てるほうが難しい)。学んだ手法で分析させ、発表のひな型に沿って準備させて発表会を行う
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- 科目
- 情報Ⅰ(授業時間を確保するための動画の使い方)
- 学年
- 高校2年
- 時間
- 毎回(動画は4〜7月で約30本)
- 必要なもの
- 3分以内の自作の解説動画、動画を配る仕組み、動画と説明スライドをまとめたサイト、イヤホン(授業中に視聴する生徒がいる)、1人1台端末
- 前提
- 教科書に書かれていることを授業でしゃべる時間を削り、その分を思考・判断・表現の活動に充てる。動画は「見ることが目的」にならないよう、短く・凝らず・つまらなく作る。視聴のタイミングは事前・授業中・復習のどれでもよく、見なくてもよいとする(教科書にない内容だけは見てもらう)
- 「節」くらいの単位で、1本3分以内の解説動画を作る。台本を作ってから撮り、余計な発言をしない。合成音声は使わず自分の声で話す(教員に質問できる雰囲気につなげるため)。音量も視聴の負担にならないよう調整する
- 予習に使えるタイミングで動画を配る。授業中の視聴も認め、イヤホンの持ち込みも許す。端末はパソコンでもタブレットでもよいことにする
- 授業の冒頭で、その回の位置づけと目標を話してから活動に入る(動画を見せただけではすぐに活動に入れなかった)
- 授業内は知識を活用する活動に充てる(ケーススタディ、グループでの議論、成果物の作成、コーディング、通信の体験、データ分析と考察など)。例:「メッセージアプリでうまく伝わらなかった」事例を出し、その原因をメディアとコミュニケーションの知識と関連づけて考察させる
- 課題の終わりに確認と机間指導を行い、それぞれの気づきをクラス全体で共有する。動画が増えたらリンクの羅列ではなく、説明スライドと動画をまとめたサイトを作って探しやすくする
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- 科目
- 情報Ⅰ(プログラミング単元の1時間目)
- 学年
- 高校3年
- 時間
- 1コマ
- 必要なもの
- ハンドアウト、ホワイトボード、アルゴリズムを扱った動画教材、指名用のくじ
- 前提
- 教科書の内容と日常生活を結びつけることを狙いにする。正解を出す必要はないと生徒に伝える
- アルゴリズムを扱った動画(記事では「アルゴリズムたいそう」)を流してイメージをつかませる
- 「アルゴリズムとは何か」は答えにくいので、まず「プログラミングとは何か」を問う。2分で自分の言葉にさせ、次の2分で教室内を自由に動いて他の生徒と突き合わせさせる
- くじで指名し、当たった生徒に自分の考えをホワイトボードに書かせて根拠を説明させる。教員が講評を加えてプログラミングの定義を共有する
- そこから「アルゴリズム=日常生活における目標達成や問題解決のための手順」を定義し、最初の動画が「ぶつからない手順」だったことと結びつける
- 身近な場面を設定し(記事では大学の入学式で隣の人と親しくなる作戦)、開始と目標を決めて、くじで指名しながらクラス全体で処理をつなげてフローチャートを作る
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- 科目
- 専門教科「情報」の「情報デザイン」(2単位・通年)※「主として専門学科において開設される教科『情報』」
- 学年
- (総合学科)
- 時間
- 年間(2単位・通年)で12課題程度/※同じ著者の事例74は、普通科で「情報」のプログラミングを1年間に詰め込んだ年間計画を報告している
- 必要なもの
- 無料のWebデザインツール(テンプレートが豊富で直感的に使える)、ドロー系のソフト、デザインシート、お菓子の箱とスキャナ、ケント紙、カッティングマシンと熱プレス機(Tシャツ制作用。そんなに高いものではないがとても便利)、ポートフォリオ作成サービス、作品を掲示する壁面
- 前提
- 専門教科「情報」は「主として専門学科において開設される教科『情報』」が正式名称で、12科目で編成されている。職業人育成の意味合いが強く、学習指導要領では共通教科「情報」の後ろの方に書かれている。東京都では基本的に普通科には設置しておらず、専門学科・総合学科・一部の定時制に置かれるのがよくあるパターン(たまに普通科の選択科目にもある)。「情報コンテンツ実習」には教科書がない。/専科の授業では思考力(考える力、調べる力、計画する力)と技術力(ソフトウェアを使える力、作品を形にする力)の両方を目標にする——アイデアを考える力があってもソフトウェアが使えなければモノづくりはできず、逆にアプリが使えてもアイデアがなければモノは完成しない。/思考力と技術力をセットにする理由:人間なので講義で学んだことはどうしても忘れてしまう。極論すれば体験しか残らないのではないか。「アイデアを考えました。終わり」ではなく、本物を作ってみたり、作品を展示していろんな人の目に触れてもらうといった体験を繰り返すことで学びが深まる。/ワンロッカー制で廊下にロッカーがないので教室の壁が空いており、そこに授業で作った作品を1年間貼り出している。作品解説と一緒に作者の名前を友達や先生が見るので、生徒の刺激になる。/4年間専科をやって思ったのは「作ることで学ぶ」のが非常に素晴らしい体験だということ。アイデアだけで作らないまま終わると見えない世界がある。自分で作ってみるからこそ、ふだん使っているものにもデザインがあふれていること、プロの仕事はすごいということを実感できる。/年間計画は入れ替えている——2学期のポスター制作は「最近ちょっと面白くなくなってきた」のでアルバムジャケット制作に変えることを検討中。冬休みの教育版マインクラフトでの建築デザインは「これも『情報デザイン』なのかな、というのが悩みどころ」
- 授業開きとして「マイゴールグラフィックス」を行う——「自分の授業のゴールを1枚のグラフィックで表現しなさい」という課題。無料のWebデザインツールで作らせる(テンプレートが豊富で直感で理解できるため操作説明はほとんど要らず、1時間で作ってくる)。入試の総合型選抜で提出するものが自由書式になっていてグラフィックレポートでもよい場合があるので、進路活動の一環にもなる
- ソフトウェアの扱い方に慣れてほしいという意味を込めて、手や顔のトレース画を描かせる(美術系の素描やデッサンと基本的に同じことを、ドロー系のソフトで行う)。図形を配置する感覚は最初の頃は慣れないので苦労するが、トレース画を描くことで慣れさせていく
- 「お菓子のパッケージデザイン」を行う。この実習からデザインシートを使って「これはどんなお菓子なのか? 誰に買ってほしいのか? これを買ってくれた人にどんな気持ちになってほしいのか? いつ・どんなシチュエーションで食べるのか?」といったことを考えさせる。自分の好きなお菓子の箱を持ってきて、それを開いてスキャンし、ドロー系ソフトでトレースしたものに、自分のコンセプトやデザインシートに合わせたデザインをする。最終的にはパッケージのデザインをケント紙に印刷して、組み立てまで行う(展開図もオリジナルにして、のりしろの1つが当たり付きのおみくじになっている作品なども出てくる)
- 夏休みの課題として「オリジナルTシャツ」のデザインを出す。友達にモデルになってもらって着用したときの写真を撮ることにもなっているので、誰かに着てもらうものをイメージして、どういうものを作るかを考える実習になる。作ったTシャツは文化祭で展示する(制作にはカッティングマシンと熱プレス機を使う)
- 2学期以降も課題を続け、年間で12課題程度を出す。広告賞への応募(キャッチコピーやキャッチフレーズが対象。中高生部門があって無料で教材をもらえ、考え方を解説した動画も公開されているので宿題として見せる。実習時間は1時間でできる)/アルバムジャケット制作(友達が選んだ5曲でミニアルバムを作り、歌詞やアーティストのプロフィールを分析したり、なぜ友達がその曲を選んだかを想像して、どういうコンセプトのジャケットにするかを考える)/メインビジュアル制作(Webサイトのトップバナー。やることをできるだけ絞って「訪問者の心を3秒でつかむトップバナーを作ろう」という活動にする。写真加工の技術もここで学ぶ)/インタビュー記事の制作(年間で唯一のグループワーク。インタビューする人、文字を起こす人、表紙をデザインする人、記事のレイアウトを考える人など、いろいろな作業が出て副次的な学びが多い。出来上がったものを対象者に渡すと喜んでくれるので、直接反応を受け取れてモチベーションアップにつながる)/3学期にLINEスタンプの制作(「3学期の授業時間を全部あげるので作りなさい」という振り方をする。40種類くらい作るとネタが切れ、全体の統一感も出さなければならないので、何のためにそのスタンプを作るのか・どんな目的で使うのかをすごく考えることになる)。最後に1年間作ってきた作品をポートフォリオサービスでeポートフォリオにまとめる(自分のeポートフォリオとして総合型選抜にそのまま提出する生徒もいる)
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- 科目
- 学校設定科目(情報Ⅰの1単位分の代替)
- 学年
- 高校1年(3学期)
- 時間
- 週1コマ×2回
- 必要なもの
- 表計算ソフト、公開されている統計データ(気象・業界団体・省庁の統計)、端末で見られる補助資料
- 前提
- 数学で散布図と相関係数を既習。回帰分析の手順を教えることではなく、結果から問題解決を考えることに主眼を置く
- 1回目:月別平均気温とアイスクリームの支出金額のデータで散布図を作り、相関係数を求めさせる(記事では0.91)
- 回帰直線と回帰式を出し、特定の気温を式に代入して推測値を計算させる。実際の値との差を確認させる
- 推測値を下回る範囲について、なぜそうなるのかを個人で考えさせ、ペアで意見交換させる。続いて「回帰直線に近づけるにはどうするか」を考えさせる
- 2回目:地元に関わる社会的なデータへ移る(記事では県内の臨床医数と病院・診療所数)。同様に回帰式で推測値を求め、実際の値との差を確認する
- ランキングなどの補助資料を配って原因を考えさせ、解決策を班で話し合って共有シートに入力し、クラス全体で共有する
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- 科目
- 情報Ⅰ(1人1台端末の導入前後の授業設計)
- 必要なもの
- 1人1台端末(カメラ付き)、クラウド型のグループウェア、操作説明の動画、PC教室のPC
- 前提
- PC教室のPCと手元の端末の2画面が使える環境。家庭での作業を前提に授業計画を組まないという線引きを置く
- 操作方法や課題の説明を動画にして、授業プリントとともに全員に配信する(欠席者への対応が、出席者の復習にもなる)
- 欠席者もオンラインで参加できるようにし、対面の生徒とのグループワークに加われるようにする
- 制作課題は自宅でも続けられる状態にする。ただし授業時間内に終わる設計を前提とし、家庭での作業を計画に織り込まない
- 端末のカメラを使う活動を取り入れる(撮影して確認する。生徒個人のスマートフォンを覗く必要がなくなる)
- PC教室のPCと手元の端末の2画面を使い分ける(動画を見ながら共同編集する、発表を正面で聞きながら相互評価を入力するなど)
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- 科目
- 共通テストの試作問題「情報Ⅰ」を生徒に解かせた結果の分析と、探究との関連についての考察
- 学年
- 高校1年(「情報Ⅰ」を履修中の1クラス)
- 時間
- 60分のテストを抜き打ちで実施(12月)+第4問(参考問題)を翌2月の学年末考査で実施
- 必要なもの
- 2022年11月公表の共通テスト「試作問題『情報Ⅰ』」、BYODの1人1台端末とフォーム(採点ボタンを押すとその場で点数が表示される解答フォームを自作)
- 前提
- 前任校の堀川高校で行った実践。12月の実施時点では「情報Ⅰ」の教科書が終わっておらず、プログラミングがもう少しで終わるところで、「ネットワークとデータの活用」は一切学んでいない状態での抜き打ちの結果であることに留意するよう述べている。堀川高校はスーパーサイエンスハイスクールの指定校で、25年前に「探究科」が創設された学校。/※同じ著者の事例233・241も報告・提言型の記事
- 結果はきれいな正規分布になった。進学校なので高得点に偏るか、時間数が少ないので下に分布するかと考えていたのでこれに驚いたとし、大学入試センターが全体的な難易度や配点のバランスまで考えて作っていることが分かるとしている。12月時点の得点率は第1問75.4%、第2〜4問が5割前後で、全体の平均は55.2点。2月に解かせた第4問(参考問題)は約70%の得点率だった
- 設問ごとの得点率でグループ分けをしている。7割以上のAグループは全員が正答できないといけない問題、4〜7割のBグループが差がつく問題、3割程度のCグループはできなくても仕方がない位置とする。第1問のBグループはパリティビットの問題、第2問で最も正答率が低かったCグループは2次元コードの問題だった。第4問にはAグループの問題がなかった
- 第3問のプログラミングは前半はよくできているが中盤以降で正答率が下がる。問題自体は基本的で素直だが、まったく問題演習をしなかった生徒に解かせた結果であり、授業ではPythonをやっていた時期で問題の形式やDNCLに慣れていなかったためだと見ている。このレベルならしっかり演習することで対策可能だとしている。第4問は最後の2題が大きく下がり時間が足りなかったことを示しており、2月にもう一度参考問題を解かせたのはじっくり解けばどれくらいできるのかを見たかったからだが、得点率が上がったのが時間の効果か1年間学んだ効果かは分からないとしている
- 直後のアンケートでは、第3問のプログラミングの「とても難しい」が明らかに突出した。分量は「やや多い」が最多で、国語や地歴公民と比べると地歴公民より少ないくらいだった。自由記述のワードクラウドでは「プログラミング」「難しい」が目立つ一方、「分かる」「考える」「楽しい」「できる」といった前向きな記述も少なからずあった
- 「情報Ⅰ」の点数を従属変数、他教科の点数を独立変数とした重回帰分析では数学が有意で、相関係数も数学が有意だった。ただし「だから数学を勉強しなさい」ではなく、共通テストの「情報」の出題がこれでよいのか、実際の「情報」の力を測れているのか、数学的な力に偏っていないかという問題提起だとする。あくまで1クラスの結果に過ぎないと限定を付けたうえで、探究では教科で学んだことを実際に“使う”ことを重視しており、体系化されていない知識は探究活動で使えないので「情報」の本質を整理して理解しておくことが重要だと述べている
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- 科目
- 情報Ⅰ(1コマの授業の型と単元の進め方)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 毎回
- 必要なもの
- 教科書、事前に配る授業スライド(PDF)、1人1台端末、振り返りのアンケート、ワードクラウドを作れるツール
- 前提
- 講義を極力減らし、実習と体験を重視する。予習を前提にして、教科書に書いてあることは説明しない。予習の課題を出せるよう授業計画を精密に立て、その回に決めた内容は必ず終わらせる(最後を実習にしておくと調整が効く)。スライドと振り返りのアンケートは授業前に提示しておく
- 前の回の終わりに、次回の教科書のページを指定して「学ぶべきこと・分からないことを探しておく」ことを予習の課題にする。授業スライドもPDFで先に配る
- 授業の冒頭で今日の目標を提示する(最後の振り返りで達成できたかを自己評価させる)。続いて隣とペアを作らせ、じゃんけんで勝った人が予習してきた内容を説明する(どちらが話すかを決めるイベントを入れると冒頭が盛り上がる)。聞き手の側にも教員から質問して、説明が成立していたかを確かめる
- 生徒から質問を受けて回答する。その場で答えられないものは授業外か後日に回す。続いて簡単なまとめスライドを見せ、重要語句だけを短く説明する。理解が難しいところだけ例えで補う(可逆圧縮と非可逆圧縮なら布団圧縮袋とオレンジジュース、など)
- 学んだことを活用する実習を行う。学んだ内容とはこじつけでもよいので関連させる。失敗させないよう先に注意を並べるのではなく「まずはやってみよう」として、失敗から学ぶくくりにする
- 授業後に振り返りを提出させる——学んだことを説明できるかの4段階の自己評価/その回の印象に残った3つのキーワード(全体を抽象化しないと書けない)/感想と気づき/質問。教員は3つのキーワードと感想をワードクラウドでまとめ、自己評価を集計し、質問に回答して次回に返す。自分の経験や身の回りのものと学んだことを結びつけた感想を、良い例として紹介する(何が評価されているかはあえて言わない)
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- 科目
- 情報Ⅰ(コンピュータのしくみ・論理回路)
- 必要なもの
- マザーボードなどの実物、半加算器・全加算器の図と真理値表を示すスライド、共通テストの試作問題(旅客機のトイレの満室ランプの問題)
- 前提
- NANDやNORには最初は深入りせず、AND・NOT・ORの3つに絞る。教員の説明は15分程度にとどめ、残りを生徒の活動にあてる
- 教科書の内容を伝えたうえで、マザーボードの実物を見せ、半導体でできていることに触れて日常との接点を作る
- AND・NOT・ORを身近な例で説明する(車のライトはエンジンがかかっていてスイッチが入っているとき、センサーで点いたり消えたりする、など)
- 3つの回路だけで2進法の加算ができることを半加算器で示し、続いて桁上がりに対応する全加算器を示す。8桁の計算には何個必要かを問い、筆算のイメージと対応させる
- 共通テストの試作問題(複数のトイレの使用状況からランプを点灯させる条件を真理値表から選ぶ)を5分程度で解かせる
- 「生活の中で論理回路が使われている場面」を考え、基本論理回路だけで図示させる。提出物にNANDやNORが現れたところで、それらの回路と汎用性を示す
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- 科目
- 情報Ⅰ(プログラミング)に関する調査
- 学年
- 高校1年・2年
- 必要なもの
- 振り返りアンケート(5段階評価と自由記述)
- 前提
- 「ビジュアルプログラミングを経験するとテキストプログラミングが進みやすい」という言説を、生徒の回答から確かめる調査
- ビジュアルプログラミングを経験させたあと、テキストプログラミングの授業を行う
- 授業後に「前に学んだことは今回の学習の参考になったか」を5段階で問い、理由を自由記述で書かせる
- 評価の段階ごとではなく、記述の言及内容で分類する(学習内容を関連付けられた/考え方が利用できた/ツールが違う など)
- 肯定的な回答は「考え方の類似性」に言及し、否定的な回答は「ツールが違う」という表層の違いに言及する傾向を読み取る
- その結果を踏まえ、ビジュアルとテキストの考え方の類似性に気づかせる補足や活動を、授業計画に組み込む
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報デザイン)
- 学年
- 高校2年
- 時間
- 4時間
- 必要なもの
- あえて情報デザイン的に不十分に作ったポスター(教員が用意する)、プレゼンテーションソフト、試作を並べて掲示できる場所
- 前提
- 情報デザインの基本的な概念を先に扱っておくこと
- 送り手・コンテンツ/メディア・受け手の三者で情報伝達が成り立つというモデルを示し、教科書の記述と重ねて確認する
- 情報デザイン的にわざと不十分に作ったポスターを配り、良くないところを各自で書き出させる
- 改善したいポスターを決め、同じものを選んだ生徒どうしで意見交換して、改善の方向性を定める
- プレゼンテーションソフトでポスターを試作する
- 試作を並べて掲示し、受け手として分析ではなく直感で良いと思うものを選ばせる。選ばれたものの共通点を自分の作品に取り入れて仕上げる
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報デザイン)
- 時間
- 課題の提示から発表まで約3か月(記事では7月提示・10月発表)
- 必要なもの
- スライド作成ツール、発表者と資料が近い位置に立てる発表の場
- 前提
- 問題を見つける期間を長く取れるよう、単元をまたいで置くこと
- 「日常生活の中で、デザインのせいで困っていること・残念だと感じることを見つけよう」という課題を提示する
- 見つける期間を2か月ほど取る。机に向かって考えるのではなく、日常の中で気づいた瞬間を拾うよう伝える
- 見つけた問題点と、その改善案をスライドにまとめさせる
- 資料と発表者が近い位置に立つオープンな形で発表させる
- 提案の中に実現できそうなものがあれば、提案した生徒と一緒に実際に作る(記事では校内の出席管理表を、元の作成者の了承を得たうえで作り直している)
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- 科目
- 総合的な探究の時間(情報Ⅰへの接続)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 質的データ11回、量的データ6回
- 必要なもの
- 公開されている動画教材(記事では経済産業省STEAMライブラリー)、表計算ソフト、公開統計データ、発表用のポスター
- 前提
- 情報Ⅰを2年次に置いたため、1年次の探究の時間でデータの活用の素地を作る。情報科以外の教員でも実施できる内容にする(動画教材を使い、教員はファシリテートに徹する)
- 動画教材を見せ、物語の登場人物について「キツネは意地悪か」と問う。ほとんどの生徒が同じ答えを挙げることに疑問を持たせ、そこから課題を立てられることを示す
- 物語をどうデータ化するかを扱う。「優しい」「怠け者」などの言葉の定義を自分たちで作らせる
- 書物や歌詞などの文字情報を対象に、仮説を立て、データ化する項目を決め、収集・可視化・考察・発表まで行わせる(質的データ)
- 続いて量的データへ移り、成績処理に使う程度の表計算の技能を一覧にして順に教え、公開統計データを収集・分析させる
- 「3種類以上のグラフを使う」という条件だけを与え、分析の流れや可視化の方法は生徒に任せてポスターを作らせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(デジタル化・コンピュータとプログラミング)
- 時間
- 1コマ
- 必要なもの
- 生徒1人につき7体の人型ピクトグラムの駒(片面を黒く塗ったもの)、8×8マスのワークシート、2進法と16進法の対応表、回答を集めるフォーム、16進法の並びを白黒画像に変換する仕組み
- 前提
- 10進法・2進法・16進法の表し方を前時までに学んでいること
- アナログの温度計の目盛りを例に、区切って数値にすることがデジタル化であることを確認する
- 駒の表裏をON・OFF、電球の点滅、磁石の極に置き換え、最後に0と1に対応づける
- 8×8のマス目に罫線にとらわれず太い線で絵を描き、半分以上塗られたマスを1として2進法に書き換える
- 2進法4桁を16進法1桁に変換して提出し、公開された他の人の並びを自分のワークシートに復元する
- 教員が自動変換した画像と自分の復元を照合したうえで、駒とゲートの教具で「2つ1組を作って余りを下の桁に送る」考え方からすだれ算につなげる
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- 科目
- 情報(情報デザイン×知的財産権×プレゼンテーション)
- 学年
- 高校3年
- 時間
- 5回(年度当初)/※これは事例228と**同じ5回の単元**についての見学記事であり、記事本文から事例228へリンクしている(詳しい内容は事例228を参照)
- 必要なもの
- ペイントソフト、ワークシート3種(情報デザイン/プロダクトデザイン制作/プレゼンシート)、プロジェクタ、指名用のくじ、タイマー
- 前提
- 単元のエッセンスを抽出してつなげる「前向きなダウンサイジング」の考え方で組む。毎回「自分で考える→他者と共有→クラス全体で共有」の型を繰り返す
- 第1回のオリエンテーションで「情報とは何か」を2分で言語化させ、自由に立ち歩いて他の人の意見を聞いて修正させ、くじで指名した5人がホワイトボードに書いて説明する。この型を毎回繰り返すことを伝える
- 第2回でピクトグラムを題材に「デザイン」と「アート」の違いを同じ型で考えさせる。ごみ箱の口の形やフライパンの例で、形が機能を伝えることを実感させる
- 特許庁のサイトを参照させ、創作物の権利が誰に帰属し、どう申請するのかを調べさせる
- ペイントソフトで200×200ピクセルのデザイン画を描かせる。文字は使えず、他の人に使い方や機能が伝わるようにする。あわせて45秒の説明原稿を作らせる
- プロジェクタで提示して45秒で発表させる(原稿の持ち込みは不可、発表順は直前にくじで決める)。全員の発表後、最も良いと思う作品と理由を書かせ、後日フィードバックする
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- 科目
- 情報(技術と技術者を主題にした遠隔授業)
- 時間
- 2回(衛星回線を使った遠隔授業)
- 必要なもの
- 遠隔で結ぶ回線と配信の仕組み、コメントを集めるツール、現地に持ち込む観測の模擬体験装置(マイコンボードで自作)、音声で遠隔操作できる機器、登壇してもらう技術者
- 前提
- 「技術は単なる道具だ」という伝え方をしない。技術そのものと、技術に関わる人を前に出す。生徒の置かれた状況(当時はコロナ禍で夢を諦めがちな時期)を踏まえ、励ましの言葉ではなく「好きなものを追求する姿勢」を見せる
- 事前に、現地の観測を模擬体験できる装置をマイコンボードで作って持ち込む。日本と現地の両方に音声で操作できる機器を置き、生徒の指示で現地の装置が動く環境を作っておく
- 派遣期間中は生徒と交換日記を続け、つながることの嬉しさを実感させたうえで、その裏に人工衛星技術があることに気づかせる
- 授業の冒頭で現地一般の話をし、続いて目に見えない設備として通信を説明する。音声で現地のカーテンを動かしてみせる
- 「面白いが何の役に立つのか」という疑問を受けて、人工衛星を使うと多くのことが分かるという観測技術の話につなぐ。さらに「それなら現地に行く必要はないのでは」という疑問を受けて、現地で観測装置や基地を保守・管理する仕事の重要性につなぐ
- 最後に技術者に登壇してもらい、技術について語ってもらう。装置は分解して仕組みを見せる。作る人だけでなく、支える人・守る人・使う人が出て、皆がつながっていることを見せる
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- 科目
- 情報Ⅰ(総合学科・単位制・3部制の学校)
- 学年
- 1年次
- 時間
- 年間/※同じ著者の事例332は同じ学校の「情報Ⅱ」の授業実践(題名はほぼ同じだが科目が違う)
- 必要なもの
- 1人1台端末(記事ではiPad)、パソコン教室のPC、教科書と準拠の資料ノート、学習管理システム、タイピング練習のソフト
- 前提
- 小中学校に通えていなかった生徒が多く、四則計算やローマ字入力から支援が必要。情報科の教員4人が指導メモ・スライド・課題をすべて共有して同じ授業ができるようにする
- 教員は事前に練習用のチームで課題を配信し、実際に自分たちで解いて端末ごとの見え方を確認してから本番に臨む
- 毎回の授業は「出席確認→タイピング練習→課題1と提出→課題2と提出→タイピング練習」の流れにする
- デジタル化は先に手を動かす。マスに色を塗った絵を表計算のセルで1と0に置き換え、友達に渡して復元させる。気づいたことを書かせてから仕組みを説明する
- 情報デザインはペルソナを使う。題材そのものを知らない生徒もいる前提で、作り方の動画から見せる。4人で1枚の共有スライドを分担して書き込ませる
- アルゴリズムは料理のレシピや組み立て説明書から入る。Pythonは演算子の表記と意味を丁寧に扱ってから始め、早く終わる生徒用の応用問題も用意する
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- 科目
- 情報Ⅰ(年間カリキュラムの設計)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 年間
- 必要なもの
- 1人1台端末、日本語でもエラーメッセージが表示される実行環境(対話的なプログラムを組む段階で一般的な環境に移る)、教科書と付属の問題集、パソコン教室
- 前提
- 生徒は忘れることを前提に授業を組む(1年後だけでなく半年後も忘れている)。同じ内容を学期を横断して繰り返し扱う。興味・関心が高く記憶に残る学習活動を選ぶ。他教科で学ぶ内容とつなげて、情報を学ぶ意味と他教科を学ぶ意味の両方を伝える
- 4分野を学期ごとに区切らず、学期を横断して繰り返す形で年間計画を立てる。1学期と2学期は身近な話題を例に組み、3学期に総復習をしながら、より深く広い内容を扱う
- 各単元は「演習から入り、最後に教科書でまとめる」形にする。例:SNSの炎上・拡散事件を複数の記事で調査し、1つの事件を時系列で分析して、加担した人がどの罪に問われるかまで調べさせる。最後の1時間で教科書と照らし合わせて整理し、付属の問題集で知識を確認させる
- プログラミングは3回に分ける。1学期はアルゴリズムだけ(カップラーメンを作る手順を過不足なく書く→トランプの並べ替えの手順を考える→映像で並べ替えの例を見る)、2学期は身近な題材でプログラムを書く、3学期に復習してアルゴリズム的な内容に進む
- 難しい内容は細かく分けて何度も扱う。例:n進法は、1学期前半に足し算・引き算・掛け算・論理演算と変換を扱い、しばらく後に補数表現で復習し、2学期のプログラミングと期末テストでも扱い、変換のプログラムも組ませ、最後に浮動小数点と誤差でまとめる
- 他教科で学ぶ内容とつなげる(数学の「データの分析」に対して情報では分析結果をどう言語化するかを扱う、物理の可聴域は音のデジタル化で注意すべき点につながる、社会科の地理情報は分析結果を地図上にプロットする体験になる)
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- 科目
- 情報Ⅰ(実践の型)
- 学年
- 高校1年
- 必要なもの
- 表計算ソフト、Python環境、公開統計データ、地理情報のデータ、改編用のサンプルプログラム
- 前提
- 「コンピュータを使うために思考する」「コンピュータに処理させた結果をもとに思考する」経験を柱に置く。教員は考え方とツールの使い方だけを示し、使う場面は生徒に見つけさせる
- モデル化とシミュレーションでは、現象を数式モデルにして表計算でシミュレーションさせ、結果から考察と解決策を発表させる(記事では感染者数とワクチンの効果)
- 質的データの分析では、考え方とツールの使い方を示し、生徒が使えそうな場面を自分で見つけて調べさせる(記事ではスポーツの好みのクロス集計とカイ二乗検定)
- 量的データの分析も同様に、生徒が仮説を立てて測定させる(記事では手の大きさと文字入力の速さ。漢字変換の有利不利が出ない文章を打たせて測る)
- プログラムで施設の位置情報を取得し、公開統計データの人口分布と重ねて問題の発見と解決を考えさせる
- プログラミングでは、仕組みを説明するサンプルを用意し、それを改編して自分の関心に合う動作を作らせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(データの活用)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 11回(3学期)/※同じ著者の事例125は、3年生を対象にした前の実践(Toulminの三角ロジック、仮想データでの練習、js-STARでの検定、レポート作成)を報告している
- 必要なもの
- 表計算ソフト、アンケートの仕組み、スマートフォンの利用時間を記録する機能、復習用の授業動画、プレゼンのひな型
- 前提
- 生徒自身のデータを分析対象にする。集めたデータは個人が特定できる情報を外してから配る。共通テストの試作問題を折々に見せて意識させる
- 「自分たち高校生のスマートフォンの利用状況を分析する」という目的を示し、利用時間などをアンケートで集める(記録機能で1週間分を取る)。入力前に「自分は何時間くらい使っていると思うか」も書かせる
- 同じ時間の残りで共通テストの試作問題のデータ分析の大問を見せ、これに近い流れで実習することを伝える
- 3〜7回目でデータ分析の方法を扱う。高度なので、授業より詳しい復習用の動画を公開しておく
- 匿名化したクラス全体のデータを配り、調べたいことを考えさせて個人で6つ仮説を立てさせる。班で発表し、そのデータでは調べられない仮説がないか、どの分析方法で調べられるかを話し合わせる
- ひな型(目的と仮説→分布と度数分布表→相関分析→比較と検定→考察)に沿って3分のプレゼンを作らせ、発表会を行う。授業は他の教員にも公開する
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- 科目
- 情報Ⅰ(年間の指導計画全体)
- 時間
- 年間(1学期に約19回、2学期に約20回、3学期)
- 必要なもの
- 表計算ソフト、公開されている統計データ(記事ではe-Stat・気象庁・家計調査報告)、統計ポスターの出品先、外部講師
- 前提
- 教科書の並び順とは異なる順序で単元を配置すること。統計グラフのコンクールの日程に合わせること
- 1学期に「情報社会の問題解決」と「データの活用」を扱い、表計算の技能・統計量の意味・回帰分析を演習で身につけさせる
- 公開データを使った相関分析と回帰分析の演習を段階的に重ね、夏休みに各自の関心のあるデータで統計ポスター(1枚目)を作らせ、コンクールに出品する
- 2学期に「コンピュータとプログラミング」と「情報通信ネットワーク」を扱い、最後にプログラムで公開統計データを取得する演習を置く
- 3学期に「コミュニケーションと情報デザイン」を扱い、ピクトグラムやシグニファイアなどの基礎概念を学ばせる
- 改善前と改善後のポスターの例を見せて5段階で評価させたうえで、1学期のポスターを、伝える相手の属性を定めて作り直させる(統計ポスター2枚目)
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- 科目
- 情報Ⅰ(アルゴリズムとプログラミング)
- 時間
- 1コマ(記事では45分授業のうち40分)
- 必要なもの
- ブラウザで動くソートの体験アプリ(記事では「人型ピクソートグラム」)、回答を集めるフォーム、全員に見せる中間モニタ、ソートを扱った動画教材
- 前提
- 自動整列の機能を隠した状態のURLを、生徒がすぐ開けるようにしておくこと
- 自動整列を隠した状態でアプリを開かせ、シーソーで2人の重さを比べる操作を自由に試させる
- 「3人を重さの順に並べるには何回でできるか」を問い、フォームで集めた回答を全員に表示して、答えが割れた理由を話し合わせる
- マージソートを扱った動画を見せ、同じ手順の繰り返しで、数が増えても並べ替えられることに気づかせる
- 自動整列を表示した状態にしてバブルソートを一斉に実行し、回数を確認したうえで、どういう手順かを文章に書かせてフォームで共有する
- クイックソートで同じことを行い、回数がばらつくことから手順の違いに気づかせ、クイックソートを扱った動画で確認する
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- 科目
- 情報Ⅰ(デジタル化/反転授業)
- 時間
- 5時間(文字・音・画像・データ量・圧縮)
- 必要なもの
- 単元ごとの自作動画(1本5分程度、単元で20分を超えない)、動画とリンクを配る仕組み、ワークシート、チェックテスト、振り返りを入力する端末、タイマー
- 前提
- デジタル化は数学的な内容が入り苦手意識が高いので、丁寧に講義するのをやめて生徒に任せる。動画は一発撮りで編集を最小限にし、トピックごとに細切れにする(隙間時間に見られるため)。データ量の計算は式だけでよいことにして、丸暗記はさせない(なぜ8を掛けるのか、なぜ1024で割るのかを理解させる)
- 前の時間に、次の時間の範囲と動画のリンクを提示しておく。各自が事前に動画を見てくる
- 授業の冒頭で「今日はこれを身に付ける。後で確認する」と目標を明示する
- タイマーでカウントダウンしながら教え合いの時間を15〜20分取る。自由に立ち歩いて教え合うことを推奨する(時間はわざと少し足りない設定にする。「あと10分あればもっと点が取れた」と思わせて予習を促すため)
- 残り15分でチェックテストを行う。あらかじめ示した練習問題とほぼ同じ問題を出す(やってきたらできると思わせるため)。答案は回収せず、隣同士で交換して採点させ、間違えたところに正しい答えを書かせる
- 振り返りを端末で入力させる(タイピングの練習も兼ねる)。「教え合いに貢献できたか」を必ず聞き、聞いた回数・教えた回数を評価対象にすることを生徒に伝える。その日の内容をキーワード1行で書かせ(資料を見てよい)、分からなかったことも書かせる。早く終わった生徒には次回の動画リンクを先に配る
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報通信ネットワーク)
- 学年
- 本文に明記なし
- 時間
- 2〜3コマ
- 必要なもの
- PC端末(コマンドプロンプト実行環境)、自宅ネットワークのスケッチ用プリント、Jamboard等の付箋共有ツール、ブラウザ(Googleストリートビュー)
- 前提
- 共通テスト試作問題(機器接続やtracertの出題)を題材とし、特別な機材や環境を用意せず「教科書に載っている標準的な実習」を深掘りする方針。自宅機器の観察は、写真撮影だと見過ごしてしまうポートやランプの役割に着目させるため、あえて手書きスケッチを課す(デッサンに陥らないよう観点を指示する)。生徒のスケッチ間違いや接続の誤り、tracertで生徒ごとにルートが変わる現象などを「失敗」とせず、なぜ通信できないのか・なぜルートが違うのかを考えさせる発問の契機として活用する。
- 自宅のネットワーク機器(ONU、ルータ等)のポートやランプの表記・接続順を手書きでスケッチさせ、写真撮影では見落としがちな機器の特徴と役割を推測させる
- インフルエンザ等の感染症対策の知識を出し合わせてコンピュータウイルス対策と対比させ、セキュリティの三原則(侵入防止・発症防止・拡散防止)を生徒自身に導き出させる
- コマンドプロンプトで nslookup コマンドを実行し、様々なドメインに対応するIPアドレスを調べて複数IP(負荷分散)やDNSの仕組みを学ぶ
- tracert コマンドで目的サーバまでの経由ルートを追跡し、生徒間で通るルータが異なることや海外サーバの存在を確認させてパケット交換方式の動作を実感させる
- Googleストリートビューでデータセンター内部のサーバ群を閲覧し、身近なネットワーク通信が物理的な施設や機器に支えられていることを実感させてまとめる
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- 科目
- 情報Ⅰ(データの活用・統計)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 4コマ程度
- 必要なもの
- 表計算ソフト(Excel)、アンケート用紙またはGoogleフォーム、定規・スマートフォン(データ実測用)
- 前提
- PPDACサイクルの概要、クロス集計や散布図、基本統計量の基本概念の導入後
- PPDACサイクルを提示し、4人グループで「関係がありそうな2つの事象」(例:スポーツをする好き嫌いと観戦の好き嫌い)の問いを生徒自身に立てさせる
- 質問項目と選択肢を設計してクラス内でアンケート調査を実施し、クロス集計表を作成する
- Excelでカイ二乗検定の計算式を入力し、棄却限界値と比較して2事象の関連性の有無を検証・考察させる
- 量的データ分析として「手の大きさと文字入力速度の相関」等の仮説を立てさせ、実測(手の寸法計測と指定文章の入力タイム計測)によりデータを収集する
- 基本統計量の算出、散布図の描画、t検定(無相関検定)を行い、分析結果から新たな疑問や次の課題を見出してレポートにまとめる
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報デザイン・デジタル化)
- 学年
- 本文に明記なし
- 時間
- 単元の各実習(各1〜2コマ)/※4つ目の題材「ドリトルによる宝探しゲーム」の詳細は事例193にあり、本文が「※7 [事例193]」としてリンクしている
- 必要なもの
- 1人1台端末、二次元バーコード生成ツール、CSアンプラグド用カード、ドット絵作成環境、プログラミング環境(ドリトル等)
- 前提
- 情報デザインの基本概念、2進法・デジタル表現の基礎知識
- 二次元バーコード生成ツールを用いて文字数や誤り訂正レベルを変えてコードを作成させ、提出前の中間段階で生徒同士の相互評価と改善を行わせる
- CSアンプラグドのカードを用いて手計算から2進数への表現を体験させ、パリティビットによる誤り検出の仕組みを生徒自身に見つけさせる
- 各自でオリジナルのドット絵を描かせ、ランレングス圧縮の手法でデータ圧縮と展開を相互に検証させてデータ量削減の仕組みを理解させる
- 操作性の悪いボタンUIを持つ宝探しゲームを提示し、生徒に問題点を発見させてプログラミングでボタン配置やデザインを改善させる
- 改善した作品を生徒同士で実際に操作し合って相互評価を行い、使いやすさ(ユーザビリティ)と情報デザインの意図を総括する
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- 科目
- 情報Ⅰ(コンピュータとプログラミング)
- 学年
- 1年(必履修)
- 時間
- コンピュータの仕組み3回+シミュレーション2回+プログラミング11回/※同じ著者の事例27は、前任の中堅校で「情報の科学」の3つの難単元の目標を置き換えた実践を報告している
- 必要なもの
- Python、表計算ソフト、ドリトル、論理回路シミュレータ、論理回路のドリル、オンライン学習教材(夏休みの宿題用)、自分のペースで進められる順序立てた教材、ペアプログラミング用の環境(1つのテーブルに生徒用デスクトップ2台と中央ディスプレイ1台)、APIを使うためのサンプルプログラム
- 前提
- 進学指導重点校で75%の生徒が共通テスト・フル型受験。ほとんどの生徒が共通テストで「情報Ⅰ」も受験するという前提で授業をしている。/基本的には共通テストのための授業はしないようにしているが、共通テストに出た考え方は紹介したいのでできるだけ取り入れる。情報オリンピックにも取り組ませているので、そこで必要な考え方も紹介するよう心掛けている。/大学入試センター言語でプログラミングができる環境もあるが、それ自体でプログラミングはしない。疑似言語は一度は見せておきたいので見せるが、プログラミング自体はPythonの基本をしっかりやる。/体験と考えることを重視し、学んだことを活用することを中心にする。授業でしゃべる時間はできるだけ10分くらいにして、あとは活用する時間に取るよう心掛けている(ただし、しゃべり過ぎということが多い)。/試作問題を期末考査に出した結果:論理回路は説明せずに出題して正答率79%と56%(条件が組み合わさると難しい。事前にANDとORとNOTの真理値を付けておけばもう少しできたかもしれない)。待ち行列は何も説明せずいきなり出題して約60%と50%強(初見にしては解ける生徒が多かった)。関数を作る部分は63%と55%。/テストで問題を見ておく経験をさせて、テストの解説のときに「こういうのは図に書いてやるといいんだよ」と話すと理解を深められる。/待ち行列は教科書12冊のうち8冊に掲載され4冊には載っていない。累積相対度数を確率と見なす考え方は1冊のみに掲載されている。/高校生は数式モデルを作るところが一番のネック。身近な話題で高校生が理解できる数式モデルがもう少しあればよいと常々思っている。/3年間の学習プロセス:1年で「情報I」、2年で探究活動や他教科で「情報」の学びを活用(「情報I」の仮説検定は2年の数学Bの統計でもう1回出てくるので、1年で「来年数Bで出るよ」と言っておくとカリキュラム・マネジメントになる)、3年で知識事項の学び直し
- 【コンピュータの仕組み・全3回】「コンピュータとは何か」「ソフトウエアの仕組み」「演算の仕組みとコンピュータの限界」を扱う。実習を取り入れて、身の回りのコンピュータが使われている機器を図解したり、プレゼンテーションソフトで写真の周りに吹き出しを付けたりして、どんな機能があってどういうデータを取っているのかを図解で説明させる。論理回路はポイントが規則性なのでドリルが有効——入力すると変化が現れる表計算のドリルや単純なドリル形式の練習問題、論理回路シミュレータで学ばせる。あわせてPythonや表計算ソフトで実際にやってみて「コンピュータによる計算には限界がある」ことを学ばせる
- 【シミュレーション】確定的モデルと確率的モデルの2回に分け、Pythonと表計算ソフトを併用する。確定的モデルの題材は預金の複利計算と生命体の増加(どちらの環境でもできるように都合4つの教材を作っておき、両方でやってみる)。確率的モデルはサイコロとガチャ(100連ガチャを100回やったら何人くらいの人が当たるのか——確率で求めればすぐ出る問題をあえてシミュレーションでやり、理論的に計算した結果と同じ結果が得られるという経験をさせる)
- 累積相対度数を確率と見なすシミュレーションを例題に取り上げる。10個単位で販売個数を集計して累積相対度数の表を作り、乱数を使って対応するところを見ていくことで販売個数を予測する。1回予測すると全部で170個売れたことになる、何回もやってみると予測がしやすいと分かってもらうために、100回行ってヒストグラムや箱ひげ図にする(ヒストグラムの形状は乱数に影響されて変わるが、箱ひげ図はほとんど変わらない形で出てくる——「実際にやったらどうなるのか」を見ておくだけでも生徒にメリットがある)
- 【プログラミング・全11回】1学期にまず2回、ドリトルで「プログラムを作るというのはどういうことなのか」を、Pythonで変数の使い方といったごく基礎的な内容を扱う。1回目は一斉授業で入力の仕方や変数の扱い、基本的な構文を説明するが、2回目以降はスライドを見ながら各自のペースで進めさせる——中学校でScratchをやっていたり自分でPythonを書いている生徒も結構いるので、最初からプログラミングは一斉授業には向かないと考える。だんだん難しくなるような題材が出てくる教材を全員に配って、自分でどんどん先へ進めていく形にする。夏休みの宿題として、オンライン学習教材でPythonに慣れるための課題を出す
- 2学期の割合後半に、習熟のための練習を3回(自分のペースで進めていけるように順序立てた教材を使う)、簡単なゲームのプログラムを2回、ペアプログラミングを2回、シミュレーションの活用を2回行う。ゲームの条件は「乱数を使ったゲーム的要素がある」「入力に対して反応がある」「自分でこのプログラムはこういう動作をしますと説明ができて、ちゃんと動作する」で、作ったものを他の人3人に評価してもらう。ペアプログラミングは、お互い頼りになる相方とペアになって隣り合って自由に座らせる——1回は「プログラミングバトル」(ペアでお題に沿ったプログラムを考えて作り、速さを競う。5チームできたところで終了し、答えを皆に見せて説明する。一人で考えていると諦めてしまうがペアなら頑張れる)、もう1回はAPIを使ったプログラミング(事前に用意した動くプログラムを提供し、APIで返ってきた値の中から次のプログラムを呼び出すためのキーワードが取り出せないかを分析させる。郵便番号→町名表示、緯度・経度→最寄り駅、緯度・経度→地図、地域コード→天気などを、どこから前のデータを取り出してつなげるかペアで考えさせる)
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- 科目
- 情報Ⅰ(プログラミングの問題演習の指導)※共通テスト試作問題「情報I」第3問の解説指導
- 時間
- 記載なし/※記事は特定の試作問題(最小交換硬貨枚数を求めるプログラム)の設問ごとの解説であり、ここに書いたのは、その解説の中で示された指導の要点を順に並べたもの
- 必要なもの
- 共通テスト試作問題「情報I」第3問(大学入試センターのサイトで公開されている)、値の変化をトレースするための表、情報オリンピックの1次予選の過去問
- 前提
- この発表は、授業でプログラムを学習したけれど苦手意識を持ってしまった生徒や、そもそも「情報」がよくわからないから入試対策を諦めようとしている生徒に踏みとどまってほしくて作成した。/試作問題第3問は、問題文とコードが短いのが特徴。/第3問には伏線がある——最初に検討したこと(問1で商品の価格をX、釣り銭をYとして、必要な硬貨の枚数の合計を表したこと)が最後の設問に出てくる。近くの問題文を見てよくわからなかったとしても、どこかにヒントがあるかもしれない。/出題は順次・分岐・繰り返しを混ぜたもので、配列があり、短い文脈とコードからいろいろなことを考える問題。対策としては情報オリンピックの1次予選の問題に取り組むのがよい(もう少し敷居を下げた問題としてジュニア部門もある)。情報オリンピック自体は高校2年生までが出場対象だが、3年生でもオープン参加可能で、過去問を見て学習することもできる。一次予選は4問出題されるが、その「問題4」を解ければ共通テスト対策は十分
- 関数を使った問題に入る前に、用語をイメージで確認する(関数=データを受け取り、何かしらの処理を行い結果を返す命令/引数=関数に渡すデータ/戻り値=関数が処理をした結果)。「8円というデータを関数に与えると、5円玉1枚と1円玉3枚が最小の組み合わせだと調べて、硬貨4枚ということで4を出力する」という図で、引数と戻り値を対応させる
- 文字式が出てきて詰まったときは、具体的な数値に置き換えて検討させる(XやYのように文字で表されていてよくわからなくなったら、具体的な数値で検討するのがポイント)。また、解答群に+1や-1があったりなかったりする場合は、四つの選択肢それぞれについて実際に計算させる
- 配列が出てきたら、配列と添字を確認する(配列=データを格納する連結した箱、添字=連結した箱それぞれに付いた管理番号)。これまで使ってきた変数は変数名を指定すれば代入先や出力元がわかったが、配列は配列名を指定しただけではどの箱に代入するのかが定まらないので、それを指定するために添字が存在する——という違いを示す。あわせて、プログラムの「=」は数学のような「同じ」という意味ではなく「右辺のものを左辺に代入する」という意味であることを注意する(左辺にも右辺にも同じ変数がある表記は数学では見慣れないため戸惑う)
- 繰り返し文の問題は、値の変化を追跡(トレース)させる。まず変数の役割を確認し(どの変数に何が格納されるか、初期値は何か)、表を作って周回ごとに右辺と左辺の値を追わせる。繰り返し文は前の処理が繰り越されるので、その性質が表で見えるようにする
- 初期値のセオリーを教える——初期値は必ず置き換わる値を設定するのがセオリー。最小値を格納する変数には予想される最大値よりも大きな値を設定し、最大値を格納する変数には予想される最小値よりも小さな値を設定する。件数などを数える変数には0を設定するのが一般的(この問題では、100円以下の買い物で使う硬貨の枚数は100枚を超えないので、最小枚数を格納する変数に十分大きな値として100が入っていた)。対策としては情報オリンピックの1次予選の問題に取り組ませる
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- 科目
- 情報Ⅰ(プログラミング)
- 時間
- 6回(+準備の0回目)
- 必要なもの
- ブラウザで動くプログラミング学習サービス(インストール不要、IDとパスワードを配る)、回ごとのプリント、回答を集めるフォーム
- 前提
- 説明を最小限にして、プリントを見ながら各自で進めさせる。教員は机間巡視に専念する。全角記号を枠で囲むフォントなどの支援機能を使う
- 0回目にIDとパスワードを配り、ログインとプロジェクトの作成の仕方だけを扱う
- 1回の授業を1つのプロジェクトとし、回ごとにプリントを用意する。順次実行と変数→条件分岐→配列→繰り返し→関数→繰り返しと選択の組み合わせ の順で進める
- 各回に4つ程度の課題を置く。写すだけの部分と、生徒が自由に言葉や表示を変えられる部分を混ぜる
- 繰り返しでは「確率1%のガチャを100回引いて必ず当たるか」を先に予想させてから作らせ、何度も実行させる
- 提出は振り返りと一緒にコードをフォームに貼らせる。エラー表示を手がかりに、自分から聞けない生徒を早く見つけて対応する
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- 科目
- 情報Ⅰ(年間の組み立て)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 2単位
- 必要なもの
- 1人1台端末(BYOD)、PC教室、公開されている単元計画のひな型、公開教材(データセット、データベース学習システム、暗号やパリティビットの体験サイト)
- 前提
- PC教室は1教室しかなく2学年分は入らないため、端末を使って教室で実習する。2単位では時間が足りないので「何に重点を置くか」を先に決める
- 年度当初に、公開されている単元計画のひな型を教科書の流れに当てはめて年間の見通しを作る
- 学期ごとに単元計画を先に作り、全クラスで行う課題を作って教員間で共有する(緩やかな方向性だけで始めると、教員が話し続ける授業になる)
- 単元ごとに中心となる課題を1つ決める(データ活用なら公開データセットでの相関分析とアンケート設計、データベースなら学習システムで射影・選択・結合)
- 苦手な単元は体験を先に入れる(プロトコルやルーティングの体験、送信者役と受信者役に分かれた暗号のやりとり、パリティビットでのエラー箇所の特定)
- 端末で動かない実習があることを前提に、PC教室を使う回を計画に組み込む。他の教員の教材やワークシートを持ち寄って共有する
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報のデジタル化)
- 必要なもの
- ブラウザで使える画像編集ツール(記事ではPhotopea)、図形と数値を対応させた教材
- 前提
- この後にプログラミングの単元を置くこと
- 図形と数値を対応させた教材で、情報を数値に置き換えれば表せることを示す
- コンピュータが計算の道具として登場し、情報を数値で表せるようになったことで情報を扱う道具になったことを押さえる
- 画像編集ツールのトーンカーブとレベル補正を体験させ、色の数値を変換することで加工していることを確かめる
- コンテンツに応じた塗りつぶしを体験させ、写真がすでに「撮る」ものではなく「作る」ものになっていることを考えさせる
- 「では実際にどのように加工しているのかを知るために、次はプログラミングをやろう」と次の単元につなぐ
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- 科目
- 情報Ⅰ(コンピュータとプログラミング)
- 時間
- 1回
- 必要なもの
- 1人1台端末、表計算ソフト(論理関数が使えるもの)、真理値表を書き込むプリント
- 前提
- 表計算ソフトの基本操作は学習済み。毎回の授業はキーボード練習→目標確認→説明→体験を伴う実習→まとめの流れで進める
- その日の目標を確認し、CPUによる演算のしくみを説明する
- 手元の端末のCPUの内部が3種類の論理ゲートの組み合わせでできていることを伝える
- 表計算ソフトのAND関数・OR関数・NOT関数を使って、生徒自身に真理値表を作らせる(教員が作ったツールを動かして調べる形は単調で早く終わってしまったため、作らせる形に変えた)
- 出た値をプリントの真理値表にまとめ、全体を見てゲートの動きを確認する
- 真理値表から論理式の話につなげてまとめる
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- 科目
- 情報Ⅰ(データの活用)
- 時間
- 2回(全5回の4・5回目)
- 必要なもの
- 表計算ソフト(Webページの表を取り込める関数が使えるもの)、都道府県別の統計をまとめた公開サイト、提出用のフォーム
- 前提
- 操作の習得に時間を取られないよう、データの取り込みと散布図・相関係数の表示を先に用意しておく(URLと表の番号を入れるだけで取り込める、単位と列を選ぶだけで散布図が出る)。分析そのものに時間を使う
- 都道府県別統計のサイトを紹介し、2回で分析作業を行うことを伝える
- 仮説を立てることの大切さを扱い、教科書に載っている例(自動車保有台数とガソリン消費量など)を仮説として、用意したシートで相関係数を求めてみせる
- 1回目は、相関のある組み合わせを3つ探して提出させる
- 2回目の冒頭で散布図の見方を扱う(外れ値の影響、2つのグループに分かれている場合はグループごとに分析する必要、直線でない相関)。相関関係と因果関係の違い、バイアスにも触れる
- 1回目に全員が出した組み合わせの一覧から1つに絞らせ、仮説・考察・課題をフォームに提出させる
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- 科目
- 情報Ⅰ(コンピュータのしくみ)
- 必要なもの
- ブラウザで動く論理回路シミュレータ(記事ではSimcirJS)
- 前提
- 2進法を先に学んでいること。いきなりシミュレータから入らず、講義で意味づけをしてから使うこと
- 手計算から歯車式計算機、電気信号による計算へという流れを話し、2進法と論理回路の組み合わせでコンピュータの計算が実現していることを説明する
- シミュレータで電源・スイッチ・LEDの3つをつなぎ、スイッチを入れると出力が1、切ると0になることを確かめさせる
- AND回路を教員と一緒に組む
- OR回路とNOT回路は、どんな結果になるかを真理値表に自分で書かせてから、シミュレータで検証させる
- 半加算回路、続いて全加算回路を組ませ、加算回路でコンピュータの計算が行われていることを発見させて、考察を書かせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(コンピュータとプログラミング)
- 時間
- 8回
- 必要なもの
- 3人の主張を書いた読み物(記事では公開のPDF)、プログラミングの実行環境、論理回路のシミュレータ、意見を色分けして共有できる仕組み
- 前提
- 矛盾するような主張をする複数の文章を比較させて、教えたいことを生徒自身に発見させる(同じ方法をネットワークの単元で回線交換とパケット交換の2つの文章に使ってきた)
- パスカル・バベッジ・シャノンが「自分の発明こそがコンピュータをコンピュータにした」と主張する文章を読ませ、誰の功績かを理由を付けて考えさせる
- パスカルの回:機械式計算機が入力した数値を保持する仕組みと加算器を持っていたことを、教科書のCPUの計算の仕組みと対比させる。「パスカルが作ったものはコンピュータと言えるか」を考察させる
- バベッジの回:解析機関が順次・分岐・繰り返しをすべて実現していたことから、基本制御構造と構造化定理を説明する。3つの構造が入ったプログラムを実際に動かし、少し改造させる
- シャノンの回(複数時間):2進数を学ばせ、シミュレータでAND回路・OR回路を体験させ、シャノンの設計に基づいて半加算器を作らせる。続いて情報の最小単位と情報量の測り方を手を動かして扱う
- 最後の回で、3人の功績を重みづけして順位を付け、その理由を書かせる。順位の意味を明確にするため「自動車にとってバッテリーは重要だが、バッテリーの発明が自動車を生み出したと言えるか。何があったら自動車なのか」という例え話を先にしておく
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- 科目
- 情報Ⅰ
- 必要なもの
- 1人1台端末(機種が揃っていなくてもブラウザで動くもの)、自作の体験用ツール、公開鍵暗号の演習シート2枚
- 前提
- 端末を「調べる・入力する」だけでなく「体験する」ために使う。機種が混在していても共通して動くよう、ブラウザやクラウド上の実行環境で作る
- デジタル化の授業では、階調とディスプレイの色のしくみを説明したあと、赤・緑・青に0〜255の数値を入れて色を作るツールで「この色を作るならどの組み合わせか」を試させる
- 公開鍵暗号では、まず演習シートに鍵の素となる2つの素数、公開鍵、その積、秘密鍵を記入させる
- 秘密鍵は絶対に見せないというルールを伝え、2枚目のシートに公開鍵と積だけを書いて隣の人と交換させる
- 受け取った側は公開鍵と積を使って暗号メッセージを作り、持ち主に返す。持ち主は自分の秘密鍵で復号する
- ネットワークでは、経路を調べるコマンドを模したプログラムをクラウド上の実行環境で動かし、名前解決と経路の表示を体験させる
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- 科目
- 情報Ⅰ(プログラミング)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 8〜10時間(1学期・夏休み・2学期に分割)
- 必要なもの
- ブロック型・日本語のプログラミング環境、マイコンボード、テキスト型の実行環境、表計算ソフト、タイピング練習のサイト
- 前提
- テキスト型に全部を充てず、1学期に導入、夏休みに作品制作、2学期にテキスト型と分ける(理由は3つ——「テキスト型は辛かったがプログラミングは楽しかった」で終われるよう認知的に切り分ける/長い夏休みを使う/文理選択の前に情報Ⅰの全体を一通り味わわせる)。テキスト型では写経の時間を1時間は確保する(家でやるよう課題を出しても8割はやらない)。特殊記号の入力練習の時間も取る(全角の括弧でエラーを起こして嫌になる生徒が多い)
- 1学期にデジタル化の流れで作曲を1時間、日本語のプログラムでゲーム作りを1時間、マイコンボードでブロックを組むのを2時間行う
- その時期の定期試験は、ブロックのプログラムと日本語のプログラムを読む問題で出す
- 夏休みの課題として作品制作をさせる(使う言語は限定しない)。あわせてタイピングをゲーム形式で練習させておく
- 2学期にテキスト型に入る。環境を整えたあと、当たり付きのくじのシミュレーションを一緒にライブコーディングで作る。続いて表計算ソフトで理論上の確率を出し、大きな回数のシミュレーションで一致するかを見る形につなげる
- おみくじ・会話bot・じゃんけんを一から書かせる。じゃんけんでは勝敗の判定表を満たす条件分岐を考えさせる(余りを使う効率的な書き方までは求めない)。「じゃんけんを作るとは、コンピュータにじゃんけんを教えることだ」と伝え、身近な概念を言語化・理論化することだと押さえる
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- 科目
- 情報Ⅰ(プログラミング)
- 時間
- 8回(1〜6回目が基本、7〜8回目が総合演習)
- 必要なもの
- マイコンボード(加速度センサー付き、1人1台)、ブロック型のエディタ、1人1台端末、授業プリント、計測ツールを作る小さなペットボトルと輪ゴム
- 前提
- プリントの左に授業で使う言語、右にDNCLを併記する(DNCL自体は教えず、見比べさせる)。教員の説明は早く済ませ、毎回発展課題を置く。毎回席替えをしてから授業に入る
- 1〜6回目で、公表されている試作問題・サンプル問題に出たプログラミングの要素をすべて扱う(順次・分岐・繰り返し・配列・関数)
- 7回目に総合演習の課題を示す。校内にある物の高さを、マイコンボードで測って求める
- ボードの加速度センサーで対象物への仰角を測るプログラムと、歩数から距離を求めるプログラムを作らせる(身長×0.45を歩幅とし、ボタンを押した回数を歩数として数える)
- 小さなペットボトルを加工して輪ゴムでボードを固定した計測ツールを作らせる(底からのぞいてキャップの穴と対象物の上端が一直線に見える状態で測ると角度が安定する)
- 8回目に校内で実測する。測っている様子を友達に撮ってもらい、写真に図形と数値を描き込んで提出させる。高さの計算にはタンジェントを使う
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- 科目
- 文部科学省が作成した「情報Ⅰ」学習動画の紹介と、3つの活用場面の提案
- 時間
- 「コンピュータとプログラミング」の単元の動画5本(今後「データの分析」「情報デザイン」等も追加予定)
- 必要なもの
- YouTubeで公開されている文部科学省「情報Ⅰ」学習動画(動画内で使う教材・資料もYouTubeのリンクに貼られている)
- 前提
- 2022年11月15日付の文部科学省通知「高等学校情報科に係る指導体制の一層の充実について」で、「情報Ⅰが導入間もない科目であることを踏まえ、教師の研修、授業の一部における放映及び生徒の予習・復習・自学自習等に幅広く活用できる動画教材を国の責任で提供・充実させる」と書かれている。この「コンピュータとプログラミング」の授業動画を、著者と同じ神奈川県立高校の鎌田先生が作成しており、撮られた側の立場から使い方を紹介している。
- 国のロードマップの中でこの「『情報Ⅰ』解説動画」は、生徒も視聴可能となっているのが最大の特徴で、教員だけでなく生徒が直接見て学べる
- 動画はソフトの操作方法やプログラムの組み方といったハウツーものではなく、問題解決の場面や各テーマに応じて、解決のためにどうプログラミングを使うか、使うと何ができるようになるかという視点で構成されている
- 活用場面の1つ目は授業の中で使うこと。場面ごとに適切に使うことで、問題解決型の学習とはどのようなものか、どのような過程を踏むのかを生徒に提示する助けになるとしている
- 2つ目は教材研究で使うこと。教材研究で一番詰まるのは「題材」で、それを生徒に提示するときにどう落とし込むかが難しい。動画は「優れた指導力を有する教師の視点」として、題材をどう教材に変換しているのかの細かい流れをそのままたどって紹介しているので、教師の授業力の向上につながるとしている
- 3つ目は生徒の自学自習で使うこと。「ここでプログラミングしてみましょう」と作業するタイミングを明示して話をいったん止める構成になっているので、生徒が自分のペースで学べる。動画のリストは「コンピュータとプログラミングについて」「センサーライトを作ろう!」「100連ガチャをプログラムして作ろう!」「公平な方法で発表の順番を決めよう!」「天気予報表示マシーン作ろう!」の5本
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報デザイン)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 1回(+以降の各授業の最後5分)
- 必要なもの
- Webサイトを作成できるアカウント、共有の表計算シート、情報教室のパソコン
- 前提
- 情報デザインの単元で学んだ「他人からどう見えるかを意識したデザイン」を、実際にサイトを作って実践する。年度初めに情報デザインを扱い、すぐ立ち上げられるとよい
- 30分ほどレクチャーを行い、各自のアカウントで新規サイトを作る(テンプレートは既定のものから選ばせる)
- 情報デザインの「構造化」の実習として、ツリー構造のサイト構成を考えさせる
- ホームと並列に「教科」ページを作り、その子ページとして「情報Ⅰ」を作らせて構造を確認する。クラブや行事のページも作らせ、教育活動全般の記録にする
- 公開範囲を組織内に限る設定をさせ、セキュリティで学んだことを再確認する。各自のアドレスを共有シートに記載させ、互いに見合えるリンク集にする
- 新しい記事が上に並ぶ更新の仕方を示し、以降は各授業の最後5分で各自がサイトを開いて振り返りを書く
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- 科目
- 情報Ⅰ(プログラミング)
- 時間
- 6回+グループでの制作
- 必要なもの
- 各生徒のアカウント、ブラウザで使えるプログラミングの実行環境、課題を配布する仕組み、配布用のベースとなるプログラム
- 前提
- 正解のある問題で基本を身につけたあと、そこで扱ったプログラムを発展させて正解のない課題に取り組ませる。題材は生徒の生活に近いものを選ぶ(通学に使う路線など)
- 1〜6回目で、要点となるプログラムを配布し、繰り返し・分岐・配列・関数の考え方を確認する。特に理解させたい箇所は空欄にして補充させ、動作を確認させる
- 扱うプログラムの例:距離に応じた運賃を求めるもの、関数を使って1日平均の乗降人数をグラフにするもの、乱数を使って等しくない確率でくじの結果を出すもの
- 課題を出す——「これまでに学習したプログラムを改変したり応用したりして、何かが便利になったり、何かの役に立つプログラムを作る」
- グループで1つのアイデアにまとめさせて作らせる。全員が必ず自分のコンピュータで動作させることを条件にし、エラーは基本的にグループで解決させる(やむを得ない場合だけ教員が助言する)
- 最後に、そのプログラムの用途や設定を文章で書かせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(コンピュータとプログラミング)
- 時間
- 単元全体
- 必要なもの
- マイコンボード、ブロック型のエディタ、テキスト型言語のe-learning教材、班で共有できるノートアプリ、動画を共有できる場、ワークシート
- 前提
- 「習得・活用・探究」を単元の中で行き来させる(ビジュアルで一巡したあと、テキストでもう一度習得に戻る)。プログラミングはスキル差が大きいので、習得の部分は個々のペースで進められるようにする
- 【習得】コンピュータの仕組みを班で分担して読ませ、担当箇所をその場でミニプレゼンさせる。聞いた側は質問を共有ノートに書き、担当者が「単元で最も大事な点」と「もらった質問」をまとめる。確認クイズと何度も解けるドリルで定着させる
- 【習得】アルゴリズムの練習問題をワークシートで個別に進めさせ、フローチャートを書かせる。続いてマイコンボードで順次・分岐・反復とセンサーを復習する
- 【活用】見本となる動きの動画を4つ用意して共有し、同じ動きになるようプログラムを組ませる。できたら画面を収録して提出させる(このときは互いのソースコードは見えない設定にする)
- 【探究】4つを終えた生徒から、他の人に役立つオリジナルのプログラムを作らせる。ソースコードの説明動画と実演動画を上げさせ、こちらは互いに見える設定にする
- 【習得→活用・探究】テキスト型言語をe-learningで各自のペースで学ばせ、終えた生徒はオリジナルのプログラムをテキスト型で作り直す
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報社会の問題解決・情報の信ぴょう性)
- 必要なもの
- 検索できる端末、実習プリント
- 前提
- 時事的な話題や地元の題材に差し替えて使うことを前提に設計されている
- 「話題のスポーツ選手の誕生日は」を調べさせる。上位に出た百科事典サイトをそのまま写す生徒が出るので、検索エンジンの順位の仕組みと、誰が書いた情報かを考える必要があることにつなげる。あわせて「誕生日」と「生年月日」のように、求めるページに届く検索語を考えさせる
- 離れた2つの施設の間の電車のルートを調べさせる。乗換案内に直接入れるのではなく、まず双方の公式サイトで最寄り駅と出口を確認させる
- 最短のルートと、乗り換えが少なく運賃の安いルートを比べさせ、条件を調べたうえで自分で判断する必要があることを体験させる
- 「昔話の主人公の墓はどこにあるか」のように、複数の土地に伝承があるものを調べさせ、根拠まで含めて調べること、時代や立場で答えが変わることに気づかせる
- 「世界の国の数はいくつか」のように答えが一つに定まらない問いを出し、それぞれが根拠を立てて調べ、発表させる
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- 科目
- 情報の科学(データベース/データの活用の導入)
- 時間
- データベース3回+導入1回
- 必要なもの
- ブラウザで使えるデータベース学習システム(登録不要のもの)、ワークシート、副教材
- 前提
- データの活用の内容を翌年度いきなり全部やるのは厳しいため、データベースの授業の後に導入として先取りする。既存のプリセットデータを使う
- 1回目にデータベースの基本的な考え方を説明し、選択と射影を演習問題で扱う。2回目に結合を加え、3回目に3つを使う練習問題に取り組ませる
- ビッグデータの概要・特徴とデータマイニングを説明し、活用されている具体例を紹介する。交通データのような大きな話は、レジのデータやポイントカードといった身近なものに落とし込む
- 「コンビニの店長になったつもりで、来月4つの新商品を入れるために今ある商品を4つ減らすとしたら、どれを選ぶか」を、データを分析して決めさせ、理由も書かせる
- 売上データに商品データを結合して販売数を数え、売れていない順に並べさせる。並べただけでは4つに絞れないよう課題を作っておく(商品表に30種類あるのに集計結果には29種類しか出ない=1つも売れていない商品がある)
- 別のプリセットデータでも同じ形の課題を出す(貸出数を伸ばすにはどの商品を増やすか、1つの都道府県だけにチラシを配るならどこに絞るか)。解が1つに決まらない問いにして、理由を明らかにさせる
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- 科目
- 「なぜ情報科を学ぶのか」と生徒に問われたときにどう答えるかについての提言
- 前提
- 「情報Ⅰ」が始まり、生徒から「なんで情報科を学ぶのですか」と聞かれる場面を想定した話。生徒は多様でどんな言葉を掛けたら学ぶ意欲が高まるかはそれぞれなので、どんな答えだったら正解というわけではない、という立場に立つ。/※同じ著者の事例94・130・195・360も提言型の記事
- よくある答え方を並べ、それぞれ物足りない理由を述べている。「共通テストの科目になったから」(そのために教科があるのではない)、「いろいろ便利だから」(街のパソコン教室の言い方と同じ)、「これからの時代に求められる能力を身に付けるため」「これからの時代を創造するため」(全員の生徒に伝わるかは疑問)、「情報活用能力は国民的素養だ」(お役所が説明する分にはよいが、生徒に説明する言葉ではない)
- 「情報の先生」は漢字をよく見ると「情報社会を『先』に『生』きている人」だと読める、という見方を示している
- これまでの情報社会を自分がどう生きてきたのか、これからも大きく変わる社会をどう生きていこうとするのかを、自分の言葉で、自分の経験を踏まえて説明することが大事ではないかとしている
- 著者自身の答えとして、かつては新聞や本を出すことでしか多くの人に考えを伝えられなかったのが、自分の考えを多くの人に伝えられる時代になり、インターネットやSNSで多くの人と出会って多くのチャンスを得た、校長という職に就いたのもその結果で人生が実に豊かになった、と語っている
- それは自分の人生が豊かになるだけでなく結果的に社会にも貢献しており、多面的な幸せ(Well-being)につながっていると述べる。教科書や学習指導要領に書いてあることで意欲を高めることも大切だが、生徒より先に情報社会を生きている自分たちが経験や実感していることを伝えていくのが情報の先生の大きな役割だとまとめている
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- 科目
- 情報Ⅰ(プログラミング)
- 時間
- 6時間
- 必要なもの
- エラーメッセージが日本語と英語で併記される実行環境(自動整形もされるもの)、段階ごとの課題、解説動画
- 前提
- 順次処理・条件分岐・繰り返しを順番に説明するのではなく、同じ構造のプログラムを題材を変えて何度も作らせる。どの題材も「繰り返しの中に条件分岐が入る」形に揃えておく。1つの課題を6〜8の小さな段階に分けて入力させる
- 1時間目:当たり1%のくじを100回引く操作を200回繰り返して結果を集計するプログラムを、6段階に分けて作らせる(順次・条件分岐・繰り返し+乱数)
- 2時間目:共通テストの試作問題に出た「効率のよい硬貨の使い方」をそのまま題材にし、8段階に分けて作らせる(+関数)
- 3時間目:おみくじのプログラムを作らせる。前半2回の内容を改造すれば作れる形にし、条件を満たせばどう改造してもよいこととする
- 4〜6時間目:じゃんけんのプログラムを作らせる。1時間で基本形まで進め、残り2時間で「コンピュータが戦略的に手を考える」段階に取り組ませる。途中で一般的な実行環境に移る場合は、日本語のエラーが出る環境で書いてから貼り付けて実行する方法も認める
- 説明は解説動画を用意して各自のペースで進めさせる(一斉に説明したクラスは半分程度までしか進まなかったのに対し、動画のクラスは最後まで進む生徒が出た)。題材の合間に、繰り返しと条件分岐の復習の時間を入れる
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- 科目
- 情報Ⅰ(データの活用)
- 必要なもの
- 公表されている試作問題、アンケートを集めるフォーム、スマートフォンの利用時間を記録する機能、表計算ソフト
- 前提
- 問題演習を先に置き、そのあとで体験的な実習を行う(一般には実習が先とされるが、最後に「この授業でやったことは自分に関わる」と気づかせるためにこの順序にする)。実習に使うデータは生徒自身に関わるものにする。集めたデータは個人が特定できる情報を外して全体のデータとして配る
- 公表されている試作問題のデータ活用の大問を、生徒と一緒に読む。表がそれぞれ何のデータかを確認させてから解かせる
- 「分析ができない仮説はどれか」を問う設問を扱い、各選択肢について「その比較をすれば調べられるか」を確認しながら解説する
- アンケートで生徒自身のデータを集める(利用時間や投稿数など、量的なデータが取れる項目にする)
- 個人情報を外した全体のデータを配り、「このデータから分析ができる仮説を立てよう」「本当に自分が調べてみたいと思える仮説を考えよう」と持ち掛ける
- 立てた仮説をもとに分析させる。試作問題に出ていた箱ひげ図や散布図も、自分たちのデータで作らせて相関を調べさせる
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- 科目
- 商業科のプログラミング(情報Ⅰのプログラミングへの示唆として)
- 時間
- 通年(3単位)
- 必要なもの
- プログラミングの実行環境、重点項目だけをまとめたプリント(テストに持ち込み可にする)
- 前提
- 完成形を一度に作らせず、順次処理から1つずつコードを足して同じ課題に近づけていく。使う構文は絞る(繰り返しはFor文だけにして他は使わない)。テストに出るパターンは事前に実習課題で練習させる
- 単価と数量を入力し、金額を計算して表示するだけの順次処理から始める。「入力→処理→出力」の3段階をまず必ず覚えることとして示し、この形でテストにも出すと伝える
- 同じ課題に順次処理を1つずつ足す(金額から還元されるポイントを計算する、消費税を計算する)
- 繰り返しを組み込む。基本はあくまで入力・処理・出力の3段階であることを押さえたうえで、それを繰り返すことで効率的になることを説明する
- 繰り返しの中で合計を求める式を扱う。形を覚えるしかない式は「ここは暗記する」と事前に指示してしまう
- 条件分岐を加える(判定を出力するIf文、最大値を求めるIf文)。到達段階を成績と対応させて具体的に伝える(繰り返しと基本的なIf文までできる、最大・最小の考え方が理解できる、など)
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- 科目
- 情報Ⅰ(データの活用/アンケート設計)
- 時間
- 1.5時間(紙で行う設計の実習)
- 必要なもの
- ワークシート、回答項目の種類をまとめた資料、前置きの回答収集に使うフォーム
- 前提
- 先に尺度水準を教科書で読ませ、用語の穴埋めプリントに取り組ませておく。実習は紙で行う。「仮説→グラフ→質問文→回答項目」の順で設計させる(先に文言を考えると、取ったデータが使えなくなる)
- 前置きとして、答え方に迷うような質問を1問だけフォームで出し、「思ったとおりに答えていい」とだけ伝えて自由に回答させ、すぐクラスで共有する。答え方に戸惑ったことを確認させたうえで、「作った人が平均の睡眠時間を調べたかったとしたら、本当にこの質問でよかったか」と問う
- 仮説の立て方を扱う。「身長と睡眠時間の関係について」では何を聞けばよいか分からないので、「睡眠時間が長い人は高身長である」のように、量的な表現で要素間の関係を比べられる言葉にさせる
- その仮説に合ったグラフを描かせる。量的な表現にしてあれば可視化できることを確かめさせる
- そのグラフが描けるような質問文を考えさせる。2つの案を見せて、どちらが答えやすいか・自分に必要な情報が集まるのはどちらかを比較させる
- 回答項目を考えさせる。同じことを聞く2つの案を見せ、どちらがよいかは描いたグラフによって決まることを扱う(散布図にしたいなら数値を入力させる形にする。選択肢から選ばせる形では散布図にできない)。事前に学んだ尺度とのつながりも示す。最後に「2つの要素の関係を調べる」テーマで各自に設計させ、グラフと質問項目を相互チェックさせる
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- 科目
- 情報(教科経営・教員間連携)
- 時間
- 年間
- 必要なもの
- オンラインストレージ、授業教材を入れたフォルダ、閲覧のみの共有権限
- 前提
- 校内に情報科の教員が1人しかいない教員同士で組む。完成した教材ではなく、制作途中のものを見られる状態にする。生徒の個人情報に関わるものは共有しない
- それぞれの授業教材フォルダに、相手へ「閲覧のみ」の権限を付与する(編集はできないようにする)
- 年度初めに年間授業計画を共有し、単元の並びを相談する
- 授業スライド・プリント・実習用ファイルのテンプレートに加え、指導案や授業前のメモ(生徒のつまずき、準備物、連絡事項)も共有する
- 相手の教材を参考にして自分の版を作り、変えた点を相手がさらに取り込む(例:手描きの原画をスライドの図形で作らせる形に変え、相手はそれに相互評価を加えた)
- 評価のルーブリックと計算問題のプリントも共有し、生徒に配る前に互いに正誤を確認する
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- 科目
- 情報(情報社会・個人情報)
- 学年
- 中学1年
- 時間
- 1回
- 必要なもの
- 自治体が公開している婚姻届の様式、調査を書き込むワークシート
- 前提
- 知識を先に教えるのではなく、序盤で問題を感じさせる実習から入る。自分の個人情報の価値を実感させることを優先する。中学生は個人情報を使って手続きをする機会が少ないので、想像しやすい題材を選ぶ
- 自治体が公開している婚姻届の様式を見せ、どのような個人情報が必要かを読み取らせる(2人の氏名・住所・生年月日・父母の氏名・本籍地・印影、加えて証人2人の分)。提出は1人が身分証明書を持参すれば受理されることも確認する
- 個人情報を調べられて他人に勝手に婚姻届を出されてしまった事例を提示し、一次被害と二次被害を考えさせる
- 日常生活で個人情報を使う場面を「〇〇するときには××の個人情報が必要です」の形で調査させる(メールアドレスの作成、電話での出前の注文、ゲームのアカウント作成など)
- 手続きの形式の違いにも目を向けさせる(Webサイトへの入力、音声でのやりとり、窓口での対面)
- 提供する個人情報が少ないと本人確認が甘くなり、多いと漏洩の不安と手続きの手間が増えることを終盤に考えさせ、セキュリティの機密性の単元につなげる
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- 科目
- 情報Ⅰ(モデル化とシミュレーション/情報のデジタル表現/コンピュータとプログラミング)
- 学年
- 1年
- 時間
- プログラミングは9回を予定(記事の時点では3回目が終了した途中報告)/他の2単元はコマ数の記載なし
- 必要なもの
- 自作した表計算ソフトのシミュレーションデータ(大学入試センターの試作問題のデータは公開されていないため)、生徒のスマートフォン(動画の解像度とフレームレートを設定変更できるもの。iPhoneは6つの設定から選べる)、micro:bit 40台、各単元の授業プリント
- 前提
- 「情報Ⅰ」の目標のうち「様々な事象を情報と結びつきの視点から捉え、複数の情報を結びつけて新たな意味を見いだす力」を特に重視する。/知識や技能を学ばせることも大事だが、それ以上に世の中のものの見方について「なぜこうなっているんだろう」「どうしたらこうなるんだろう」「こうなったらいいのに」と考えさせる授業の導き方こそが「新たな意味を自分なりに見いだす力」につながる(著者自身、大学院で学んだマルチエージェント・シミュレーションの知識で全自動麻雀卓の牌の混ざり具合を検証でき、麻雀に対する新しい見方ができるようになった経験がある)。/大学入試センターの試作問題・サンプル問題は、問1で問題を発見し、問2・問3で解決し、最後に評価・改善まで行う一つのストーリーになっており、知識だけ覚えていても対応できない。/自分事にすることが重要——いつも動画を撮っている自分のスマホがデフォルトの設定のままでよいのか、こんな設定ができるんだと気づくと、生徒は俄然興味を持って取り組む。/愛知県高等学校情報教育研究会のアンケートでは、情報Ⅰの4領域のうち「コンピュータとプログラミング」が一番不安という回答が最も多かった。/生徒アンケートでは272人中9割近くが「中学校でプログラム経験がある」と回答(小学校でも2割近く。言語はほとんどScratch)。中学校までのプログラミング学習は自治体の温度差による。/「プログラミングの授業はどのくらいが適当か」への回答は、生徒は「5〜6回」が多く教員は「7〜8回」が多い——生徒のほうが「少なくてよい」と感じているのが面白い
- 【モデル化とシミュレーション】大学入試センターの試作問題(渋滞がひどい国道をモデル化・シミュレーションして、赤信号と青信号の最適な点灯時間の組み合わせを探す)を授業で扱う。試作問題のデータは公開されていないので、自作した表計算ソフトのデータでシミュレーションを行う。国道の青信号と赤信号の長さを設定すると、渋滞台数がリアルタイムでグラフ表示されるので、自分なりに組み合わせを変えて一番渋滞が少なくなるところを探させる。プリントの左側に課題の設定と交通渋滞のモデル化、右側に自分で数字を変えながら渋滞台数がどう変わったかを記入させ、最後はグループディスカッションを踏まえて自分なりに結論を導かせる
- 【情報のデジタル表現】試作問題(色の数とフレームレートと解像度で、データ容量が小さくなる順を選ぶ)を扱ったうえで、自分のスマートフォンの設定を変えながら動画を撮り、データ容量を比較させる。プリントには、まず理論的にデータが何倍になるかを書かせ、その後に実際に動画を撮ってデータの容量を記録させ、実験した値が実際何倍になっているかを書かせてグラフ化する。その結果を踏まえて、スマートフォンの設定を変更したかどうかを書かせる(画質が最も高い設定に変えていた生徒が、実験後に「こんな良い画質は必要ないと思いました」と元に戻す、といった判断が出てくる)
- 【プログラミング】micro:bitを使う。40台用意して、生徒が自分の手元で本体を光らせられるようにする(コンピュータ上のシミュレータで動かすのと、自分の手元に本体があるのとでは、生徒の反応は大きく異なる)。最初の例題のところはさっとやって、あとは発展課題も入れながら生徒に自由にやらせる。早くできた人には「先生役になって周りの人に教えてあげてください」と呼びかけ、教員が一方的に説明するのではなく、生徒同士で教え合ったり「こんなふうにしたらいいんじゃない」と提案したりさせる
- プログラミングの学び方を3段階で設計する。①例題的なプログラムをなぞって書いて実行してみる(ある程度のプログラムを渡して穴埋めをする)②それを改善していく——試作問題やサンプル問題に問題の改善の要素が含まれていることからも、積極的に取り組むべき内容 ③問題を解決するために一からプログラムを作る(部活や校外学習であってもよい)。9回の予定のうち8回目・9回目あたりで、プログラミングのやり方を覚えるだけでなく、これを使って世の中の見方・考え方が変わるような仕組みや取り組みを行う
- どの単元でも、授業の中で完結させるのではなく、世の中に対する視点を変えるきっかけにする。シミュレーションの後に「実際の信号は…」と現実の信号機に目を向けさせる(「いつも目にしてる信号や渋滞を、違う目線で見るようになった」という感想が出る)。デジタル表現では自分のスマホの設定を見直させる。生徒が「表計算ソフトでこういうシミュレーションができる」と知っていれば、大学や社会で必要になったときに「高校のときにやったから、これでできるんじゃないかな」と思うことができる——その経験をさせることが大事
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- 科目
- 情報Ⅰ(プログラミング)
- 学年
- 本文に明記なし(「1年間の『情報』導入に当たる」授業で、1学期の最初に実施)
- 時間
- 単元の導入〜展開(複数時間)
- 必要なもの
- 1人1台端末、ヘッドセット、学習動画(YouTube)、書画カメラ、提出用フォーム・Webサイト
- 前提
- 自分事としての動機づけ(Society 5.0や身近な課題への意識)。一斉指導のペース差を解消する個別学習の導入
- 導入として「プログラミングを学ぶ意義」を語り、日常生活の不便を解消する理想のアプリのデザイン画を描く課題を出す
- 書画カメラでデザイン画をスクリーンに投影し、各自45秒でアプリの企画をショートプレゼンさせる
- 文法や操作解説の動画を配信し、生徒は各自のペースで動画を視聴・一時停止しながらコードを作成し、実行結果をフォームで提出する
- 授業のラスト10分間を明示的な「話し合い・教え合いの時間」として設定し、座席を移動して疑問点を生徒同士で解決させる
- サーチやソートなどの応用アルゴリズム課題に取り組み、最初に構想したアプリの簡易プロトタイプ実装と振り返りを行う
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- 科目
- 大学教員向けの講演。新学習指導要領での情報科の位置づけ、教科書、共通テスト、自校の探究の実践の報告
- 学年
- 高校1年(「情報Ⅰ」2単位。堀川高校は「情報Ⅱ」を置いていない)
- 時間
- 「情報Ⅰ」は週2時間、「探究基礎」(総合的な探究の時間)が週2時間、「理数探究基礎」が週1時間
- 必要なもの
- BYODの1人1台端末、コンピュータ室のデスクトップ、2人に1台の据え付けのセンターモニター(教員の画面を表示する)
- 前提
- 大学の数理・データサイエンス・AI教育強化の公開FDでの講演で、聴衆に大学の教員が多いことを踏まえて高校と大学の違いから説明している。旧課程では「社会と情報」が約8割で、どちらか一方しか学んでいない生徒がほとんどだったため、入試科目にするなら共通部分しか出題できず大学入試にほとんど出題されなかったという経緯を挙げる。/※同じ著者の事例233は基礎情報学の導入、事例288は試作問題の分析
- 新学習指導要領で注目されているのは「社会に開かれた教育課程」で、学校の中に閉じないカリキュラムを作る点で情報科の果たす役割は大きく、情報学は様々な学問と関係するのでカリキュラム・マネジメントの意味でも他教科との連携を意識する必要があるとする。情報科は「社会と情報」「情報の科学」を再編して全員が「情報Ⅰ」を履修する形になり、プログラミング・ネットワーク・情報セキュリティが必修化され、データベースやデータの活用が大幅に充実した
- 教科書は「情報Ⅰ」が6社12種類(図解編と実習編に分かれているものがあるため1冊多い)、「情報Ⅱ」は3社3種類のみ。東京都の採択数にはかなり偏りがあるが、各校がそれぞれの学校に合った教科書を選んでいる状況からではないかとしている
- 共通テストの経過を、2020年11月の「試作問題(検討用イメージ)」の学会向け配布、2021年3月の「サンプル問題」、同年7月の実施大綱の予告(令和7年度からの新設)、9月の補遺(試験時間60分、現行課程履修者への経過措置)、翌年1月の国大協の6教科8科目の基本方針という順に整理している。公表されたことで、現場の教員も出題のレベルを推測しながら授業の進度やレベルを考えられるようになったとしている
- 試作問題の渋滞のシミュレーションの問題を生徒77名に解かせた結果、[ア]は約半分、[イ][ウ]は4分の1程度の正答率で、前年度の生徒とほぼ同じだった。スーパーサイエンスハイスクールで大学進学希望者が多い生徒でこの正答率であり、旧課程の「社会と情報」の履修生が初見でこれだけ解けるので、しっかり思考すれば解けるよく考えられた問題だとしている。サンプル問題も「社会の問題を具体的に扱う」傾向で、プログラミングでは比例代表選挙のドント方式が扱われ、DNCLはPythonに近い印象だと述べている
- 自校の実践として、「探究基礎」では10名程度の少人数のゼミに分かれて個人研究を行い、担当教員以外に大学院生が入ってほぼ個別指導で進める。研究テーマは渋滞のシミュレーションや信号待ちの待ち行列、鉄道関係など身近なものが多い。「理数探究基礎」はクロスカリキュラムで、4月にガイダンスを行った後、理科の各科目、最後に数学の「データの分析」というリレー講義の形をとり、理科の実験でデータを取って数学の知識で処理し、最後に「情報」の知識で表計算アプリを使ってまとめる形にしている。まとめとして、「モデルが間違っていたらいくら計算しても間違った結果が得られ、誤った意味の解釈がなされてしまう」ことを例に、情報の「意味内容」の本質的な理解が中核だと述べている
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- 科目
- 「情報Ⅰ」のプログラミング学習環境の選び方についての考察
- 必要なもの
- テキストエディタ(ポータブル版を推奨)、Pythonの実行環境(オンラインのプラットフォームまたはIDLE・Anaconda・Spyderなどの統合環境)、Webブラウザ(JavaScript)、DNCLの実行環境
- 前提
- 著者は私立の併設型中高一貫校に勤務し、2000年度に現職教員の認定講習で免許を取って2004年度から「情報」を担当している。得意分野はプログラミング周りで、PenFlowchartやWaPEN、PyPENなどの学習環境の開発もしている。学校ごとに事情は違い、勤務校で使っている環境はマイナーなものだと前置きしている。/※同じ著者の事例166・368も記入済
- 「情報Ⅰ」の教科書で使われる言語はPython、JavaScript、VBA、Scratchの4つだが、VBAはExcelで、Scratchはそのサイトで行うことが決まっているので、残る2つを扱う
- まずテキストエディタの話から始める。JavaScriptでは必須だが「メモ帳なんて使いたいとは思わない」。学校の制限でインストールが難しいことが多いので、実行ファイルをフォルダに展開すればよいポータブル版を積極的に検討すべきだとする。PythonでTabキーがTab文字か空白4つかでエラーが起きるような設定を生徒全員にやらせるのは無理があるので、必要な設定をしたポータブル版を圧縮ファイルで固めて渡し、個人で展開してもらう方がよいと提案している
- テキストファイルやテキストエディタが教科書で扱われていないため、生徒に新しいリテラシーを要求することになるとする。クラウドではフォルダが自動で決まるがパソコンでは保存先と保存する作業自体を意識しなければならないこと、ファイルを開くにはダブルクリックが必要なこと、キーボードは文字が打てればよいのではなく機能キーを使いこなす必要があることを挙げている
- Pythonはオンラインかローカルかで分かれる。オンラインではGoogle Colaboratoryの外部サイト利用制限、生徒に与えるアカウントで有効化されているか、全員が同時接続するのに十分なネットワークがあるかが問題になる。ローカルではエディタとコマンドプロンプトより、ブレークポイントや変数のウォッチ程度のデバッグ環境が欲しいのでIDLEなどの統合環境の方が便利だとする。JavaScriptはWebブラウザ上が前提で、Node.jsでは教科書に書かれているwindow.promptなどが使えないので結局ブラウザ上でやることになり、十数行のhtmlを書く必要が出て、コードを直接埋め込むか別ファイルにするかでそれぞれ利点と難点があるとしている
- DNCLについては、実行環境が動くのだから授業で使えば入試対策にもなって一石二鳥という考え方に賛成しないと述べる。DNCLは実行環境の中で完結することしかできず、外の何かにつなげたい場面ではPythonやJavaScriptなど一般に使われている言語でなければだめになるので、外の世界へつなげられる環境で実習しないと実際の問題解決につながらないとする。ただし日本語ベースで初歩としては易しいので、導入や入試前の集中演習で使うのは有効だとしている。最後に、県全体で「定番の環境」を一括申請するという愛知県の研究会での提案を挙げ、実現はしていないがそうした考えを共有できる場があることが大事だと述べている
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- 科目
- 情報Ⅰ(指導と評価の一体化。1学期の「(1)情報社会の問題解決」「(4)情報通信ネットワークとデータの活用」を例に)
- 学年
- 本文に明記なし(2022年度の「情報Ⅰ」の報告。1クラス40人)
- 時間
- 年間(1学期の「指導と評価の計画」を例示し、そのうち記録を残す第7回・第8回・定期考査後の3場面を詳述)/※同じ著者の事例218は問題解決学習の単元全体の流れ、事例105は年度当初のグループワーク1回、事例31は「問題の明確化」の扱いを報告している。事例239はその単元で評価をどう付けるかを扱う
- 必要なもの
- 国立教育政策研究所「指導と評価の一体化のための学習評価に関する参考資料」、1人1台端末(本校はiPad。東京都のCYODの推奨端末から選択)、classiとclassiNOTE(ノート系アプリと、アンケート機能)、問題解決用テンプレート「IE図」(著者が開発し、著者の個人サイトで配布)、手書きのメモを残す教務手帳
- 前提
- 「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点をA・B・Cの3段階で評価する枠組みで、B(おおむね満足できる状況)を評価規準として各学校で決める。平成30年告示の学習指導要領は記述自体がほぼ評価規準になっているため、「理解すること」を「理解している」に置き換える形で直接取り出せる。ただし「主体的に学習に取り組む態度」は学習指導要領に直接出ていないので、評価の観点の趣旨や参考資料の69〜74ページから抜き出して作る。
- 年間計画(どの分野に何時間かけて、どの程度まで学ぶのか)を先に固める。「何時間かけて」「どこまで」の2つの土台が決まらないと評価も決まらないので、ここを出発点にする。ここから単元の時数が決まり、単元の時数から授業内容が決まっていく。
- 単元の評価規準を作る。学習指導要領から必要な部分を取り出し、場合によってはくっつけて調整する。あわせて「評価の例と手立て」を作り、Aとされるのはどのような状況か、Bに届かずCになった生徒にどのような手だてをするかをあらかじめ書いておく。BとCの分かれ目は比較的わかりやすいがAの判断は難しいので、慣れないうちは毎回必ず作る。
- 「指導と評価の計画」で、何を・どの次元で・どの場面で・誰を・どのように評価するのか(4W1H)を決め、各回を「主に指導を中心とする回(○)」と「全員分の記録を残す回(●)」に振り分ける。計画してみて1時間では終わらないと予想されれば計画を変更し、必要なら評価規準の内容も修正して、行ったり来たりしながら当日の指導計画まで作る。
- 指導を中心に行う回は、気づいた生徒についてだけ教務手帳などに手書きでメモを残し、メモがない生徒はBとする(そうすると特徴のある生徒がはっきりする)。記録を残す回はICTツールを使い、自動的に全員分の記録が残るようにする。教員1人で40人分を付けるのは大変であり、後から見返せて生徒の提出もスムーズになるという理由でそう割り切っている。
- 記録を残す回の実際は次の3つ。第7回「分析と解決策の立案」(情報モラル)ではclassiNOTEに問題解決用テンプレート「IE図」を入れて解決策を書かせ、10個くらい挙げるよう声をかけて、数と考えられ方でA・B・Cを付ける(原因を挙げる部分は先にペアで相互に説明させ、助言を受けて書き加えてよいとするので、基本的には全員埋まってよい)。第8回「解決策の策定(座標軸と図解)」では2人一組で相手の解決策の配置を見て提案し合わせる。定期考査後はclassiのアンケート機能で苦手だったところを具体的に書かせ、「次は頑張る」で終わらず客観的に自分を見つめ直せているかを見る。
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- 科目
- 情報Ⅰ(問題の発見・解決/情報デザイン)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 章ごと(各章の最後にまとめの課題)
- 必要なもの
- 1枚ポートフォリオの用紙、成果物をまとめるWebサイト作成の環境、ワークシート
- 前提
- ポートフォリオを蓄積するだけでなく、章の最後の問題解決に使わせる。単元の問いを先に立て、それに合わせて単元を設計する(問いが立たないとポートフォリオが機能しない)。1年次の成果物を3年次にも一覧で見られる形にしておく
- 各単元の授業を始める前に「単元の問い」を立て、それに合わせた単元設計をする
- 毎回の振り返りを1枚の用紙に蓄積させる(全8回であれば1回目から8回目までを1枚で見渡せる形にする)
- 章の最後に、紙のものもデジタルのものも一元化して各自のWebサイトにまとめさせる
- 蓄積したポートフォリオを使う課題を出す。第1章は問題の発見までとし、「ポートフォリオを使って情報社会を定義しなさい」「その社会の到来の前後で人々がどう変わるか」「そこで発生する一番大きな問題は何か」を書かせる
- 第2章は前半で同じくコミュニケーションを定義させ、後半は文化祭を題材に試作→評価→改善を繰り返させる。ポートフォリオを取りながら、問題が発見でき情報デザインで解決できたかをグループで検討させ、レポートで提出させる
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- 科目
- 情報Ⅰ(モデル化とシミュレーション)
- 時間
- 3回(生徒に問題を作らせる活動を入れる場合は5回程度)
- 必要なもの
- ブラウザで使えるプログラミングの実行環境、数理最適化のライブラリ、定型部分を貯めておくメモ、外部ファイルのデータ
- 前提
- この単元に入る前に、他の単元の授業の中で毎回5〜10分ずつプログラミングを扱い、環境の立ち上げ・基本的な入出力・四則計算までを済ませておく。コードは4つの部分(問題の定義・変数の定義・目的関数・制約条件)を書くだけなので、定型部分はコピーして使わせる。数学科と教材を共有し、どちらで何を扱うかを話し合って決める
- 「この世は数理最適化だらけ」として身近な例を挙げる(宅配と集荷を一度に回る経路、アルバイトのシフト、タクシーの配車)。タクシーの例では、困っているのは利用者だが、最適化するのはタクシー会社であることにも触れる
- 1時間目に線形計画法の基本的な問題を扱う。コードに必要な4つの記述を示し、最大化と最小化の切り替え方を確認する(中学卒業程度の知識で取り組める)
- 「食事問題」に進む(数種類の食品を組み合わせ、栄養の条件を満たしつつ食費を最小にする)。目的関数と制約条件をどう式にするかへ誘導する
- 「ナップサック問題」に進む(上限の重さまでで利益を最大にする組み合わせ)。目的関数は「価値×持っていく個数」の合計、制約条件は「重さ×個数」の合計が上限以下、という形に気づかせる。問題文だけでは目的関数と制約条件が見えにくいので丁寧に解説する
- 外部ファイルのデータを使う問題(多数の食品から必要な栄養素を最安で満たす)まで広げ、最後は身の回りのことを題材に生徒自身に問題を作らせる
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- 科目
- 情報の科学/情報Ⅰ(モデル化とシミュレーション)
- 学年
- 高校1年
- 必要なもの
- 表計算ソフト(またはプログラミングの実行環境)、公開されている実効再生産指数の計算式、当時の新規感染者数のデータ、フローチャート
- 前提
- 身近で興味を持てる題材を選ぶ(教科書の店の利益や売上の例より、報道されている感染者数の予測を使う)。計算が重くならないよう、簡単に計算できる指数の式が公開されているものを選ぶ。プログラムで行う場合は一から書かせず、途中まで書いたものを渡して空所を埋めさせる
- モデル化の目的を「感染者数の推移を予想する」と定め、報道で示されていたシミュレーション(現状のままなら増加、対策すると横ばい、しっかり対策すると減少)を見せる
- 公開されている実効再生産指数の計算式を提示し、式の各記号が何を指すのかを丁寧に説明する
- 発表済みの新規感染者数を入力させ、まず1週間の平均を求めさせ、次に実効再生産指数を求めさせる(オートフィルを使う)
- 同じ式を変形すると8日後の新規感染者数が予測できることを示し、2段階目のシミュレーションに進む
- 「指数を1.1とすると2か月後どうなるか」「ある日に感染者を一定数より下げるには指数がどうなればよいか」を、生徒自身がパラメータを変えて試させる。プログラムで行う場合はフローチャートを先に示し、考えるべき箇所を指定する
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報社会の問題解決/年間の導入)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 導入2回+プレゼン作成+発表2時間
- 必要なもの
- A4裏表1枚のプリント、Society 5.0を描いた動画、プレゼン作成ソフト、評価を集めるWebフォーム
- 前提
- 1年間の導入として、生徒が「自分事」として情報を学ぶ入口を作る。授業の目的は「自らの進路を科学的な側面から理解する」こととする
- 「30歳のあなたは何をしているか」を問い、プリントの上半分に職業・社会的役割・生活のうちどれか1つは必ず書かせる。書けない生徒には「30歳でどんな生活をしていたいか」から聞き、その生活ならどんな社会的役割か、ひいてはどんな職業かと順を追って考えさせる
- 同じプリントの下半分に、卒業後の自分を時系列で書かせる。書けない生徒には30歳を先に書かせ、それなら29歳は、28歳は…と遡らせる(ここまでで30分程度)
- Society 5.0を描いた動画を見せ、「目指す職業や役割を、現在のテクノロジーをもとに考えていないか。30歳の時にはこの時代になっている」と問いかけ、書いたプリントを修正させる。次の回に、出てきたキーワードを調べさせてプリントを完成させる
- 「30歳の自分が卒業生として学校に来て、1年生に3分間で自己紹介する」という設定でプレゼンを作らせる。スライドは4枚(挨拶と自己紹介/30歳現在のこと/これまでのこと/高校1年生へのメッセージ)で、右側に話す言葉を書かせる。班で数回のプレ発表を行い、Society 5.0の説明があるか・30歳になりきれているか・挨拶と笑顔を忘れていないかをチェックさせる
- 2時間で全員に発表させ、他者評価をさせる(点数を付ける人数を固定して相対評価にする。まずプリントに手書きさせ、後でWebから提出させる)。発表は校内の全職員に告知し、授業時間中に見に来てもらう
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- 科目
- 情報科の教員が教材ポートフォリオを作ってインターネット上で公開することの提案
- 必要なもの
- Googleサイトなどでオフィシャルポートフォリオを作る環境、YouTubeチャンネル、クラウド上の教材置き場
- 前提
- 情報科の教員はほとんどの学校で1校に1人で、授業作りを1人で悩んでいることが多い。優れた授業を新採用の先生や情報科の教員になりたての先生に伝えるには、授業を見学し合うのが一番よいが簡単ではないので、それ以外のところでできるだけ具体的なものを共有するのが手段になるという考えに立つ。/※同じ著者の事例94・130・195・250・360も提言型の記事
- 情報科の教員を世代で分けている。15日間の講習を受けて免許を取得した第1世代、「情報」の授業を受けたことはないが情報科の教員として採用された第2世代、「情報」の授業を受けたことがあって採用された第3世代。今後は「情報」の共通テストを受けて教員になる第4世代が誕生するとし、著者は第1世代の代表として話すと述べている
- 共有するとよいものとして、学習指導案(最も具体的な代表)、年間指導計画・指導と評価の計画、教材プリント・スライド、自分の学校の生徒向けに作った授業動画、実践事例の動画、生徒の許諾を得た作品を挙げる。「そのまま使ってもいいよ」と提供する人がいてよく、著作権法35条に配慮しながら共有する工夫もできるとしている
- 掲載場所については、学校のホームページはCMSや担当者の都合で面倒、文部科学省のページには一部の事例しか載らない、SNSは個人的なものに繋がりやすく向かない、と検討したうえで、Googleサイトなどで学校の先生としてのオフィシャルポートフォリオを作ることとYouTubeチャンネルの開設を勧めている
- ポートフォリオの利点として、教員は自宅から教材をアップでき、生徒は学校でも自宅でも取り組める。学校のパソコン教室のサーバでは広がりがないので、クラウドベースで授業作りをすることを勧めている。第1世代はこれに取り組みかけて失敗した人が多く、ブログで始めたために自分の感想や思いが強く出過ぎて批判的なことを書いてしまった例を挙げ、教材をひたむきに掲載していれば学校も教育委員会も認めるので新しい世代は気にせずチャレンジしてほしいとしている
- 教材共有への貢献度のルーブリックを作っている。積極的に教材をWebに公開し事例発表をしている人は「S」。自信がない人も最低限、「〇〇先生の教材を使ってよかった」と感謝やコメントを伝えてほしいとし、それが提供する人の励みになるので、黙って使っているだけの人にも機運を高めることに貢献してほしいと述べている。あわせて、生徒自身にも活動をポートフォリオにまとめさせる授業作りを行い、まず情報科の教員がポートフォリオを作ることを勧めている
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- 科目
- 情報(情報の本質/基礎情報学のエッセンス)※ひとつの単元ではなく、複数の単元にまたがって配置する内容
- 時間
- 記載なし/記事は授業の中身を「一部だけ」紹介している(毎年やってみて残った2つに絞った報告)。同じ著者による事例379は、このうち「成果メディア」を扱う1コマを詳しく報告している/※同じ著者の事例288(試作問題の分析)は、本記事へのリンクを張り、探究活動で使うために「情報」の内容を体系化する出発点として基礎情報学を位置づけている
- 必要なもの
- タイポグリセミアの例文(日本語と英語)、シルエット錯視の動画(女性のスピニング・ダンサーなど。回転方向の補助線を入れたものも用意する)、ピクトグラムの教材、漫才の動画、西垣通『生命と機械をつなぐ知』(基礎情報学の入門書)
- 前提
- 「情報教育」が加速する一方で、内容がプログラミングなどの理系のデータ処理に偏り過ぎているという指摘がある(西垣通氏「『情報=コンピュータ』という狭い公式」)。「そもそも情報とは何か」がわかって情報の授業を組み立てていくことが非常に大事だと考える。/日本学術会議の参照基準(2016年)では、コンピュータで処理される情報と社会におけるコミュニケーションで用いられる情報の二つを対立的に捉えるのではなく、共通に理解し統御するための普遍的な原理を「情報一般の原理」として上層部に位置付けることが大事だとされている。この部分を捉えている高校の情報の教科書は1社しか見つけられていない。/情報には「生命情報」(人間だけでなくあらゆる生命が生きていくために必要なもの)「社会情報」(人間がコミュニケーションする上で使っている言語やピクトグラムなど)「機械情報」(一見言語やピクトグラムのようなもので表現されているが、意味が抜け落ちてわからないもの)の3つの概念がある。/『生命と機械をつなぐ知』は授業のやり方が書いてある本ではなく入門書なので、2013年から読み込み、他の教員と研究しながら少しずつ授業に入れた。失敗したりうまくいかなかったものもある。/生徒が「コンピュータ嫌いやし、情報苦手やわ」とならないようにしたい
- 「生命情報」から始める。最初にインフォメーションの語源を扱う——「in(内部に)+form(形成する)」なので、生命の内部に形成されるものがインフォメーションである。したがって「情報」は生物に個別に生じる主観的なもので、その生物内に蓄積された経験や歴史をもとに生じており、誰が見ても同じという客観的なものではないことを伝える
- それを体験させる教材を使う。タイポグリセミア(文章中のいくつかの単語で、最初と最後の文字以外の順番が入れ替わっても正しく読めてしまう現象)——日本語に慣れている生徒はエラー訂正を瞬時にできるが、英語で書かれたものだと瞬時には直せない。シルエット錯視——右回りに見えるような補助線のラインを入れたものを見せた後に同じシルエットを見せると、直前に見えたものに影響されて右回りに見えてしまう。これらから、私たちはこれまでに経験してきたものをもとに情報が生じていること、直前に見たものに影響されて情報を処理していることがわかる
- ピクトグラムの授業を「社会情報」(人間がコミュニケーションする上で使っている言語やピクトグラムなど)の中に位置付けて扱う
- コンピュータは最終的に0・1のビット列にしていろいろな計算を行うが、これは「社会情報」のうち「意味」が欠落した「機械情報」という位置付けであり、コンピュータが扱えているのは機械情報だけであることを説明した上で、データ量の話を扱う(例:自分が理解できない言語で書かれている文学作品は、自分にとっては機械情報である)
- コミュニケーションを教えるときも、基礎情報学に出てくるコミュニケーションやメディアのモデルを使う。漫才を生徒に見せてそのコミュニケーションを分析させてから、表現の選択のデザインとして、どう笑いが起こっているのかを分析させる
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報デザイン・問題解決)
- 時間
- 6時間(記事では夏期講習で希望者を募って実施)
- 必要なもの
- 付箋を共有できるツール(記事ではJamboard)、アイデアシート・簡易ペルソナ・共感マップ・カスタマージャーニーマップの様式、校舎内を歩ける時間
- 前提
- 文化祭のように、生徒が作り手にも客にもなる場を題材にすること
- ピクトグラムやナイチンゲールのグラフを例に、デザインが世の中を変えてきたことを話す。続いてユーザーを考えていない案内板の例を見せ、作る前に調査が必要なことに気づかせる
- いきなり調査に入らず、「文化祭でどんなサービスを受けたいか」を班でブレストさせ、アイデアシートにまとめさせる
- 簡易ペルソナを作らせる。同級生だけでなく中学生や保護者も来ることに気づかせる(時間がかかるので、教員が用意して配る方法もある)
- ペルソナになりきって校舎内を歩かせ、考えていること・見えていること・言っていること・行動の4つで共感マップを書かせる
- 共感マップをもとに、前日・当日・後日の流れでカスタマージャーニーマップを作らせ、感情曲線が最も下がるところに問題があることを見つけさせる
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- 科目
- 情報I(アンケート実習)※1人1台端末環境での実施
- 学年
- 1年
- 時間
- 記載なし(従来の紙ベースの流れに比べて2時間程度の短縮)/※同じ著者の事例40・63は、前任校での実践(年間3実習の構成/映像教材を使ったプログラミング)を報告している
- 必要なもの
- 1人1台の端末(体育以外の授業では必ず持参する)、クラウド型の学習環境(共同編集ドキュメント、アンケートフォーム、表計算、スライド、クラスルーム)、前後にプロジェクターのある視聴覚室
- 前提
- 【1to1でできなくなったこと】いわゆる「コンピュータ教室」にあってこの部屋にないもの——プリンタ、書画カメラ、中間モニタ。ネットが遅い、しばしば切れる、昼休みにつながらない。高性能な大画面のPCがない。別途インストールが必要なソフトが使用できない。/【その対処】プリンタがないのでネット上で提出する。書画カメラがないのでスマホをUSBケーブルでつないで映す。中間モニタがないので、できるだけ操作方法を配信してわかるようにする。ネットが遅いのは仕方がないので、あまりネットに依存しないような題材を選ぶ。インストールが必要なソフトについてはウェブで動作するものを探すか別の方法で提供する。高性能な大画面PCがないのは諦める。/【従来の流れ】以前は「グループでテーマと仮説を決める→アンケート用紙をワープロソフトで作成して印刷→配布・集計→集計結果を表計算ソフトでグラフに→代表者が発表→相互評価を集計ソフトで集計」だった。/【効果】教員側は紙が不要になり、資料・課題の配信が簡単になり、課題の採点も相互評価の実施も楽になった。配布・回収・集計の手間が省けて授業時数が2時間程度短縮された。生徒側はグループで「問題解決」をする一連の流れを体験でき、グループで情報を共有する有効性を実感した(情報科に限らず他教科の課題にも波及している)。/1人1台端末の環境だと「走りながら修正」をするのが非常にやりやすい——課題を出しながら生徒の反応を見てその場で修正でき、1時間目の授業と3時間目の授業で微妙に変えることもやりやすい。/3年目で全校生徒に端末が行き渡った。2・3年生の授業担当者からは「アプリケーションの操作方法を教える必要がなくなった」という声がある(1年生のときにいろいろな活用をしているので「これを提出してね」と言うだけでほぼ全員できる)。/グループでの共有は、教員が共有フォルダだけ準備し(その班のメンバーだけが読み書き可能なもの)、そこに自由に作らせた。全班が使ったわけではなく、共有しないで進めた班もあり、そこも含めて生徒の自由に任せた。/アンケートの注意点は「一つの設問には一つのクエスチョン」「設問で誘導しない」などを10〜20分かけて説明する(3Dの円グラフはあまりよくないといった話もする)。因果関係については、アイスが売れると水死者が増えるというような話を少しして、ふんわりと理解してもらう
- グループでテーマと仮説を決める。共同編集できるドキュメントを使って、お互いにブレーンストーミング等をやってテーマを決めさせる(教員はその班のメンバーだけが読み書きできる共有フォルダを準備しておき、中身は自由に作らせる)
- アンケートフォームの機能でアンケートを作成する。各班がフォームをまとめた後、生徒がそこにアクセスして回答する
- 集計は方法を自由に任せる(フォームの集計機能をそのまま使う班、スプレッドシートに写してグラフにする班、表計算ソフトにエクスポートして集計する班など、班によって分かれる)
- 代表者が結果を発表する。発表に使うソフトも自由にする。評価のポイントは最初に示しておき、それに従って発表スライドを作成させる(発表前にリハーサルをしたり、お互いに講評したりしながら手直しをする)
- フォームを使って相互評価をする。各班に対して4つの評価項目の5段階評価とコメントを入れさせる。授業の最後に、それぞれの項目の5段階評価が各班でどうだったかをその場ですぐに示し、コメントをフィードバックして今後の授業に生かすようにする(グループ学習だけでなく個人レポートも並行して課す)
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- 科目
- 専門科目「情報学基礎」(「情報Ⅰ」の代替科目)※フィジカルコンピューティング
- 学年
- 1年
- 時間
- 1コマ(2時間)/11月頃から行うプログラミング(Scratch、表計算ソフトのVBAに続くもの)の一部。※同じ学校の「情報学基礎」の実践報告が事例69(著作権)・事例96(コミュニケーションとメディア)にもある
- 必要なもの
- Raspberry Pi(本体10台)、ブレッドボードとLED・スイッチ・配線部品、照度センサ、Scratch、本体担当用マニュアルと基盤担当用マニュアル、全員に配るワークシート、教室を暗くできる環境
- 前提
- 本実習の目的は、モノとデバイスをプログラミングで制御することを通して、世の中のモノがどのように動いているかということに関する基本的な視点を養うこと。/センサカーやロボットのプログラミングは、ロボットなど別の何かが黒い線の有無や明るさといった情報を受け取ってセンサの値を制御に利用するものが大多数。この実習では生徒の実感を得るために、生徒自身が五感で感じ取れるような取り組みにしたい。/新入生アンケートの結果:外部進学生151名のうち「プログラミングを習った」と答えたのは76名で半分しかいない。センサカーなどの車やロボットに触ったという人はさらにその半分、micro:bitに至っては2%程度。この結果から、生徒がそもそも学んだことを覚えていない(訳もわからないまま手続きだけを体験する活動だったため記憶に残っていない)可能性、技術科の授業で適切に行われていない可能性が考えられる。高校できちんと押さえておかないと「計測と制御」を経験する機会がないのではないかと危惧している。/したがって、生徒が高校入学までに学んだ状況にはかなり差があり、習っていない生徒もいるかもしれないことを踏まえた授業内容の検討が必要で、現段階では高度な内容を扱うのはなかなか難しい。/「情報学基礎」では「情報の定義」として「情報というのは主観的なもので、そのまま相手には伝えられない」ことを確認している。デザイン系の授業が盛んだが、個人ごと、あるいは国や民族などによって色の見方や感じ方が異なるので、そういったことを前提に授業をされているのかを心配している。/課題:参考にした元の回路図はトランジスタを実装しているが、配線があまりにも増えるので諦めた(電気スイッチ・電子スイッチを半導体として紹介しても面白い)。本来はアナログで処理しているものをデジタルに変換してプログラムで処理する方法もよいが、回路が非常に複雑になるので行っていない。/本体が10台しかないので協働学習とのバランスもあるが、1人1台あればコンピュータの仕組みやレジスタ、メモリといった他の分野にも応用できる。/Raspberry PiはOSが動くシングルボードコンピュータなので、webサーバもデータベースサーバも動く。センサで取ったデータをデータベースに格納し、サーバにグラフで表示するページを作って自分のスマホで確認できるようにすれば面白い(情報Ⅱへの接続)
- 1クラス40人を4人程度の10班に分ける。班のメンバーを本体担当と基盤担当の2つに分け、それぞれの担当にマニュアルを渡しておく(ワークシートは別途全員に配る)。本体担当はRaspberry Piの本体を起動してログインし、基盤担当はブレッドボードにLEDを差して光らせる配線の準備をする。両方の準備ができたらブレッドボードを本体に接続してスイッチを押し、色がつくかを確認する(LEDが光ると生徒が非常に盛り上がる。ここがフィジカルコンピューティングの醍醐味)
- 実際の回路図を見せる。3つのスイッチのそれぞれを押すと赤・緑・青のいずれかのLEDが点くことを示す。ここは小学校3年の理科の豆電球のところや、中学2年の理科の電気回路といった既習事項と対応させて理解させる
- スイッチのON/OFFとデジタル情報を対応付ける。ワークシートの表に「スイッチを押す→1」(電気が流れる=5Vの電圧が流れる)、「押さない→0」と記入させ、光の三原色も加えて対応させる。さらに、スイッチの1・0を左から3つくっつけて2進数で表し、それを10進数に変換するとどうなるかを考えさせる(3つ全部押すと白=111=7、青だけなら001=1)——数値と文字の表現も併せて考えさせる
- Scratchでのプログラム制御に変える。本体担当はコマンドを入れてグラフィック環境を立ち上げてScratchを起動し、基盤担当はプログラム制御に変えるための配線を3本追加する。両方の準備ができたらプログラムを実行する(Scratchのネコが「green」と言うと実際にLEDも緑が点灯する)。ここで「スイッチを押せば電気が流れる」から「プログラムによって電気の流れが制御される」という形に変わるところが重要なポイントになる。「プログラムが動いた。光っている、すごい!」だけで終わらせず、電気を流すのに出力と入力があることを確認し、プログラムに基づいてフローチャートを書くワークシートの問に取り組ませる。さらにプログラムのブロックをわざと消して未完成の状態にしておき、7色光るはずなのに光らない状態を、手順3の結果を使って修正させる
- スイッチを1つ追加する。長押しするとフルカラーのLEDが点灯しなくなることを確認させる(押されているときは「high」の状態になり、LEDのパターンが0になって電気が流れない)。それを確認したところでセンサに差し替えさせる——差した瞬間にLEDが点かなくなるので、「どのような物理現象がスイッチとして機能していると思うか」をクイズ形式で考えさせる(答えは照度センサ。明るいと抵抗が小さいので「high」=スイッチ長押しと同じ状態になり、暗くなると抵抗が大きくなってスイッチを押した状態になる)。実際に教室を暗くしてLEDが光ることを確かめる。最後に、身の回りには照度センサ以外にもたくさんのセンサとプログラムが動いているという事実を伝える(自動ドア、スマホ画面の自動回転、鉄道の自動改札など)
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- 科目
- 情報の表現と管理(「情報Ⅱ」のコミュニケーションとコンテンツに相当)
- 学年
- 高校3年(選択)
- 時間
- 10時間(2時間連続)
- 必要なもの
- 動画編集の環境(PC教室のソフトか各自のスマートフォン、どちらでもよい)、教員が用意した字幕表示のプログラム(HTMLとJavaScript)、テキストエディタ、相互評価のフォーム
- 前提
- 字幕は動画編集ソフトで入れず、プログラムの中に配列としてデータを書く形にする。プログラムの骨格は教員が作って配り、生徒はコピーして使う。撮影は授業外(登下校や休み時間)に済ませておかせる
- 1時間目に撮影技法と編集技法を説明する
- 2時間目に字幕の付け方を扱う。字幕を切り替えて2種類以上表示できるプログラムを配布する
- 課題の条件を示す——動画は60秒程度/編集ソフトでは文字を入れずプログラムで入れる/字幕は2種類以上/その字幕を「どのような人が読むか」を想定して作る/HTMLを編集してページタイトルと簡単な説明文を入れる
- 3〜8時間目(約3週間)で動画の編集と字幕の作成を行わせる。字幕のデータには、どのモードで表示するか、開始と終了の秒数、x座標とy座標、文字サイズ、縁取りの色、表示する文字を書かせる
- 最後の2時間で発表と相互評価を行う。評価のフォームと生徒の作品を同じ画面に表示できるようにしておく
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- 科目
- 社会と情報/情報の科学(「情報Ⅰ」の内容を盛り込んだ改編)※情報デザイン×知的財産権×プレゼンテーションを1つの単元にまとめたもの
- 学年
- 3年(教育課程の関係で「情報」が3年次配置)
- 時間
- 全5時間(年度当初の4月)/1時間目=オリエンテーションと「デザインとアート」、2時間目=アフォーダンス等と諸権利の理解・プロダクトデザインの構想、3時間目=デザイン制作開始、4時間目=デザイン完成と発表原稿の練り上げ、5時間目=プレゼンテーションと評価。**同じ単元を取材した見学記事が事例280にあり、そちらが本記事へリンクしている**(事例280は最終回の授業を見学したもので、生徒のデザイン例が載っている)
- 必要なもの
- 汎用的なペイントソフト(200×200ピクセルのキャンバス)、プロジェクター、ホワイトボード、特許庁のウェブサイト(デザインの登録番号などを調べる)、情報デザインワークシートとデザインプレゼンシート(記事からダウンロードできる)、発表順を決めるくじ
- 前提
- 「情報Ⅰ」は2単位では授業時間が全く足りない。各単元のエッセンスを抽出し、教員による一方的な解説を極力排除して、生徒に教科書の世界ではなく日常の一部に関連する「自分ごと」として考えさせる工夫をすれば時間を捻出できると考える。/そのためには「教え込むというレクチャー型の授業スタイル」を変える必要がある——授業をする側は内容を解説し切らないと不安だったり授業した気にならなかったりするが、まずそこを変えることが立脚点。/赴任時は非常勤講師に一任の2コマで「1学期Word、2学期Excel」という状態で、進路指導部の冊子に「体育と情報は唯一の息抜き」と書かれるありさまだった。そこで、95%が4年制大学に進学する生徒にとって有用な「大学進学後にも有用な能力の養成」を第一義に据えた。/旧課程ではピクトグラムが比較的目新しかったが、オリンピックで紹介され人口に膾炙したため、目先を変えて「プロダクトデザイン」という大枠で捉えることにした。/ただ「何かを作ってみよう」だけではデザインが単なるお絵描きになり、デザインの核心が抜け落ちる危惧があるので、制作の意図を口頭で補足説明させるクロージングにする。/初速を目的とともにきちんと与えると、生徒はあとは勝手に自走する
- 1時間目のオリエンテーションで、ピクトグラムを提示して「これはデザインなのか、アートなのか」というお題を出す。①自分の意見を3分間で言語化する→②4分間で教室内を動き回って他者の考えを共有し修正する→③自分の意見を修正する。その後ランダムに5人ほど指名してホワイトボードに記述させ、補足説明を促しながら全体での共通理解を図る。補足説明では「これについてどう考えるか? なぜ、その考えに至ったのか」というツッコミが入るので、「わかりません」や沈黙で切り抜けることはできない。この活動を年間ほぼ毎時間行うことも、ここで伝える
- 2時間目に日常生活との関わりを認識させる。アフォーダンス、シグニファイア、メンタルモデルは説明が不可避なのである程度の語句解説をした後、自動販売機横のゴミ箱の口を〇型(ペットボトル型)にするシグニファイアの効果を、今や見かけなくなった大きい口のゴミ箱と比較させて理解させる(日常生活の物事に対して「なるほど!」と思える題材の選択が理解度に直結する)。そのうえで「自分ならどんな意図をもってどのようなデザインにするか」を考えさせ、「その考えは誰のものか」から知的財産権へつなげる
- 知的財産権は、教科書の法律を語るのではなく、現実世界で各種権利をどう扱っているのかを生徒の目で確かめさせる。特許庁のウェブサイトやデザインの登録番号などをもとに、創作物がどのように個人に帰属しているかを理解させる時間を取る(自分が考えたものがどのような意味合いを持つのか、どうしてそうなるのかに興味を持って自分から調べるように誘導する)
- 3時間目からデザイン制作に入る。自分が何か製品をデザインするとすれば、あるいは今あるものをより使いやすくするデザインがあるとすれば、何を目的としてどのような創意工夫を施せるかを考えさせ、「情報のデジタル表現」における画素の学習も兼ねて、汎用的なペイントソフトで200×200ピクセルのキャンバスに表現させる。ここで1時間目の「デザインとアートの違い」が生きる——美の表現ではなく、それが何を指しているのかが見る人全員にわかるように、という前提条件を置くことで、単なるお絵描きになり果てるリスクを軽減できる。4時間目にデザインを完成させ、デザインの意図や補足を300〜400字(一人あたり40〜45秒)でまとめた発表原稿を作らせる(構成の箇条書きも可とする)
- 5時間目にプレゼンテーションと評価を行う。手持ち資料の携帯は禁止し、発表順は発表直前にくじ引きで決める。全生徒の発表が終わったら、画面にクラス全生徒分のデザインを表示し、画像とプレゼンテーションを総合して自分が一番「なるほど」と思えるデザインに理由をつけて投票させる。投票された生徒には評価者からのコメントがフィードバックされる。最後に5時間の内容と取り組みについての振り返りを行う(ワークシートは評価に算入するため提出とする)
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- 科目
- 情報科(※教員南極派遣プログラムに伴う事前授業と、昭和基地からの遠隔中継授業。一部は中学2年の総合的な学習の時間)
- 学年
- 本文に明記なし(無線通信の体験のみ中学2年と明記)
- 時間
- 2学期の授業時間を使った事前授業(装置の製作は1時間目)+中学2年の総合学習で1時間+南極授業は1月29日と2月2日の2回
- 必要なもの
- micro:bit(V2は自動省電力モードに入って復帰しないためV1を使用)、BME280センサ、microSD、IoT用のモバイルバッテリー(消費電力が少なすぎて通常のものは切れてしまう)、makecode(BME280の拡張機能ブロックがあるのでブロックだけで組める)、表計算ソフト、気象庁「過去の気象データ」(都道府県と並んで昭和基地がある)、スマートスピーカーと遠隔操作する機器(カーテン・TV・照明・ディスプレイ)、校内SNS(Classi)、YouTubeライブとSlido
- 前提
- 授業のコンセプトは「技術」「共感」「身近」の3軸で、「技術」が何を、「共感」「身近」がどのようにに当たる。観測隊員が「すごそうな人」から「自分の将来像」になり、南極が「遠いところ」から「身近なところ」になることを狙う。南極では装置が不調になれば自分で直すしかなく研究者は皆がエンジニアでもあるので、計測の体験ではなく計測装置を設計する段階から体験させる。あわせて有志生徒による「南極クラブ」を立ち上げ、Classiの全校グループで当番を決めた交換日記と、教員の南極授業に先立つプレ南極授業を生徒に行わせている。
- 事前授業として、micro:bitにBME280センサとmicroSDを接続し、明るさ・温度・湿度・気圧を記録する環境計測装置を作らせる。1時間目は4人1組(配線・組み立て担当2人とプログラムを書く担当2人)で装置を作り、学校のあちこちに設置してデータを収集する。完成作品は実際に南極へ持って行って環境計測にも使う。
- 収集したデータを取り出して表計算ソフトで解析する。明るさは朝と夜の差が明確に出る。ただし短時間の測定だと生徒は「ふうん」で終わってしまうので、続けて気象庁のWebページから50年分の気象データを取ってきて、グラフを書き、回帰分析をして将来の予測をさせる。これが南極で気象観測を長期間続けていることの意義そのものだと結びつける。
- 無線でデータを送り続ける装置を体験させる。上空の気温や湿度を観測して電波で地上に送るラジオゾンデの体験として、2人一組で、micro:bitの温度センサ機能を使い、冷凍庫に設置したmicro:bitの温度変化をパソコンで受け取る実験を1時間行う。構成が単純なので、前の実践以上に多くの疑問が生徒から出る。
- 「日本―南極IoT実験」として、日本側で「南極の電気つけて」と言うと南極のスマートスピーカーが応答して実際に電気が点く仕組みを作る。南極側と学校の会場の両方にカーテン・TV・照明・ディスプレイを置いて双方向で操作する。行ったこともない場所で動かすので、ネットワークが実際に通るか、どの構成が一番安全か、予備策をどうするかをポンチ絵を描きながら事前に検討しておく。
- 南極授業は、YouTubeでライブ中継し、スマホからSlidoで質問やコメントを受けるハイブリッド型で行う。流れは、まず南極についての話をしてから、昭和基地の「目に見えない設備」として通信を紹介しながらIoT実験を実演する。カーテンが動くだけでは「だから何?」になるので、無線通信で遠隔のデータを取り、遠くの装置に命令することで成立している観測を紹介する。次に「機械が勝手にやってくれる」と受け取られないよう、機械による観測と人間がする観測を組み合わせ協調することで精度が上がる話と、機材のメンテナンスの重要性につなぐ。最後に、生徒がmicro:bitで作った装置のデータと気象庁の計測データが近い値になることを示し、現地の研究者と技術者に装置の実演と話をしてもらう。
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- 科目
- 情報Ⅰ(モデル化とシミュレーション/データの活用)
- 必要なもの
- ブロック型のプログラミング環境、公開されている感染拡大のシミュレーションプログラム、表計算ソフト、回答を集めるフォーム
- 前提
- シミュレーションの結果が毎回違うことを利用して、生徒各自に別のデータを持たせる。経過時間は1000倍してミリ秒の整数にしておく(表計算ソフトは小数の計算が苦手なことに後の授業で触れる)
- 公開されているシミュレーションを見せ、何をしているかを理解させる。動かして、全部の色が変わるまでの経過時間を測らせる
- 1回目と2回目で経過時間が違うこと、隣の生徒とも違うことを確認させ、毎回手で記録するのは効率が悪いと気づかせてから、リストに格納するようプログラムを改良させる
- 人数を40にそろえて20回シミュレーションさせる。早く終わった生徒には「人数を20にしたらどうなるか」を先に予想で聞く
- 人数を20に変えて20回、さらに10に変えて20回実施させ、各自のリストに3通りのデータをためさせる
- 3通りのデータを表計算ソフトに移して箱ひげ図を作らせる(平均・中央値・四分位数は自動で出るようにしておく)。気づいた点を2つフォームに書かせ、次の時間に全クラス分をテキストマイニングして共有する
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- 科目
- 社会と情報(情報リテラシー/統計の授業を兼ねる)
- 時間
- 2016年から「社会と情報」の授業で4回にわたって実施/記事が詳しく紹介しているのは2回目「朝食の喫食率と学力の関係」と3回目「ダイエット方法とその効果」。**同じ実践の別の報告が事例78にあり**、そちらは4回全体の共通の流れと生徒の記述の分析を扱っている
- 必要なもの
- 矛盾する2つの文章(統計データを扱うもの)、色を分けた付箋3色(Aの意見・Bの意見・矛盾の理由)、机に置く大きい模造紙またはワークシート、個人プリント
- 前提
- これまでの情報リテラシーの授業は「信頼できる情報源を見つけて、そこにある情報を見ましょう」という形がほとんどだったが、「ポスト真実」と言われるように、公的な情報源などこれまで信頼できると考えられていた情報源であっても、その情報が信頼できるとは限らない時代になっている。「その情報がどのようなプロセスを踏まえて生まれてきたのかに注目させるリテラシー教育が必要である」という研究(Clark A. Chinn & Ronald W. Rinehart)に基づく。/統計の授業を兼ねていたため、扱うトピックは必ず統計データを扱うものにした。/「理由を考えなさい」という際の言い方が難しい——「理由」を「why」と捉えて「どうして違う?」と聞いても「そんなこと知らん」となってしまうが、「how」と捉えて「どう違うの? どう違いが生まれたの?」ということに注目させると、結構いい答えが返ってくる。/この取り組みはコロナ禍の前なので、机に大きい模造紙を置いてみんなで付箋を貼る活動ができた。今は真ん中についたてがあってこの活動はできないため、デジタル化(協働学習ツールの利用)も考える必要がある
- 矛盾する2つの文章を生徒に読ませ、まずファーストインプレッションで、どちらがどのぐらい信じられると思うかを聞く(例:文科省の統計データ「朝食を必ずとっている生徒の方が成績が良い」を踏まえ、架空の教育評論家Aさんは「相関があるから、学力を伸ばすために朝食を食べよう」、Bさんは「相関があるからといって、朝食をとれば学力が伸びるとは言えない」と言っている、という設定)
- 文章の分析に入る。グループワークで、付箋にAさん・Bさんがそれぞれ何と言っているかを書き出し、「一致すること」「違っていること」「どちらかだけが言っていること」の3つに分類する(ピンクの付箋にAさんの意見、青い付箋にBさんの意見を書き、一致していることはワークシートの一番上に、それぞれが言っていることが違うことは真ん中に、どちらか一方だけが言っていることは下の方に貼る)。矛盾している点を生徒自身が発見するところに意味がある
- その矛盾がどこから生まれたのかという理由を考えさせる。まず個人でそれぞれ考えた上で、グループで意見を持ち寄ってグループとしての意見を考えさせる。黄色い付箋に自分たちが考えた「矛盾している理由」を書かせ、教員が見て回った中で一番よく見つけたグループを2つほど選んで、クラスの前で発表させる(「AさんとBさんは話している視点が違う」「Aさんは朝食のことだけ話しているが、Bさんはそれ以外の理由も見ている」といったものが出てくる)
- ラベル付けはかなり難しいので、生徒が見つけたことを踏まえた上で、教員の方から説明して締める(例:「なぜBさんは他の理由も考えているかというと、2つの事象に相関があるからといって、そこに因果関係があるとは限らない。だから、他の理由も考えているんだよ」)
- 次の回では「ダイエット方法とその効果」を扱う。医学博士Aさんは「低炭水化物ダイエットによって肥満の男女168人が3か月で平均10kgの減量に成功した」、Bさんは「低脂質高炭水化物ダイエットで48000人の女性が7年間で平均5kg減量した」と言っている——正反対の方法なのにどちらでも痩せるなら何を食べても痩せることになってしまう、という矛盾を提示して、なぜ意見が違っているのかを考えさせる(よく読むと対象も期間も違い、なぜ体重が減るのかというメカニズムも、一方は水分が減る、もう一方は摂取カロリーが減って脂肪が減っていくという違いがある)。最後に「今後ダイエット情報を読むとき、何に注意して読むか」を振り返らせる
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- 科目
- 情報の科学(プログラミング・問題解決)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- Python基礎10コマ+ロボット基本5コマ+カスタマイズ4コマ
- 必要なもの
- ミニチュアの配膳ロボット(サーボモーター・低速モーター・液晶ディスプレイ・LEDなどの部品)、レベル別の演習プリント、授業支援ソフト、タイピング練習サイト、手もとを隠す板
- 前提
- 指導時間が足りないので、プログラミングと問題解決の2単元を合わせて行う。文法の前にエラーの読み方とコメントアウトを教える。スキル差を吸収するため演習プリントを3段階用意する
- 先にタイピングの実習を置く。中段のキーだけの課題から始め、基準に達したら手もとを隠す板を渡して再テストし、合格したら中段+上段、+下段…と段を増やしていく
- 文法に入る前に、エラーの読み方を1コマかけて扱う。正しく動くプログラムと1か所だけ違うプログラムを並べて見せ、どこが誤りでどのエラーになるかをプリントに書かせる。一通りの種類を体験させる
- 続いてコメントアウトとアンコメントを教える。エラーが出たときに書いた行を消させず、無効化して実行したい行だけ戻す方法として指導する
- 文法の演習を10コマ行う。毎回前回の内容を復習に持ってきて少しずつ広げる。プリントはレベル1(写し取る)/レベル2(少し考えて改変する)/レベル3(よくできる生徒向け)の3段階を用意する
- 配膳ロボットを、まっすぐ走らせる→線をたどらせる→テーブル番号を指定して配膳する、と小さな目標に分けてクリアさせる。次に部品を1つ選んでカスタマイズさせ、ベンチャー企業の社長・副社長になったつもりで発表動画を撮って提出させる(基本編は到達段階で評価、カスタマイズ編はルーブリックで評価)
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- 科目
- 情報Ⅰ(データの活用/情報社会の問題解決)
- 時間
- 1学期を使った複合的な単元
- 必要なもの
- 利用時間を記録するフォーマット、表計算ソフト、統計分析のフリーソフト、統計分析の授業動画、レポートとプレゼンの様式
- 前提
- 情報モラルのためだけに9時間程度を取るのは現実的でないため、「データの活用による問題解決」と組み合わせた大きな単元として組む。分析の対象は生徒自身のデータにする(他人のデータでは同じようには取り組まない)。集めたデータは氏名や個人が特定できるものを除いてから配る。統計分析は難しいので、振り返れる動画を用意しておく
- 利用時間を記録するフォーマットを配り、1週間、毎日就寝前に記録させる。表計算ソフトに入力させ、1日あたりの平均を算出して提出させる
- 提出された全員分のデータから、氏名や個人が特定できるものを除いて、全員に配る
- 表計算ソフトで分析させる。グループで相談しながら進めさせ、難しいところは用意した動画(ヒストグラム、平均と分散、度数の比較、平均の比較、散布図と相関係数)を見ながら進められるようにする
- 作ったグラフや表から、示した質問項目に答える形でレポートとプレゼン資料を作らせ、発表させる
- 生徒の発表内容に合わせて講評の内容を調整し、次の時間に、依存傾向と関連が見られる心理・行動特性について解説する(専門用語の名称は避け、やりとりをしながら説明する)。そのうえで生徒間で議論させる。単元の最後から2週間ほど後に、同じ項目で利用時間を記録させて変化を確認する
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- 科目
- 学校設定科目(情報社会の問題解決・プログラミング)
- 学年
- 高校3年
- 必要なもの
- ブロックを組んで建築できるゲーム型のプログラミング環境、問題解決シートの冊子、データを共有できるオンラインストレージ、自治体の都市計画の資料
- 前提
- 題材は生徒の手の届く範囲から選ぶ(自治体に協力を依頼して都市計画の資料を提供してもらい、そこに挙がっている地域の課題を使う)。未経験の生徒がいる前提で基本操作の学習を先に置く
- 自治体の都市計画の資料をもとに「こんな建築があれば私たちの住む地域はもっと良くなる」というテーマを示す(SDGsの「住み続けられるまちづくりを」に対応させる)
- 70名を19グループに分け、資料に挙がっている課題の中から、解決のためにどんな建築物を作るかを話し合って決めさせる
- 問題解決シートの冊子を配り、ラフスケッチや設計図を描かせる。描く過程で各自の役割を認識させる
- 未経験の生徒がいるので、チュートリアルと実際のワールドで基本操作を学習させる。自宅で続けたい生徒に備えて、グループ全員がデータを共有できる場を用意する
- グループごとに役割を決めて制作させ、「この課題を解決するためにこの建築物を建てた、それによってこういう効果がある」という趣旨で発表させる
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報デザイン/問題解決型の授業設計)
- 必要なもの
- 不完全なUIのゲーム(教員が用意する)、プログラミングの実行環境、ペーパープロトタイプを描く紙、相互評価の質問紙
- 前提
- 情報デザインやプログラミングを、それ自体で終わらせず問題解決のツールとして使う設計にする。教員が考えている「良いUI」を生徒に教えない。答えを示さず、生徒自身に発見させる。題材は「身近・切実・実行可能」の3点で選ぶ(切実さが最も難しいが、スマートフォンやSNSに関わる題材では一気に高まる)
- 操作しにくいUIのゲームを渡して何回かプレイさせ、クリアタイムを計測させる。アンケートを集めて、このUIの問題は何なのかを議論させる(ボタンが横並びで押しにくい、どのボタンでどう動くか分からない、など)
- 「どのようなUIにしたら操作しやすくなるか」を考えさせ、プログラムで書き換えられる4つの要素を示す——ボタンの名前・位置(座標)・大きさ(ピクセル)・色
- 名前は「ボタン1」では何を表すか分からないので変えさせる(「ひだり」か「左」か矢印かは生徒に考えさせる)。位置は座標を打ち込んで配置させる。大きさはどれくらいなら押しやすいかを考えさせる(好みが分かれる。左利きでマウスを使う人に使いやすい配置は右利きと違うという発見も出る)
- ペーパープロトタイプを紙に描かせる。どのレイアウトで、どの座標に、色と大きさをどうするかを自分で設計させる
- 席を移動させながら質問紙で自由記述の相互評価を行い、改善させる。ここでも答えは示さず、互いの評価を参考に直させる。最後にUIについて何を学んだかを振り返りに書かせる
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- 科目
- 情報(統計分析)
- 学年
- 高校3年
- 時間
- 45分授業/単元は4つの内容
- 必要なもの
- 自作の動画教材とPDF資料、動画を配信する場、表計算ソフト、画面録画機能、一体型のヘッドホンマイク、スマートフォンを載せる脚立、簡単な動画編集ソフト
- 前提
- 表計算ソフトの操作は動画で先に学ばせ、対面の授業では既習事項として扱う。動画は作り込まず、PDF資料をプリントとして作り込んで動画はその抜粋にする(生徒は動画を1回しか見ず、見直しはPDFで行う)
- 単元のうち表計算ソフトの操作は、すべて動画で配信して予習させる
- 相関分析以降は対面で扱いつつ、予習用の動画も常に配信しておく
- 対面の45分は、冒頭5分で目的を伝え、末尾5分で振り返り、その前の10分を共有と考えの深めに使う配分にする。予習で圧縮した分を個人作業の時間に回す
- 動画は特別な機材を使わず作る(画面録画機能、量販店のヘッドホンマイク、脚立にスマートフォンを載せる)。差し替えや字幕だけ簡単な編集ソフトで行う
- 欠席者や休校期間にも同じ動画で対応できるようにしておく。作った動画とPDFは公開して他の教員も使えるようにする
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- 科目
- 情報の科学(「情報Ⅰ」型の授業として)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 年間
- 必要なもの
- 公開されている年間指導計画(ミニマムプラン)、レベル差に対応する段階的な課題、統計の解析ツール、図形を正確な寸法で扱えるプレゼンソフト、振り返りを集めるフォーム
- 前提
- 学習指導要領の順に進める。講義型を減らして実習を入れ、アウトプットする場面を作る。毎回、授業の目標を最初に明示し、その回に予定した内容は必ず終わらせる
- 第1章の問題解決を最初に置く。ここはコンピュータがグループに1台あれば活動でき、中学校までのスキル差が出にくく、得意な生徒の操作を周りが見て学ぶ形になる。ただし導入としてさらっと扱い(力を入れすぎると時間を取られる)、別の機会に問題解決を軸にして改めて行う
- 探究の時間で必要になる考え方や操作を事前に察知して、先に情報の授業で扱っておく(探究で使えることで、生徒が情報は役に立つと感じる)
- プログラミングに10時間弱を確保する。順次・分岐・反復とその組み合わせが書けることを目標にする(素数かどうかの判定、ある数までの素数の表示くらい)。オンライン教材は夏休みの課題に使う。よくできる生徒向けに高いレベルの課題まで用意し、終わった生徒は教室を回って他の人を教えてよいこととする
- モデル化とシミュレーションでは、表計算ソフトとプログラミングで同じ実習ができるものを両方用意してどちらかを選ばせ、早く終わった生徒にもう一方をやらせて、それぞれの良さを認識させる。部屋のレイアウトのシミュレーションは、プレゼンソフトの図形機能で行う(寸法を正確に縮小できる)
- データの活用は、数学で理論を学んだ後に情報で活用する順序にする(逆にすると、数学で手計算するのを面倒だと言い出しかねないため、数学科と連携して順序を決める)。毎回の授業の振り返りをフォームで取り、進度と難易度が適切かを確認する
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- 科目
- 情報Ⅰ(問題の発見・解決)
- 時間
- 単元全体(問題の定義→明確化→発想法→原因分析→解決策の意思決定→仮説形成)
- 必要なもの
- IE図(Tチャート)の様式、座標軸とマトリックス図の様式、表計算ソフト、演習用のワークシート
- 前提
- 「問題」を「理想と現実のギャップ」と定義し、身近な問題から始める。理想と現実は具体化、できれば数値化させる(抽象的なままでは解決策も抽象的になる)
- 「問題とは理想と現実のギャップである」と示す。「成績が悪い」→「悪いが良くなりたい」→「40点しか取れないが80点取りたい」と段階を見せて、数値まで具体化すると解決策が具体的になることを理解させる。各自に具体的な理想と現実を書かせ、ペアで説明させる
- 発想を広げる方法として「フレームワーク」を教える。あえて切り口を設定して考えさせる(封筒の使い方を、大きさ・形・材質・複数集めたら…という着眼点から広げる)。練習として「鉛筆の使い道」を全員に当てて種類を競わせる
- ブレーンストーミングにつなぐ(批判の禁止は強く指導する)。そのうえで「未来の情報機器を考える」演習を行い、つなげ方の視点をコメントで示す(物をネットにつなぐ/2つのうちどちらに主眼を置くか/必要なものと不要になるものを組み合わせる/今はなくても将来できるかもしれないもの)
- ロジックツリーの演習のあと4W1H法(人的・時間的・空間的・物質的・方法的の側面からWhyを考える)を扱い、IE図に整理させる。左に具体的な理想と現実、下段に「なぜなぜ」、上段に対応する「どうすれば」を展開させる
- IE図の上段から有効な解決策を取り出し、定性的なものは座標軸(労力と効果など2軸で、右上に優先すべきものが来るよう配置)、定量的なものはマトリックス図(◎4点・○3点・△2点・×0点などで重みづけして合計)で選ばせる。最後にIE図の上段と下段を組み合わせて仮説を作らせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(コンピュータとプログラミング/データの活用)
- 必要なもの
- プログラミングの実行環境、回答を集めるフォーム
- 前提
- フローチャートを書くだけでは身近なものに結びつかないので、生徒に身近なくじ引きのシミュレータを作らせる。作って終わりにせず、実行結果のデータを集めてデータの活用につなげる
- 当選確率1%の単発のくじを作らせる(乱数を出すだけなら順次構造、当たり外れを判定するには分岐構造が必要になる)
- 「ふだん使っているのは単発だけではないよね」と持ち掛け、繰り返し構造を加えて10連の形にさせる。これで順次・分岐・反復がすべて入る
- 「当選確率1%のくじを100回引いたら、何%の確率で当たりが出るか」を問いにする
- 1人あたり100回分のデータを2回(余裕がある生徒は3回)取らせ、当たりを引いたタイミングと回数を記録させる
- クラス分のデータをフォームで集めて集計し、実測値(約62%)を確認させてデータの活用の活動につなげる
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- 科目
- 情報Ⅰ(プログラミング)
- 時間
- 単元4回(部品→図形の描画→画像と乱数→まとめ)
- 必要なもの
- プログラミングの実行環境(GUIが使えるもの)、行頭をコメントにしたサンプルプログラム、検証の手順を書いた課題プリント、GUIの設計シート、振り返り用のチェックリスト
- 前提
- コードの意味を教えずに、生徒が書き換えて実行し、結果から意味を推測する形で進める。サンプルはあらかじめ変更する行をコメントにしておき、1行ずつ外して確かめられるようにする
- サンプルプログラムを配って実行させ、表示された画面がどのコードによるものかをプログラムと見比べて考えさせる
- 検証課題として、コメントにしてある行の#を1つずつ外して実行させる(文字列→直線→長方形→楕円の順)。そのたびに実行結果とコードを見比べ、意味を予想させる
- 解読した結果をプリントにまとめさせ、直線・長方形・楕円・多角形がどう書かれるかを抽象化して共有する
- まとめの課題を段階で出す(一辺200の正方形→色を自分で変える→ボタンを配置して直径200の円→星形と文字列→オリジナルのイラスト)。星形の段階では、先に設計シートに手描きで座標を設計させてからコードを書かせる
- 最後にチェックリストで達成度を確認させ、チェックが少なかった生徒には何が足りなかったかを考えさせる(設計シートがあるのにいきなり書き始めた、という反省が多く出る)
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- 科目
- 情報Ⅰ(年間の授業構成)
- 時間
- 年間
- 必要なもの
- 検索できる端末、記事を集める共有シート、回答を集めるフォーム
- 前提
- 知識・技能に重きを置かず、思考力・判断力・表現力に重きを置いた学習活動を先に置く。最初に講義をすると、自分事として捉えないまま活動に入ってしまうので講義から始めない。同じ分野を1度で終わらせず、ゆるやかに難度を上げながら繰り返す
- 4分野を網羅する学習活動を細かく設定し、教科書の前から順に並べるのではなく、生徒の興味・関心の高いテーマから始めて分野を行き来する順序にする(前の活動で出てきた話題を次の活動の入口にする)
- 年度の構成例:炎上・拡散事件の調査分析 →「こんなことできません」動画の作成 → 画像の仕組みと計算 → アルゴリズムを考える → クロス集計と箱ひげ図
- 【炎上・拡散事件の例】過去の事件を検索させ、同じ事件の別の記事も併せて読ませて、事件の内容を多面的に把握させる
- 事件を1つ選ばせ、多くの記事から時系列を丁寧に書き出させる。何が問題だったか、そのときどう行動すべきだったかを考えさせ、直接の本人だけでなく拡散に関わった人にも罪が生じることに気づかせる
- 関わった人がどの罪名に該当したか、どの程度の行為が該当し、どこからが該当しないかを、根拠のURLとともに整理させる。まとめの時間に、調べた事件と教科書の記述の対応を確認して知識を整理する
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- 科目
- 「役に立つ考査」として、実際に出題した定期考査の問題と正答率の紹介
- 必要なもの
- マークシート(定期考査はマークシートで実施)、ステープル止めできる高速印刷機(最大20ページの問題冊子を作るため)
- 前提
- 岡山県の初任者研修で講師を務めた際の「授業作りについての実践発表」からのもの。「授業作りの三要素」として「快適な環境」「工夫された教材」「役に立つ考査」を挙げ、そのうち考査を扱う。正答率は2つの学校のものを併記しており、A校は約5%が東大・京大に現役合格し約20%が難関10大学に合格する県内トップクラス、B校は約35%が国公立大学に合格する学校。/※同じ著者の事例271・304も報告型の記事
- 考査問題作成のポイントを6つ挙げ、そのうち「『深い学び』を実現できる問題」「実社会(生活)と結び付ける」「出題意図の明確化」「他教科との連携を図る」の4つに沿った問題を紹介している
- 「深い学び」の例は、上皿天秤用の分銅を「最大300gまで1g刻みで測る」という設定の問題で、これは「300までの整数を2進数で表すには何桁必要か」と同じである(分銅を乗せるのが1、乗せないのが0)。正答率は20〜30%前後。なお後にネットで検索すると平成25年度の東京大学大学院の入学試験に出題されていたと述べている。もう一つはXOR(排他的論理和)で論理回路を作る問題で、授業ではAND・OR・NOTしか説明しておらず、丸暗記でなく考え方を応用できるかを問うた(正答率60〜75%)
- 「実社会と結び付ける」例は3つ。理科から「生徒が単位の変換ができない」と聞きつけて出した単位変換の問題(正答率16%)、出題の2〜3か月前に出たばかりの知的財産権のニュース事例がどの権利に当たるかを問う問題(正答率50〜70%)、フォールトアボイダンスやフールプルーフの考え方を問う問題(正答率85〜98%で生徒の評判も良かった)
- ゲームのバグを題材にした問題も挙げる。カジノで一定数以上のコインを買おうとするとビットの桁あふれが起こって通常より安く買えてしまうバグを論理的に考えさせるもので、正答率57%。「どうして最大値が255なのか」「何で6万5535なのか」が授業で学んだことと結びつくと面白いと思ってもらえるとし、問2は実際のゲームに合わせて「何ゴールドですか」と聞いている
- 「出題意図の明確化」では、マークシートなので間違った選択肢に何を入れるかをよく考える。位取りを1・2・4・8ではなく2・4・8・16や2・4・6・8・10と取っている生徒がどれくらいいるかを読み取り、誤答を分析して間違った生徒にフォローするという意図で出題した(正答率80〜90%)。心掛けてきたのは独自問題・長文問題で知識を補充すること、実社会での知識の活用を提示すること、選択肢にも出題意図を持たせること、生徒の進路を意識した出題であることで、そのため最大で20ページほどの、共通テストの冊子によく似た問題冊子を休日に2〜3時間かけて作っていた
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- 科目
- 社会と情報/情報Ⅰ(クラウドサービスの機能を学習内容に使う)
- 時間
- 年間の各場面
- 必要なもの
- 生徒全員のアカウント、課題を配布・提出できる仕組み、共有できる文書・スライド・ホワイトボード・フォーム、生徒のスマートフォンとPC教室
- 前提
- サービスを道具として使うだけでなく、その機能そのもの(クラウドとローカルの違い、共有権限、フォームのUI)を情報の学習内容として扱う。クラウド上に置くことで、PC教室にいる時間しか作業できないという制約を外す
- 最初の授業でアカウントを配り、生徒のスマートフォンから初回ログインしてパスワードを変更させる。その直後にPC教室のパソコンから同じパスワードで入れることを体験させ、クラウドとローカルの違いにつなげる
- 調べたページを貯める「情報収集シート」を共有文書で持たせる(サイト名・URL・引用した内容を貼る)。自宅で見つけたページもその場で貼れるようにする
- 共有ホワイトボードで「情報の図解化」の演習を行う。提示された文章を各自が図で表す形にすると、よい例をその場で全員に見せられ、記録も残る(図形ツールを使う生徒が出てくる)
- アンケートの質問文や選択肢の改善点を考える演習をしたうえで、「アンケート構成シート」に作りたいグラフと尺度水準を書かせてからフォームを作らせる。全員のURLを共有シートに集め、授業中に互いのアンケートに回答させて、集計結果を図表にして発表させる
- 共有スライドでペアに編集権限を与えて同時編集させ、次にクラス全体に投稿して閲覧のみの状態を見せ、さらに全員に編集権限を与えたり戻したりする。この体験を、機密性(権限)・完全性(履歴からの復元)・可用性(共有とクラウド)の3要素に結び付ける
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- 科目
- 情報(単元のまとめ)
- 必要なもの
- 音声入力ができる文書作成ツール、課題の配布と提出ができる仕組み、簡易ルーブリック
- 前提
- キーボード入力だけに固執せず、音声入力を扱う。チェック項目を先にルーブリックで生徒に示しておく。印刷を前提にしないので背景色の変更も対象にする
- 課題を配り、チェック項目(文字の大きさ・文字の色・画像の挿入・背景色の変更・その他の工夫)を簡易ルーブリックで先に示す
- 各自が新規の文書を作り、音声入力の機能を起動して教科書を読み上げ、テキストにする
- できたテキストに対し、大事な言葉や要点の文字の大きさと色を変え、画像を入れ、背景色を変えて、自分なりに分かりやすくまとめさせる
- 「その他の工夫」として、教科書で色や太字になっていない箇所にも大事な部分が隠れていることを意識させ、下線などを付けさせる
- 提出させ、ルーブリックの項目をクリックして採点する(配点は自動計算される)。採点後に返却する
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- 科目
- 情報Ⅰ(データの活用・統計)
- 学年
- 本文に明記なし
- 時間
- 2〜3コマ/※本文は参考元として事例172(勝田浩次先生)・事例173(三井栄慶先生)を挙げている
- 必要なもの
- 1人1台端末、調査計画書、Googleフォーム(アンケート作成)、表計算ソフト(Excel / スプレッドシート)、レポートフォーム
- 前提
- 単に4つの尺度を用語として暗記させるのではなく、「作りたいグラフから逆算して尺度と設問形式を決める」という問題解決の一連の流れを体験させることを重視する。生徒の自由な設問設計に任せると、回答形式の不一致や単位混入、曖昧回答が大量発生することを前提とし、失敗を隠さずに生データを教員画面で見せながらデータクレンジング(修正・除外)の必要性を学ばせる。調査計画書やレポートフォームを用意し、生徒が途中で目的を見失わないよう枠組みを整える。
- 仮説とその理由、検証に必要な質問項目、作成したいグラフの形式を事前に「調査計画書」に記入させて分析の全体像を設計させる
- Googleフォームでアンケートを作成し、クラス内で相互に回答してデータを収集する
- 集まった生データを教員画面で共有し、単位の混入(「0分」等)や曖昧な記述(「2時間未満」等)に対する数値化・除外といったデータクレンジングの作業を実演して見せる
- 表計算ソフトでクレンジング済みデータを用いて集計・群分けを行い、目的のグラフを作成して外れ値除外件数や考察を「レポートフォーム」にまとめる
- 尺度とグラフの不一致や回答しづらい設問の反省点を振り返り、「作りたいグラフから逆算して適切な尺度と回答形式(選択肢・数値)を設計する」ことの重要性をまとめる
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報デザイン)
- 時間
- 8回(2時間1セット×4)
- 必要なもの
- テキストエディタ、見本のWebページと絵コンテ、ルーブリック、紙の相互評価シート、評価を集めるフォーム、課題を回収する仕組み
- 前提
- 見本のWebページを用意しておく(初学者が取り組みやすくなる。ただし1種類だと引っ張られるので複数用意するとよい)。ルーブリックには、外部に公開できる表現になっているか(言葉遣い・人権への配慮)を入れる
- 1回目に、構造化(見出しを付ける・階層化する)・抽象化(地図やアイコン、ピクトグラム)・可視化(図表やグラフ)を扱う。芸術のデザインとの違いは「意図」があることだと押さえる(ピクトグラムや優先座席の掲示が何を伝えようとしているか)。見本の絵コンテとWebページを見せながらルーブリックを説明する
- 2回目に絵コンテを作らせる。いろいろなWebページを閲覧させてデザインを検討させる(テーマを自由にすると迷うので「学校の一番好きなところ」などと指定してもよい。またHTMLとCSSを先に教え、かけられる時間とできることを理解させてから描かせるほうがよい)
- 3回目に、見本ページのコードをエディタで解説してHTMLを習得させる(よく使うタグは一覧をPDFで配ると効果的)
- 4〜6回目にサイトを制作させる。相互評価は席順で行う——評価する人数分のフォームを開かせ、紙のシートに自分のクラス・番号・氏名を書かせ、ルーブリックをもとに3分でフォームと紙の両方に記入させて隣へ移動させる。紙のシートは記入する行を評価者に選ばせる(順に書くと誰が書いたか分かってしまうため)
- 7〜8回目に、もらったコメントをもとに改善させる。時間を区切って作品を回収する
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- 科目
- 社会と情報/情報の科学(「情報I」のエッセンスを取り入れた「卒業研究」)※3年次配置
- 学年
- 3年(文系=社会と情報、理系=情報の科学。全9クラス93グループ)
- 時間
- 約14時間(発表会は各クラス2時間連続。これに先立って同じ日に1時間のリハーサルを実施)/※同じ著者の事例228・280は、年度当初の5回の単元「情報デザイン×知的財産権×プレゼンテーション」を報告している
- 必要なもの
- 論文の書式(アブストラクト、キーワード、「はじめに」、目的、検証、結果、考察)、プレゼンテーションソフト、各グループの発表の章立てが書かれたシート、評価シート(項目ごと各10点満点・合計50点満点+総合的なコメント)、前方のスクリーンと各PC画面が使えるコンピュータ教室
- 前提
- 「情報I」の単元を眺めて「この内容を2単位の授業時間数70時間ではとてもやりきれない」と思う教員も多い。「情報I」では授業内容の「積極的・前向きなダウンサイジング」が非常に大事になってくると考える。/探究活動を課題発見から仮説の設定、検証、考察、結論という一連の研究の手順を踏まえて進め、一つの成果としてまとめるためには、様々な「お作法」やフォーマットを身に付けることが必要。しかし、こういった一連の手続きが教科学習の中で時間をかけて扱われる機会はなかなかない。/探究活動の成果をまとめてプレゼンする場面は、授業内の内輪の発表会だけではない——コンテストへの参加や、総合型選抜・学校推薦型選抜での学習成果の提出では、まとめ方のルールを踏まえているかどうかが採点の対象にもなり、大学入学後の演習や自分自身の研究の場面でも必要になる。/生徒が4年後に経験するであろう大学での卒論作成の前哨戦という位置づけ。/研究過程については、授業担当者としての大幅な手直しは一切入れない。毎時間望ましい進捗度合を定めた指示を参考に、論文とスライドの完成を目指させ、大幅に脱線しそうなら方向転換のための声掛けをする程度にとどめる。/著者の言葉:「正直、論文と言うには甘い部分がありますが、高校生が自分たちだけで研究活動をしてみたらこれくらいのレベルのものが出来上がった、と参考までにご覧いただき、今後先生方の授業で実施される場合のレベル感の指標にしていただければ」。/3年生の秋から冬という時間のとりにくい時期の活動なので、実験や検証に十分時間をとることは難しい。しかし探究の手順をきちんと踏まえることで「何のためにこの研究を行ったのか」「今回の実験条件の中ではどんなことがわかったか(あるいはわからなかったか)」を示すことができていた。/授業実践を毎年公開している目的は、情報科の教員は各校1名しか配置されておらず他の教員の授業を見る機会がなかなかないので何とかしたいという思い。「こんな授業やってみた」的な動画レベルでよいので、気軽に授業を公開できる空気感を広げるきっかけにしたい
- 自分たちで考えたテーマ(一見ばかばかしくてくだらないもの)について仮説を立てさせる。1グループは3〜5人(例:故意に与えた先入観によって問題の難易度の感じ方が変わるかを調べる/マーク式試験の選択肢で正解は何番が多いかを模試の過去問から分析する/ペットボトルを回転させて着地させる競技を成功させやすい条件を調べる/地球を破壊するために必要なエネルギーを計算する/人気漫画の主人公が原作で行っている行為の犯罪性を検証する)
- 実証実験を行ってデータを取得・加工する
- 論文形式の文書にまとめる。必ず書くべき内容——アブストラクト、キーワード、「はじめに」から目的・検証・結果・考察という一連の流れ——を踏まえさせる。研究過程には教員が大幅な手直しを入れず、毎時間の進捗の指示だけを与える
- プレゼンテーション用のスライドを制作し、発表会を行う。発表時間は5分、その後の質疑応答は3分程度で計8分が1グループの持ち時間。グループ全員が教壇に立ち、プレゼン・スライド操作・質疑応答など担当を分担する。プレゼン担当者は手元に原稿を持たず、聴衆の反応を受け止めながら説明を進める。聞く側の生徒は手元に各グループの発表の章立てが書かれたシートを持ち、前方のスクリーンやそれぞれのPC画面でスライドを見ながら聞く(発表会に先立って同じ日に1時間のリハーサルを行う)
- 各グループのプレゼン終了後に評価シートを記入させる(項目ごとに各10点満点、合計50点満点で採点し、総合的なコメントを記入する)。記入後の評価シートは授業後に回収し、後日当該グループにコピーをフィードバックする——プレゼンテーションの手応えと他者からの評価を突き合わせるという反省に役立てる。完成した論文は体裁を整えて卒業研究論文集に仕上げ、卒業記念品として卒業式で渡す
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- 科目
- 情報科の内容を覚えるための「覚え歌」を自作してYouTubeで公開した報告
- 時間
- 2曲(1曲目は情報量の単位、2曲目は2進数の変換)
- 必要なもの
- 動画を作って公開する環境(YouTubeチャンネル)、作詞・作曲(Cコードをベースにしたメロディーライン)
- 前提
- 著者はもともとネットワーク系のシステムエンジニアで、「何でもやってみる」がキーワード。授業用の内容を中心に、新しいことに取り組んだらその動画もYouTubeチャンネルで発信している。
- 生徒に楽しんで勉強してもらう工夫の一環として作った。教科書で勉強するだけでなく、楽しい授業フォロー動画があればもっと関心を持ってもらえるのではないかという狙い
- もう一つの目的として、「IT技術があれば、自分で作ってやってみることがすぐにできる。身の回りにあるパソコンやアプリなどの技術をうまく使えば、自分一人でもいろんなことを実現できる」ことを生徒にアピールしたかったと述べている
- 作詞・作曲でこだわった点は3つ。気軽に聞いてもらえるようシンプルな構成にすること、重要なキーワードが繰り返し出てくる作りにすること、わかりやすいメロディー(Cコードをベースにしたメロディーライン)にすること
- 1曲目は情報量の単位を扱ったもので、8や1024という数字にフォーカスを当てた。神奈川県の社会科の大久保敏朗先生が作曲した『天体観測』のリフレインにヒントを得ている。2曲目は2進数の変換で、やっていることは2で割って余りを書く繰り返しだけだが苦手だという生徒が多いため、やり方を思い出せるように作った
- 学びのきっかけづくりとして、勉強を楽しくする要素に使えるのではないかとまとめている。ただ作っただけ・面白いだけにならないよう品質を高め、ラインアップを増やしたいとし、授業で使えそうならYouTubeの動画を使ってよいと述べている
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- 科目
- 情報Ⅰ(コンピュータとプログラミング)
- 時間
- 3回程度
- 必要なもの
- マイコンボード(明るさ・加速度・温度・磁気のセンサー、LED、無線通信の機能つき)、ブロック型のエディタ、ワークシート、廊下や保冷剤入りの箱などボードを置ける場所
- 前提
- 全員が同じ結果になるプログラムでは実感が出ないので、場所によって値が変わる計測を組み込む。最初の授業のコードはとにかく簡潔にする(シンプルにするほどデバッグが容易になり授業が進む)
- ボードを見せ、ボタンスイッチが入力装置、本体がハードウェア、LEDが出力装置であることを対応させ、入力→記憶→制御→演算→出力という5大装置の流れを体験的に理解させる
- センサーでデータを集めさせる。コードを書き換えて教室内の各所を計測させ、場所によって値が違うこと、隣の人と結果が違うことに気づかせる
- 2時間目に「ボタンを押すたびに数が増えるプログラム」を課題にする。まず押したら0を表示させ、次に1を表示させると、毎回書き換えるのが面倒だと気づく。ここで変数の必要性に気づかせてからカウントアップを作らせる
- 続いて「別のボタンを押したらカウントダウンするプログラム」を作らせる。「引く」の命令がないことに気づかせ、マイナス1を足すという形から論理回路の話につなげる
- 無線通信の機能を使い、送信側(教員が用意しておく)と受信側のプログラムで、教室の外・廊下・保冷剤を入れた箱などに置いたボードから、席を立たずにデータを集めさせる。集めたデータを校内の問題の解決にどう使えるかを考えさせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(プログラミング)
- 時間
- 1レッスン30分ほど(全6レッスン)
- 必要なもの
- ブラウザで使える学習サービス(インストール不要)、教員用の管理画面、生徒に配るクラスIDと出席番号
- 前提
- 端末に環境を入れる手間をかけず、ブラウザだけで進める。教員は管理画面で提出状況とコードを確認する(誤りが色で示されるものを選ぶ)。中間モニターがなくても進められるようプリントを用意しておくとよい
- 教員が登録して年度とクラスを作り、生徒にクラスIDと出席番号を配って各自に登録・ログインさせる
- 会話ロボットを作る課題で基本を進める(文字の表示→変数を使った表示→数値の表示→変数で計算した値の表示)
- 繰り返しとリストに進む(繰り返しで文字を表示→リストから取り出す→リスト全体を繰り返しで表示→乱数でリストから選ぶ)。続いて入力に応じて返事を変える形にする
- Web APIを作る課題に進む。用意された天気の情報を読みに行き、取り出した値をもとに「雨具が必要か」を表示させる
- 身近な問題を解決する課題として、地域コードと日付を指定する天気の案内や、日本語と英語を相互に翻訳して保存するものを作らせる(気温でセーターの要否を出すなどアレンジしてもよい)
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- 科目
- 情報Ⅰ(データの活用)
- 時間
- 3段階(仮説→検証→考察)
- 必要なもの
- 都道府県別の統計を集めた公開サイト、関数と散布図を仕込んだ表計算のワークシート
- 前提
- 生徒が興味を持ちそうなデータを使う(すべて都道府県別なので2つを並べて相関を見やすい。ただし身近すぎる題材はテーマ選びに注意する)。統計値の計算はワークシートの関数に任せ、仮説と考察に時間を使う
- サイトを紹介し、いくつかのデータを見せながら相関がありそうな仮説を考えさせる(例:高校数が多い都道府県ほど甲子園の通算勝利数が多いのではないか——予選の試合数が多いから強いはず、という理由づけまで示す)
- 相関とは何かを説明する。あわせて疑似相関に注意することを扱う(アイスクリームとビールの売上に関係があるように見えるが、実際に効いているのは気温である)
- サイトのデータは単位が文字列で入っているため、数値の列に加工する必要があることを扱う。都道府県の並び順を揃えて2つのデータをワークシートに入れさせる
- 平均値・中央値・標準偏差・相関係数が関数で自動計算されるので、散布図とあわせて相関の有無を判定させる(相関係数がどの範囲でどう言えるかを教科書に沿って説明する)
- 結果から考察させる。仮説が外れた場合もそのまま扱う(「平均気温が高い都道府県ほどアイスの消費金額が多い」は負の弱い相関で仮説は成り立たない、など)
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報デザイン)
- 必要なもの
- ブラウザで動くピクトグラム制作のツール(インストール不要でOSに依存しないもの)、既存のピクトグラムを見られる資料
- 前提
- 何もないところから作らせず、既に使われている静止画のピクトグラムを参考にさせる(自己満足なものではなく、誰かの役に立つものを作る意識を最初に持たせるため)
- ピクトグラムの目的を押さえる(文字を使わずに情報を伝える/誰が見ても案内・誘導・指示が理解できる)。起源として、文章を読む習慣のない市民に絵で社会や経済の情勢を伝えた例、1964年の東京オリンピックの施設シンボルが家紋に着想を得ており、普及を重視して著作権を放棄したことを話す
- 街頭や車内の広告がデジタル表示に変わってきていることを示し、「これからのピクトグラムは止まっているものでなくてもよい」として題材につなげる
- 練習として、示された動きを同じように再現させる。近くの生徒と相談させながら操作に慣れさせる
- オリジナルの制作に入る前にデザインを書かせる。実際に使われている静止画のピクトグラムを参考に、それをどう動かすか、動かすことでどんなメリットがあるかを考えさせる
- 制作させる。禁止・注意・指示など、案内や誘導の目的がはっきりした種類を選ばせる。「この線の手前までは安全だが、そこから先は禁止」のように、静止画では表しにくい二段の内容も動きで表せることを示す
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報社会・知的財産権)
- 時間
- 2コマ
- 必要なもの
- 怪盗からの「犯行予告状」の資料(知的財産を7つ書き込んだもの)、グループで付箋を書き込めるツール(記事ではJamboard)
- 前提
- 4人程度の班を組めること。他の班の付箋が見える設定にしておくこと
- 学校の通称にちなんだ怪盗からの「犯行予告状」を見せる。そこには知的財産が7つ書かれている
- 「この怪盗は法律だけは必ず守る」「ここは知的財産だけが法律で守られていない世界である」という設定を示す
- 4人程度の班で、どのような犯行が起こるかを10分ほど予測させる(意見が出にくいので、例をいくつか先に示しておく)
- 予測した犯行を防ぐための法律を15分ほどで作らせる。「〜してはならない」と「〜する権利をもつ」の使い分けをヒントとして与える
- 予告状の答えを見せて、自分たちの法律で犯行を防げたかを班ごとに判定させ、実際の知的財産権の法律と照らし合わせる
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- 科目
- 「情報Ⅰ」の教科書12冊が「データの活用」をどう扱っているかの調査
- 時間
- 6社12冊の教科書を調査
- 必要なもの
- 統計ソフトのR(RMeCabを入れればテキストマイニングもできる)、sAccess、表計算ソフト、Libre Office(家庭で実習する場合)
- 前提
- 「プログラミング」はずいぶん前から話題になって資料も出ているが、「データサイエンス」の部分はあまり話題になっておらず心配だという問題意識から、教科書での扱いを整理した。著者は認定講習で免許を取得した世代で、その後に社会人大学院で学び直して専修免許を取得している。整理の方法は、2014年の論文「データベース操作の学習が可能なオンライン学習教材の提案」で各教科書のデータベース実習の扱いを調べていたのを参考にした。
- 学習指導要領の「(4)情報通信ネットワークとデータの活用」のうち、「データを蓄積、管理、提供する方法」がデータベース、「表現、蓄積するための表し方」と「収集、整理、分析する方法」が統計処理にあたると整理し、この2つに分けて調べている
- データベースについては、全ての教科書がデータベースシステムやリレーショナル型データベースを扱っており、一部はNoSQLにも触れている(実習を考えると難しいとしている)。教科書会社をA〜Fで表記して比較し、Bがキー・バリュー型を扱い実習ツールにPythonを使っている点を特徴として挙げる。表計算ソフトを使った実習がいくつかの教科書に載っている
- 参考にした2014年の論文ではMicrosoft Accessを使った実習がけっこう扱われていたが、今回はまったく登場せず、sAccessがAとEに出ていた。2019年の全国大会で発表された年間指導計画ではデータベースに5時間が設定されており、その5時間で作成や活用を学び実際のデータで実習することになると見ている
- 統計処理については、量的データ・質的データ、尺度、テキストマイニングは全ての教科書が言葉として紹介しており、オープンデータが約半数に出ている。キーワードはクロス集計、回帰分析までで、テキストマイニングはほとんどが説明だけ。Eの2冊がテキストマイニングができるフリーのサイトを紹介して実際にやってみる形で扱っていた
- この範囲はだいたい表計算ソフトでできてしまうが、著者は統計ソフトのRを使ってみることを提案している。RMeCabまで入れればテキストマイニングもでき、オープンデータで傾向の可視化ができ、クロス集計や相関回帰分析も一通りできる。無料で使えるので、統計の授業に取り入れれば生徒が大学で卒論を書くときに思い出してくれるのではないかと述べている
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報デザイン・プログラミング・データ活用)
- 学年
- 本文に明記なし
- 時間
- 全5回(5コマ)
- 必要なもの
- 1人1台端末、ブラウザ(ピクトグラミング / ブロックピクトグラミング)、Googleフォーム、Googleスプレッドシート(評価集計・共有システム)
- 前提
- ピクトグラムの規格(JIS/ISO)や色覚多様性への配慮、人体の動きを通したアルゴリズムの基礎概念
- 国内外のピクトグラムの事例からルールの存在や文化差を学び、ブロックピクトグラミングで人型(ピクさん)を動かして逐次・反復・並行処理を体験する
- インフォグラフィックスやJIS安全色の規格を理解し、身近な問題解決につながるピクトグラムを規格の制約に沿って各自で制作する
- 校内LANの一括表示ページで他者の作品を見てタイトルを予測し、制作者の意図と照合した上で意味明瞭度と日常重要度をGoogleフォームで相互評価する
- 相互評価のコメントとリアルタイム集計結果を確認し、意図がより正確に伝わるようにデザインを改善した修正版を再提出する
- 相互評価の回答データから欠損値を処理し、基本統計量の算出やグラフ化を行って評価結果の分析とデザインの妥当性に関する考察レポートを作成する
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- 科目
- 情報の科学(プログラミング)
- 学年
- 高校3年
- 時間
- 単元(繰り返しに4コマ)/1コマ45分
- 必要なもの
- ブラウザで使えるプログラミングの実行環境、資料と課題を配れる仕組み、公表されているサンプル問題
- 前提
- 公表された問題を先に分析し、必要な知識を整理してから単元計画を立てる(サンプル問題で求められているのは、一択の条件分岐、0からnまでの基本的な繰り返し、0から順にアクセスする配列など、複雑ではない内容)。資料は事前に配って冒頭の説明を短くし、演習の時間を多く取る
- 公表されている問題を設問ごとに分析し、必要なプログラミングの知識を項目ごとに整理する(変数・表示・条件分岐・繰り返し・配列)
- 整理した知識をもとに単元計画を立てる。躓きやすい繰り返し処理は複数回に分ける(前年度の調査で「リストを繰り返して最大値を求める」を難しいと答えた生徒が47.5%いた)。条件分岐はifだけでなくelseを使う形も扱う
- 繰り返しの発展として数値計算の題材(ニュートン法など)を扱う。配列では逐次探索と最大値探索から始め、選択ソートと交換ソートまで広げる
- 1コマの流れは、事前配布で説明を圧縮 → 各自で取り組む演習 → 近くの生徒と確認し合う学び合い、の順にする(1人で取り組む時間と教え合う時間を分けておく)
- 単元の最後に、何も見ないでサンプル問題を解かせ、単元で学んだことを文章で振り返らせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報デザイン)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 4回以上(4月当初、操作指導を含む)
- 必要なもの
- 文書作成ソフト、ルーブリック、A4用紙1枚の制作課題
- 前提
- グラフィックソフトがなくても、操作指導と合わせて情報デザインを扱える。いきなり作らせるとベタ打ちで作り始めるので、1回目を練習と位置づけて構造化に絞る。ルーブリックは考え方を扱う最初の時間に提示するとよい
- 1時間目に情報デザインの考え方を扱う。抽象化(地図やアイコン、ピクトグラム——文章の道案内と地図を比べる)、可視化(各教科の点数をグラフにし、平均点も重ねると弱点が分かる)、構造化(同じ内容の文章を、段落と階層に整理したものと並べて見せる)
- 2〜3時間目に操作指導を行う(書式のフォント・サイズ・色、太字・斜体、行揃え、装飾文字、テキストボックス、表、図形、画像の挿入)
- 4時間目から制作に入る。A4用紙1枚で作らせ、1回目は本番に向けた練習と位置づける。構造化を必須(大見出しと中見出しがあればよい)、抽象化・可視化は努力目標(画像や図解はできる限りでよい)とする
- 2回目を本番とする。テーマは生徒の状況に配慮して決める(記事では「4月から今までの間にあった良かったことと新しい発見をそれぞれ1つ挙げてリーフレットにする」とし、皆に見せずに教員だけに見せる形式にした)
- ルーブリックは3観点で作る。態度は提出があるか・自分の言葉で書けているか。知識・技能は見出しの階層があるか・写真や図解があるか。レイアウトは「端に小さく書く」「白地に白文字」のような読めないものでないこと→形や大きさに意味を持たせていること→読み手への配慮があること の順に上げる
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- 科目
- 授業動画を使った「授業のリデザイン」の提案(「情報Ⅰ」の6単元の展開例)
- 時間
- 6つの授業案(従来の展開とリデザイン後の展開を対比して示す)
- 必要なもの
- 授業動画(1コマの尺いっぱいではなく短い尺の動画をいくつか使う)、1人1台端末、県内で共有する動画の置き場、学習ツールやWebテスト
- 前提
- 「授業改善」というレベルではないという考えから「リデザイン」(リフォームやリビルドのように、もう一度再構築して作り直す)という言葉で定義している。授業動画の強みは個別最適な学びに向いていること(ただし使い方を間違えると孤立の学びになる)、休業時に有効、スマホから何回も視聴できる、文字だけより見やすいこと。弱みは他者が公開している動画はいつ公開が終わるか分からないこと、授業の展開でうまく活用できるかという不安、「コロナ対応の一時的なもの」というイメージ。県で「授業動画を活用した学びの深化」という事業が進み、専門性の高い教員が作った動画を全校で共有できるようにしている。/※著者は指導主事の立場で、授業を直接できないと述べている
- 活用のタイミングを、授業時間内(導入・展開前半・展開後半・まとめ)と授業時間外(予習・復習)に整理している。導入では本時のねらいを示して「知りたい!」という気持ちを誘発する、展開での思考の準備やグループ活動を円滑にする知識の解説、前回の内容の簡単な振り返りに使う。まとめでは伝え忘れの補完や、より高い興味を持った生徒への対応に使う
- 「情報社会の発展」では、従来は導入で教員が話し展開で講義、個別考察、話し合い、まとめという流れだったものを、導入でSociety 5.0を簡単に説明する動画を見せ、各自で外部の動画を視聴させ、「この社会はこれからどう進むのか」「自分はどう関われるか」を個人やグループで考え、共有してまとめる形にする。動画は何回も見返せるので、わからないところを適宜見返しながらより深く思考できるとしている
- 「情報セキュリティ」では、従来は講義して知識を学んで終わりになることもあった(著者自身もそうすることが多く、思考する時間が取れなかったと反省を述べている)。リデザイン案では、導入でセキュリティ全般の必要性の動画を一斉に見た後、展開で「ユーザIDとパスワード」「マルウェア対策」「不正アクセス対策」の要素技術をグループで分担して別々の動画を見てまとめ、互いに伝え合って共有するジグソー法的な活動にする。これまで4時間程度かかった内容が1〜2時間で済む場合もあり、同じ時間を取れば協議の時間を多く取れるとしている
- 「情報デザイン」では事前学習で複数の動画を紹介して最低2本は見てくることにし、授業では素材を渡して「動画で見てきた考え方を踏まえて伝わりやすく加工しよう」を目標に、各自が学んだ観点をグループで出し合って協議し、1つの作品を作る。「プログラミング」では、繰り返しや分岐の説明やデバッグ方法の動画を事前に用意して困ったときに自分で見られるようにする(教員が生徒の対応に走り回って一人ひとりの評価どころではなくなるパターンへの対応で、教科書を渡しても理解できない生徒のフォローにもなる)
- 「データの利活用」では、中学校で学んだヒストグラムや箱ひげ図を動画で確認させて予習に使い、関数の使い方やグラフの作り方は短い動画にして各自が見られるようにする。オープンデータのどの部分を使うかは各自が考えるので、最初に加工するデータが教員の与えたサンプルではないことがポイントで、その加工したもので協議もできる。「情報通信ネットワーク」では「ネットワークに接続できない。どうしよう」という動画を見せてグループで原因を考えさせ、最後に解答を動画で示す(生徒が思い付かない、教科書に載っていないが現実に起こり得るもの——例えばルータの電源が抜けていただけ——がよいとしている)。まとめとして、動画やICTは単なる道具で使うことが目的にならないようにすることが重要だと述べている
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- 科目
- 情報(情報通信ネットワーク・セキュリティ)
- 必要なもの
- サーバとの通信記録を表示できるメールソフト、教員が用意した本物に似せたサイト
- 前提
- 偽のメールを送る前に、偽であることを生徒に念押ししておく。生徒に真似してほしくないので、送信の操作はあえて分かりにくい方法で行う
- メールソフトの通信記録を開かせ、サーバとどのような情報がやり取りされているかを観察させる
- 受信のプロトコルでは画面上パスワードが伏せて表示されるが、実際にはそのまま流れていることを確認させる(他の人が覗き見できる)
- 送信のプロトコルではユーザー名とパスワードが使われていないことを確認させ、「本人確認をしていないのだから、なりすましができる」ことを押さえる
- 架空の団体を装ったメールを生徒の目の前で送る。「サイトが重いので別のサーバを用意した」という内容にし、本物と似たアドレスを書く。事前に偽だと伝えたうえで、「でもサイトが重いのは本当だけど」と少し惑わせておく
- 誘導先は本物から素材をそのまま持ってきて同じ見た目にしておく。ログインを試みると警告が出て「ユーザー名とパスワードを取得した」と表示されるようにしておき、そこからフィッシングの説明につなげる
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- 科目
- 教育用マイコン4種と、それを制御するソフトウェアの比較検討(校種ごとの組み合わせの提案)
- 学年
- 小学校・中学校・高校(校種ごとの推奨を示している)
- 必要なもの
- micro:bit、CyberPi、Arduino、Raspberry Pi(厳密にはシングルボードコンピュータだが比較のためマイコンの一種として扱う)、Scratch(Microbit Moreと併用)、MakeCode、mBlock
- 前提
- 著者はもともとマイコンに「工学的な知識が必要ではないか」「パーツが必要で値段が高そう」「プログラミングだけで手いっぱいの中でやる余裕があるのか」というイメージを持ち、苦手意識さえあった。前任校の科学部の顧問になり、自律型ロボットの2分間のダンスや演技をパフォーマンス審査とインタビュー審査で評価する大会に挑戦する生徒と一緒に勉強したことがきっかけで興味を持った。発表のねらいは、教育用マイコンへの不安感を和らげることと、選定材料となる情報を提供すること。/※同じ著者の事例182は理想の教室を整備した報告
- ハードウェアは大きく2つに分かれる。micro:bitとCyberPiは基本センサーやモジュール、ボタンが内蔵されていて易しく簡単な制御ができるが、複雑な制御はしんどい。ArduinoとRaspberry Piは基本的なセンサーが付いておらず外付けが必要で扱いは難しいが、複雑な制御ができる
- 個々の特徴として、micro:bitは比較的安価で制御も容易、多くの学校で使われているので情報量が豊富。CyberPiはネットワークに強みがあり、micro:bitにないフルカラーディスプレー・ジョイスティック・Wi-Fiモジュールを持ち、情報量は少ないが公式テキストが授業でそのまま使えるレベルで充実している。Arduinoはセンサーやモータの制御などハードウェアな電気信号を扱うのが得意でピンが多く拡張モジュールもはめられる。Raspberry PiはLinux系のOSで動くのでアプリやOS処理が可能で、4つの中では一番複雑なことができる
- 電子工作の負担も分かれる。Raspberry PiとArduinoは電子工作が必要になるケースが多く手間はかかるが、一つ一つの部品がどう動作しているかを回路も含めて考えることになるのでプログラミング的思考の題材にでき、理科の電気回路や技術科の「エネルギー変換に関する技術」でも扱えるという利点がある。micro:bitはサードパーティーの拡張モジュールをカセットのように付けられるので負担は軽く、CyberPiはモジュールを差し込むだけなので非常に軽い。回路を作ったりワニ口クリップで接続したいならmicro:bit、複雑なことをしたいならArduinoやRaspberry Piがよいとしている
- ソフトウェアでは、Scratchは入門編として有名で情報量も豊富、単体ではmicro:bitの制御は簡単なことしかできないがMicrobit Moreを使うと全てのセンサーを活用できる(ただしパソコンと常時接続が必要)。MakeCodeはmicro:bitの制御で最も使われており、拡張機能をカセット形式で追加でき、Minecraftのプログラミングにも使える。Scratchと違ってアップロードモードのみでひと手間かかるが、時間のロスなく制御できるので一長一短。JavaScriptとPythonも扱えてブロックからテキストへの変換ができる。mBlockはScratchベースでCyberPiを制御でき、デバイス間連携やネットワーク連携が容易で、クラウドサービスと連携して課題を出したりスプレッドシートに書き込んだりできる。ライブモードとアップロードモードを切り替えられ、Pythonへの変換コードの閲覧やサードパーティーのライブラリの使用も可能
- 校種ごとの推奨の判断基準として、小学校はビジュアルプログラミングが扱えること(低学年はスプライトが使えるかを考慮し、キャラクターを画面で動かせることは初学者に有効とする)、中学校はセンサー制御と双方向のデバイス間連携ができ、コーディングはまだハードルが高いのでビジュアルが使えること、高校はデータ分析やネットワーク越しの情報の取得と出力、テキスト言語が使えること、「情報Ⅱ」ではAIやIoTを無理なくできる拡張性を挙げている。まとめとして「どのような力を育みたいか」を考え、学校の特色やカリキュラム、時代に沿って選ぶこと、自治体によるプロキシサーバーやセキュリティの違いという環境の確認を忘れないことを述べる。現時点では CyberPiとmBlock、micro:bitとMakeCode の組み合わせが小学校から高校までオールインワンで使えて電子工作も少なく手軽だとしつつ、この内容も数か月後には大きく変わっているかもしれず、5年後も同じでよいとは思わないのでアンテナを張って選定する必要があるとしている
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- 科目
- GIGAスクールと「情報Ⅰ」を合わせて考えることの提案(授業をPC教室から出す)
- 時間
- 「情報」は70時間で2単位
- 必要なもの
- 1人1台端末(BYOD/CYOD/BYAD/学校所有端末の貸与)、クラウド、Webアプリで組む授業(Googleのアプリやマイクロソフト製品)、生徒のスマートフォン、Googleサイト(ポートフォリオ用)
- 前提
- 高校でもネットワークとクラウド、1人1台端末の利用が進み、「情報Ⅰ」のスタートと令和7年からの大学入学共通テストへの導入が重なる状況を踏まえた提案。著者の見た印象として、GIGAスクール構想を推進している先生と教科「情報」を頑張っている先生が違う人たちで、トータルで考えている人が少ないという問題意識がある。/※同じ著者の事例94・130・174・234・250・360も提言型の記事
- なぜ両者が分かれたのかについて、「情報」の授業はパソコン教室に1人1台の端末があるのでGIGAスクールになっても授業スタイルを変えずに済んでしまう一方、普通教室で授業をする教科は3人に1台から1人1台になるので大きな変化になる、と分析している
- 1人1台が実現したらクラウドに保存して帰宅後も取り組めるので、学校と家庭をシームレスにつないだ学習活動が可能になる。「情報Ⅰ」の内容は70時間では教えられないという話をよく聞くが、「教える」感覚をやめて「学ばせる」に切り替え、家でも取り組めるようにすることが大切だとする。そのため年間指導計画をパソコン教室でしか使えないソフトウェア環境で組むと家庭で続きができないので、Webアプリで組むのがよいと提案し、「Google図形描画」でピクトグラムを作ってみると非常に簡単だった例を挙げている
- 家でも行える学習活動にしたなら、課題に行き止まりを作らず、ルーブリックのSまで行ける青天井なものにするとよいとする。またスマートフォンもパソコン教室で使えるようにし、スマートフォンでもできる学習活動と難しい学習活動を整理して併用することを勧めている。今後のパソコン教室は周辺機器の充実のほか、スタジオになっていたりロボットがあったりする発展性のある部屋になるとよいとしている
- 情報科のポートフォリオ作りを提案し、4つの単元ごとの1年間の学びをそれぞれのアプリで作って最終的に生徒がGoogleサイトにまとめる方法を勧めている。著者自身が2000年に作って今も公開しているホームページと2020年に開設したYouTubeチャンネルを自分のポートフォリオとして挙げ、先生がまずしっかり作ることが生徒のお手本になるとしている
- 情報社会における情報発信を、自動車教習所で仮免前にカートレーナーで練習してから路上に出ることと比較し、授業の中でも外に発信するところまで体験させるとよいとする。ポートフォリオを公開するなら個人情報をどこまで公開するか考え、著作物を使うときの許諾を自分で取る体験を通じて、パソコン教室を飛び出していってほしいと述べている
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- 科目
- 情報の科学(「情報Ⅰ」に向けた準備として)
- 時間
- 中学校向け教材は4レッスンを2日(本来8時間の設計を圧縮)
- 必要なもの
- 小学校向けの算数のプログラミング教材、中学校技術科向けの教材、教員登録して受け取る生徒用のID
- 前提
- 入学してくる生徒の小中学校での経験が揃っていないので、まずブロック型で体験を揃えてからテキスト型に進む。中学校向けの教材でも高校で扱う価値がある(情報Ⅰの内容と重なる部分が多い)。本来の想定時間を圧縮して使う
- 小学校向けの算数教材で「平均値」のコースを扱う。卵30個の重さの合計から平均を出すプログラムをブロックで組ませる(10個→30個→100個と数を増やしながら同じ内容を繰り返す)
- 続いて「中央値」のコースを扱う。借りた冊数の順に並べ替えれば中央の人が分かることを示す。並べ替えの結果を見せない動画も用意し、隣と比べて大きければ右へ動かすことを繰り返すと一番大きい人が右端に行くこと、それを繰り返せば並べ替えができることに気づかせる
- 中学校技術科向けの教材に移る。教員が登録して人数分のIDを受け取り、生徒に配ってログインさせる
- チャットの画面のデザインを作らせる(サイズの指定、文字揃え、色)。次にサーバと通信するプログラムを作らせ、時間帯によって挨拶が変わる形にする
- 作ったデザインを使って文字の送受信をさせ、続いて画像の送受信をさせる。画像は表示できるようサイズを変えて圧縮してから受信させる(圧縮でグラデーションが壊れることが画面で見える)。細かい説明はせず生徒が進むことを優先し、困っている生徒を個別に助ける
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- 科目
- 情報科(情報デザイン・プログラミング)
- 学年
- 高校3年(本文「この授業は3年生で行います」)
- 時間
- 2コマ/※本文はユーザー理解の前提として「簡易ペルソナを作る」実践(事例169でオンデマンド発表)に触れ、進め方は町田高校の小原格先生の「情報デザイン」の授業モデルによると述べている。この授業の全体像は事例269の4つ目の事例として紹介されている
- 必要なもの
- PC端末、プログラミング環境(ドリトル)、ペーパープロトタイプ用下書きシート、ワークシート
- 前提
- ドリトルの基本操作・簡単なプログラミング経験。ユーザー理解については、本校で2年ほど「簡易ペルソナを作る」実践を行っており、「あなたたちが3年前、中学3年生の頃はどんな中学生で、どんな経緯でこの高校に入ってきたのかを思い出して、自分自身のペルソナを作ろう」という形で生徒自身のペルソナを作らせている。今の高校生にとって身近なUIはゲームであるという見立てが土台にある。
- ドリトルで作られた、ボタンの配置や名称が操作しづらいゲームを体験させ、ゲームの面白さではなく「ボタンの配置や名称の不便さ」というUIの問題点を発見させる
- ドリトルのプログラムにおけるボタンの「名前・位置(座標)・大きさ・色」の4つの変更方法を説明する
- 下書きシートを配布し、いきなりコードを書かせずに、実寸大の配置やボタン座標を決めるペーパープロトタイプを設計させる
- プロトタイプをもとにプログラムを書き換え、十字キー配置や矢印表記など各自が使いやすいと考えたUIを実装させる
- 席を移動して他生徒のゲームをプレイし合い、クリアタイムの測定と自由記述による操作性の相互評価を行い、UI改善の効果を検証する
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- 科目
- 情報Ⅰ(各単元でofficeアプリを道具として使う)
- 学年
- 1年
- 時間
- 年間の各単元で使用(コマ数の記載なし)
- 必要なもの
- プレゼンテーションソフト、ワープロソフト、表計算ソフト、コミュニケーション手段の利用時間などの統計データ、ワークシート、重み付けのマトリックス表
- 前提
- 生徒のパソコンの利用状況の調査(2011年と2021年の比較)——家にパソコンを「持っていない」人も「自分専用」の人も増えて両極化している。1週間当たりの利用時間は、ほとんど半分近い生徒が全く使わず、使っても1時間以下。「パソコンを利用するのは得意か」に「苦手」と答えた生徒が10%ほど増えた。つまり子どもたちにとってパソコンは「家にある特別な物」であり、ふだん使わない「時々使う特別な機械」である。/指導方針:操作のみを教える時間は極力最小限にして、別の目的のためにそれらを活用する。100%のことを知らなくてもよく、使いながら覚えていく。中学校でいろいろなやり方を習ってきているので、必ずしも教員が説明するやり方でなくても結果が同じなら構わない(ただし効率が良くないやり方もあるので、効率が悪いと思ったら周りに聞いたり、他の人のやっていることをよく観察するとよいと話す)。/一人の教員が全ての質問に対応するのは難しいので、生徒同士で教え合えることは大事。ただし相手のためにも同じことを何度も聞かなくて済むよう、できるだけ自分でよく覚えて対応するとよいと働きかける。/道具として目的に合わせて何回も使っていくうちに操作や機能を覚えることを目指すが、長期休業の後などはすっかり忘れていることもあるので、やむを得ず少し丁寧に時間を取ることもある。/実習形式の動画や教材の必要性は非常に高い。最近は動画サイトに生徒が自学自習するためのコンテンツがあるので、それを紹介するだけでも結構面白い。/ワープロソフトやプレゼンテーションソフトは比較的すんなり入っていけるが、なぜ表計算ソフトへの苦手意識が非常に高いのかを分析する必要がある——そもそも式が立てられないのか、式自体はわかっていても入力の仕方がわからないのか、実は特殊キーの使い方がわからないのか、完成した表のイメージが持てていないからなのか。どこが苦手なのかを教員が把握した上で手当てすれば、少しは苦手意識が払拭できるのではないか。/これはofficeアプリを推奨したり否定したりするものではなく、また「これだけやれば他のプログラミングなどはやらなくてよい」というわけでもない(導入や動機付けのために使っているケースもある)。/生徒は再帰処理の理解が非常に弱い——「翌年の人口は前年の人口×増加率」という式がなかなかわかりづらく、「1つ上の数値×増加率」をフィルでコピーすればよいという手順がイメージできない。数学で数列の隣接2項間漸化式を学ぶのは2年生の終わり頃なので、1年でこれをするのは難しいかもしれない
- 【情報社会における問題解決→表計算ソフト】まずデータの「ありか」を意識させ、CSVやExcelといったデータの形式について説明する(どこにどのようなデータがあるかを知っているだけで、探究活動を行う上でも非常に役に立つ)。情報格差の話とともに、テクノストレスとして生じる不安症や依存症、VDT症候群、情報源が違うとどのようなギャップが生じる可能性があるのかを扱う。そのうえでコミュニケーション手段の利用時間のデータや1日の情報メディアの平均利用時間を配布し、このデータからわかるコミュニケーションギャップや情報格差について考えさせる。ただ「考えなさい」では難しいので、できるだけ具体的なストーリーについてまとめるよう指示する(表計算ソフトでグラフを作り、まず3行程度で事実をまとめ、そこから「こんなことが起こるかもしれないよ」という具体例を書く)。発表は、各自がワークシートに説明を書き込んだ状態にして、生徒が机間を順番にぐるぐる回りながら他の人の内容を見る「発表回転寿司」形式でも行える
- 【情報デザイン→プレゼンテーションソフト】スライドの箇条書きのインデント機能を使って「構造化」を説明する。インデントの設定で実際にツリー構造やディレクトリ構造を作って見せ、「ものごとを図解するのは難しくても、このように箇条書きに整理するとわかりやすくなる」ことを示す(単に「スライドはこうやって作るんだよ」という話だけでなく、機能と構造化を合わせて教える)
- 問題解決では表計算ソフトで分析した表やグラフをプレゼンテーションソフトに貼り付けるのが普通だが、生徒はけっこうプレゼンテーションソフトから直接グラフを作ろうとする(データを再入力する二度手間になり、できたグラフも非常に見づらくなる)。そこで、伝えたい部分だけ色を変えたり吹き出しを入れたりする方法、グラフの文字が小さくて読みづらいので大きく表示する方法を指導する(こうしておくと、生徒は自分の発表資料を作るときにちゃんと思い出して使う)
- 【プログラミング→プレゼンテーションソフト、表計算ソフト】アニメーションで信号を作らせる(青→黄→赤の順に光るように)。最初に左の青が点いた状態にする、そのとき真ん中と右側を黒にしておく、前の色が消えたら次がすぐ点くようにする、動作時間を何秒にするか——意外にきっちり作らないとうまくいかないので、手順を意識させる導入になる。あわせて重み付けのマトリックス表で絶対参照を教える(◎○△×を4・3・2・1点として評価点を出す表。単に数字を入力すると同じことを5回繰り返さなければならないので、先に絶対参照の$を付けておくという「先を見通した一手間」を掛けてからコピーするとよいと話す。数値を直接入れ込む方法もあるが、重みが変わったら全て入力しなおしになることも意識させる)。さらに再帰的処理を用いたシミュレーション(人口増加)に取り組ませる
- 【データの活用→データベースvs.表計算ソフト】あえて表計算ソフトでデータベースを作らせる。生徒に「買ったもの」リストを作らせると、多くが使いづらい「表」を作ってくるので、それを材料に説明する——「菓子パン」を検索したいときにどのフィールドに着目すればよいのかわからない、値段や買った場所も入れられない、1つのセルを消したら全部ずれてレコードとしての意味がなくなる、金額のところに「円」と入れると文字として扱われるのでかえって計算できなくて不便。こうしてデータベースと表計算ソフトの特徴と違いを比較させ、入力させるデータの種類についての説明にもつなげる
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- 科目
- 情報(情報社会の法)
- 時間
- 1単元
- 必要なもの
- 1人1台端末、共同編集ができる環境とビデオ会議(班ごとに分かれられるもの)、マンダラートとYES/NOチャートの様式
- 前提
- 対面とオンラインで授業の組み立てを同じ流れにする。共同編集でワークを進めながら、同時にビデオ会議を開いて班ごとに分かれて対話させる
- 本時の説明をし、中学校で学んだ内容を復習する
- 情報社会の法を4つのテーマに分け、テーマごとに「はい/いいえ」で答えられる問題を、班でブレインストーミングしながらマンダラートに書き出させる
- 書き出した問題から選んで、YES/NOチャートのロジックに当てはめ、班でワークを完成させる
- 完成したチャートを他の班と交換し、問題の正誤とロジックが正しいかを確認させて元の班に戻す。受けた指摘をもとに直させて提出させる
- 個人で振り返りを書かせる。オンラインで行った場合は、対面との違いや、困ったことを解決するアイデアも書かせる
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- 科目
- 情報Ⅰ(データベース)
- 時間
- 5時間+追加1時間
- 必要なもの
- ブラウザで使えるSQLの実習環境、共有できる表計算シート、関係スキーマと実体関連図のワークシート
- 前提
- データベースの教科書どおりの順ではなく、「実世界と情報の活用」を学んでから関係モデル、関係演算へ進む。どこの学校でもできる範囲で組む
- プライバシーの権利と個人情報の活用を扱う。氏名やメールアドレスだけでなく「何を購入したか」「どのページを見たか」まで含む広い意味の個人情報を扱い、「自分に関する情報を自らコントロールできる権利」という考え方を示す。レジの販売記録にポイントカードが加わると「どんな人が買ったか」から「誰が買ったか」に変わり、解析されて推薦につながることを考えさせる
- 関係モデルを扱う。ばらばらのデータが関係することで情報になることを示し、表の形で格納されたデータから「この会社とどんな取引をしているか」を読み取らせる。続いて関係スキーマを読み取って実体関連図を書く実習を、ここまですべて紙で行う
- SQLの実習環境で関係演算を体験させる(日本語でコマンドを打つ方式より、SQLを直接書くエディタの方が生徒はスムーズに進む)
- 追加の1時間で、共有シートを配って矢継ぎ早に更新の指示を出し、途中で止めて「誰のシートが一番正しいと思うか」を問う。次に1つのシートに閲覧権限だけを与えて教員が更新し、手元で常に最新が見られることを体験させて、一元管理の有用性を実感させる
- デザインを整えたシートを比べさせ、セル結合があるとフィルターが使えず、データとして扱えないことを確かめさせる。あわせて「伊藤(全角空白)一郎」と「伊藤(半角空白)一郎」が別人として扱われる例を見せ、データとデザインを分けること・同じ事実は1か所にだけ持つことを押さえて、データを分割し関係スキーマと実体関連図を作らせる
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- 科目
- 情報(「情報Ⅱ」情報システムとプログラミングを見据えたアプリ開発)
- 学年
- 高校2年
- 時間
- 個人開発+設計2時間+チーム開発3時間
- 必要なもの
- ブラウザで開発できる環境、自分のスマートフォンで動かせるデバッガーのアプリ、企画書とペーパープロトタイピングの用紙、共同編集の表計算シート、評価用の端末、アンケートのフォーム
- 前提
- 前半は個人でサンプルのカスタマイズを通して基礎技能を習得させ、後半をチーム開発にする。チーム開発は、版を重ねて改善するアジャイル開発の考え方と、PBLの3つの要素(展示する/複数回提出する/批評する)を軸に組む。チームにリーダーは置かず、その都度役割を分担させる
- 【個人開発】サンプルアプリのカスタマイズで基礎技能を習得させる(ブロック崩しのパラメータ変更 → 図鑑アプリでリンクとページの装飾 → おみくじアプリで乱数と条件分岐)。質疑応答は共同編集シートに蓄積させ、生徒同士で解決させる
- 【設計】企画書を作らせる。「何をしたいか・解決したい課題は何か」から「どんなサービスが必要か」「どんな機能があるアプリが必要か」へ順に落とし込ませる。続いてペーパープロトタイピングでアイデアを形にさせる
- 【チーム編成】企画書とプロトタイプの用紙を机上に並べて見せ合い、アンケートで「代表プロジェクト」と「所属したいプロジェクト」を決めてチームを作る
- 【開発と1回目の評価】3時間で開発させ、試作版をリリースさせる。端末に入れて机に並べ、実際に操作しながらメモを取らせる。評価はユーザビリティの3つの視点(有効性・効率性・満足度)で4段階評価させ、特に改善すべき点を1つ選んで具体的なアドバイスを書かせる。教員が集約してチームごとにまとめて返す
- 【改善と最終評価】フィードバックをもとに改善させ、完成版について「良いところ・改善してほしいところ・おもしろいところ」の3点で相互分析させる
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- 科目
- 社会と情報(データの活用に向けて)
- 時間
- 8〜10時間
- 必要なもの
- アンケートを作成できるフォーム、共有できる表計算シート・文書・スライド、ワードクラウドを作れるサイト
- 前提
- これまで表計算・ワープロ・スライドで別々に行っていた活動を、アンケートを軸にまとめて行う。質問の種類を先に決めさせ、それぞれがどの分析につながるかを説明してから作らせる
- アンケートを作らせ、互いに回答させる(3時間)。質問は5種類——属性/テーマを決めた単数選択/複数選択/段階・位置/自由記述——を2問ずつ、合計10問作らせる
- 作る前に、質問の種類ごとにどのグラフや分析につながるかを説明しておく(属性や単数選択は全体の中の割合を示せる円グラフ、複数選択は棒グラフ)
- 結果を表計算シートで集計してグラフを作らせる(2時間)。複数選択の集計は表計算では正しく扱えないので、フォームの集計機能のグラフをコピーしてスライドに貼らせる
- 属性の質問と単数選択の質問を掛け合わせ、ピボットテーブルでクロス集計させる(同じ質問でも男女や部活動で傾向が違うことが見える)
- 難度に応じて段階を分ける——円グラフ・棒グラフが基本、クロス集計と自由記述のワードクラウドが次、余裕のある生徒は10点満点で位置を答えさせる質問から簡易的な散布図と相関分析に進ませる。最後に文書でレポート、スライドでプレゼンの準備をさせる(2時間)
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- 科目
- 情報(情報通信ネットワーク)
- 時間
- 5時間
- 必要なもの
- 用語を答えさせるプリント、データベースの実習支援ツール、Web APIのプログラム(記事では知り合いのプログラマーに提供してもらった)
- 前提
- 用語は教員がすぐ教えたくなるが、「ふだん使っているのに知らないのはまずい」と生徒自身に意識させることを先に置く
- 1時間目に単元全体のストーリーを示す(スマートフォンの向こう側で何が起きているかを追う流れ)
- 2時間目に情報通信ネットワークの用語のプリントを配って答えさせる。ほとんど書けないことを体験させ、使っているのに知らないことを意識させる
- 3時間目にネットワークの歴史と仕組みを扱う。興味を持つきっかけとして絵を描かせる
- 4時間目に、データベースの実習支援ツールを使って、サーバとクライアントの間のデータの流れを理解する実習を行う
- 5時間目にモジュール分割とWeb APIを扱う。用意したプログラムを実際に実行させ、データがどのように共有され流れていくかを体験させる
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- 科目
- 共通教科「情報」を初めて履修する生徒への導入テストの結果報告
- 学年
- 高校入学時(共通教科「情報」を初めて履修する生徒)
- 時間
- 4択式50問を標準40分/集計数3,082名
- 前提
- 神奈川県情報部会が毎年行っている導入テストで、高校入学時に知っておいてほしい内容を基準に作成した問題。この年は多くの学校が参加し、神奈川県だけでなく東京都の先生方にも協力を得た。結果を「正答率50%以下」「正答率より誤答率が高い」「正答率80%以上」「正答率80%未満」の4分類で報告している。/※問題と選択肢のスライドは記事に掲載されておらず、外部のPDFへのリンクが示されている
- 正答率50%以下の問題として、記憶媒体や周辺機器(光学式ドライブ、イーサネットハブ)が4割程度、文書処理ソフトの余白・ヘッダー・フッターも4割程度(余白は誤答を含めれば9割が理解しているがヘッダーとフッターが不十分)、著作権法違反の組み合わせを選ぶ問題が38.0%(「全て違反する」を選んだ生徒が33.7%おり、引用や私的利用のための複製の理解が不十分)、ドメイン名の運営組織が46.2%(約3割が「ne.jp」を企業・会社と回答)を挙げる
- HTMLの特徴で間違っているものを選ぶ問題は正答率37.0%で、次に多い回答が正しい説明そのものだったことから、内容とは別に『間違っているものを選ぶ』という問題文の読解力が影響しているのかもしれないとする。前年度も同様に、間違っているものを選ぶ問題で正答率が低くなることがあったと述べている
- 正答率より誤答率が高い問題として、基本ソフトウェアと応用ソフトウェアの働き(正答率17.1%、誤答率63.5%で両者を逆に理解)、拗音の入ったローマ字表記が2割、拡張子の意味が3割、情報の交通整理をする機器を「サーバ」と思っている生徒が64.1%で「ルータ」は11.7%、光の三原色を「赤・青・黄」と思っている生徒が49.5%、メールのTO・CC・BCCを正しく使えるのが13.1%(7割が真逆の選択)を挙げる
- 計測・制御におけるアクチュエータの役割は正答率19.7%で、中学校技術科で扱う重要な内容だと捉えていたので驚いたとしている。ある家電の働きが「計測」「判断・処理」「制御」のどれかを答える問題も52.6%で、想定している中学技術科の学習内容と実際に学んでくる内容には差異があるかもしれないと述べ、中学技術科との連携の重要性を挙げている
- 正答率80%以上は「社会と情報」のカテゴリーに集まり、情報の信ぴょう性、セキュリティ対策、パスワードの安全性、犯罪に巻き込まれないための行動、SNSでの個人情報の扱い(95.8%)などが高かった。総括として、身近なこと・目に見えるもの・経験があることは定着が見られ、経験から考えたり予測する問題の正答率も高い一方、用語・ハードウェア・ツール・コンピュータ内部の処理のような目に見えないものや日常生活で意識しない言葉への理解が乏しいとしている。ただし犯罪に巻き込まれそうな場面で1割は間違った行動を取るかもしれないことは重く捉える必要があるとも述べている
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- 科目
- ロボットサイエンス部の活動方針と探究の指導(インタビュー形式)
- 学年
- 中学1年〜高校(正規の授業は中学1〜3年、部活は学年混成。部員約50人が25チームで15のテーマ)
- 時間
- 部活動(テーマの議論は活動開始前の2月・3月に行う)
- 必要なもの
- マインドストームEV3などのブロック型環境、Raspberry Pi、Python、C#、Unity、外部の助成金(生徒自ら申請する)
- 前提
- 著者は情報の教員ではなく中学校の理科教員。2003年に前任校でNASAの教育基金を得て、中学生が製作した探査車を火星を模したジオラマ上で走らせる国際交流プロジェクトを始めたのがきっかけでロボットサイエンス教育を行ってきた。部活のコンセプトは、答えが一つではないミッションのロボコンに挑戦することと、SDGsなどの社会課題を解決するロボットを開発すること。教育理念は「子どもに魚を与えるのではなく、釣り方を教えて未来社会で闊歩できるようにする」。
- 取り組みの例として、渋滞で大量の二酸化炭素が発生し、渋滞が起こるのは信号であることから、スクランブル交差点のように人があちこちに行くのにぶつからず擦り抜けるような交差点をプログラミングで具現化しようとしている。ロボコンの勝ち負けよりも社会に役立つロボットやシステムを考え、今は完成度が低くても10年後には絶対あるだろうというものに取り組んでいる
- 「言語は何を使っているのか」とよく聞かれるが、まず目的があってそれを解決するためなら言語は何でもよいとする。実際にはブロック型で作る生徒もC#をやる生徒もおり、「Raspberry Piを2つください」という生徒もいて指導は大変だが、生徒にきっちり目標さえ定めてやれば教員がやることは環境整備だけで、それができるかどうかがキーだと述べている
- デザイン思考をもとに、プログラムだけで終わらせず必ずプロトタイプして実装することを心掛けている。「ものをつくる」×「プログラムをつくる」で思考が深まり視野が広がるとする。著者自身はプログラムができないので生徒に聞かれてもわからないことが多く、一部の生徒は「先生よりも自分の方がスキルは上だ」と思っており、師弟関係が変わるところが面白いとしている。プログラミングスキル自体は目的ではなく、論理的思考力・コミュニケーション力・想像力と創造力、仲間ととことん考えて最後まで諦めずやり抜く力を身に付けてほしいと述べている
- テーマ設定には時間をかける。活動は4月からだがその前の2月・3月に大激論をし、中途半端なテーマにはゴーサインを出さない。大きな課題に取り組むチームには教員が対案を出すこともあり、生徒は負けじと教員の案以上のものを出してくる。最終的に教員の案は却下されるが、そのやり取り自体が仕掛けで、その中で思考を深めていく。自分たちで決めたテーマだから最後までやる覚悟ができるとしている。ゴール設定がないままではモチベーションが上がらないので、学会で発表する、大会の部門に出場するといった目標を提示する。ただし「お金がかかるからダメ」「君たちには難しいからやるな」とは絶対に言わない
- 技術的な壁は生徒が自分で調べ、大学に行った先輩やOB、企業や町工場に相談する(Raspberry Piと通信させたいときは生徒が自分で企業にメールで質問した)。盲導犬ロボットでは、点字ブロックのライントレースはブロック型でできるが信号認識は無理なのでPythonを学び、目の見えない人がボタンを押すのは難しいので音声認識のアプリも必要になり、それもPythonでできそうだとヒントを見つけて実装した、という順で言語が決まっていく。とことん打ち込む生徒ほど成績も良く、ロボットづくりよりテストの問題を解く方が簡単だと理解できるからではないかと述べている
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- 科目
- プログラミング指導と探究活動の方針(インタビュー形式)
- 学年
- 文系2年生で「社会と情報」、理系2年生で「情報の科学」
- 時間
- 単元としてのプログラミングに10時間くらい。ただし年間を通してプログラミングを意識した授業展開にしている
- 必要なもの
- VBA(必ず扱う)、年度によってHTMLとJavaScript、生徒に配る基本的なコードの部品
- 前提
- 「through」プログラミング(プログラミングを通して他教科の単元の理解を深める)、「with」プログラミング(プログラミングで授業展開に役立つことをする)という考え方に立つ。「about」プログラミング(プログラミングについて学ぶ)もよいが、いきなり単元として扱うと違和感があり唐突になるとしている。著者は数学の教員でもある。
- 全員初学者として初歩から教え、丁寧にスタートすることを大切にする。いたるところでプログラムの動作を見せると、それだけでモチベーションが上がる生徒がいる。得意な生徒は周囲のフォローに当たってくれる
- プログラムの存在意義は効率を上げることにあるので、その意義を感じ取れる題材を選ぶ。ゲーム的なもので導入すると効率化の追求という観点から外れてしまうとし、手作業で何時間もかかる作業がプログラムならすぐ終わるという方向で題材を探す。例として、40人分のプレゼンファイルを1つにまとめるのに手作業では30分かかるものを瞬時にやって見せ、そのコードを見せるとモチベーションが変わることを挙げる。逆にプログラムを組むより手作業が早い題材は失敗だとしている
- 「情報」は2年生で学ぶのが面白いとする。数学を1年生で学んだ後に、2年生の「情報」で数学で学んだことを題材にできるからである。情報では他教科の「原体験」をさせられるとし、物理の斜方投射の前にボール遊びで放物線を体験しているのと同じことを、数学でも作れるという考え方を示す
- 例として「数列」を挙げる。黒板では5項目くらいまでしか書けないが、プログラムなら数百項を表示でき、「等比数列はあっという間に計算できないところまでいくが等差数列はゆっくり増える」ことを直観的に知れる。「漸化式」も多くの項を見せることが効果的で一瞬で提示できる。これが教科学習におけるICT利活用の理想の形でプログラミングを学ぶ意義だとしている
- 探究では「プログラミングは実験器具を準備する段階だ」と考え、どんな実験をして何を求めたいのかというコアな部分と、それに必要な実験器具は何かを切り分ける。「プログラミングは数学の出口を与えるもの」として、統計処理をするなら検定について学んでから処理のプログラムに入る。Σもプログラミングも習っていない生徒たちにΣを題材として持ちかけたところ、放課後に自分たちで工夫を進めてΣ7乗の公式まで作ってしまった例を挙げ、教科書を飛び出した内容をいじれるフロンティア精神がプログラミングの醍醐味だとしている。指導の秘訣は、人の手では及ばないことが実現できることを指導者自身が楽しいと感じること
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- 科目
- プログラミングを使う探究活動の指導方針(インタビュー形式)
- 学年
- 1学年322名のうちゼミ参加26名、そのうち15名がプログラミングに取り組んだ
- 時間
- SS課題研究Ⅰ(SSHの学校設定科目)週2時間程度/現行の「情報の科学」は1年生で実施し、プログラミングは2020年度9時間・2019年度6時間・2018年度2時間
- 必要なもの
- Python(AIや機械学習のため)、ドリトル、JavaScript、ブロック型の環境(ロボット制御)、SSHの予算で購入する参考文献
- 前提
- 「できることが目的でなく、どういったプロセスが必要なのかを考えることが目的」という考え方が土台にある。探究では自分たちでゴールを決めるので、完成するかどうかの予測はしていない。/※同じ著者の事例27・268は授業実践の報告
- 現行の授業では初心者と経験者を同じところから始める。教材を余分に用意してStep10まで作り、授業の目標はStep5をゴールに設定し、余力のある生徒は先に進んで理解を深める。「Step8まで進んだら教室内を巡回して教えて回ってよい」とすることもある
- 「プログラミングがわからない生徒は『変数』という概念が理解できないのではないか」という仮説を立てており、変数に対する処理を書いて任意の数字を入れると答えが出る感じがわかる教材を作りたいとしている。すでにPythonの文法理解度をチェックするExcelの教材を作っており、for文の前にスペースを4つ入れて打てているかをテキストマッチングで判定する。Pythonはコーディングの自由度がないところが逆に教材向きだと述べている
- 初学者はコードの「写経」しかできず、写経ですら難しくコピペも正しくできないことが多いので、写経の中から必要な知識や仕組みの理解ができるように仕組みの説明を十分にする
- 探究のテーマ設定は「コンピュータで何か動くものを作る」を大きなテーマにし、作るものを決めてから研究の目的を考える手法をとった。プロジェクションマッピング・映像作品・ロボット・ゲーム・AI・3DCG・ボーカロイドといった手法を選び、そこに研究テーマとなる「意義」を考えさせる。AIのチームのテーマは「Google翻訳を超える」で、できないのは明白だったと述べている
- ゴール設定は、できる・できないを先に考えずまずやらせてみる。ゴールが遠い場合は要素を分解して自分たちの研究として取り組める問題を探しそこをゴールにする(AIのチームは翻訳が技術的に難しいと分かり、AIの考え方を取り入れたチャットボットに取り組んだが、テーマは「Google翻訳を超える」のまま)。「頂上にはたどり着けないから手前の2合目までの行き方を見つければよい、それでも確実に頂上には近づいている」とし、探究の成果は目標の達成ではなく自分で納得できる方向にあることだとする。指導の秘訣は「教えることを早めにあきらめること」で、正しい方向を示し理解できる手立てを用意することだと述べている
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- 科目
- 情報科の教員が「授業がやりやすい教室」を自分で設計・整備した報告と、他教科連携の構想
- 必要なもの
- タブレットPC、持ち運びできる無線アクセスポイント(普通教室にも移動できるように)、新しいNAS(30人少々の同時アクセスで固まっていたため)、書画カメラ、天吊りのプロジェクターとスクリーン
- 前提
- 情報科の教員はパソコンのメンテナンス、1日何件もの問い合わせ対応(ほぼサポートデスク状態)、パソコン室の設計・整備の見積もり作成と導入対応に追われている実情がある。本来の仕事は授業や進路指導など生徒の将来に直接関わることのはずだが現実はそうならないので、開き直って自分の理想とする教室を作ってみたという経緯。目標は『シンプル is the best!〜コミュニケーションを取りやすく〜』で、具体的には『配線はスッキリほぼ無線で!』『レイアウトは自由自在!』『もちろん遅延は最小限に!』の3つ。/※同じ著者の事例196はマイコンとソフトウェアの比較検討
- 整備前の部屋はノートパソコンにセキュリティーワイヤーやLANケーブルが常時つながっていてノートパソコンの良さを失っており、それならデスクトップ型の部屋を使った方がよいということで前年度はまったく使われていなかった。整備後は教室稼働率が0%から約25%(4コマに1コマ)になった
- 仕様はすべて無線、レイアウトは自由、教材の提示はシンプルかつ様々な方法が使えること、ケーブルは必要なときに付ければよしとした。アクセスポイントとタブレットは普通教室にも移動できるものにし、データ共有のためNASを新しくした
- 整備の結果、情報科には2種類の部屋ができた。ロの字型に机を配置した電算機室はパソコン演習時に生徒の画面が見やすいが、生徒が背中を向けるのでコミュニケーションが取りづらく反応が分かりにくい。メディアセンターはコミュニケーションが取りやすく生徒が下を向いてしまうことが減った。他教科の先生方も含め満足度は高く、マイナス面は「インターネット回線が遅い」「教室が5階の一番端で遠い」「レイアウトをいつもグループワーク用にしておいてほしい」「タブレットPCがもっと欲しい」という声だった
- 授業設計では、文書作成や表計算から始めると「なぜ情報の授業をやっているのか」の動機付けが難しく「パソコンの授業ではないか」と思われてしまうため、以前は入っていた文書作成をカットして問題解決を先に行うことにした。まず情報モラルや情報社会の概要を学び、次に問題解決、そして「問題解決をするために表計算をこう活用する」という流れにし、後期にテクニカルな話をして最後に集大成としてプレゼンテーションを行う。表計算は細かい操作が必要なのでデスクトップの利点が出るが、それ以外はメディアセンターの方がよかったとしている
- 他教科との連携の計画を「情報Ⅰ」に沿って立てている。情報モラルと問題解決を学んでプレゼン形式でアウトプットすることで、問題解決とプレゼンの手法を他教科でも生かせるようにする。情報デザインではコンテンツ制作のテーマの内容を公共で学び、制作とアウトプットは情報Ⅰで行う。データ活用ではネットワークやセキュリティも含めた集大成として数学や公共と連携して発表する。ICTの活用で学校全体の「できる」を増やしていくことが今の情報科の役割であり使命だと述べている
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- 科目
- 商業科のプログラミング/情報科(プログラミング)
- 学年
- 高校2年(商業科の選択・3単位)
- 時間
- 商業科は年間/移植した実践は3〜4時間
- 必要なもの
- マクロ言語の実行環境(商業科)、ブラウザで動く描画のライブラリ(情報科)、読み込ませるCSVのデータ
- 前提
- 商業科で身につけるループ・カウント・条件分岐・配列の考え方を、情報科でも扱えるようにする。描画のライブラリは、必要な行の意味が分かれば全体を理解しなくても結果が出るので導入しやすい
- 【商業科】まず明細行の表示から入る。商品コード・単価・数量を読み込んで画面に表示させる
- 売上金額を計算させ、繰り返しで総合計を出す。件数のカウント、場合によっては平均金額も算出させる
- 備考欄を使って条件分岐を扱う(「数量15個以下なら△を付ける」など)。最後に配列の考え方から線形探索まで進む
- 【情報科への移植】描画のライブラリで、1行書けば四角形が出る形から入る。毎秒繰り返し描画される仕組みに触れ、コンピュータは繰り返しが得意だと伝える
- 座標の値を変数に置き換えて1ずつ増やすと図形が動くことを見せ(カウント)、一定の位置まで来たら減らす形にして往復運動にする(条件分岐)。ここまで3〜4時間で進む
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- 科目
- 情報(情報セキュリティ)
- 必要なもの
- 受信者用と送信者用に画面を分けた実習ページ、鍵と暗号文を書き写すワークシート
- 前提
- 受信者と送信者で画面を分けておく(一人二役の画面では誰がどの鍵を作るのか分かりにくい)。画面を見せ合わないよう、鍵や暗号文はプリントに書いて相手に渡させる
- RSA暗号の流れだけを先に説明する(受信者が鍵を作って送信者に公開鍵を教える→送信者が平文を暗号化して返す→受信者が秘密鍵で復号する)
- 受信者役に2つの素数と公開鍵の指数を決めさせ、鍵を生成させる。できた公開鍵とその指数をプリントに書いて送信者役に渡させる
- 送信者役は受け取った値を入力し、5文字までの単語を暗号化する。できた暗号文をプリントに書いて受信者役に返す(平文はA〜Zを1〜26、等号を0とする27進法で数値化してから計算している)
- 受信者役は暗号文と秘密鍵で復号し、元の単語と一致することを確認する。一通り終わったら役割を交代してもう一度行わせる
- 教員側で別の鍵を作り、平文・2つの素数・秘密鍵を隠した状態の暗号文を示して「今から盗聴者になってください」という課題を出す。公開鍵と暗号文だけが分かる状態から平文を求めさせ、公開鍵を素因数分解すれば秘密鍵が作れること、そしてその素因数分解が簡単ではないことに気づかせる
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- 科目
- 総合的な探究の時間(機械学習の初歩とプログラミング演習)
- 学年
- 高校(1年までの数学の知識で理解できる範囲)
- 時間
- 2回
- 必要なもの
- 統計処理システム、標準搭載のデータセット、あらかじめ用意したスクリプト
- 前提
- 文系の生徒もいるため、高校1年までの数学の知識で理解できる範囲にする。一からプログラムを書かせる時間はないので、スクリプトを用意して作業の中で手を加えさせる
- 1回目の冒頭で、生徒が今持っている機械学習のイメージを書かせる。続いて実用例を紹介する(画像からどの店舗のものかを推測する例のような軽い話題から入り、出品物の真贋を見分ける実用につなげる)
- 機械学習の仕組みと種類を説明し、これから扱う最近傍法が予測モデルに分類されることを位置づける
- 2回目に最近傍法とk近傍法を説明する。甘みと旨味の数値を座標にした散布図を使い、新しい食品がどのグループに分類されるかを考えさせる。最も近い1点だけを見ると外れ値の影響を受けるので、近い順にk個取って多数決で決めるのがk近傍法だと示す
- アルゴリズムの手順を整理する(元データは数値とラベルで構成→分類したいデータを入力→各点との距離を計算→最も近い点のラベルを出力)。距離はユークリッド距離で定義する。要素が4つあっても3次元と同じように扱えるとして進める
- 用意したスクリプトの定数を変更させて実行させ、クロス表で結果を表示させる(対角線から外れたものが誤判定)。条件を変えて変化を観察させ、判定の精度を上げるにはどうすればよいかを考察させて提出させる
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- 科目
- 社会と情報(データの活用/テキストマイニング)
- 学年
- 高校3年
- 時間
- 9時間(うち作業8コマ)+事前にHTMLとCSSを4時間 / 記事前半の発表について
- 必要なもの
- テキストマイニングのサイト(登録すると扱える文字数が増える)、過去問をダウンロードできるサイトのアカウント、PDFの文字を選択する手段(文書作成の環境にアップロードして開く)、Webページのテンプレート、ルーブリック、細分化したワークシート(1枚に詰め込むと、どこまでやったか分からず投げ出す生徒が出る)
- 前提
- 「受験と関係ない情報をなぜやるのか」という生徒の声に応えるため、入試問題そのものを分析対象にする。分析の前に必ず仮説を書かせる。Webページは一から作らせず、テンプレートを書き換えさせる(HTMLの学習に充てられる時間が限られるため)
- 導入として、歌詞のテキストマイニングを行う。続いてHTMLとCSSを4時間学習する
- 分析の準備をする——過去問のサイトに登録してPDFをダウンロードし、文書作成の環境にアップロードして開くとPDFの文字を選択できるようになる。テキストマイニングのサイトにも登録する(英語の問題は文字数が多いため上限を上げる必要がある)
- 分析に入る前に、入試問題の傾向についての「仮説」を書かせる(こういう結果になるだろうと予想しておくと、出てきた結果への理解が深まる)
- 志望校の5年分を分析させる。出現頻度の表は品詞ごとに横に並べ、条件付き書式のデータバーで出現の多さが目で見えるようにする。「表を見て感じたこと」を書かせ(「簡単な語が多い」で止まらないよう促す)、内容把握に重要になる語は何かを考えさせる。さらに「大学側はどういう生徒を求めているのか」「合格するにはどんな勉強をしたらよいか」を結論として導かせる
- 用意したテンプレートの、仮説と分析のコメントの部分を書き換えさせてWebページにまとめさせる。相互評価は席を移動しながら1人3分で6〜7人分を行う(全員が全員を評価すると5〜6時間かかり、後半は聞かれなくなるため)。ルーブリックは、テンプレートを自分なりに書き換えられればB段階とし、操作が得意な生徒向けにA・S段階を用意する
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- 科目
- 情報Ⅰ(プログラミング/必履修科目でのアプリ開発)
- 時間
- 単元の前半(基礎的な技能の育成)
- 必要なもの
- ブラウザだけで開発できる教材(データはクラウドに保存できるもの)、サンプルアプリ集、公開されているアプリプログラミングシート、共同編集できる表計算シート
- 前提
- モバイルアプリを使ったことはあっても作った経験のある生徒は少ないので、サービスの「消費者」から「生産者」になる単元として組む。教員はファシリテーターに徹し、生徒同士がつながる仕組みを単元計画の段階で用意しておく
- ブロック崩しのサンプルアプリで遊ばせ、「これはどうできているのか」とコードを見せる。難しそうな顔になったところで「ボールの数を100個にしてみようか」と持ちかける
- わずかな書き換えで変わることを体験させたあと、加速度やブロックの色・配置も変えさせて、カスタマイズの楽しさを実感させる
- 図鑑アプリのサンプルでHTMLとCSSを学ぶ。3段階で進める——シートでアプリの概要と各ファイルの構造を理解する → シートに載っているカスタマイズ(ページの追加、配色の変更)をやってみる → オリジナルのカスタマイズに入る
- 3段階目の入口で「普段使っているアプリと比べて、今できないことは何か」と問う。「くじ引き(ガチャ)」が挙がったところで、HTMLとCSSだけでは難しいと伝えてJavaScriptに移る
- おみくじアプリのサンプルでJavaScriptを学ぶ。フローチャートで乱数と結果の対応を理解させ、確率の操作で出る結果を変えられることを扱う。デバッグは共同編集の表計算シートで行う(Q列に困っていることを書き、分かった生徒がA列にヒントを書き、解決したら解決欄を切り替える)
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- 科目
- 情報の科学(データの活用/地理情報システム)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 一斉授業6時間+グループ活動6時間
- 必要なもの
- 政府統計のポータルサイトのアカウント(登録すると位置情報のプロット機能とAPIが使える)、自治体のオープンデータ、表計算ソフト、ブラウザで使えるプログラミング環境
- 前提
- 統計量を求めることに行かず、まずさまざまな表現方法で可視化して傾向を見る。複数のデータを重ね合わせ・組み合わせて、ギャップがあるところを詳しく見る。グループの前に必ず個人で考えさせる(先に発言した生徒や声の大きい生徒に流れてしまうため)
- 一斉授業で、政府統計のポータルサイトにユーザ登録させ、データの閲覧と統計地図の作成を行う。描画の癖に注意させる(面積の大小で色の面積が変わるため、見た目と実際の人数の印象がずれる。5段階の色分けも段階の幅が均等ではない)
- 自治体のオープンデータを扱う。機械判読しやすいかどうかに触れる(PDFで公開されているとデータがあっても加工しづらい)。取得したデータを表計算ソフトで列の移動や削除をして、地図に読み込める形に整える
- オープンになっていない施設の位置情報は、プログラムからAPIを呼び出して緯度・経度を取得させる。注意点も扱う——繰り返しの回数が多いと相手のサーバに負荷をかける、同名の別施設が混ざるので結果の吟味が必要、利用規約の確認が必要
- 統計地図に位置情報を重ねて表示させ、人口と施設の分布のギャップから課題を読み取らせる(例:人口とAEDの設置場所)。そのうえで他にどんな組み合わせが役に立ちそうかを考えさせる
- グループで問題解決に進む。まず個人で「人の分布と施設の配置」の組み合わせを考えさせ、次にグループで相談してテーマを決める。1人あたり最低2つの組み合わせの地図を描くことをノルマにする(位置情報と人口のデータ取得を複数回経験させるため)。都市の規模が大きく違う市を比べようとする生徒が出るので、テーマの再検討を促す
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- 科目
- 情報の科学(※中等教育学校。「総合的な探究の時間」とのカリキュラムの連動が主題)
- 学年
- 「情報の科学」は4年生(高校1年生)、探究活動は4〜6年生。※記事は中学1年から高校3年までの6年間のカリキュラム全体を扱う
- 時間
- 年間(カリキュラム全体)/※対談形式の記事で、須藤祥代先生と、その前任者である田崎丈晴先生(現・東京都立富士高等学校附属中学校副校長)が話している。田崎先生の記事は事例11・事例75で、事例75は九段中等教育学校での実践(本文では校名を挙げずに「平成26年度まで所属していた学校」としている)
- 必要なもの
- Office365(Teamsで計画とデータ共有、Formsでアンケート実施、Excelで結果分析)——前任者の田崎先生が導入した環境、Flipgrid(プレゼンテーションを記録して生徒がフィードバックを投稿する)、ポスターセッションができる場所(コロナ禍では校舎のワンフロアを広く使った)、学校ホームページに公開されている「九段自立プラン」
- 前提
- 「九段自立プラン」で中学1年から高校3年までを縦並びにし、どのように生徒を育てたいかを学校として決めている。「学び方としてのスキル」は技術科・情報科だけでなく全教科・全学年で取り組み、校内の「キャリア教育部」が全体のバランスを見ながら各学年と打ち合わせて進める体制。情報科の教員は1人。統計は理論的なところを「数学Ⅰ」に任せ、実際に使うところを情報科で扱うすみ分けにしている。この年はコロナ禍で共有物を一緒に使わせることが困難で、対面のプレゼンテーションも難しかった。
- 「情報の科学」のカリキュラムの順番を組み替える。問題解決学習とデータ活用を年度当初に置き、プログラミングや情報デザインはその後にする。前半で身に付けた基本的なスキルをグループで固めてから「総合的な探究の時間」の個人での探究活動に生かし、後半のプログラミングや情報デザインは探究の「ソーシャルアクション」に生かせるようにするため。
- 「データの活用」では、調査や活動の結果をグラフ化して可視化したり、データを分類して分析したりする。アンケート実習で生徒が生データを取ることを実践する中で、どのようなデータを取るか、外れ値はどうするかを考えさせる。統計は理論的なところを「数学Ⅰ」に任せ、実際に使うところを情報科で扱う。前年度の「総合的な探究の時間」の中間発表会でポスターセッションを見た外部講師から「仮説検定も入れてはどうか」というフィードバックを受けたので、統計的仮説検定も組み込んだ。
- 「総合実習」と呼ぶアンケート実習を、PBL(プロジェクトベースドラーニング)の形でグループ単位に行う。班ごとに大きなテーマを割り振って渡し、そのテーマの中からアンケートで取り扱いたい内容を選んで問いを作らせ、事前調査としての文献調査をして、アンケート実習をし、まとめる。総合実習は情報の単元の深い理解や発展的な学習にあたる位置づけで、探究活動のテーマとは別に情報科独自のテーマを置く。
- ツールは、Teamsをベースにアンケートの計画を行い、実施はForms、結果分析はExcel、データは全てTeamsで共有する。プレゼンテーションはFlipgridに記録し、それに対して生徒がフィードバックを投稿する形にする。共有物を一緒に使わせることが難しく対面のプレゼンもできなかったため、グループ学習を行いたいという前提のもとで学習デザインをこの形に変えた。
- 「Webデザイン」の授業では、企画書作りとユーザー分析から始めて、それを基にWebサイトを作る。作業はグループで行い、コーディングする生徒、デザインする生徒、ライティングする生徒、マネジメントする生徒という役割分担をしながら進める。この授業とデータベースの単元が、生徒発案のオンライン文化祭の「エンジニア部門」(ログイン認証画面のデータベース作成、複数名でのコーディング、YouTubeへの動画掲載の著作権を文化庁に問い合わせて確認するところまで生徒が実施)につながった。
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- 科目
- 情報科の「不易」と「流行」を、指導主事・管理職の立場から整理したもの
- 前提
- 著者は教科「情報」が動き始めた2000年に情報科の教諭として先行実施の授業を行い、その後12年間教育委員会で指導主事を務め、副教頭・副校長・課長職を経て校長になった。自分で授業をした最後が17年前で、その代わりに多くの先生の授業を見てきたことが強みだと述べている。/※同じ著者の事例94・130・195・234・250・360も提言型の記事
- 「不易」と「流行」は反対語のようだが、調べると「新しいもの・流行をどんどん取り入れて、新しい不易になっていく」という意味だとする。昔は「プレゼンテーションをしていれば情報科」「パソコンを使っていたら情報科」と言われたが、今はどの教科でもするので情報科のアイデンティティではなくなり、代わりにプログラミングやデータ活用が入ってきた。時代とともに内容が変わることが情報科の魅力だとしている
- 「流行」の側として、1人1台端末とクラウドが当たり前になり、パソコン教室にサーバがなくなることも考えなければならないとする。これまではパソコンがある家庭とない家庭があるため自宅学習の課題を遠慮していたが、今後は自宅で続きをやってもらう授業作りが大事になり、学校と家庭の境目がなくなる。そうなると課題は「ここまでやればいい」と目標を設定せず、できる人はもっとやってよいという青天井なものにする必要があるとしている
- 情報科の先生への提案として、教科「情報」と「教育の情報化」の関係を挙げる。パソコン教室には1人1台の端末もプロジェクターもあるため、普通教室で授業をする他教科のICT活用の問題に距離を置いてしまっている情報科の先生が実は多いとし、全部をやる必要はないが学校全体で一番ICTに詳しいのだからリーダーシップは発揮してほしいと述べている
- 「不易」の1つ目は題材の工夫で、教科書に載っている題材やデータをそのまま使うのでは生徒は興味がないかもしれないとする。問題解決学習の題材のキーワードは「身近か」「切実か」「解決可能か」の3つで、どれにも当てはまらないテーマでは生徒が食いつくのは苦しい。他教科との連携で料理のレシピをフローチャートに書かせると家庭科の授業になってしまうように、幅広い題材を取り上げると「総合的な探究の時間」の問題解決学習と区別が付かなくなるので、情報社会をテーマに題材を作るのがよいとしている
- 2つ目は学習活動の工夫で、たまに見かける「活動あって、学びなし」という授業を挙げる。個人で考えさせてからグループ活動、その後に全体で共有、最後に個人で振り返りという流れは普遍的に変わらないとし、単元全体の見通しを持つこと(急に「今から発表するよ」と言われて生徒が慌てた授業を見たことがある)を挙げる。3つ目は評価の工夫で、ペーパーテストで測れないものが多い情報科ではルーブリックをあらかじめ生徒に示すことが重要で、4観点すべてで作るのは大変なので「思考力・判断力・表現力」だけでも作るとよいとしている
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- 科目
- 情報(データの分析)
- 時間
- 序盤・中盤・終盤の3段階
- 必要なもの
- 表計算ソフト、公開統計のデータ、データを集めるフォーム
- 前提
- いきなり全体発表をせず、グループ内で練習を徹底してからクラス全体に発表させる。生徒が自分でテーマを設定すると外れ値が出るので、その前にデータクレンジングを扱う
- 表計算ソフトの基本(合計・平均・引き算)を自分で計算できるようにする。続いて相関分析に必要なヒストグラムと相関係数を求められるようにする
- 公開統計のデータを整理して渡し、膨大なデータから2種類を選ばせて相関係数を求め、散布図を描いて分析させる
- 次に生徒自身でデータを集めさせる(学習時間とスマートフォンの使用時間などをフォームで集計する)。同じ要領で調査・分析させる
- 5人一組のグループにし、自分たちが疑問に思っていることをテーマにさせる。その前にデータクレンジングを扱い、箱ひげ図のひげが箱の1.5倍に伸びる位置を外れ値の目安とする考え方を学ばせて、値を適当に間引かずに除去できるようにする
- 立てた仮説について散布図と近似直線を描いて分析させ、仮説・数値の結果・考察をどう結ぶかを組み立てさせる。発表はまずグループ内での練習を徹底し、その後クラス全体に向けて行わせる
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- 科目
- 情報科(※発表は2020年度の実践報告で当時は旧課程。本文には「情報Ⅰの『(4)情報通信ネットワークとデータの活用』を意識しながら実践を行いました」とある)
- 学年
- 本文に明記なし(扱う題材は1年生約400人分のアンケートデータによる「1年生の特徴を探る」)
- 時間
- 10回(2学期の10時間分)/※本文は参考元として神奈川の三井栄慶先生の実践を挙げ、リンク先は事例142。また事例211(堺和貴子先生)はこの事例172と事例173を参考にしたと述べている
- 必要なもの
- Googleスプレッドシート(OSに依存せず扱えること、休校時も各自の端末で続きから行えること、データ分析ツールを備えることを理由に選択)、1年生約400人分のアンケートデータ(ほぼ生データのまま配布)、1990年7月と2020年7月の大阪の最高気温・最低気温のデータ、国連提供の国別データセット(平均寿命・アルコール消費量・喫煙率・GDPなど)、生徒が自作のアンケートを配布・回収する仕組み(他の生徒の回答も共有して使えるようにしておく)
- 前提
- 目標は「仮説を立てることができるようになる」「その仮説を検証するための根拠としてデータを活用できる」の2点に絞ってある。要所要所に「やりこめる要素」を盛り込んだ課題を置いて興味関心を引き出す設計になっており、分析手法の説明は実際のデータに触れて「もっと詳しく調べてみたい」という状態になってから行う。
- カレンダー作りを通してスプレッドシートの基本操作を学ばせる。いきなり分析に入るのは難しいため、「何かを表現したい」という目的があってソフトウェアのスキルを学ぶという形にしたい。この意図があるので、操作は必要以上に教え込まない。
- 課題「関数を使いこなそう」で、1990年7月と2020年7月の大阪の最高気温・最低気温を配り、平均値や最頻値などの代表値を求めて比較させる。複雑な計算もスプレッドシートなら簡単にできること、定量的に比較すると見えることがあることをねらう。このデータは2020年7月の平均最高気温が30年前より3度ほど低いという予想外の結果が出るので、生徒が驚いて議論になったところで「他にどんなデータがあれば30年前との違いがより詳しくわかるか」を問いかけ、考察を広げる。
- 1年生約400人分のアンケートデータを使って「1年生の特徴を探る」課題に取り組ませる。「分析する」を「仮説を立てる」「結果を出す(可視化する)」「結果を基に考察をする」の三段階に分けて示す。データはほぼ生のまま配るので、入力の誤りや変な値の扱い(外れ値・異常値の除去)や、形式がそろっていないと分析しにくいことを体感させ、そのうえで質的データ・量的データの分析方法を説明する。各自の仮説・結果・考察を簡単なレポートにまとめさせ、「区分ごとのデータ件数が違いすぎてこの表では仮説を検証できない」と気付いた生徒の例を全体に紹介して、関係性を見るには相関係数を求めるとよいという話につなげる。
- 国連提供の国別データセット(平均寿命・アルコール消費量・喫煙率・GDPなど)で「相関関係の分析」を行い、どの項目が関係しそうかを分析させる。ここで出てくる「女性は喫煙率が高いほど平均寿命が長い」(相関係数約0.6)のような結果を取り上げ、第三の要因=疑似相関の話をする。GDPの高い国と低い国に分類して相関係数を求め直すと裕福な国だけに正の相関が出ることを確かめさせ、「GDPが第三の要因である」ことを検証させる。これもレポート形式にまとめ、最終レポートに向けて「仮説」「結果」「考察」で整理する練習を兼ねる。
- 最終レポートとして、自分が明らかにしたいことを仮説に立て、それを検証できる質問項目を2つ作ってアンケートを実施させる。相関係数で検証させたいので、回答は量的データになる質問に限定する(例:「寝る子は育つ」を検証するために睡眠時間と身長をたずねる)。他の人の質問項目も使いたいという生徒が出ることを見越して全員のアンケート結果を利用できるようにしておき、他人の項目を見て仮説を立て直すことも認める。結果が仮説どおりに出なかったレポートも含め、「仮説」「結果」「考察」の形で提出させる。
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- 科目
- 社会と情報(情報デザイン/図解化)
- 学年
- 高校2年
- 時間
- 1回(50分)
- 必要なもの
- 授業プリント、問題文を出すモニター、回収したプリントを映す書画カメラ、色を使い分けられる筆記具
- 前提
- 完全に紙で行う(生徒はパソコンに触れない)。前半で理論、後半で演習という構成にする。演習は「各自で図解化→他の生徒の例を見る→解説を聞く→次の問題」を繰り返す。同じ生徒のプリントばかり続けて採用しないよう気をつける
- 「図解化とは何か」から入る。長文がだらだら書かれたスライドと、それを表に整理し直したものを比べて見せる。あわせて「自分なりに情報をまとめて人に伝える工夫ができる力が求められる。黒板を丸写しするだけ、完成品をそのまま作るだけの受け方ではいけない」と伝える
- 図解化の種類を体系的に学ぶ。絵図解・データ図解・論理図解の3つを取り上げ、特に論理図解の技法を詳しく扱う。例文を示し、それを説明するのに使う技法を1枚ずつ紹介する
- 技法に付属する小ネタも一緒に扱う(対比の図解では長方形の長さを変えれば差も同時に表現できる、矢印には太さ・色・点線などの種類があり自分でルールを決めておくとノートが作りやすくなる)
- 演習に移る。問題文をモニターに表示し、1分30秒〜2分で各自に図解化させる。その間に教員は全員の様子を見て、見本になりそうなプリントをその場で回収する
- 制限時間の後、回収したプリントを書画カメラでクラス全体に共有して解説する。これを5問繰り返す。問題は徐々に複雑にする(1文の関係 → 2つの地域の対比 → 3人の経歴の時系列と共通項 → クラス分けの集合 → 履修の順序とルール)
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- 科目
- 保護者負担による1人1台タブレットPC導入の成果と、端末管理・故障対応の報告
- 時間
- 2018年度の導入から約2年間の報告
- 必要なもの
- LenovoのD330(Windows端末。3年間で約14万4000円、動産保険付きで限度額なら年何回でも修理でき、リース期間満了後は本体を無償譲渡)、Wi-Fiに加えてセルラーによるモバイル通信、全普通教室と17の特別教室の無線LANアクセスポイント、代替用の予備機
- 前提
- 2018年度に進路指導部と英語科から1人1台タブレットPC導入の提案があり、保護者の費用負担(BYOD)による導入を行った。ICT教育目標は「EdTechを活用し、Society5.0における自らの姿を意識できる生徒の育成」で、その下に6つのテーマを置いている。
- 6つのテーマは、情報活用能力の育成(タイピングで目に見えるスキル向上)、外国語教育(English Centralを英語科の学習に)、探究活動への活用(調べる・まとめる・発表する)、スタディ・ログ等の蓄積(行事やテスト、提出物の予定と結果を蓄積してそのままポートフォリオにする)、アダプティブラーニング(情報科ではライフイズテックのプログラミング学習を導入し、理解度に応じて戻って学習できる)、STEAM教育の推進(大学のキャリア支援プロジェクトとの連携)
- コロナ禍でG Suite for Educationを導入し、オンライン授業のほか、新1年生への部活の勧誘、登校できない生徒とのやりとり、保護者を呼べない文化祭の生徒によるライブ配信、登校に不安がある生徒・保護者との三者面談にも使った。テレビ会議システムでは、修学旅行の説明会で職員室から校長が話し各教室のテレビで視聴して、疑問点を教室から職員室へ直接質問できる双方向のやりとりが好評だった
- 2018年のOECDのPISA調査「学校外での平日のデジタル機器の利用状況」では、日本は「コンピュータを使って宿題をする」等がOECD平均20%台に対し3%、6%と1桁だった。2020年12月に本校で同じ項目を調査すると、宿題68.8%、学校の勉強のためのサイト閲覧84%、授業後の関連資料の閲覧43%、学校サイトからのダウンロード・アップロード76%、学校からのお知らせ確認86%だった
- 最も困っているのは故障の対応である。独自の書類を作ってPC担当の教員に渡し、教員と業者の間で修理日程を決める方法をとってきたが、業者が来てもすぐ直るわけではなく本体を引き取ると生徒は数日タブレットなしで過ごすことになる。そのうちに依頼が次々と増えて担当教員が都度対応することになり疲弊してしまう
- 対策として、週に一度校内に窓口を設置して修理・交換に対応してもらう形に改め、代替用の予備機を10台確保してその場で渡せるようにする。修理品を直接業者に渡せるので担当教員の負担がなくなりICT活用の仕事に専念できる。端末の動作が安定しないと活用自体ができなくなるので、業者と連携したサポートの仕組みを整え、保守管理に関する教員の業務を軽減しないと活用は進まないと述べている
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- 科目
- 情報Ⅰ・Ⅱ(情報デザイン/コンテンツ制作の要件定義)
- 学年
- 高校3年(選択)
- 時間
- 2〜3時間
- 必要なもの
- 簡易ペルソナのプリント(顔と名前・背景や行動・属性・ニーズやゴールの欄)、付箋を共有できるツール、学校要覧、回答を集めるフォーム、録音できる端末
- 前提
- 本格的なペルソナは扱うデータが多く制作に時間がかかるので、まず簡易ペルソナから始める。一般的な手順は調査してから作るが、ここでは先に書かせてから調査する。要件定義までを扱い、実際の制作には入らない
- 簡易ペルソナのプリントを配り、「3年前の中学3年生だった自分をイメージして、この高校に入りたいと思うのはどんな中学生だったと思うか」と問う。属性(年齢・性別・立場)→背景や行動(その前提がどんな行動につながるか)→ニーズやゴール(入ってからどうなったら幸せか)の順に書かせ、最後に名前と顔を書かせる
- 全員でブレインストーミングを行う。付箋を共有できるツールに「この高校に入りたい生徒」について書き出させ、議論しながらまとめさせる
- 学校要覧で定量データを分析させる(在校生がどの中学校から来ているか、最寄りの駅はどこかなど。長く勤めていても思い込みとずれていることがある)。分かったことをフォームに入力させて全体で共有する
- ペアで半構造化インタビューを行う。「何のために入ってきたか」「入ることを決めたときどんな気分だったか」「入ってどうなったら幸せになれるか」の3つのゴールを聞く。録音して、分かったことを箇条書きにまとめさせる
- 集めたデータを全部出して要件定義を発表させる——ペルソナにどうなってほしいか(目標)/ペルソナは何を求めて入ろうとしたか(対象)/その中学生に届けるにはどのメディアを使うか/どんな内容を載せればペルソナは満足するか
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- 科目
- GIGAスクールとオンライン授業を踏まえた情報科への提言(校長の立場と情報科教員の立場から10のキーワード)
- 時間
- 「情報Ⅰ」は70時間
- 必要なもの
- 1人1アカウントのクラウド、Chromebook、YouTubeの限定公開と全公開、Googleサイト(授業の単元パッケージと生徒のポートフォリオ)、生徒のスマートフォン、ペンタブレット(今後小中学校に入るものとして)
- 前提
- 著者は経歴の半分が教員、半分が指導主事や行政で、教科「情報」の指導主事を長く務めて多くの授業を見てきた立場から話している。2000年に作った教科「情報」のホームページを今も公開しており、この年に立ち上げたYouTubeチャンネルは3週間で1万以上の再生があった。/※同じ著者の事例94・130・174・195・234・250・360も提言型の記事
- 校長の立場からの指摘として、情報科の先生と話す中でGIGAスクール構想を知らない人が多いこと、高校が端末整備の対象外であることや、多くの自治体で小中学校が1人1台を整備することを知らない先生がいたことに驚いたとする。来年度以降に入学してくるのはその環境で学んだ子どもたちなので危機感を共有すべきだとし、国の予算だけなら3人に1台で、高校は保護者負担で整備するほかない現状に対して情報科の教員からも声を上げる必要を述べている
- クラウドについては1人1アカウントを全生徒に渡し、パソコン教室も同じアカウントでログインする形がよく、場合によってはパソコン教室のサーバが必要ない可能性もあるとする。家と学校で同じソフトウェアやデータが使えれば、授業内で作り上げるのではなく家でも続きができる。「『情報Ⅰ』の内容を70時間だけで教えるのは無理」という声は教室の中で全てを教えようとしていることの現れで、「教える」という言葉から変えていく必要があるとしている
- オンデマンドについて、テレビ局の取材で「恵まれない環境の中オンデマンドで頑張っている本校」と、時間割どおり同時双方向型ができている別の学校を対比して紹介されたことに違和感を覚えたと述べる。双方向型がオンデマンド型より優れているとは限らず、それぞれの利点と欠点をコーディネートして使うのがよいとし、双方向型のために静止画と音声だけを流すくらいならオンデマンド型の動画配信をしたほうがよい(スライドと声だけの授業は生徒の反応も良くなかった)としている
- Web公開については、オンライン授業をした学校が多くある中で授業動画が学校内に閉ざされていて見られないことを気にしている。授業動画に限らず教材や年間指導計画も学校の枠を超えて共有できなければもったいないとし、共有が進めば「情報」という授業名で実際は数学の演習をやることは今後なくなるのではないかと述べている
- 情報科教員としての気づきとして、題材(アイデンティティはフェーズが進むにつれて変化するので、情報社会に関連した題材を見つけないと総合的な探究の時間との違いが出せない)、イラスト(フリー素材を使う先生を真似て生徒が自分で絵を描いたり素材を作ったりする経験を失っており、クリエイターとしての可能性の芽を摘んでいないか。著者はこの発表であえて自分の経歴を手書きのイラストで表現している)、ポートフォリオ、青天井(言語の選択より、学校で学んだ続きを家でも放課後でもどの端末でも取り組めることが「尖った」生徒を育てる)、ポスター発表(40人が1人1回プレゼンするとほとんどの時間は聞いているだけになるが、3チームに分けて聴く・聴く・発表するとローテーションすればバランスがよい)を挙げている
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- 科目
- 県教育委員会の支援と、学校独自のオンライン学習支援の取り組みの報告
- 学年
- 1学年4クラス(6クラス展開)・総生徒数380人の小規模校
- 時間
- 一斉休校期間(4〜5月)の報告。オンライン課題は実質2週間程度、動画は延べ100本
- 必要なもの
- 県が一括で付与した学習サービスとノートアプリのアカウント、ICT導入支援サービス、生徒用タブレット端末とモバイルルータ(各校40台、後に80台)、教員用モバイルルータ(クラス数分)、教員に貸与された端末(内蔵カメラで撮影)、YouTube(限定公開)、Zoom(各校4台までの専用端末)、ポータブルDVDプレーヤー(機器がない生徒への貸出)、連絡用のチャットツール
- 前提
- 調査では回答354名中、自分用のスマートフォンがない生徒14名、自宅にWi-Fiがない生徒13名、映像出力の機器が何もない生徒2名だった。パソコンの所有率は一部クラスの調査で2〜3割程度。県の支援は6月からの運用だったため3月からの一斉休校では使えず、今後の活用が見込まれている状況。県のインターネット回線は4月5月に1ギガbpsでは足りず4ギガbpsに変更された。
- 出校日は月に2回程度設定した。総生徒数380人の小規模校、1クラス平均20人、最寄りの公共交通機関が2時間に1本で乗降客が少ない、自転車通学が多いなど「3密」が回避しやすい環境だったため。ただし昇降口は集中しやすいので登校時間と登校日を学年ごとに設定し、登校に不安を訴える生徒・保護者には非一斉登校日に来てもらう柔軟な対応をした。機器がない生徒にはYouTubeの動画をDVDに録画して配布し、何もない2名にはポータブルDVDプレーヤーを貸し出した
- 動画作成では、生徒の集中力を考えて長さを5〜10分程度にし、数学の問題解説は長くなりがちなので「1問で1本」のつもりでいてほしいと配慮を頼んだ。専門的な機材は使わず貸与端末の内蔵カメラで撮影し、こだわると時間がかかるので原則一発撮りでリテイクしない、まずは本数を出すことをお願いした。編集をしたことがない先生が多く失敗すると全部撮り直す事態が続いたため、「失敗したら数秒空白を取ってそこから何食わぬ顔で続けてください、その空白だけカットすればいい」と伝えた
- 著作権では、教科書はある程度利用可能と報道されて知られていたが、問題集は教科書とは違うことが意外と知られていなかったので注意を払ってもらった。動画は各自がYouTubeにアップし、起案書に限定公開のURLを明記して教科主任→教務主任→教頭→校長の順で決済を取る形にした。教科主任は専門的な観点で中身を、教務主任と教頭は外部に公開する観点で確認する。各学年にサイト公開の担当者を付けて更新作業をした
- 学校全体の取り組みとは別に、著者だけが管理職の許可を得てZoomによるリアルタイム授業を先行実施した。第2波・第3波や関係者の感染による長期休校に備えて、Zoomでどう授業をすればよいかのノウハウを蓄積するのが目的。国家試験の取得を目指す6名のA班で先行し、その後クラス全員20名のB班で実施した。まず連絡網としてチャットツールを試験的に2週間使ってからクラス全員に導入した
- アンケート(19名)ではZoomの授業を89%がわかりやすいと答え、「ホワイトボードがわかりやすい」という回答が多かった。YouTubeとの比較では79%がZoomの方をわかりやすいとし(その場で質問できる)、21%はYouTubeの方(繰り返し見直せる)と答えた。課題は、生徒の顔出しを「基本的になしでいい」と言ったため全員がビデオをオフにして、わかっているかが全然わからなくなったこと。あわせてZoomとYouTube Liveを連動させたオンライン弓道大会を開き、参加した3年生24名の100%が「よかった」、96%が進路への切り替えのきっかけになったと答えた。画質や音質の課題をすべてクリアしようとすると参加できない学校が出るので「今あるもので取り組む」ことが大事だとしている
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- 科目
- 休校・分散登校期間の取り組みと、再生回数やアクセスログによる振り返り
- 学年
- 高校2年(「情報の科学」を2単位履修)
- 時間
- 4月から8月中旬までの期間の報告
- 必要なもの
- Moodleによる授業用サイト(2014年から活用)、学校が開設したYouTubeチャンネル、Zoomのアカウント、10分程度の解説動画、小テスト
- 前提
- 私立の男子校で同じ敷地に中学校を併設する併設型中高一貫教育校。高校は1学年12クラス。学校側の準備として学習サービスの導入、授業動画アップロード用のYouTubeチャンネル開設、Zoomのアカウントを複数契約した。/※同じ著者の事例240・368も記入済
- 生徒は高校1年次に情報教室のパスワードを設定するが、2年次に授業を始める際にかなりの生徒が忘れている。休校中は情報教室に来られないので、Moodleの授業用サイトからパスワードを遠隔で変更できるよう設定を変更した
- 4〜5月の休校期間は、教科書や資料集を箱に詰めて郵送し、情報科はプリントを同梱して、パスワードを忘れたら学校にメールで連絡して再設定すること、授業用サイトの動画と小テストを見てプリントを進めることを案内した。5月後半からZoomによる遠隔授業を始め、6月前半の分散登校期間は、A組でリアルタイムに授業を行いB〜F組に配信し、登校していない生徒は自宅からZoomで視聴する形にした。情報教室は交代でパソコンやキーボードを使う懸念から7月第3週まで使わなかった
- YouTubeの再生回数は「ガイダンス」「序章」は多いが第1章から次第に減っていく。授業用サイトとYouTubeの両方に上げて好きな方で見るよう案内したので授業用サイト側で見た可能性もあるが、減っているのははっきりしている。Zoomの授業を録画したものは数回ずつしか再生されていなかった
- 授業用サイトのアクセスログでは、4月は気の早い生徒、5月は郵送した教材を利用した生徒、6月は分散登校が始まって逆に減り、7・8月は情報教室が使用開始になると自宅からの視聴はごく少数になった。小テストの受験回数はこの傾向がさらに顕著で、オンラインだった第1章は最初は物珍しく受験されたが次第に減少し、オフラインで授業をした第2章は一定数が受験している。定期テストが近づかないと勉強しないことを実感したと述べている
- オフライン授業に戻ってからの課題として、7月に情報教室を使い始めるとパスワードを忘れた生徒が続出したこと(5月時点でも100〜200件の再設定をフォローしたが、残っていた生徒は5〜6月に何も取り組んでいなかったと見ている)、オンラインで実施した第1章の復習に入ると学習内容が「聞いたことがある/ない」というレベルまで抜けていたことを挙げる。一方で、単元を10分程度に収めるよう話したことがオフラインの授業での話し方や学習のポイントの押さえ方にも良い影響があり、生徒には試験前の復習として使えるので、まとめ動画の作成は今後も続けるとしている
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- 科目
- 学校設定科目「情報と問題解決」(質的データの分析)
- 学年
- 高校2年(選択)
- 時間
- 2コマ連続×4回(計8コマ/1コマ50分)
- 必要なもの
- 文節で区切った歌詞カード(表計算ソフトで作れる)、模造紙、テキストマイニングのツール、スライド作成ソフト
- 前提
- 質的データの分析は題材選びが難しい(本はテキスト量が多く、SNSは言葉の揺らぎが多く、Webサイトはどれを選ぶか悩む)。流行歌の歌詞はデータ量が適切で、幼い頃に聞いた歌を扱うと意欲が高まる。分析の前に必ず仮説を立てさせる。手作業とテキストマイニングでは分析手法が違うことを説明する。歌詞が著作権で守られていることも扱う
- 【手作業】教員が選んだ代表的な数曲(リリース年に10年ほどの差があるもの)を示し、まず仮説を立てさせる(例:この年代は「女の子たちが元気だった時代」ではないか)
- 文節で区切った歌詞カードを配る(表計算ソフトに歌詞を入力して文節ごとにスペースを打ち、区切り位置の機能で分割し、罫線を付けて印刷・裁断すると作れる)
- カードを使った整理法で模造紙にまとめさせる。いきなりでは難しいので、まとめ方の具体例を先に示す(ポジティブとネガティブな因子を数える、品詞ごとに分類する、など)。考察を発表させる(手作業は50分程度が適切。それ以上かけても新しい発見は出にくい)
- 【テキストマイニング】ツールの使い方を説明する。手作業とは分析手法が違うことを伝える——出現回数が多い語よりスコアが高くなる語がある。その語がその文章にしか出てこない場合に重みが付く仕組みを説明する
- 各自が今と昔の曲を選んで仮説を立て、分析させる(1人6曲程度、報告まで含めて100分程度で可能。手作業では34人で10曲が限界だが、テキストマイニングでは100曲以上分析できる)。11枚程度のスライドにまとめさせる——タイトル→仮説→選んだ曲と分析のねらい→各曲の結果をポジティブ・ネガティブ因子に注目して比較→結論を一言で
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- 科目
- 社会と情報(情報デザイン)
- 時間
- 9時間
- 必要なもの
- シンキングツール(キーワードマップ・ピラミッドチャート)、80字で要約する枠、コンセプトシート、プレゼンソフト、ルーブリック、印刷できる環境
- 前提
- 「デザインとは現状をより良くするものである」という立場に立ち、学校をより良くする方策を提案するポスター制作をPBLとして組む。デザインの技術を土台に置き、その上に「よりよい学校の実現」という目標を積む階層で単元を設計する
- 情報の発信とメディア、情報デザインとは何かを扱う。演習として美術館の案内地図を題材にし、衛星写真と見比べて、どんな手法や意図でデザインされているかをキーワードマップに書き出させ、最後に80字程度の文章にまとめさせる
- 実際に駅に掲示されているポスターを題材に、「誰に・どのように・何を」伝えようとしているかを考えさせる。図案・色・文字を細かく分析させ、伝えたい相手に伝えたいことが1枚の中でどう表現されているかを検討させる
- 可視化・抽象化・構造化の3観点から具体的な作り方を扱う。抽象化の演習として「教室を最後に使った人は戸締まりと消灯を確認すること」を図記号だけで表す課題を5分で行わせる(鍵が閉まっている状態、スイッチが切れている状態をどう表すかが焦点になる)
- 表現の4観点を示す——レイアウト(情報を見やすくそろえる)/フォント(与えるイメージの違いと使い分け)/表とグラフ(正確な値は表、傾向やパターンはグラフ。既定のグラフのまま使わず必要な要素だけにする)/色(色相環で組み合わせによる印象の変化を確認する)。宿題として「デザインの観点で学校を広く観察する」を出す
- 観察をもとにコンセプトシートを作らせる。主張は感覚で決めず、ピラミッドチャートで論理的にまとめさせる。2時間でポスターを制作させ、ルーブリックに基づいて相互評価する。印刷して各クラスや廊下に掲示し、意見交換を経て20分ほどかけて修正させる
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- 科目
- 人型ピクトグラムのアプリケーション群を、情報デザイン・プログラミング・データ分析を単元横断で学ぶ統合学習環境として使う方式の紹介
- 必要なもの
- ピクトグラミング(pictogramming.org。英語・日本語・日本語平仮名で記述できる)、派生アプリケーションのPicthon(Python版)、JavaScpict(JavaScript版)、ブロックピクトグラミング(ブロック型)、授業テキストとサンプルプログラム
- 前提
- 所定の授業時間数で情報科の内容を網羅する授業設計は容易ではないという課題に対処するために開発してきた環境。派生アプリケーションは記述する言語が異なるだけで基本機能は同一なので、高等学校ではテキスト型が推奨されているものの、学習者のスキルや授業の目的に応じて選べる。/※同じ著者の事例103はこの環境の構想段階の提案
- 人型ピクトグラムに着目する理由として、非常口のマークを例に挙げる。マークの中の走る人型を囲む空間が見る人を包む空間とつながって、走る人が見る人の投影になる。つまり見た人が人型をいかに同一視するかに力点が置かれたといわれている
- パパートの「同調的学習」には3つのタイプがある。学習内容が自分の身体の感覚や知識と強く結び付く「身体同調」(「走る」「手を振る」のピクトグラムを作ることに相当)、意図や目的、好き嫌いを持った自意識と一貫する「自我同調」(天使のような空想上の人物や好きなタレントの動作を模倣することに相当)、文化に肯定的に根を張った活動に結び付く「文化同調」(社会で利活用されているデザイン的なピクトグラムの作成に相当)。人型ピクトグラムに着目することで、知らず知らずのうちに同調的学習を誘発する環境を作れるとしている
- デモとして、ピクトグラムを作る授業説明、Pythonの手を振るプログラムでプログラミングの諸概念を学ぶ例、素数判定やソートのプログラムでアルゴリズムを学ぶ例、データからインフォグラフィックを作成する例、ブロックピクトグラミングで図形描画によるアルゴリズムを学ぶ授業風景を紹介している
- 「(2)コミュニケーションと情報デザイン」ではそもそもピクトグラムが扱われるので、デザイン原則に則ったピクトグラムを作成する実習ができる。「(3)コンピュータとプログラミング」では開発環境として利用でき、ピクトグラムを作る過程で諸概念を学ぶだけでなく、文字列を表示するような従来型のプログラムも扱える
- 「(4)情報通信ネットワークとデータの活用」では、データを分析・解析して結果をインフォグラフィックの形式で表示するプログラムを作るアプローチが取れる。またピクトグラムは一種の社会の写し絵で社会の様々な問題を浮き彫りにするコンテンツなので、情報社会の問題解決へのアプローチとしての学習も期待できるとしている
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- 科目
- 情報の科学(情報通信ネットワーク/Web APIとモジュール分割)
- 学年
- 2年
- 時間
- 臨時休校中に配信した授業動画1本(20分程度)+学校再開後の対面授業4コマ
- 必要なもの
- オンラインのプログラミング学習環境「Bit Arrow」(教員が生徒のユーザ情報を登録。インストール不要で自宅でも学習でき、教員は学習履歴を把握できる)、Web APIを利用した図書検索システムのPythonプログラム(Bit Arrowの開発者から提供を受けたもの。search/regist/allの3ファイル)、情報関係の用語リスト、教科書、生徒が使うパソコン
- 前提
- Web APIやモジュール分割はネットワーク技術から始まるいくつもの概念を経たものなので、事前にネットワークやサーバ、データベースとは何かを生徒がある程度理解してからでないと、この学習内容までは進められない。/2年生は1年生で「情報の科学」を履修済み(2単位分を1年生1単位・2年生1単位で分割履修する変則的な編成)で、ドリトルやPythonによるプログラミング経験がある。スマートフォンの所有率は100%。/モジュール分割は、利用者の視点ではなく開発者の視点に立って物事を見ることになる
- 休校中に授業動画「スマートフォンの向こう側」(20分程度)を配信する。「あなたはスマートフォンの向こう側を考えたことはあるか」という問いかけから始め、理解する鍵はサーバとクライアントだとイメージを示す(ネットワークなど実物が見られないものを捉えるのは難しいので、サーバを中心に動作している/サーバを介してクライアント同士でデータを共有している、というイメージを持たせる)。具体例として学校のホームページ、教育用クラウドサービスClassiでの先生と生徒の情報共有、Twitterの仕組みを説明し、模擬実習として4人1組でドリトルのチャットを使ったデータ共有ができることを説明する
- 対面授業1コマ目。情報関係の用語リストを配り、LAN・IP・QR(コード)・著作権の©などの元の意味を英語で書けるかを聞く(生徒はこれらの言葉を知って使っているが、元の意味はほとんど理解していないことが明らかになる)
- 対面授業2・3コマ目。ミニ実習をいくつか行う——お絵かき実習(「スプートニク」「ARPANET」「パケット交換」のイメージを描く)、計算実習(IPアドレスの計算、10進数への変換)、意味調べ実習(WWWサーバやメールサーバの意味を教科書で調べる)、コンピュータで自分のIPアドレスを調べる、DNSを確認するため首相官邸のホームページにドメイン名でなくIPアドレスでアクセスしてみる
- 対面授業4コマ目。教員がWebブラウザで使い、生徒がスマートフォンアプリで使っているClassiを例に、開発者の視点に立って問いかける——「Classiの架空の新サービスとして新型コロナウイルス感染症の情報を生徒に配信するとしたら、どうそのデータを収集すればよいか」。COVID-19 Japan Web APIのようなデータ提供サイトのデータを利用すればよいという流れでWeb APIとは何かを説明し、モジュール分割は図書アプリ(図書データの表示・キーワードによる検索・データの登録)を例に、どのような仕組みになっているかを考えさせる
- Bit Arrowで図書検索システムの実習を行う。「all」を実行して登録済みの図書一覧を見る→「regist」で新しい図書データを登録する→もう一度「all」を実行して登録されたことを確認する→「search」で名前を入れて検索する。そのうえで、プログラムの記述に「API」があること、スマートフォンの画面とプログラムをそれぞれ実行したことにどんな関係がありそうかを考えさせてまとめさせる。最後に「使っているアプリをひとつ選び、どのような機能(モジュール)があるか、できるだけ多く書きなさい」と記述させる
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- 科目
- 情報Ⅰ(コミュニケーションと情報デザイン)
- 時間
- 8時間
- 必要なもの
- メッセージアプリのスタンプ制作の公式ガイドライン(制作・審査)、スマートフォンまたはタブレットと描画アプリ、持っていない生徒用の貸し出し端末、マインドマップの用紙、企画書、感想を書き込む共有ファイル
- 前提
- 生徒が日頃使っているものを題材にして、使う側から作る側へ立場を変えさせる。作り手の意図と受け手の反応にはずれが生じるので、評価と改善を複数回はさむ。授業開始時に端末を機内モードにさせて、授業に無関係な通知が入らないようにする
- 1時間目に制作を告知し、情報デザインとは何かを扱う。公式の制作ガイドラインと審査ガイドラインを読ませ、必要な画像数・サイズ・データ量といった条件と、禁止事項(会話に適さないもの、視認性が悪いものなど)を確認させる。あわせてユニバーサルデザインや色の与える印象も扱う
- 2時間目に、スタンプを使うターゲット層をマインドマップで整理させる。ターゲットを明確にすることでコミュニケーションの目的を定め、そこから立案と企画書の作成・提出をさせて、教員がフィードバックする
- 3時間目に、企画書をもとに生徒同士で簡単なプレゼンテーションを行い、相互評価してデザインを確定させる
- 4時間目に紙でデザインと縁取りを描かせ、カメラで取り込ませる。5〜8時間目に、取り込んだ画像を下のレイヤーに置いて描画アプリで制作させる。1つできるたびに教員のチェックを受けさせ、その場で見られない生徒には次の時間の冒頭に短いコメントを渡す
- 解像度とデータ量がガイドラインの条件に合っているかを自分で確認させる。また既存のスタンプと似ていないか、取り込んだ画像で画像検索して確かめさせる。完成したらスライドを作り、5〜6人のグループで発表させ、聞き手は共有ファイルにその場で感想を書き込む。最後にクラス全体で優秀作品を選ぶ
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- 科目
- ホームルーム(SNS・フェイクニュース)※情報科の授業ではなく担任としての年間の取り組み
- 学年
- 1年(進学総合コース)
- 時間
- 年間(1学期は月2〜3回、2学期以降は月1回程度)/記事の中心である昨年度・高1クラスの取り組みについて。記事前半の3年前の看護科の実践(動画を見ながらEdmodoに投稿)は別
- 必要なもの
- 校内で使えるSNS(授業・ホームルーム・ショートホームルームで使っていたEdmodo)、実態調査のためのアンケート、外部の比較データ(MMD研究所のニュースに関する年代別調査)、ワークシート、統計グラフコンクールへの出展、立場の違う人物が出てくる映画(『パーフェクトワールド』)
- 前提
- 情報科の週2回の授業だけではSNSとの付き合い方を十分に扱えないので、ホームルームを使って中長期的に展開する。/「危ないから」「トラブルにつながる投稿はやめよう」という禁止の内容で進めるのではなく、「SNSで自分の意見を述べることで考えを深められるツールにする」という意識改革のコンセプトで進める。/SNSトラブルは顕在化していなくても年間を通じて起きており、顕在化するのは生徒同士で解決できず教員が間に入る場合。その違いは「相手がどう思うか」を想像する力・認知力にあると考える。/勉強が苦手な生徒や問題を抱えている生徒が多いクラスでの実践
- 4月、入学したばかりの生徒にアンケートで実態を調べる(フェイクニュースを知っているか=約6割、友人がSNSで発信した情報を信じてしまうか=37%、いたずらで間違った情報を送ったことがあるか=「どちらでもない」が20%)。中学で一定の指導を受けてきている生徒にとって新しく興味を持てる題材として、フェイクニュースを切り口に選ぶ
- 1学期を通じて、月2〜3回のホームルームでフェイクニュースとはどんなもので、どう判断すべきかを継続して扱う
- 7月に同じアンケートを取り直して効果を確かめる。「日頃から意識するようになったか」は約6割で、もともと知っていた6割と同じ=1学期だけでは変わっていないと判断する。そこで「フェイクニュースを見破る自信はあるか」に着目して聞き直し、約半数が「自信がない」と答えたことから、以降は見破る力を付けることに重点を移す
- 外部調査(MMD研究所のニュースに関する年代別調査)の項目を使ってクラスのアンケートを取る。「最も信頼できるメディアはテレビのニュース番組」71%と「テレビを見ながらスマホを操作する」約7割という結果を教員から返してしまうのはもったいないので、生徒自身に分析させ、統計グラフコンクールへの出展作品に仕上げる(夏休みに代表生徒を集めた学習会で、数あるグラフの中から相談しながら選ぶ)。並行して文化祭では立場の違う人物が出てくる映画を取り上げ、車いすの主人公・援助する人・直接関わっていない人それぞれの気持ちをシーンごとに発問して考えさせる
- 2学期最初のホームルームで、生徒がまとめた分析結果をクラスに発表する形で返す(結論は「家庭でテレビを見るときにSNS等でフェイクニュースに出会うことが一番多いので、この時に騙されないよう気を付ける」)。2学期以降も月1回程度続け、11月に同じアンケートで変化を見る(「見破る自信がややある」が7月19%→11月64%。根拠なく「自信がある」と答えていた生徒が、正しく警戒するようになったと読む)
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- 科目
- 創作活動と授業の類似性から、ICTを授業に生かす考え方を述べたもの
- 必要なもの
- プレゼンテーションソフト、動画編集ソフト(「情報と表現」の創作活動で使用)/「情報技術基礎」の実践では企業から提供された教材と配布プリント(パソコンを使えない普通教室での座学)
- 前提
- 著者は大学院工学研究科を修了後、民間企業のコンピューター関係の部署に数年勤務してから教員になった。授業の構想を十分に練って授業の空間に当てはめようとしても、ほとんどの場合はきちんと当てはまらず、生徒の学力や意欲、態度を考慮して柔軟に対応することになる、という前提に立つ。
- 「情報と表現」での創作活動として、プレゼンテーションソフトで自己紹介を作らせ、川柳や紙芝居を動画や静止画で作成し、グループで全国高校放送コンテストを参考にした映像作品も作った。生徒が自分たちで担当を割り振り、ドキュメンタリーやドラマの台本を作って撮影・編集を行った。教員自身も「学校紹介」の映像作品を作っている
- 最後の授業で、創作活動は既存のアイデアの模倣により成り立つことを、自分が大学で取り組んだ制作を例に説明した。「ブロック崩し」を作った後にオリジナルゲームを作る課題で、板の左右の動きやボールの反射から「何かを標的に当てるゲーム」という着想を得て、放物線の運動やインベーダーゲームのような左右の動きを取り入れ、制限時間3分・砲弾10発までという制限をつけて性能を高めた
- もう一つの例として、工学者の畑村洋太郎氏の「創造学」(創造物とは要素、構造、機能からなるという考えをベースに、既存のものを模倣し定式化して新しい機能を探求する)による創作を挙げる。「創造演算」に当てはめて介護ロボット→家庭用ロボット→家事だけ→床掃除だけと機能を限定していき「自動床掃除機」を発案したが、それは既に世に出回っていた製品だった。既存の製品を創造できたことは創造演算の実用性が示されたと解釈している
- 授業も受け手を意識して作られている点で創作活動とよく似ているとする。生徒のニーズ、その背後の保護者のニーズ、社会からの要求を踏まえて授業全体を構築する。授業には教師の個性、生徒の状況、教材、ICT機器、教具といった構成要素があり、その空間は構成要素によって変化する。ICT機器は授業の構成要素に加わった新しいもので、空間をより一層広げ、楽しむ教育が実現できるとしている
- ICT機器を使った実践例として「情報技術基礎」を挙げるが、実施したのは普通教室でパソコンを使えない環境だった。座学のみなので毎回配布教材を作り小テストで内容を確認する形式をとり、企業から提供された教材で「インターネットの光と闇を自分の事としてとらえる」という課題に取り組んだ。動画を見せた後に小学生向けスマートフォンの取扱説明書を作るもので、時間が限られているためキャッチコピーや標語は生徒が考え、レイアウトは吹き出しを使い、絵柄と色彩は用意されたものから選択する形にした
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- 科目
- 教養ゼミ(初年次ゼミ)※大学の実践だが、著者は「メタ視点では高校教育の中にも十分導入できる」と述べている
- 学年
- 大学1年(初年次)
- 時間
- 記載なし
- 必要なもの
- Teams(学内の教職員・学生アカウントがそのまま使えて導入しやすい。ホワイトボード機能で全員が同時に書き込める)、推理ゲームの条件を提示するスライド、(経費が許せば)マウスの代わりのペンタブレット
- 前提
- オンライン授業では「いかに学習の質を保証するか」「能動的な学習を担保するか」が極めて重要な課題になる。グループワークを始めとしたアクティブ・ラーニングは有効だが、オンライン授業では活性化するのがかなり困難。/Teamsを採用した理由は、学内アカウントがそのまま利用可能で導入しやすいこと、そして全員が同時にホワイトボードに書き込める点(Zoomも敷居は低いが、リンク先を知っていれば誰でも入れてしまうリスクがある)。/検証結果:EQ質問紙(学生の自己評価、8項目)で測ると、チームビルディングは向上したが、前年度に対面で似たような推理ゲームを行ったときには及ばなかった。「他者理解」の向上は低調で、対面授業並みに向上させることは難しかった(相手の表情やジェスチャーなどのノンバーバルな要素が入るため)。/オンラインの場合は素手で学生の話し合い活動を調整するのは難しく、何らかの意図的な働きかけがあって初めて対面式の授業の効果に少し接近できる
- 小グループ(3チーム)に分ける。オンラインでは自己紹介からスタートすることを重視する(初年次生はほとんどが初めて顔を合わせる相手との授業になるため。※高校ではクラスをベースに授業が組まれるので、自己紹介は割愛しても構わない)
- ルールを説明する。チームに分かれて問題について相談し合い、答えにたどり着くのがゴール。方法は自由で、個別に考えて後で話し合っても、最初から話し合って進めても構わない。発言する際は名前を言う。通信容量が厳しいといった特別な事情がない限りビデオはオンにする(顔を見ないと話し合いが円滑に進まないケースがあるため)
- 推理ゲームの条件を提示する。提示された複数の条件に合うように、5軒の家の住人のうち「ビールを飲んでいるのは誰か」「ゼブラを飼っているのは誰か」を推理していく(プログラミング的な思考で順序立てて考えたり、条件を振り返って検討したりする内容になっているので、オンラインでなくとも情報教育として導入できる)
- 話し合いにはホワイトボード機能を使う。良さは同時に複数人が書き込めることで、図を共有しながら進められる
- 教員はグループ会議を巡回し、活動を促進するような言葉掛けをする。オンラインでは参加する学生のキャラクターの影響が対面のとき以上に強い印象があるので、意図的にリーダー役や司会役の目星を付けておく必要がある
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- 科目
- 総合実習(PBL)※Teamsを使い、対面とオンライン非同期を組み合わせた授業デザイン
- 時間
- 記載なし/記事は学校全体のオンライン学習の取り組みを広く報告しており、ここに書いたのは著者自身が休校後にリデザインした総合実習のPBLの部分。記事中の他教科の取り組み(英語・数学・体育・理科・総合的な探究)と、休校中の情報科のオンライン授業(投稿で全体像→動画のストリーム配信→情報を再構築して1枚にまとめる→確認クイズ→クイズ結果の振り返り)は含めていない
- 必要なもの
- Teams(チームとチャネル、投稿、プランナー、ビデオ会議、ライブイベント)、動画でプレゼンテーションを共有できるツール(Flipgrid)、Forms(振り返りと確認クイズ)、Office365のアカウント
- 前提
- 一人で学べる知識やスキルはオンライン上で個に合わせた学習を可能にし、対話的な学びはオフラインで生徒たちが交流し合いながら学習できるようにする、という切り分けをする。/休校後もグループ活動は感染対策をしながら行う必要があったため、よりTeamsを活用した授業にした。/全体の様子を見つつ個々が置かれた状況の見取りができるので、全体指導と個の指導の両立が容易になる。/Teamsにはプランナーがあり進行状況が可視化されるため、情報共有やタスクマネジメントが効率化され進行管理がスムーズになる(休校前にWebデザインのPBLで導入した経験が基になっている)。/教員側の環境整備として、生徒向けのチームに投稿する前に練習できる実験用のチーム、先生同士の情報交換や助け合いのチャネル(困ったことや便利だった機能をシェアでき、担当者が説明しなくても先生同士で解決することが増えた)、先生が全学年のチームに所属して他教科・他学年の取り組みを参考にし合える設計を用意した
- 対面授業では、全体チャネルで授業の流れや内容を投稿で確認させ、それを基にグループで情報共有したり共同作業したりする(対面授業の主な活動は「得られた知識を基に思考、判断、表現する」部分に置く)。毎回この授業の流れをリフレクションで振り返らせて学習の質を上げる
- オンラインの非同期の活動として、グループで単元のエキスパートグループをつくり、プレゼンテーションを動画共有ツールにシェアする
- そのプレゼンテーションに対し、個人で同じ単元を1枚にまとめて情報を再構築する
- 再構築した内容や他のグループのプレゼンテーションを見て質問を考え、レスポンスで投稿する
- 投稿された質問を見て、グループでさらにプレゼンテーションをブラッシュアップしてアップロードし、最終的に個人で相互評価を行う(同じ単元について何度も学び直す設計になる)
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- 科目
- 学校設定科目「情報科学研究入門」(「情報Ⅰ」の「情報社会の問題解決」の内容)※振り返りと再振り返りの運用
- 学年
- 2年
- 時間
- 単元全7回(すべての授業で振り返りを実施、初回を除いて再振り返りを実施)/振り返りは毎回5分間
- 必要なもの
- クラウド型LMS(G Suite for Education。無料で導入しやすい)、振り返り用のアンケートフォーム(Google Forms)、書き出し用のスプレッドシート、授業用ポータルサイト(Google Sites)、生徒にあらかじめ渡しておくルーブリック、生徒が使うパソコン
- 前提
- 「主体的に学習に取り組む態度」は個人内評価ではなく評定として5段階で評価することになったが、それをどう育てればよいかの手引きは乏しい。/これまで主体性を育む学習活動は学習者と授業者の個人のやりとりで実施されることが多く、生徒同士の活動で育てた例はほとんどない。/「情報社会の問題解決」は「情報Ⅰ」のイントロダクションの役割を持つので、ここで主体性を育てることがその後1年間の情報科の学習の取り組み基盤を作ると考える
- あらかじめ生徒にルーブリックを渡しておく。授業の最後に5分間の記入時間をとり、生徒はポータルサイトからアンケートフォームにアクセスして、ルーブリックを見ながらその時間の「学んだこと」と「考えたこと」を各2つ入力して送信する
- 授業者は送信された振り返りを、生徒に渡してあるのと同じルーブリックをもとに評価する。評価の対象にするのは「考えたこと」(例:授業内容を実生活のVRゲームと結び付けて書いていれば、ルーブリックのS評価「実生活やこれまでの体験と関連付けて」に当たると判定する)
- 氏名など個人を特定できる情報を切り離し、振り返りの内容とそれに対する評価だけを表形式で出力して、ポータルサイトに再度アップロードする
- 次の授業の冒頭で「再振り返り活動」を行う。生徒は自分と他の人の前の時間の振り返りとその評価を見て、前の時間の学習をもう一度振り返る(自分の振り返りがどう評価されたかだけでなく、自分にはなかった気付きや疑問に触れられるようにするため)
- 単元の学習前と学習後に同一のアンケートを10分間の記入時間で行う(「情報社会の問題解決を聞いて、思い付くことは何ですか」)。事前・事後の記述を「量の増減」「内容の質の向上」「情意的な内容の有無」の3段階で読み取り、変化を見る
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- 科目
- 情報の科学(メディアリテラシー・バイアス)
- 学年
- 高校3年(本校では高2で「社会と情報」を全員が履修し、高3で選択履修する科目)
- 時間
- 「うわさ」のミニ実習(オンライン授業の初回。毎回10分程度の動画配信+課題を4段階)+「広告」の実習が合計4〜5コマ/※同じ著者の事例141・事例136はバイアスを統計実習の側から扱っており、脱落バイアスと読売新聞の世論調査という同じ素材が出てくる
- 必要なもの
- YouTube(10分程度の説明動画を配信)、Googleフォームやclassi(課題の配布・回収・返却)、学校の行事予定表と校内配置図(うわさを作らせるときに渡す)、バイアスを仕込んだアンケート調査の結果(選択バイアス・非対称な選択肢・ダブルバーレル質問・錯誤相関を入れたもの)、広告作成の作例、付箋と回覧用の用紙、読売新聞の世論調査の記事+設問文+調査方法(電子ジャーナル「ヨミダスforスクール」から)
- 前提
- 新型コロナウイルスのデマがきっかけ。総務省の「新型コロナに関する情報流通調査」で、およそ4人に3人がデマを見聞きし、若い年代ほど信じていたことが出たのを受けている。ねらいは「見た瞬間に気付く」感覚を作ること——メディアリテラシーは腐った牛乳のようなもので、口に含んだ瞬間に「おかしい」と感じて吐き出せる感覚が大事だ、という例え話を出発点にしている。ネットの「創作実話」「嘘松」に型があること(「聞いた話なんだけど」で始まり、オチで拍手喝采)に着目し、収集→法則発見→作成→吟味というサイクルで教える。
- まず「うわさ」でサイクルを体験させる。噂が広まる量は重要性とあいまいさに比例するという公式をさらっと紹介し、学校ではやったうわさとSNSではやった噂を生徒から集める。次の回で豊川信用金庫事件(噂から取り付け騒ぎが起き、約20億円が引き出された)を紹介して影響の大きさを示し、集まった噂から自分で何個か抽出して法則を作らせる(生徒は「自分自身に関わる要素がある」「目上の人が出てくる」「内密にしてある設定」などを見つけてくる)。その法則に基づいてオリジナルの学校のうわさを作らせ、「一番信じそうな噂」と「自分だったら拡散してしまいそうな噂」に投票させる。拡散したくなる噂と信じたくなる噂は違う、という気づきが出る。
- 後半は同じサイクルを統計調査のバイアスに向ける。順番は作成→吟味→法則化→検証にする。「あなたは広告デザイナーで、ジムの新規会員とサプリメントの単品販売を促進するミニ広告の作成を依頼されました」という設定を伝え、企業から与えられたという体裁でアンケート調査の結果を配る。この結果には選択バイアス・非対称な選択肢・ダブルバーレル質問・錯誤相関が仕込まれているが、この段階では生徒に伝えない。作例に基づいて実際にミニ広告を作らせる(40作近くできる)。
- 生徒を「このジムの効果に疑問を持った市民団体」という設定にし、自分が作った広告とアンケートの元ネタを手元に置いたまま、広告を順繰りに回して問題がありそうなところに付箋を貼らせる。原則会話はせず、用紙を回して付箋を貼る形で行う。
- 貼った付箋の内容を整理して着眼点をまとめ、「こういうところに注意すればだまされなくなる」というチェックリストを作らせる。説明する前から「誘導的な表現がある」「メリットと思う人たちが答えている」「対面式だと本当のことを言わない」といった指摘が出る。そのうえで、足並みをそろえて生徒に自信を持たせるために、選択バイアスと情報バイアスを説明する(脱落バイアス=効果がないと思った人や続かない人が抜けるので「1年後に95%が痩せていたジム」になる、など)。生徒がよく注目した表現の問題(グラフを3Dにすると印象をごまかせる、同じ聞き方でも言葉の選び方で印象が変わる)も補足する。
- チェックリストを実例に当てはめる。まず全員で練習するが、素材は「怪しい調査」にしない——過去にそれをやると、いかにも怪しいグラフや統計を探してきて考える必要がなくなり、苦心して作ったチェックリストの意味がなくなったため。あえて怪しくない読売新聞の世論調査を使い、「主張は何か」「グラフの表現はどうか」「データはどこか」「収集対象は誰か」をつなぎ合わせて示し、「若者は本当に偽情報を信じやすいのか」「聞き方に問題はないか」を無理やり掘り出す作業をする。その後、宿題や残り時間で、生徒が自分の見たことのあるサイトにチェックリストを当てはめる(買うかどうか悩んでいた商品ページに当てはめて買うのをやめた、すでに買った商品のページが怪しかった、といった実体験と結び付いた例が出る)。
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- 科目
- 社会と情報(※「情報Ⅰ」を見据えた先行的な取り組み。本文は「「社会と情報」にはプログラミングという単元は存在しません」と述べている)
- 学年
- 総合学科1年次
- 時間
- 年間(週1コマ)/「社会と情報」の2コマを時間割レベルで1コマずつ「社情α」「社情β」に分割し、αでWebプログラミングを、βでタイピングと教科書内容を担当者2名で分けて展開した。うち中間発表に1時間、最終発表に2時間、制作準備と制作に5〜6時間/※実践は前任校のもので、記事の所属欄(愛知県立高蔵寺高校)は発表時点の異動後の学校。前任校の名前は本文に出てこない/※同じ著者の事例292は単元「プログラミング」の1時間目の作り方を扱っている
- 必要なもの
- テキストエディタ「メモ帳」(入力支援が一切行われない環境で実施すると問題点が明らかになりやすいという考えで意図的に選択)、ブラウザ、生徒アカウントごとに割り振った共有フォルダ、PCルーム前面のスクリーン、画像を受け渡す手段(校内LANにアクセスできないため、生徒が授業者の直通アドレスに送り、授業者が各生徒のフォルダへ振り分けた)、担当者2名(情報主担当者以外に「クラス数×1単位」分を受け持つ教員)
- 前提
- オーソドックスな座学は成立せず、予習復習も望めない(配付物を持参しないこともある)学力層。動機付けとして、①各自の興味が最終的な成果物になると最初から意識に刷り込む、②解説と実習と生徒同士の相談をテンポよく繰り返して一本調子にしない、③「サステナブル性」(学んだ内容が授業外で活用でき、一人でもやってみようと思えるか)の3点を設計の柱にしている。結果としてJavaScriptには至らず、HTML/CSSだけでもかなり苦労した。計画を甘く見積もったことと、つまずく生徒のケアで進度が遅れ「単なるタグ打ち教室になってしまった」ことを反省点として本文に明記している。
- 4月は、プログラミングとは直接関係のない導入から始める。「自分自身をピクトグラムで表すとどうなるか?」の制作とプレゼンテーションを行い、初めて会うクラスメートの相互理解を進めて、協働的に教えあうことの素地をつくる。
- 年度末までに「クラスメートに閲覧・評価してもらうことを目的とした、自身が興味あることについてのWebサイト制作」を完成させることを大目標として最初に提示する。最終的な成果物を当初に示してそこから必要時間数を逆算し、1年間の計画も最初に伝える。開発環境はメモ帳、作業領域は生徒ごとの共有フォルダとし、更新作業もそこで行わせる。
- コンピュータの基本的な使い方の習得に1か月をあてる。自宅にコンピュータがない生徒が半数以上で、もう一方の「社情β」で毎時間タイピング練習をしていても上達せず、当初はキー配列に戸惑って全く進まない生徒が多数だったので、ここに時間を見込んでおく。
- 毎回の授業は、PCルーム前面のスクリーンで「このタグの効果は追加後にこうなる」というビフォーアフターを逐一示し、1つのタグに5分程度解説して5分で生徒が打ち込んで更新する、というテンポで進める。行き詰まった生徒には授業者とよくできる生徒が教師役として移動して遅れをケアし、許可した時間帯に限って教室内を動き回って教えあったり相談したりすることを認める。「解説を聞く→生徒自身のPCで実際に打つ→周りの生徒に教えにいく」というスパイラルを11月の課題制作まで続ける。
- 中間発表に1時間、最終発表に2時間をあて、「原稿をただ読むだけ」を禁止して作品を自分の言葉で説明させる。制作準備と制作に5〜6時間を確保し、出来不出来はあっても全員に最終制作物を提出させる。評価は学期ごとに社情αと社情βを合算し、課題点は客観的な評価と生徒同士の相互評価を点数化する。作品をクラスメートに評価されることが、授業に取り組ませる上での良い意味でのプレッシャーになる。
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- 科目
- 社会と情報(情報モラル/オンラインでの実施)
- 時間
- 1回
- 必要なもの
- 課題を順に投稿できる仕組み(回答が互いに見える質問機能つき)、共同編集できるスライドと表計算シート(表計算では上部に教員の発言欄を固定表示すると、その場でヒントや指示を出せる)、短い解説動画、振り返りのフォーム
- 前提
- 「オンラインで授業をする」のではなく「オンラインで良い授業をする」ことを課題にする。双方向・同時・文字と映像と音声の3つを満たす形にする。オンデマンドで配った課題に生徒が一斉に取り組み、意見の共有と質疑応答はその場で行う(数分遅れて参加しても、後日参加しても支障がない)
- 単元の必要性を再確認する動画を投稿する(教員2人が対話する形にすると一方的にならない)
- 生徒が見終わった頃に次の動画とプリントを投稿する。前の回に生徒が共同編集のスライドへ書いた事例から、扱いたい観点(誤解されやすさ、広がりやすさ)に関わるものを抜き出して紹介する
- 続いて質問を投稿する(「ネットワーク上の特徴は、実際に話しているときとどう違うか」)。回答を投稿すると互いの回答が見え、コメントもできる状態にしておく
- 生徒の回答をまとめた動画をその場で作って投稿し、続いて情報の特徴を解説する動画を投稿する
- 共同編集のスライドを出席番号の数だけ用意しておき、各自が自分の番号のページに「今後どう心掛けるか」を書き込ませる。最後にフォームで振り返りを提出させる
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- 科目
- 学校全体のオンライン授業の取り組みと、情報科でのパフォーマンス課題(校長と情報科教員の対談形式)
- 時間
- 2か月間の取り組みの報告
- 必要なもの
- Google Classroom、Google Meet、YouTubeの限定公開機能、Googleフォーム、Googleサイト、教育委員会が整備した家庭のネットワーク環境支援用のモバイルルータ、スマートフォン用とパソコン用の両方の資料
- 前提
- 前年度にGIGAスクールのモデルとなる取り組みを1年早く行ってICT環境を整備しており、それがなければオンライン授業の取り組みはできなかったと述べている。生徒の状況は、スマートフォンはほとんどが持つが、パソコンを持つのは1割、無線LANがある家庭は約8割で、残りの2割はLTEか学校が用意したモバイルルータでつないでいる。/※同じ著者(校長)の事例94・130・195・234・250・360も提言型の記事
- 意外に大きな課題になったのが「印刷できない」という家庭が4割ほどあったことで、最初のうちは印刷しないとできない課題を出して生徒や保護者から意見をもらった。環境に慣れない間はある程度印刷が必要だが、慣れれば要らなくなるとも述べている
- 取り組みは4つ。4月当初から全教科でGoogle Classroomによる課題の配布・回収(入学式で1年生にアカウントを配布しておいたことが大きかった)、YouTubeの限定公開機能による授業動画の配信、1週間ごとの科目別の課題一覧表のWeb公開、ドリル型だけでなくパフォーマンス型の課題(美術でアマビエを描いて提出、音楽やコミュニケーション英語でも実施)
- 課題一覧表は教育委員会からの指示もあるが、最初から意図して学校のホームページに載せている。「この授業ではこういうことをやっている、単元のこういう課題をこう評価する」という内容で、生徒だけでなく保護者にも向けて積極的に公開すべきだとしている
- 情報科のパフォーマンス課題は、プレゼンテーションの計画書を作り、スライド資料を作り、プレゼン用の動画を撮影するというもの。スライドはスマートフォン用とパソコン用の両方の資料を配布したので全員が作成できた。動画提出は、英語科が音読を録音して提出させていたのにヒントを得たと述べている。テーマは自分の好きなものの紹介で、まだ実際に会う機会のないクラスの友達への自己紹介も兼ねており、アイスブレークにもなったとしている
- 職員のミーティングも朝夕Meetで行い、在宅勤務の教員とも情報共有できて、結果的に2か月間普段の職員会議をせずに決定と情報共有ができた。課題は、家庭の通信環境の影響で画質が粗く見にくいところがあり、同時双方向型で授業をするのは厳しいこと。今後の展望として、不登校・入院・自宅療養の生徒への対応手段になること、Googleサイトを使うと教材や生徒の作成物がきれいにまとまってポートフォリオになること、高校のICT環境はBYODが主流になることを挙げている
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- 科目
- 一般的な全日制普通科高校が学校全体でオンライン授業を始めるまでの取り組みと、情報科の役割
- 時間
- 6段階(STEP1〜STEP6)
- 必要なもの
- Google Classroom、Google Meet、フォーム、ドライブ、Chromebook、三脚・机・スマホ(黒板を撮影する方法)、書画カメラとWebサイト(ImageMate+C)、Zoom
- 前提
- 新型コロナウイルス感染症拡大前、研究広報グループが2020年度の授業研究テーマとしてBYOD・ICTを活用した授業を各教科で考えることを設定していたが、オンライン授業の展開が急務となったため導入計画を前倒しした。/※同じ著者の事例208は情報科の覚え歌の自作
- 5月の連休中にGoogle Classroomへ全科目分のクラスを作って全生徒を登録し、連休明けから各教科・科目で運用できるよう準備して、準備ができた教科から課題や動画の配信を始めた
- 学習支援グループとしての段取りを6段階に分けた。教職員がまず触れて理解する→生徒のアカウント準備と使用ルール作り→アカウント配付とルールの明示→教職員にはクラス設定・生徒登録の方法と生徒が陥りやすいトラブルへの対応ノウハウを共有し生徒にはアプリのインストールと基本操作を案内→活用を生徒に定着させ、各学年・各教科にキーパーソンを決めて運用とアカウント管理に対応できる体制を作る→オンライン授業を実施する体制を整備する
- 情報科は生徒向けと教員向けの2方向でアプローチした。生徒向けには、操作に戸惑いやすい点についてサポート動画を作り、学校ホームページから誰でも見られる「活用サポートページ」を作成して、困ったらそこを見るように伝えた
- 教員向けには『裾野を広げる』活動として、「オンライン授業」を「広く・手軽」に「誰にでもできる」を目的に置いた。高度な技術を使っても誰もができるわけではないので、「誰もができる」を目指すことが体制作りのキーポイントだとする。在宅勤務の先生も校外から見られるよう学校ホームページで情報を共有し、黒板の授業を三脚・机・スマホで撮る方法、Chromebookのみで作る方法、書画カメラをChromebookにつないでWebサイトで動画にする方法、Zoomを使う方法を発信した
- Meetでは時間割を組んで各科目の担当者を決め、配付した課題の質問を受ける「質問受付時間」を作った。研修の様子もMeetで撮影して配信しながら行った。まとめとして、校長主導で教員同士の意見交換の場を設け、興味のある先生を中心に積極的な情報共有に取り組んだことが体制を作れた要因だとし、情報科はプロだからこそ高度な技術ではなく簡単に誰もができる方法を目指して「密かに本気を出す」ことが重要だと述べている
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- 科目
- 情報Ⅰ(コミュニケーションと情報デザイン)
- 時間
- 12回のうち後半6回
- 必要なもの
- テキストエディタとブラウザ、Webサーバの環境(作成者以外がそのページを編集できないよう権限を設定する)、印刷した絵コンテとサイトマップの用紙、教員が作った見本のサイト
- 前提
- 情報デザインは自己表現ではなくコミュニケーションであることを、最初に1時間かけて押さえる。制作は授業時間内だけで完結させる(時間外を認めると部活や他教科に影響が出る。納期を守ることも意識させる)。作成条件は先に明示する(後出しにしない)。教員が「この程度でよい」という60点レベルの見本を作って見せる。相談したり教えたりするのはよいが、作業を代わってやるのは認めない(跳び箱が跳べない友達の代わりに跳んでも、その子のためにはならない)
- コミュニケーションの仕組みを説明する(人にはテレパシーがないので何らかの形で表現する必要がある。言語的な情報と視覚・聴覚的な情報が矛盾したときは後者が優先される)。そのうえで「情報デザインはコミュニケーションであり、独りよがりであってはいけない」ことを1時間かけて押さえる
- 実在のメーカーの広告サイトを見て、何を訴えようとしているかを考えさせる(なぜこのマークがあるのか、なぜこの服なのか、なぜこの色なのか)。あわせて写真の大きさや色使いの工夫にも意識を向けさせ、グループで気づきを共有する
- HTMLの基本を1時間弱で教える。画像の取り込みを先に済ませてからHTMLに入ると流れがスムーズになる(順序が逆だと取り込みに1時間かけてHTMLを忘れる生徒が出る)。リンクの練習は隣の生徒と相互リンクを作らせる(練習用のファイルをそのまま課題に使えるうえ、公式サイトへのリンクより盛り上がる)
- テーマを決めてグループでサイトを作らせる(見る相手は「このパソコン教室に来る人全員」と設定する)。条件を先に示す——1人1枚以上作る/トップページと相互リンクする/画像を必ず1枚入れる/画像は100KB未満/写真は必ず自分で撮ったものを使う。先に紙で絵コンテとサイトマップを手描きさせ、ファイル名・色使い・文字の配置など統一感を4人で話し合って決めさせる。制作は2時間
- 3時間目に評価と振り返りを行う。教員が作った全チームのリンク一覧から他のサイトを見せ、注意点(アクセシビリティ、画像の大きさ、サイトとしての統一感)に沿って確認させる。グループで修正方針を3分で決めさせ、修正の時間を取って改善させる
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- 科目
- 小学校教員向けのプログラミング研修で何を伝えているかの報告(小中高のつながりの観点から)
- 学年
- 小学校(研修の対象。低学年の活動例も含む)
- 必要なもの
- 大阪府教育庁と大阪府教育センターが作成した「コンピュータに関わる情報活用能力を育むカリキュラム例」(Webで公開)、Scratch、小型マイコンボード
- 前提
- 著者は大阪府教育センターで小学校教員のためのプログラミング研修を行っている。「プログラミング教育」という言葉だけが注目されているため、研修では「情報教育とは何か」から話し、情報教育の目標が「情報活用能力の育成」であること、3観点(情報活用の実践力/情報の科学的な理解/情報社会に参画する態度)をバランスよく育成し、プログラミングをすることだけにならないようカリキュラムを考えることを伝えている。
- 小中高の段階的な育成を図で示し、小学校の先生には「小学校で何を身に付けさせて中学校に送るのか」、中学校の先生には「小学校でどんなことを学んだ子どもが来るのか」を意識してもらう。高校の先生にも、小中学校で何を学んで入学してくるのかを意識してほしいと述べている
- アンプラグドだけでよいのではないかという質問への答えとして、人をコンピュータに見立てて命令しても「命令している人はこんなことを考えているのではないか」と考えてしまうこと、道案内の例で壁の前で「一歩進む」と命令されると人は躊躇するがロボットカーはそのまま壁にぶつかることを挙げる。こうした体験にはアンプラグドだけでは難しいとしつつ、アンプラグドを否定するのではなく、コンピュータを使ってからアンプラグドをすると考え方の整理に役立つとしている
- 体験の意味について、機械の中に何があるかを知ることが大事だという指摘と、「野球をやっているから大谷翔平のすごさがわかる。体育をやったからといって皆がアスリートになるわけではないが、体験してみることに意味がある」という発表者の言葉を紹介する。小学校でリコーダーを買って中学校でも使うように、小型マイコンボードも1人1台買って小学校1年から学年に合わせて使い、卒業制作でオルゴールを作り、中学校の技術科でも使って高校ではPythonで動かすという積み上げがあればよいとしている
- カリキュラム例では、教科書に載っている5・6年生の活動だけでなく低学年の活動も載せ、「コンピュータを使わなければいけないから使ってみよう」でプログラミングが目的の活動にならないよう、教科の内容を深めるために使う単元として考えている。2年生国語の「主語と述語に気を付けながら文をつくろう」を英語のアンプラグド教材にヒントを得て作った例や、算数の多角形でScratchのネコは前を向いて動くので上から見たネコにしたほうがわかりやすいという一言のヒントを教材に入れている例を挙げる
- コンピュータと人間の考え方の違いを知ることも大事だとして、公倍数を1から順に割り切れるか見ていく方法をコンピュータなら1000くらいまで一瞬でできるが、人間は速く計算できない代わりに最小公倍数という考え方を知っている、という対比を挙げる。高校にぜひやってほしいこととして「情報社会に参画する態度」の技術者としての倫理と法律の知識を挙げ、コンテストに出る優秀な子どもと犯罪を犯す子どもの知識や技術のレベルはそんなに変わらないという新聞記者の言葉を引いて、倫理やモラルを学ぶ機会を作ることが大事だと述べている
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- 科目
- 情報の科学(各単元でのプログラミングの活用)
- 学年
- 高校1年
- 必要なもの
- 表計算ソフトのマクロ言語、自動販売機を模した実習ファイル、画像を描くコード、セキュリティの体験用ファイル
- 前提
- 一からプログラムを書かせるのは難しいので、コードを与えて「これは何をしているのか」を考えさせる形にする。まずプログラムが読めるようになることを優先する(英語で文法が分からなければ書けないのと同じ)。プログラミングの用語は日常で使わないため、身近な題材から入る
- プログラミングの基本を自動販売機を題材に学ぶ。変数、値の代入、そして「=」は左辺と右辺が等しいという意味ではなく「右辺を左辺に代入する」矢印のような意味だということを扱う。まず紙幣の絵をクリックすると投入金額の欄に金額が表示されるプログラムから始める
- 硬貨をクリックすると投入金額に加算される、購入ボタンで減算される、レバーを引くとおつりが出る、と部品ごとにコードを書かせる(ほとんど書き写すだけになるが、代入の考え方と変数の使い方を学ぶきっかけにする)
- 情報のデジタル化の単元で、数値の表からモノクロ画像を表示するプログラムを扱う(マスが0か1かを判定して白黒に塗り分ける)。コードをそのまま与えて「これは何をしているのか」を考えさせ、実行とコードを見比べることを繰り返させる
- カラー画像に進む。条件分岐で赤・緑・青の3ビットから8色に塗り分ける。条件の数値部分だけを穴埋めにして、どの数値のときにどの色を出すかを決めさせる(生徒は自分で数値を書き換えて絵を作り始める)
- 情報セキュリティの単元で、ボタンを押すと「振り込まないとこのメッセージは消えない」と表示され、押すたびに金額が増えるファイルを体験させる。こうしたものが簡単なプログラムでできてしまうことを確認させる。続いてシーザー暗号のコードを与え、1行ずつ何を表しているかを考えさせる
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- 科目
- 情報(情報デザイン/Webページ制作)
- 必要なもの
- テキストだけを入力しておいたHTMLファイル、真ん中の部分の色だけが違う2つのWebページ、グループごとのホワイトボード(A3より少し大きい程度)
- 前提
- 見本を渡して同じものを作らせる形(写経)をやめる。テキストだけが入ったHTMLファイルを配り、タグを少しずつ足させて、動かして確かめ、うまくいかなければ自分で直させる。似た事例を2つ比べさせて、共通点や差異から機能の違いを生徒自身に発見させる
- あらかじめテキストだけを入力したHTMLファイルを配り、タグを少しずつ足させる。実際に表示してどう変わったかを見せ、うまくいかなければ自分で検証して直させる(入力したタグがページの構造を作っていることを理解させる)
- CSSは段階的に導入する。まずHTMLファイルの中にプロパティを書く形から始め、次にHTMLファイルとCSSファイルを分けて作る形に移る
- 真ん中の部分の色だけが違う2つのWebページを用意し、「この色を揃えるにはどんな方法があるか」を考察させる。共通のスタイルを揃える方法と、個別に値を揃える方法の2つがあることに気づかせる
- 実際にそれぞれの方法で修正させ、色を変えるときにどちらがどれだけの手順で済むかを確かめさせる(共通のスタイルを使ったほうが手順が少ないことを、説明ではなく操作で経験させる)
- 最後の課題として「共通のスタイルを使うほうが少ない手順で済むのは、どのような仕組みになっているからか」を説明させる。文章では難しいので図で描かせる。グループにホワイトボードを渡して図を描きながら相談・相互発表させると、個人で書かせたときより理解が上がる
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- 科目
- 情報(アルゴリズム)
- 必要なもの
- 流れ図のワークシート、席替えの並び順の条件(背の順・部活動順・誕生日順など)
- 前提
- アルゴリズムをプログラミングと抱き合わせず、日常の場面で扱う。教室の席替えを「並べ替え」の問題として使う。手順の説明は図で行わせる(言葉より表現の揺らぎが少ない)
- アルゴリズムという言葉を説明し、「ソート」と組み合わせて調べるといろいろな手法が出てくるので、その中からよさそうなものを使ってよいと伝える
- 流れ図に慣れさせるため、まず「おにぎりのにぎり方」の流れ図を書かせる
- 書いた流れ図を隣の人と交換し、その流れ図でおにぎりが握れるかどうかを確認し合わせる
- 席替えの並び順の条件(背の順・部活動順・誕生日順など)を示し、どう並べ替えるかの流れ図を書かせる
- 書いた流れ図に従って実際に席替えをさせる(考えずに全員が動くと右往左往して終わらないことを体験させ、手順を決めてから動くことの意味に気づかせる)
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- 科目
- 情報(プログラミング)
- 時間
- 6時間(導入2時間+プログラミング4時間)/事前に2か月の自習
- 必要なもの
- オンラインのプログラミング学習サービス、手引きとなる自作の教材(迷ったとき教科書のどこ・ネットのどこを見ればよいかを示したもの)
- 前提
- 丁寧に教える形から、生徒が自ら学ぶ形に変える。基本構造は事前に自習させ、授業では教えない。教員が説明するのは、自習教材と授業との違い・提出の仕方・トラブルが起きたときの解決方法だけにする(10分程度で済む)
- 別の実習(2か月間の制作活動)の期間に、オンラインの学習サービスでプログラミングの基本構造と言語の基礎を自習させておく(レベル1〜3で教科書の内容がほぼカバーされる)
- 導入としてゲーム形式の教材とビジュアル型の言語を1時間ずつ行う。「変数とは」「繰り返し命令とは」といった基本は予習済みとして教えない
- プログラミングの授業の冒頭で、自習教材や教科書とこの授業との違い、提出の仕方、トラブルが起きたときのデバッグの方法だけを説明する
- 前半2時間で構文・総和の計算・九九のプログラムを行う。友達と相談してよいこととし、「今日はここまで」というノルマを与える形にする(二重ループで苦しむ生徒が出る)
- 後半2時間でソート・変数の入れ替え・配列を使った探索や席替えのプログラムを作らせる。教科書のプログラムはデータ量が多くそのまま打たせると写経になるので、データ構造の部分だけを抜き出したものを渡す
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- 科目
- 情報Ⅰ(年間の実証:情報の科学に情報デザインとデータ活用を足す)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 想定56時間(実際は最少49時間)
- 必要なもの
- 公開されている年間指導計画(ミニマムプラン)、プレゼンソフト、3分間の料理番組の映像、ポスターセッションの場、統計処理ができるサイト
- 前提
- 最小授業数のクラスに合わせて計画を作る(情報は1回分のパッケージをきっちり作らないと回らないため、数学のように2回の内容を3回に分ける調整ができない)。探究の時間で必要になるスキルを、先に情報の授業へ取り込んでおく。講義型を減らして生徒が主体的に動く形にする
- 1学期は問題解決の基本(流れ、発想法、情報セキュリティ、Society5.0)を扱い、アイデア出し・調査・話し合い・発表・評価のグループワークを行う。ログインのパスワード変更やアンケート・ポートフォリオの書き方も、探究で提出物を上げるときに必要になるので身につけさせる
- PCの操作は「Wordの実習をします」ではなく「簡単なレポートを作成するので、実習ではWordを使います」という形で、目的のためにツールを使う流れにする
- 【情報デザイン①】3分間の料理番組の映像を見ながらメモを取らせ、材料と作り方を3枚のスライド(表紙+フリップ2枚)にまとめさせる。制作は約10分。班の中で見せ合ってコメントを入れる相互評価を行う(調味料をまとめて記号でくくるなど、経験のある生徒の書き方が高く評価される)
- 【情報デザイン②】学校のPRを考える課題を6回で行う。4人グループで1つのテーマに具体例を3つまで出す(3人が1つずつ出し、1人がまとめ役として整理する)。3回目にポスターセッションと相互評価を行い、評価をグループで検証してから、6回目までにWebページを作る(HTMLは基本的なタグだけでよく、やりたい生徒はスタイルシートを使ってよい)
- プログラミングは集中授業ではなく分散して少しずつ時間を取る。事前に外部教材で学習させていても、サンプルなしでゼロから書かせると書けないので、例題と同じものを入力して練習する経験を確保する。データ分析は理論を扱わず、集めたデータで「自分の考えではなく数字に語らせる」方法として紹介する
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- 科目
- 情報(問題解決/不確定な状況での意思決定)
- 時間
- 1回(時数調整として)
- 必要なもの
- カードゲーム(1〜15の手札と、1〜10・−5〜−1の得点カード)、黒板、各列に1人ずつのサポート役
- 前提
- 時数が余ったクラスの時間調整として行う。得点カードの出る順番は偶然に任せず、あらかじめ決めておく(最終的に勝つにはどの手札から出すべきかを考えさせるため)。使った手札と出た得点カードは板書して全員に見えるようにする(本来は各自の記憶に任せるルール)
- ルールを説明する。各自1〜15の手札を持ち、場に出た得点カードに対して手札を1枚伏せて出す。得点カードが正の数なら最も大きい手札、負の数なら最も小さい手札を出した人が獲得する
- 同じ数字を出した人が複数いればその数字は無効になり、次に大きい(小さい)人が獲得する。全員が無効なら得点カードは持ち越され、次の勝者が合算して獲得する、というルールも説明する
- クラスを6グループに分け、どの手札を出すかをグループ内で相談して決めさせる。各列に1人ずつ、手札の回収と点数処理を行うサポート役を置く
- 得点カードを教卓に山積みして上から順に開く。使った手札と出た得点カードを黒板に記録し、各チームの得点も書き込んでいく
- 生徒は板書の情報(自分たちの残り手札・他チームの残り手札・残りの得点カード)から、どのカードを出すのが最も効果的かを考える。15ラウンド行い、得点の合計で勝敗を決める
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- 科目
- 社会と情報(プログラミング・情報デザイン・データの活用)
- 学年
- 高校3年
- 時間
- プログラミング12回程度+情報デザイン+データ活用
- 必要なもの
- プログラミングの実行環境(インデントの補正や色分けが自動でされるエディタ)、ベクター描画のソフト、教員が用意した下絵、作品を見せ合う場、アンケートを集めるフォーム、表計算ソフト
- 前提
- 「誰もができる授業」を目標にする。振り返りの文章は教員が抜粋するとバイアスがかかるので、テキストマイニングで見る
- 【プログラミング】ゲーム要素のある教材ではなく、あえて分岐・繰り返し・配列・乱数・関数・整列といったクラシカルな内容にする。最初につらい授業になることを宣言しておく。写経の打ち込みから入り、「printと打てたら手を挙げなさい。次に括弧はシフトを押しながら8」というレベルまでスモールステップで刻む
- 【プログラミング】繰り返し、および配列と繰り返しを織り交ぜたところに時間をかける(最も躓く箇所。ここを越えられれば整列まで進める)。分岐は2択を例に出してから3択を応用させると、悩みながらでもできる
- 【情報デザイン】「伝わることが重要で、絵の上手・下手とは関係ない」ことを繰り返し強調する。描画ソフトの操作は、まずハート形を描かせて各種の操作を体験させ、次に教員が用意した下絵でイラストを描かせる
- 【情報デザイン】ピクトグラムを作らせ、最後にロゴマークを作らせる(何を伝えたいか、描いたものがそれを表現できているかを考えさせる)。作りっぱなしにせず相互展覧会を行い、意図が伝わるかどうかを観点に互いに評価させる(眺めるだけで終わらせない)
- 【データの活用】まず「学習時間とスマートフォンの利用の関係はどうだと思うか」を予想させる。実測データで相関係数を出すと予想ほど高くないことを見せる(試験問題で見慣れた0.98のような数字は現実には出ないと伝える)。その後グループで自分たちのテーマを立て、調査・分析・発表させる。単元の最後に疑似相関を扱う
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- 科目
- 情報科(統計・データサイエンス)※本文は情報Ⅰ「(4)情報通信ネットワークとデータの活用」・情報Ⅱ「(3)情報とデータサイエンス」を見据えると述べている
- 学年
- 本文に明記なし(クラス単位のアンケート実習。あるクラスは28人)
- 時間
- アンケート実習と発表で計6コマ+相関・因果のグループワーク(解説30分+ワーク1時間)+バイアス検証のグループワーク+定期試験と振り返りアンケート/※事例136は同じ実践を全国大会で報告したもので、本文からリンクしている。この事例141は「全高情研+α」、すなわち3つ目の疑い(バイアス)を加えた版
- 必要なもの
- Googleフォーム(4択でクロス集計表にできる設問)、10円玉(生徒全員がコイントスをする分)、フィッシャーの直接確率計算ができる環境(数値を入力するとワンクリックで有意か否かを判定してくれるサイトがある)、二項分布を10万通り試行できるコンピュータ環境、慶應義塾大学(SFC)の入試問題(コーヒーメーカーと生産性の疑似相関/糖尿病と平均年収)、新聞の世論調査の結果と設問文のセット(読売新聞。電子ジャーナル「ヨミダスforスクール」の契約から作成)
- 前提
- イチからデータサイエンスの授業を始めるのではなく、以前から行っていたアンケート実習(テーマを決め、アンケート集計をして、プレゼンのスライドを作り、発表する)を改良する形で組んでいる。仮説検定の「流れ」も「計算」も生徒に理解させるには難しすぎるという行き詰まりに対し、江戸川大学の研究会でJimmy A. Doi先生が紹介していたSBI(Simulation Based Inference)を使う。情報科で仮説検定を扱う目標は「仮説検定の考え方を学ぶこと」なので、計算自体はパソコンに任せる。1年目は仮説検定で授業を止めたため、連関の証明を因果関係と取り違えて発表する生徒が多く出た。その失敗を受けて、相関・因果の検討をセットで取り入れている。全体は「統計調査3つの疑い」——分析結果の確実性を疑う(検定)、考察の妥当性を疑う(相関・因果)、主張の有効性を疑う(バイアス)——という構造になっている。
- 仮説検定とは何かを、コインチェックの喩えでざっくり説明する。ギャンブルに参加する前にコインを50回投げてみて、表が24回や22回ならまだしも、表が2回だけならこのコインはインチキだと判断してゲームに参加しない。「差がない」という仮説を設定し、実験をして、ありえないことが起きたら「差がある」と主張する——これが仮説検定だと示す。
- 「Helper vs. Hinderer」の心理実験でシミュレーションによる棄却を体験させる。「お助けマンと邪魔マンの動画を見せた後に形を選ばせると、赤ちゃんは16回中14回お助けマンを選んだ。だから赤ちゃんは善悪の区別がついている」という結果を示すと「適当に決まっている」という反論が当然出るので、10円玉を配って全員にコイントスをさせ、「差がない(適当に選んでいる)」状態を再現してヒストグラムを作らせる。16回中14回以上が生じる確率は0.2%でまず起きないことを確かめ、棄却の流れをやってみせる。さらにコンピュータで10万通りほどシミュレーションするときれいな二項分布になるので、生徒にすんなり腑に落ちる。仮説検定で教えなければならないことはこの流れに全部入っている。
- 自分たちのアンケート調査に入る。従来の実習に加えた指示は「2×2のクロス集計表に落とし込める形の設問でアンケートをする」の1点だけ(自由度は減るが「おかげでアンケートを作りやすくなった」という意見も出た)。調べたいことを4択の選択肢にしてGoogleフォームに入れれば、アンケートは5〜10分でできる。手集計をさせたうえで、2項検定では物足りないのでフィッシャーの直接確率計算を使う(クラスで運動部所属15人・運動好き14人なら両方に当たる人の期待値は7人、というように期待値どおりの表と実測値を比べて実測値がどれだけレアかを計算する。計算はパソコンに任せる)。有意差は全員に出るわけではなく、あるクラスでは28人中11人だけだったが、有意でなかった生徒の方が自分の仮説を通そうと頑張るので、いつものプレゼン実習よりはるかに発表にオリジナリティーが出る。
- 「2つ目の疑い」として、相関か因果かの検討を行う(解説30分、ワーク1時間)。慶應義塾大学(SFC)の入試問題を解説に使う——「職場にコーヒーメーカーを置くと生産性が向上する」という提案は疑似相関で、背景に厳しいリーダーが存在して生産性も上がったがストレスでコーヒー消費量も増えていた、という関係が隠れている。この関係の図示をヒントに「糖尿病と平均年収」を図示させる問題を演習させたうえで、「自分たちの研究で有意になったものに対して本当に因果関係があったのか、見落としている要因や方向性はないか、図示してみなさい」と4〜5人のグループでワークをする。
- 「3つ目の疑い」として、バイアスの検証をグループワークで行う。誰に聞いたのかの「選択バイアス」、いつ・どう聞いたのかの「情報バイアス」、分析時の「交絡バイアス」を示し、脱落バイアスの例を扱う(効果が何もないジムでも、続かない人や効果がないと感じた人が抜けていくので、1年後には効果があった人しか残らず「95%が痩せていた」になる)。素材は「怪しい調査を探そう」にはしない——以前それをやると生徒はGoogleで「怪しいグラフ 統計」を検索してどこかで見たグラフばかり出てきて終わったため。あえて怪しくなさそうな新聞の世論調査を使う(読売新聞の世論調査は、誰に・何を・どのように聞いたか、調査票の送り方、回答者の内訳まで、バイアスの検証に必要なことが全て書いてある)。4〜5人のグループで「ここにバイアスが掛かっているんじゃない?」「この結果からこの結論を持ってくるのは無理じゃない?」を話し合わせる。最後に3つの疑いに基づいた定期試験と振り返りのアンケートで実践を完結させる。
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- 科目
- 情報の科学(プログラミング)
- 学年
- 高校3年(選択)
- 必要なもの
- テキスト型言語の実行環境(ブラウザで使えるものと、ライブラリが同梱された環境の両方)、実行ファイルに変換する仕組み、作品を置く共有フォルダ
- 前提
- 英語でコーディングする体験をさせたいので、日本語やブロック型ではなくテキスト型の言語を使う。作ったものを実行ファイルにできることを重視する(共有フォルダに置けば互いに遊べて相互評価ができ、教員がコードを見て良し悪しを判断する負担も減る)。生徒が工夫できる「余白」を残す
- 数当てゲームを作らせる(分岐・繰り返し・乱数・データの入出力を一度に扱える)
- 関数の作成と利用のために、ユークリッドの互除法を扱う
- 数学が得意なライブラリを呼び出して、高校数学の内容に取り組ませる
- 写真から顔を認識するプログラムを作らせる(アナログな情報の認識は人工知能の入り口で、デジタルカメラなどで実生活で経験しているため反応がよい)
- タイピングゲームを作らせてGUIのプログラミングを体験させる。音や背景画像を加えて思い思いにカスタマイズさせ、実行ファイルに変換して共有フォルダに置き、互いに遊んで相互評価させる
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- 科目
- 情報科の予算で買える5万円以下の消耗品・機材の紹介と、予算申請のコツ
- 必要なもの
- ミニドローン(安定性が高くスマホで制御でき、カメラで写真も動画も撮れる。バッテリーが7分程度しか持たないのでバッテリーやプロペラのセット品を推奨)、スマートスピーカー(テザリングでも動く)、スマホを挟む型のVRゴーグル(百均の段ボール製は調節機能がないので不便)、360度カメラ(全天球カメラ)、ミニコンピュータ(本体は2000円台。マイクロUSBケーブルは百均のもので代用)、オートフィーダー付きドキュメントスキャナー、普通紙で処理できるOMRソフト(2万円少々)、プリンター台にする台車、ブックスタンド、ファイルワゴン、各種変換ケーブルと電源タップ、フォーンプラグ一式
- 前提
- 学校の予算には公費(自律経営推進予算)と私費(生徒会費)があり、物品購入は基本的に公費で、消耗品は「一般需用費」にあたる。東京都では消耗品として購入できる金額が10万円以下になったが、多くの自治体の基準は5万円以下なので、その範囲で紹介している。予算に対する考え方は、以前は生徒全員が使える物や授業で使える物だったが、最近は部活や行事に貸し出せたり他の教科でも活用できたりするものを買うように変わってきた。/※同じ著者の事例291も報告型の記事
- ドローン・スマートスピーカー・VRゴーグル・360度カメラは、Society 5.0の政府広報の動画に出てくるものを「実際に触れてみないと感触がつかめない」という考えで揃えている。ドローンは動画の最初にドローン配送が出てくるのに実際に飛ばしたことがなくてよいのかという問題意識から用意し、ScratchやPythonで制御できるエデュケーションバージョンもあるのでプログラミングの授業にも使えそうだとしている
- ミニコンピュータは本体2000円台で、百均のプラスチック箱に本体と百均のケーブルを入れて生徒1人に1台渡して授業で使っている。1クラス分40台+予備2台でも10万円以内で購入可能だとする(micro:bitは高大連携で大学から借りている)
- 校務側では、オートフィーダー付きのドキュメントスキャナーを勧める(1クラス40人分のプリントを1分少々で両面読み取りできる)。相性がよいのがマークシート読み取り装置で、専用紙は意外に高額なので、普通紙で処理できるソフト(2万円少々)ならランニングコストが学校の普通紙だけになる
- ほかに、プリンターを床に直置きせず台車に載せるとパソコン室のレイアウト変更が手軽にできること、キーボードを打つとき教科書を立てられるブックスタンド(自分用に百均で購入)、情報の書籍がたまるのでコンピュータ室内に置くファイルワゴン、HDMIとVGAの変換ケーブルや電源タップ・フォーンプラグ一式(講演で「変換ケーブルありませんか」と言われることが多い)を挙げる。殺風景なコンピュータ室にウォールステッカーを貼ったところ生徒に「小児科っぽい」と言われたが、生徒が来たくなる部屋を作ることは大切だとしている(これは予算請求で購入したものではないと注記)
- 予算のコツは2つ。11月頃に予算編成の連絡が来て12月の多忙な時期に締め切りが来るので、気付いたり思いついたりしたらすぐその場でメモしておき、1年かけて蓄積したものから申請に回すこと。もう1つは1年で全部買おうとせず3年計画・4年計画で考えること(40台欲しいなら10台ずつ4年計画)。補正予算や部活振興費など特別につく予算にもアンテナを伸ばすとよいとし、無料のものや百均にも目を向けて教材を充実させることが大切だと述べている
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- 科目
- 情報の科学/専門科目「アルゴリズムとプログラム」
- 学年
- 高校2年(8コマの場合)/2〜4年(25コマの場合)
- 時間
- 8コマまたは25コマ
- 必要なもの
- テキストエディタと実行環境(インストール不要のものを選ぶと環境構築が楽)、アルゴリズムをゲーム感覚で学べる無料の教材
- 前提
- 言語を選ぶ前にゴールを決める。ゴールには段階がある——プログラミングに興味を持つ/プログラミング的思考を育む/書けるようになった体験をする/大学や専門学校につながる基本制御構造/ソースコードが読める/探究に活用できる。誰を対象にするか、何コマ取れるかでゴールが変わる。「プログラミングスキルを身に付ける」だけではゴールとして不十分
- 単元のゴールを先に決める(コマ数と対象に応じて、上の段階のどこに置くかを定める)。そのゴールに合う言語を選ぶ
- アルゴリズムをゲーム感覚で学べる教材で、基本制御構造を体験させる(生徒はこれを好んで取り組む)
- 数当てゲームのルールを説明する。3つの数を順番通りに当てるもので、数と順番が合っていれば「ヒット」、数は含まれるが順番が違えば「ブロー」と伝え、3ヒットを目指す。実際のやりとりを例で示す
- ゲームを作らせる。順次・繰り返し・分岐の基本制御構造を習得させる
- カスタマイズが利く課題なので、生徒のレベルに応じて追加課題を与える(進捗が大きく異なるが、コツをつかむと複雑な課題にも試行錯誤しながら取り組めるようになる)
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- 科目
- 情報(プログラミング)
- 時間
- 12回
- 必要なもの
- テキスト型言語の実行環境、12回分の課題(公開されているもの)
- 前提
- 「手順を組み立てる」ことを目標にする。冒頭の説明を短くして、あとは各自のペースで進めさせる。早く終わった生徒は周りに教えてよいことにする(教えることでさらに力がつく)
- 各回の最初の10分程度で、その日に取り組むことを全員に説明する
- その後は個人に分かれてそれぞれのペースで進めさせる(分かる生徒はどんどん先に進む)
- 分かりづらいところがある生徒には、その都度こちらから解説を入れ、そのあとは自力で取り組ませる。とくに配列と繰り返しを織り交ぜた部分は躓きやすいので、ここを丁寧にフォローする(分岐は中学校で扱うためほぼできている)
- 早く終わった生徒は周りの生徒に教えてよいことにする(12回かけて終わる生徒もいれば、9回目で整列まで終わる生徒も出る)
- 毎回、課題の振り返りの時間を5分程度取り、自由記述で書かせる(「手順を意識したか」「手順以外で学んだことはあったか」を問う)。抜き打ちで「配列の中から最小値を求める」課題を、人に聞かず10分の制限時間で解かせて到達を確かめる
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- 科目
- 情報(統計/仮説検定と相関・因果)※プレゼン実習の改変として実施
- 学年
- 特進クラス・進学コース
- 時間
- 記載なし/※同じ著者の事例141は、この実践を神奈川県の報告会で「全高情研+α」として再報告したもので、バイアスの検証(3つ目の疑い)が加わっている。事例141の本文からこの記事へリンクがある
- 必要なもの
- 10円玉(16回のコイントスの実験用)、正の字を書くプリント、アンケートフォーム、フィッシャーの検定ができる統計環境(Rの標準パッケージ)、大学の小論文の過去問、疑似相関クイズの材料
- 前提
- 新学習指導要領では数学Ⅰに加え、情報Iでも仮説検定や相関・因果について扱うことが明示されている。/統計には苦手意識を持つ生徒が多い。さらに今回の改訂で「情報=パソコン教室」という誤ったイメージが補強され、「理屈で理解した内容のパソコン作業を行うのが『情報』」という思い込みにつながりそうで心配している——コンピュータはあくまで情報を学ぶための手段の1つ。/とはいえ統計の理屈を詳細に扱ってしまうと、時間的な制約もあり、結果として情報の授業が楽しくなくなってしまう。/情報科では数学と同じ「統計学」的なアプローチを取る必要はなく、情報科らしい「統計法」的なアプローチがあるはず。/手法の選定:一般的なt検定を持ってくるといろいろな数式が絡んで生徒は面倒くさくなりやるのが嫌になる。二項検定は「ある・ない」の判定だけであまり展開が広がらない。t検定は難易度が高く踏み込み過ぎ。「なんとなくわかる感」という程度がちょうどよい。/SBIのアプローチは数学Iの新学習指導要領解説にもほとんど同じことが載っているが、数学の教科書はそこから反復試行の計算に持っていってしまう。/2×2のクロス集計表という縛りをつけることで、かえってテーマが考えやすくなったという生徒もいた。/この実習の難しいところは質的調査になるため、「運動が好き」「成績が良い」という質的データをいかに正確に取るか——主観を頑張って客観的な数字に落とし込む作業をここで経験できる。/結果的に全員に有意差が出るわけではない(あるクラスでは28人中11人)。むしろ有意にならない方が考察できる点もたくさんあり、発表はとてもしやすくなった。/単なる「好きなものプレゼン」と違ってコピー&ペーストに陥ることもなく、自分の立てた仮説なので必死に考察しようとする。/相関があっても因果を示すわけではない。疑似科学にだまされてしまうような状態で生徒を放り出すわけにはいかないので、検定を扱うのであれば相関・因果を必ずセットでやらなければならない。/理解度調査の結果:仮説を述べる問題はそれなりに正答率が高いが、有意差が無いことの正しい解釈に関する問いの正答率は低い(検定の非対称性はやはりまだ少し難しい)。相関と因果の違いを記述する問いには8割以上が正解。第3変数を見つけて対照実験を提案する記述問題は、進学コースでも正答率7割近く。/生徒の感想に「情報リテラシーは、情報をむやみに疑うことではないと実感した」があった
- 仮説検定の理屈を、確率変数や密度関数などの数式を使わずにSBI(simulation-based inference=シミュレーションに基づく推論)のモデルで説明する。まず「仮説検定は結局たったの3ステップ——仮説を立てて、実験をして証拠を集め、証拠に基づいた結論を出す」ことを示す(コイントスの例:インチキかどうかを確認するために50回投げて25回表が出ると予測し、実際に24回なら偶然、22回もやはり偶然と言えるが、2回になったら明らかにインチキなコインだと判定できる)
- 赤ちゃんに対する心理実験の話を持ってくる——「赤い玉が坂を頑張って登ろうとするのを、上からは三角形が邪魔し、下からは四角形が助ける動画を赤ちゃんに見せ、その後好きな画像を選ばせると16回中14回四角い方を選ぶ。つまり赤ちゃんは『手助けする行為』を理解できている」という研究。いきなりこの話をすると生徒は「こんなことでわかるわけない」「たまたまでしょ」と言うので、本当にたまたまが起こり得るのかを検証するために、10円玉で16回コイントスをする実験を行う。生徒にそれぞれ正の字を書かせ、表と裏を調べてグラフにする。「5回の人」「6回の人」と順に手を上げさせると結構きれいな山型になり、14回はほぼありえない数だとわかる——激レアなことが起きたのだから単なる偶然ではない、という結論が導ける
- 生徒がわかるレベルの仮説検定として「フィッシャーの直接確率計算」を扱う。クロス集計表を作って、この表のレア度を判定するもの(例:運動部が15人で運動好きが14人の場合、左上のマスに入る人数の期待値は7人になる——このくらいの計算なら生徒も簡単にできる)。この表から極端にずれていたら偶然ではない理由になる、という説明の仕方をする
- 「実際に仮説検定を使って、クラスの実態調査をしよう」という課題を出す。今までのプレゼンやアンケート実習から変えるのは「2×2のクロス集計表に落としこめる内容で作ろう」という縛りだけ(クロス集計なら必ず四つのパターンに分岐ができるので、この4択だけを回収すればよく、アンケートフォームを使えば5分から10分で集計まで終わる)。検定は統計環境の標準パッケージに入っているのでコンピュータがp値まで出してくれる。この結果に基づいてプレゼンテーションを作り、総合評価をする
- 相関と因果を必ずセットで扱う。最初にグループワークで疑似相関クイズを行う(消防車が出動すると火事が大きくなる、暴力シーンを見ると非行に走ってしまう、アイスが売れると水死者数が増える、といった例を生徒に書き出させる)。そのうえで「これ実は入試問題にも出たんだよ」と大学の小論文の過去問を解かせる(相関と因果の違いの定義を答える問題、要因間を図示して分析する問題)。それから「人の意見に文句を言うのではなく、自分たちの結果を検証し直そう」と提案し、自分たちの研究結果について第3変数を探して図を作り、前に出て発表させる(一番もっともらしいことを言えた人が優勝というルールにすると盛り上がる)
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- 科目
- 課題研究(情報系のプロジェクト)
- 学年
- 高校2年
- 時間
- 年間(学校設定科目)
- 必要なもの
- テキスト型言語の実行環境、表計算ソフト(シナリオの管理と書式変換に使う)、画像処理ソフト
- 前提
- メンバーの得意分野(プログラミング・イラスト・文章)に応じて班を分け、それぞれが独立して作業できるようにする。プログラム班にはダミーのシナリオと画像で先に組ませ、画像のサイズは端末の画面に合わせて先に指定しておく
- 話し合いでテーマを決める。既存の学校紹介ページに「面白さが伝わってこない」という課題を見つけ、中学生に向けて親しみやすく伝えるものを作るという方向を定める
- 全員でストーリーの大枠を決め、ルートを設定する(導入と結末/各教科の指導方法を紹介するルート/学校行事を紹介するルート/部活動を紹介するルート)
- シナリオ班・イラスト班・プログラム班に分ける。シナリオ班はルートごとに担当を決め、台詞と分岐先を表計算ソフトのセルに入力し、指定の書式に変換する式を書いて差し込み用のファイルを作る
- プログラム班は、次の場面に進む順次処理と、ボタンでルートを選ぶ分岐処理、画面を切り替える機能を作る。シナリオは外部ファイルとして取り込む方式にしておく
- イラスト班はキャラクターと背景に分かれ、シナリオに沿って画像を作り、合成・サイズ調整・圧縮を行う(キャラクターのデザインが他校のものと似ていることが判明して変更するなど、権利について考える機会にもなる)。完成後は文化祭で発表し、学校のサイトで公開する
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- 科目
- 情報科の副教材「情報最新トピック集」の版ごとの改訂を追って、情報社会の変遷を見たもの
- 時間
- 初版2007年から第11版2019年まで
- 前提
- 2006年に出版社から「高校用副教材について話を聞きたい」という申し出があったのがきっかけで、教科書だけでは日々進化する情報技術のスピードに追いつかないと感じていた著者が資料集の制作に関わることになった。高校生にも読めるわかりやすい内容で最新の頻出単語が解説してある資料集をイメージしていた。情報科が設置された2003年度から2022年度まで教科書は2回しか変わらないが、トピック集は毎年改訂している。/※同じ著者の事例27・183・268も記入済
- 教科書に載せられないGoogle、Apple、Microsoftといった固有名詞をトピック集には載せられるので、生徒が具体的なイメージを浮かべられるという利点を挙げている。「情報は実習科目じゃない」「情報を受験科目にしよう」と言っているのに教科書と傍用問題集しかないのでは話にならない、というのが作り始めた当時の気持ちだったと述べている
- 初版(2007年)はとにかく形にすることを目的に作り、付録にWord・ExcelのeラーニングCDも付けたが、文字が小さく読みにくかったり別のトピックに同一の内容が載っていたりした。2008年の追補版でトピックを89項目に増やし、SNS(mixiを中心に)・動画投稿(YouTubeを中心に)・メディアリテラシーの3項目を追加した
- 2009年の第2版では、トピックの対象が狭すぎて内容が難しくなっているという反省から89を67に減らし、USB・ディスプレイ・プリンタ・マウス・プレゼンテーション・圧縮・色の表現などを整理統合した。トピック間の関連を示す図やチェックリストも入れた。2011年の第3版ではtwitterが話題となり、クラウドコンピューティングが使われ始め、スマートフォンも登場した時期にあたる
- 2013年の第5版から表紙に発行年を入れて毎年改訂することが決まった。Ustreamはトピック名から消えてYouTubeやニコニコ動画に吸収され、2014年版では初版から記載してきたmixiがFacebookとの差でトピック名から消え、LINEが普及した。テレビの地デジ化で「ディジタル放送」が削除され、「クックパッド」「価格.com」「Q&Aサイト」が追加された
- 2015年の第7版ではCD・DVD・Blu-ray DiscのトピックにUSBメモリを加えて「リムーバブルメディア」に統合した。2016年の第8版でFlashをカットし「ワープロソフト」を「Officeソフト」に統合して「ビッグデータ」を追加。2017年の第9版では「情報セキュリティ」「人工知能(AI)」「ロボティクス」「VRとウェアラブルデバイス」「論理回路」などを追加し、「表計算ソフト」「プレゼンテーションソフト」を削除した。2019年の第11版で新学習指導要領の「情報Ⅰ」「情報Ⅱ」に対応させ、「情報デザイン」と「データサイエンス」を加えた。トピック名の変遷は、消えた言葉を青、新たに登場した言葉を黄で色分けした一覧表にまとめてある
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- 科目
- オンラインプログラミング環境「Bit Arrow」をPythonに対応させた開発報告
- 必要なもの
- Bit Arrow(Webブラウザとクラウドで動くのでインストール不要。授業で使う場合はクラス登録を行う)
- 前提
- Bit Arrowは初学者向けのプログラミング学習環境で、大阪電気通信大学と東京農工大学並木研究室、明星大学長研究室、神奈川県立柏陽高校の間辺先生の高大連携で共同開発している。これまでC言語、JavaScript、ドリトル、DNCLに対応してきた。/※事例45は同じBit Arrowの開発の提案、事例79は授業で使った側の報告
- Bit Arrowの特徴は、Webブラウザ上で動くので事前のインストールが不要なこと、複数の言語に対応しているので授業の設計や生徒のレベルに合わせて使い分けられること。初学者向けの機能としてプログラムを短く書くためのライブラリ、編集画面と実行画面を同じ画面内に表示、文法エラーの発生場所の表示がある
- 教員用の授業管理機能として、授業ごとに学習者の一覧と学習状況を表示できる。IDやパスワードを忘れたときの対処、成績管理、授業中の個々の進捗把握による個別指導に使える。実行結果やコンパイルエラーを記録して分析できるので、生徒が躓きやすい箇所を俯瞰して授業設計に役立てることもできる
- Pythonを実装した理由は、ライブラリが豊富で特に統計処理に強く、データサイエンスを手軽に扱えるため。「情報Ⅰ」の『プログラミング、モデル化とシミュレーション』、「情報Ⅱ」の『情報システム、ビッグデータ』でデータサイエンスが大きく扱われることに対応する。一般的な高校の教室環境でPythonの処理系とライブラリ群を全てインストールすることは困難だという事情もある
- 従来はC言語・JavaScript・ドリトル・DNCLのいずれも、書いたプログラムをJavaScriptに変換してブラウザ上で動かしてきた(インタラクティブな作品に対応でき、サーバ側の設置の手間と負荷も減る)。しかしPythonの豊富なライブラリを全てJavaScriptで実装するのは難しいため、まず数値計算(numpy)とグラフ(matplotlib)を実装した。統計処理はゲームほどリアルタイムの応答が必要ないので、サーバ側での実行もサポートし、負荷がかかりそうな場合はプロセスの実行時間や個数を制限する設計にした
- これにより文部科学省の「情報Ⅰ」教員研修用教材に掲載されているPythonのプログラムをBit Arrow上で動かせるようになった。今後は発展的な課題で使えるサンプルプログラムの追加、サーバ負荷を減らすためライブラリをJavaScriptに移してブラウザ側で動かすこと、機械学習のプログラムが可能なChainerなどへの対応を挙げている
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- 科目
- 生徒が作った情報モラル標語を、無料のAIテキストマイニングで分析した報告
- 時間
- 2014年度430作品・2018年度392作品・2019年度の比較
- 必要なもの
- 無料のWebテキストマイニングツール(User Local)、情報モラル・セキュリティコンクール標語部門への応募作品をテキスト化したもの
- 前提
- 「情報Ⅰ」でいう「情報技術」にはAIが当然入ってくるという読みから、無料で使えるAIのテキストマイニングツールで生徒の意識の変化を分析してみた報告。標語は毎年、情報の定期考査の時間中に考えさせ、IPAの情報モラル・セキュリティコンクール標語部門へ学校単位で応募している。
- 標語をテキストにして入れると、ワードクラウド、品詞別の出現頻度とスコア、「喜び」「好き」「悲しみ」「怖れ」「怒り」の5つの感情分析、ポジティブ・ネガティブの推定ができる。2つのテキストを入れると特徴語マップやネガポジマップで比較できる
- 2014年度の430作品では、出現頻度は「ネット」が最多だが、スコア(単語の重要度を表す数値)は「SNS」が最高だった
- 2018年度の392作品と比べると「パスワード」「守る」のスコアが上がり、「再確認」という単語が新たに登場した。一方、2014年のデータには意外に「スマホ」という単語がなく、この間のスマホの普及とSNSでの発信頻度の上昇が背景にあると述べている
- 2019年度は2018年度よりパスワードのスコアが小さくなり、中立的な感情が増えてネガティブな感情が減った。ネットやSNSを怖れるだけでなくうまく使っていこうとしている、と読んでいる。ネガティブの内訳では「怒り」が少し増え「怖れ」が減った
- 感情の割合を作品ごとに並べたグラフは見た目で差異が分かりにくいので、色(感情)ごとに面積を求めて数値化すれば比較しやすくなりそうだとしている。研究活動や探究活動以外にも、小説や評論などのテキストを入れて分析したデータを使う授業活動が提案できるのではないかと述べている
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- 科目
- 情報Ⅰ(年間指導計画のミニマムモデル)
- 時間
- 56時間(2単位70時間の8割)
- 必要なもの
- —(年間指導計画そのものの提案。公開されているPDFがある)
- 前提
- 2単位70時間のうち8割の56時間でコアを組む(定期考査前の演習や、自分が力を入れたい活動に時間を回せるようにするため)。知識を教えてから活用させ、その活動で思考力・判断力・表現力を身につけさせる。全単元を「設計→製作→実行→評価→改善」という問題解決の流れで指導する
- 年間の最初に「情報社会の問題解決」を置く。1時間目に中学校からの接続を見るチェックテストを行い、問題解決の流れを4時間でさらっと押さえる。続いて法・情報セキュリティ・情報モラル(機密性・完全性・可用性を含む)、情報技術と情報社会(人工知能やロボット)を扱う
- 「コミュニケーションと情報デザイン」は、メディアとコミュニケーション(2進数・文字コード・データの圧縮を含む)→情報デザインの役割(ピクトグラム、図やグラフによる可視化)と進み、最後に実習を6時間置く。実習は「実行→相互評価→改善」まで入れる
- 「コンピュータとプログラミング」は、ソースコードの書き方を教える単元ではないと位置づける。アルゴリズムを文章・フローチャート・アクティビティ図で表したあと、複数の言語を1時間ずつ動かしてみる形にして、難しい内容には踏み込まない。APIを使う実習の時間も取る
- モデル化とシミュレーションは難しいことをせず、平面の間取り図に縮小した家具を置いて配置を試すような形から入り、数値とデータを使う活動に進む
- 「情報通信ネットワークとデータの活用」は、中学校で学んだプロトコルを復習してTCP/IPと暗号化を扱い、ネットワークの構築とトラブルシューティングの実習を入れる。データベースは構築と活用の実習を行う。データの収集はアンケートを作らせて回収した結果の傾向を分析させ、重複や欠損値の扱いも学ばせる
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- 科目
- 「情報Ⅰ」の内容量への対応として自宅学習を前提に置く考え方と、神奈川県立高校のBYOD環境の設計
- 時間
- 年間70時間(「これだけの内容を全部やるのは無理」という現場の声への回答として)
- 必要なもの
- クラウドサービス(学校と自宅で同じデータ・同じソフトウェアを使うため)、ブラウザ上でプログラミングできる環境、生徒の私物スマートフォン、県配備のタブレット端末(スマートフォンを持たない生徒への貸与用)、民間の光インターネット回線、UTM(統合脅威管理)と不正接続検知センサー
- 前提
- 「年間70時間でこれだけの内容を全部やるのはとても無理だ」という現場の声に対し、この内容は生徒が放課後や家庭でも学習活動をすることを前提にしているのではないか、という読みに立つ。神奈川県は県立学校数が全国トップクラスだが生徒用端末の整備率は全国最低レベルで、一方で生徒のスマートフォン所有率が高く、民間の高速光回線が使える地域が多いという条件がある。/※同じ著者の事例94・195・250・360も提言型の記事
- 教員研修用教材をもとに、自宅でもできる学習活動と、ほぼ全員が持っているスマホでもできる学習活動を拾い出すと、学校の授業時間内に収まりきらない内容も他の場面で補えることが分かった
- そのためには学校と生徒の自宅で同じデータ・同じソフトウェアを使う必要があり、クラウドサービスで可能になる。ただし県全体で十数万人分のアカウント作成と、その後の保守を教育委員会で一括して行うのは無理なので、管理は学校に任せることにした
- BYODの方針は、端末(スマートフォン)の負担は保護者、持たない生徒には学校のタブレットを貸与、持ち込み機種もOSも自由、接続回線は民間の回線を新たに導入、不正接続の検知もできるようにする、というもの。既存のBYODモデル校との最大の違いはスマートフォンの使用を可としたことだと述べている
- 技術的な特徴は、教育委員会ネットワークのL3・L2スイッチと無線LANアクセスポイントをVLANで分割し、既存の教育委員会ネットワークと、生徒持ち込み端末を接続する民間の光回線の2つのルートを並行してさばくこと。民間回線側はUTMにWebフィルタリングとDHCPサーバの役割を持たせ、承認したMACアドレスの端末以外は接続させない不正接続検知センサーも設置した
- 学習者用コンピュータとしてChromebookを全県立高校・中等教育学校に計11,726台配備し、令和4年度には3クラスに1クラス分の配備を目指す。BYODではルール作りが重要で、セキュリティやSNSへの投稿については事前に提示する。3人の生徒が個人のスマートフォン・個人のタブレットPC・学校のタブレットPCでそれぞれ同じ課題に取り組む例を挙げ、クラウドを使えば所有者や機種は重要ではなく生徒自身が使う道具を選んでいる、と述べている
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- 科目
- 情報の科学(情報通信ネットワークとデータの活用)
- 学年
- 高校1年
- 必要なもの
- 表計算ソフトとデータベースソフト、ダミーデータを作れるサイト、ネットワークの共有フォルダ、アンケート形式のデータ
- 前提
- 生徒に失敗させてから気づかせる(扱いにくい表を作っても、すぐには直さずわざとそっとしておく)。データベースはネットワークの文脈で扱う(皆で書き込ませることで、管理システムの働きを意識させる)
- データベースの仕組みを説明する。ダミーデータを作れるサイトで約1000件のデータを用意し、表計算ソフトで並べ替え・抽出・フィルターを体験させる
- 4人1組で、メンバーが最近購入したものをもとにデータベースを作らせる。生徒は見た目のよい「表」を作ってしまうので、「菓子パンを買った人をフィルターにかけるにはどうする?」と問いかけて、同じ内容のフィールドが複数にまたがっていると扱いにくいことに気づかせる。1つのセルに複数の属性を入れてしまう例も同様に扱う
- データベースソフトに移る。表計算では「とりあえず入力する」から始められるが、データベースはフィールドとデータ型を先に設計しないと後から変更できないことを説明する(型を意識させることは、プログラミングでの変数の型の説明にもつながる)
- 教員が作ったサンプルを共有フォルダに置き、全員に開かせる。表計算のファイルは2人目から読み取り専用になるが、データベースは全員が同じものに読み書きでき、入力したデータが積み上がっていく様子を見せる
- クロス集計を扱う。3人グループで、性別・睡眠時間・勉強時間のアンケートデータを配り、3分でそれぞれ別のクロス集計をさせて解釈させ、1分ずつ発表させて互いにコメントさせる。「こうだ」と言い切らず「こう思われる」と言うこと、少ない層・中間層・多い層に丸める「層別」で数値にすると説得力が高まることを指導する
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- 科目
- 情報Ⅰ(情報通信ネットワークとデータの活用/情報デザインの図解化)
- 学年
- 高校2年(選択)
- 時間
- 4時間(6時間ほしい)
- 必要なもの
- 図解化の演習用のスライドファイル(枠と矢印をコピーして使う)、発表用のスライド4枚の枠組み、調べるための資料
- 前提
- 4つの項目を個別に学習させず、関連づけて扱う(ネットワークの内容に情報デザインと問題解決の考え方を入れる)。図解化は複雑なものをシンプルにできるが、その過程で細かい仕組みが抜け落ちる。抜け落ちることを承知の上で、シンプルにするからこそ見えるものを狙う。図解には関係性を必ず文字で書かせる(図だけでは伝わらない)
- 1時間目に図解化を扱う。3つの要素の種類と関係の表し方を説明し、枠と矢印をコピーして大きさや色を変えながら関係を表す練習をさせる(「AがBを好きだ」のような身近な関係から始めると、枠の大小で主導権を表せることに気づく)
- 練習の例題をいくつか渡す(歴史上の勢力の対立、物語の登場人物の関係など)。図解化で仕組みを表せることを体験させる
- 2時間目に身近な情報システムの図解化を練習させる(レジの販売記録システム、動画の共有サービスなど)。ポイントを示す——ユーザー側から離れたところで、どのようなデータやお金のやり取りがあるかを調べさせる
- 3時間目から各自が選んだ情報システムを調べて図解化させる。テーマは生徒の興味に任せる(「なぜ課金しない人が多いのに儲かるのか」「似た2つのサービスは何が違うのか」といった問いが出てくる)。ただし調べる対象が広がりすぎると評価が難しくなるので、ある程度絞ってもよい
- 発表は4枚のスライドで行う。結論→理由→具体例(ここに図解を入れる)→もう一度結論の順に構成させ、その情報システムをどう効果的に使えばよいかまで述べさせる(途中に相互評価の場面を入れて図解の改善点を指摘し合わせるとよい)
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- 科目
- 情報の科学(プレゼンテーション)/評価の枠組み
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 単元10回
- 必要なもの
- 1枚に6回分書ける振り返りの用紙(下部にルーブリックを印刷しておく)、ジャーナル用のB5の白紙、ルーブリック(振り返り用とパフォーマンス用)
- 前提
- 評価を「学習が終わる地点」ではなく「生徒が次の学習を始める起点」として扱う。毎回の授業で振り返らせ、教員が次の授業までにフィードバックして返す。何をどう書けばよいかは、事前にルーブリックで規準と基準を示しておく
- 振り返りの用紙を配る。書く欄は「今日の学習内容」「学んだこと」「考えたこと」の3つに分け、「考えたこと」には本時の内容と実生活を比べて当てはまる部分、疑問、気づきを書かせる
- 振り返りのルーブリックを4段階で示す(最上位は「テーマについて新しい発見や気づいたことを具体的に記述でき、自ら積極的に興味を持って深く学ぼうとする様子が伝わってくる」)。用紙の下部に印刷しておき、生徒がいつでも確認できるようにする
- 単元の各回でほぼ毎回書かせ、授業の終わりに集めて、次の授業までに評価して返却する。よく書けているものは次の時間に全員の前で見せ、どう書けばよいかに気づかせる
- 単元のまとめは「ジャーナル」で行う。B5の白紙に、文章・イラスト・写真など自分の表現しやすい形で単元の学びをまとめさせる。テーマは生徒自身に設定させ、それまでの振り返りに書いた発見・疑問・気づき・実生活との関連を材料にさせる(単元の最初の内容は忘れがちなので、振り返りの蓄積が材料になる)
- ジャーナルにも事前にルーブリックを共有しておく。教科書や資料集のどこと関連するか、どこから引用したかも記述させる。プレゼンテーションの単元では全員が発表し、クラスで最もよかった人を投票で選び、学年全体の発表会でクラス代表の発表を見る
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- 科目
- 情報の科学(データの活用/仮説検定)
- 学年
- 高校1年(カイ二乗検定)/高校3年(無相関検定)
- 時間
- 一斉授業+グループ活動
- 必要なもの
- 表計算ソフト、仮説検定のテンプレート(二者択一で選んで埋める形式)、モザイク図(マリメッコチャート)を描く手立て、アンケートを取る仕組み
- 前提
- PPDAC(問題→計画→データ→分析→結論)の流れが見えるように組む。計算の根拠は説明しきれない部分をブラックボックスにしてよいと割り切る。片側・両側検定や有意水準の決め方は難しいので固定してしまってもよい。結論は断定させず、間違いの可能性があることを意識させる
- 一斉授業で検定の基礎を扱う。3年生では箱根駅伝の往路と復路のタイムを題材に、共分散・相関係数を求めて散布図を描き、相関があると言えるかを無相関検定で判断させる(帰無仮説と対立仮説を立て、有意水準を決め、計算式は「この式で出る」という扱いにする)
- 1年生ではカイ二乗検定を扱う。モザイク図を描かせて、実測の度数と期待される度数がきれいに分かれている場合とそうでない場合を見比べさせ、差があるかないかを図で意識できるようにする。期待度数は全体の比率から自分で計算させる
- 仮説検定の流れはテンプレート化する。自分で言葉を作るのは難しいので、二者択一で選んで埋めていく形にする
- グループで、関係がありそうな2つの項目を自分たちで見つけて検定させる(掌の大きさとスマートフォンの入力速度、たい焼きを頭から食べるかと餡の好み、など)。アンケートの作成→無作為抽出での実施→集計→図の作成→検定→発表資料の作成、までを一連で行わせる
- 結果を発表させる。相関があると言えなかった場合もそのまま見せる(「掌の大きさではなく利用時間と比べればよかった」といった振り返りが出る)。身体のサイズを測る場合は、個人情報の扱いについてもあわせて指導する
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- 科目
- 情報(データ分析)※生徒には「データ分析の授業」と紹介するが、実際には情報モラルの授業という側面を持つ
- 学年
- 3年
- 時間
- 単元として実施(コマ数の記載はなし)。スマホ利用のデータ収集は週1回の宿題/同じ著者による事例275は、情報Ⅰの1年生を対象にした11回(3学期)の実践を報告している
- 必要なもの
- スマホの利用時間を記録する機能・アプリ(iPhoneはiOS12から機能として入ったスクリーンタイム、AndroidにはDigital WellbeingやAction Dashなど)、Googleフォーム(週1回のアンケート)、表計算ソフト、表計算ソフトではできない検定を行うサイト(js-STAR)、練習用の仮想データ(カフェの売上)、Toulminの三角ロジックの図、レポートのひな型、配布資料(記事からダウンロードできる)
- 前提
- 生徒にスマホを使い過ぎだと伝えても効果はない——柔らかく言えば「そうですね。今後気を付けまーす」と返され、強く「やめなさい」と言っても数分後にはまた開いている。教員が口頭注意をした程度でスマホの利用に影響を与えられるものではない。/そこで、自分の利用状況を認識させるデータ分析によってメタ認知を働かせる。/自己申告のデータは実際の利用時間と乖離している可能性があるので、アプリや機能で正確・客観的に取る(実際に、2018年度の自己申告では1週間の平均利用時間が1578分だったが、2019年度にアプリで取ると1975分になった=生徒の自己評価は甘い)。/仮想データを使って統計の授業をやるのは駄目だと考えているが、演習では「後で自分のデータを使って分析をするけど、最初はまず仮想データでやってみよう」と伝えたうえで使う。/スマホに慣れたためかPCの表計算ソフトを使えない生徒が以前より多いので、基本的な利用方法から教える。/表計算ソフトの実習ばかりが続くと、それが大嫌いな生徒がつらいので、連続で行わないようにする。/情報を自分のことに落とし込むことが大切——プログラミングでもデザインでも、どの単元でもできるだけ自分のことに引き寄せると意欲的に取り組める
- スマホ利用時間のデータを、スマホのアプリや機能を使って正確に取らせる。週に1度、宿題としてアプリを見ながらGoogleフォームのアンケートに記入させる(週の合計利用時間は何分か、1日当たり何分使っているか、平日の平均、休日の平均など。これらのアプリは使ったアプリごとに時間が出せるので、どのアプリに何分触っているかもわかる)
- 表計算ソフトの基本的な利用方法から教える。関数の挿入の仕方、オートフィルと相対参照の考え方、度数分布表の作成の仕方、COUNTIF関数の使い方を中心に扱い、その発展として複数条件のCOUNTIFS関数で度数分布表を作り、ヒストグラムを作成する実習をさせる(一つひとつの作業を一緒に進めていかないとできない)
- 表計算ソフトばかりが続かないよう、次の回は論理的に文章を書く練習にあてる。Toulminの三角ロジック(データ・主張・論拠)を扱う。生徒が「先生、この部屋、暑い」と言いながら入ってきたら「『暑い』というそのデータを僕に伝えて何が言いたいのです?」と返し、「エアコンをつけてほしい」という主張を引き出したうえで「『暑い』から『エアコンをつけてほしい』までは論拠が足りないのではないか」と問う。データと主張が与えられていて、それらがうまく繋がる論拠を考える実習をする(例:住民の全員が裸足で暮らす島があったとして、その島の住民に靴を売るか売らないか、その主張につながる有効な論拠を考える)。最後にエアコンの話に戻り、「『暑い』だけでは説得力が足りない。『この部屋は35度である』と数値で伝えてくれるとわかりやすい。次回は数値で納得させる方法を検討しよう」と締める
- 仮想データで統計のやり方を教える。「統計を駆使してカフェの売り上げをアップしよう」という設定で、性別・年齢・客単価などのデータを使う。まず散布図の作り方を教える(数学で既習なので復習になるが、覚えている生徒は少ないので再度解説する)。全体の散布図の作成方法を解説した後は、生徒に任せて条件別の散布図を作らせる。次に数式も含めて相関係数を求める。さらに、割引きクーポンを配る前・配っている最中・配った後という条件で、客単価や客層が実際にどう変化するのかを自分たちで設定して分析させる。表計算ソフトではできない検定はjs-STARというサイトを使わせる(実際の計算式は複雑で理解に時間がかかるため、説明はあまりしない)
- 集めた自分たちのデータに戻る。プライバシーにかかわる箇所を全部削除して、自他の生徒のデータを全員に配布し、そのデータから自分が言いたいこと(主張)を検討させる——「あなたはこのデータから何がわかりたいか、どんなことを知りたいか、なにを社会に知らせていきたいのか」。プリントに、出されたデータを使ってどんなことを証明していきたいか、そのためにどのような論拠が必要なのかを記述させる(これが書けるかどうかが分析を進める上で重要になる)。最終的にレポートを作成させる——(1)自分の予測としての主張 (2)それを確かめるために必要なデータとその分析結果 (3)その分析結果が自分の予測した主張へとつながるための論拠 (4)最終的に自分の主張が正しいかどうかを含めたまとめ、の順に書かせ、この書き方をひな型として与える
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- 科目
- 数学(看護医療系の選択授業)※情報科への応用として発表されたもの
- 学年
- 高校2〜3年
- 時間
- 週2単位・複数年にわたる継続
- 必要なもの
- 定期テストの点数と学習行動のアンケート、席を自由に動かせる教室
- 前提
- ICTの効果が出やすいのは成績の中間層で、上位層と下位層には出にくい。それを補うため、上位層と下位層を巻き込む形の活動を設計する。相談を促すだけでは成績は上がらないので、どの学習行動が成績に結びついているかを調べて生徒に見せる。効果が出るまでに中長期の期間が必要(1か月程度では成績は上がらない)
- 授業のルールとして「自由に相談してよい」「席の移動は自由」とする。座る場所も自由にすると、友人同士のグループがそのまま放課後の学習にもつながる
- 定期テストの後にアンケートを取り、「相談したことがあるか」「相談の頻度」を聞いて、点数と突き合わせる
- 結果を生徒に見せる。「よく相談する」生徒より「わからない問題だけ相談する」生徒のほうが点数が高いことを示し、相談してよいが無駄話はいけない、まず自分で解いてから分からないところだけ相談する、と意識させる
- 学年や時期によって最適な行動パターンは違うので、データを取り続けて確認する(相談すればするほど成績がよい時期もある。多くの学年は学期が進むと「わからない問題だけ相談する」に落ち着く)
- 解答を板書させるときは、あえてできなさそうな生徒を指名する。正解したいので、その生徒はできている生徒に聞きに行く。これを繰り返すと教室の後ろから助言が飛ぶようになり、下位層は板書して正解することで自信を持ち、上位層は教えて丸が付くことでやる気が上がる
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- 科目
- 学校全体のICT利活用授業の取り組みの報告(研修・実践・支援体制の3つの柱)
- 時間
- 平成25年度から7年間の取り組み
- 必要なもの
- タブレットPC(リース)、プロジェクター数台とマグネットスクリーン数本、授業支援アプリ、クラウド環境、各階の廊下に2〜3か所のアクセスポイントと移動用アクセスポイント、学校ポータルサイト(教室・機器の予約)、ICTロッカーと充電用カート、ICT支援員
- 前提
- 年次進行型単位制の普通科高校で、小集団や習熟度別の授業を行っている。勉強は苦手で中学のときの内容がわからない生徒が多いが、みんな素直で明るく頑張りたい気持ちを持っている。平成25年度からICT利活用教育の指定を受けており、当時からの合言葉は「1人の10歩よりも50人の1歩」——誰か1人が頑張るのではなく全員がほんの少しずつ着実に進める、という意味。
- 3つの柱のうち「研修」では、外部講師による研修に加え、情報科以外の教員も校内講師としてコンピュータ室の使い方や機器の使い方、クラウドの研修を行う。特徴は公開研究授業として全教科がICTを活用した研究授業と研究協議を行うことで、情報科は日頃から使っているので実施していない
- 「実践」では普段の授業でのICT活用を3つに整理している。説明や課題提示の場面(文章より映像・画像・グラフで見せた方がわかりやすく、時間短縮にもなる)、自分の考えを整理する場面(調べ学習・課題作成・振り返り)、共有や発表の場面(1人の意見の全体共有、協働学習)
- 各教科の活用例として、服飾手芸で実習の動画を入れておき生徒が自分の手順に応じた動画を手元にダウンロードして進める(スキルがばらばらなので自分に合った動画を見られる)、理科で実験の様子を撮ってその場で発表資料を作る、生物で顕微鏡のスケッチをした後にプリントのQRコードから指定サイトを開いて自分が見つけた微生物を探す、倫理で「世界は何でできているか」に各自が意見を入力して共有、英語のスピーキング評価を各自のデバイスに録音させて教員が後でゆっくり評価する、を挙げる
- BYODを導入した理由は、いろいろな授業でICTを使うようになると自分の授業で使いたいときにタブレットの予約が取れないことがあるため。スマホを持っていない生徒や通信制限がかかった生徒にはiPadを貸し出す。課題はネットワークがつながりにくく途切れることと情報モラル・マナーの指導で、使わないときはスマホを裏返して机に置く指導をしており、「BYODをつないでスマホを使おう」/「BYODを切ってスマホを裏返しに置こう」と裏表になった札を黒板に貼る案を準備している
- 「支援体制」では、情報科の教員と各グループの代表、ICTに興味のある者が自主的に参加する10人ほどのコンピュータチームを作り、困りごとの解決や苦手な人の支援を行う。「授業でこうしたいがうまくできない」という相談にすぐ動き、職員室のあちこちで「それならこうしてみたら」という会話が聞かれるようになった。学校ポータルサイトで特別教室とICT機器のすべての予約を行い、プロジェクターやケーブル類はICTロッカーにまとめて、扉に貼ったポスターのとおりにしまえば次の人も困らないようにしている。ICT支援員には機器の管理やメンテナンス、苦手な教員への提案と授業づくりのサポートを頼んでいる
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- 科目
- BYODネットワークの利用規定と運用状況、および数学科での小テスト活用の報告
- 学年
- 数学科の小テストは1年生と2年生(学年を通して週1回程度)
- 時間
- 運用開始から約半年の報告
- 必要なもの
- BYODネットワーク(WiFi機器は2〜3教室に1つ)、生徒個人のスマートフォンやタブレット、クラウドのフォーム(小テストとアンケート)、Google Classroom、ロイロノート、プロジェクターとマグネットスクリーン
- 前提
- ICT利活用授業研究推進校で、県内の全高校でのBYOD導入に先立って前年12月から運用を開始している。研修で「ICT利活用は手段であり目的ではない」と再認識し、利活用を増やそうとするあまりICTを利活用すること自体が目的になっていたのではないかと振り返っている。学校の基本方針は「自主自律」。
- BYODのルールは、法に抵触するものは禁止だが、SNSやYouTubeの動画配信は特に禁止や制限をしていない(SNSで調べ学習をするかもしれないし、部活動でフォームチェックの見本として動画配信を使うかもしれないため)。生徒組織の「ICT委員会」と話してSNSとのうまい付き合い方を考えてほしいと伝えており、法に触れなければオンラインゲームや指定外アプリのダウンロードにも罰則を設けず自主自律を尊重している
- プラス面は、生徒の手元に端末があるので疑問があればすぐ自分で調べる習慣がついたこと(ただし自分の授業ではICT機器を出してほしくないという先生もおり、学校内でも賛否がある)、通信量を気にしなくてよくなりICT小テストが増えたこと。マイナス面は、建物に鉄筋が入っているため教室によってWiFiが入りにくい場所があること、各自のスマートフォンなのでiPhoneとAndroidの違いで説明ができない場合やアプリが対応していない場合があること、先生によってICTの活用度合いが違うこと
- 運用前に心配していた「学習と遊びのけじめがつかなくなる」については、アンケートで節度についてプラス評価が9割を超えており、生徒は節度を守って使っているようだとしている。情報モラルについてもマイナス評価はほぼなく、最も多いのは「変化なし」で、BYODが入って何かが大きく変わったことは今のところないと述べている
- 数学科では組織的にICTを活用した小テストに取り組んでいる。1・2年生で週1回程度実施し、フォームでは分数や数式が表示できないため画像で貼り付けた。紙で解いて答えを端末でタップする形。利点は集計がリアルタイムにできることで、平均点が変わっていく画面を表示しておくと生徒が興味津々で刺激を受ける。「誤答の多い質問」も出るので自発的に復習する生徒がおり、教員もクラスの結果に応じて丁寧に解説する箇所を変えられる
- 自動採点により各回の個人の点数とクラス平均の一覧を作り、テスト前に生徒にフィードバックしている。ある単元だけクラス平均を下回っていればそこを復習する必要が分かり、クラス全体で平均が低い単元はテスト前に復習する方策が立てられる。これまで小テストでここまで細かく分析するのは難しかったと述べている。ほかにClassroomでの各種アンケートの配信(紙にしたら1万枚ほどの節約)と、意見を瞬時に集約・共有できて無記名でも提出できる授業支援アプリの活用を挙げている
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- 科目
- 情報Ⅰ・Ⅱ(計算の限界/誤差)
- 必要なもの
- 電卓(桁数が限られたもの。スマートフォンのアプリでもよい)、表計算ソフト、プログラミングの実行環境
- 前提
- 「計算の限界」を高校で扱う際に、生徒が「なるほど」と思える題材を3種類(扱える数の範囲/無理数と2進法による誤差/計算の順序による桁落ち)用意する。論理回路や2進法の計算と関連づけると効果的。負の累乗は1年生では未習なので先取りして教える必要がある
- 桁数の限られた電卓で、答えが桁数を超える計算をさせてエラーを見せる(コンピュータの計算には限界がある)。次に非常に小さい数を割らせると、エラーが出ずに0になることを見せる(正確とは限らない)
- 表計算ソフトで非常に大きな数を入力し、列の幅を広げても指数の表示になることを見せる。浮動小数点で表すと限られた桁数になるため誤差が含まれうることを説明する
- 無理数の誤差を見せる。電卓で√2×√2を計算させると2にならないことを確認させる
- 表計算ソフトで4.3−4.2を計算させ、表示形式を変えて小数第20位まで見せると0.1にならないことを確認させる(2進法では0.1が循環小数になり丸められる)。条件式で「0.1以上か」を判定させると偽になることも見せる。プログラムで0.1を100万回足すと結果がずれることも確かめさせ、小数は整数にして計算し後で戻す工夫を指導する
- 計算の順序による違いを見せる。大きな数に小さな数を3回足す計算と、小さな数を3回足してから大きな数を足す計算を比べさせ、順序で精度が変わることを確認させる。二次方程式の解の公式をプログラムにする題材では、分子で桁落ちが起きうるため、分子を有理化すると精度が期待できることを扱う(3年生や情報Ⅱ向け)
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- 科目
- 中学校 技術・家庭科(技術分野/情報・生物育成)
- 学年
- 中学校
- 必要なもの
- 通信機能があるプログラミング環境(ドリトル)、自立型のロボット、メダカと水槽、水温・水質・光を制御する部品
- 前提
- 机上の説明ではなく、自分で作る体験から理解につなげる。原理は陳腐化しないので、複雑化した技術の原理的なところを教える(文字を相手のパソコンに送る仕組みは昔から変わらないため、同じ授業が10年以上できている)。モノづくりは技術の集合体であることを伝える
- 2人組を作り、片方のパソコンからもう片方に文字情報を送るプログラムを作らせる(4行程度で書けるので、中学生でも文字が送られる仕組みが理解できる)
- 「2人組でメールソフトを作ろう」という設定から始め、双方向に送受信できる形、さらにグループ内で相互にやりとりできる形へと発展させる(生徒は席を立って友達のところへ行き、相談しながら進めるようになる)
- 同じ仕組みを使って、作った音楽データをサーバにアップロードしたりダウンロードしたりするシステムを作らせる。ここからネットワークの原理、危険性、情報モラルへも広げる
- 計測・制御では、ロボットに課題を与える(コップの中のピンポン玉をパイプの中に入れる、など)
- 複数の技術を組み合わせる題材を用意する。例:冬にメダカに産卵させるシステムを作らせる。産卵の条件(水温・水質・光・餌)を満たすために、加熱の方法、保温の材料、照明で日照時間を補う方法、水質センサーが実用に堪えるかを、生徒自身に検討させる
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- 科目
- 情報(情報デザイン/メディアリテラシー)
- 必要なもの
- HTMLを書ける環境、公開されている物語のイラスト(場面ごとに分かれているもの)、見出しの効果を比べる例
- 前提
- 「順序立てる・場合分けする・繰り返す」という手順の確認を課題の前に置く。デザインによって相手に伝わる内容が変わりうることに気づかせ、意図を持った情報発信の仕組みを発見させる
- よく知られた物語を題材に「Web記者になってニュースを作る」という設定を示す。元のテキストは全員同じものを渡し、削ったり順番を変えたりする修正で記事にさせる。あわせてHTMLのタグ、画像の挿入、見出しの付け方を学ばせる
- 同じ本文に違う見出しを付けた例を比べさせる(「ラーメンがたった300円!」と「オススメの飲食店」ではアクセスが変わる)。データのどこが大切かを見抜く必要があることを扱う
- 一部を切り取ると意味が変わる例を見せる(風刺画の一部を拡大すると、刺されそうに見える人物が、全体を見ると刺そうとしている側だと分かる)
- 物語のイラストを渡し、その中から一場面を選ばせる。同じ物語で「主人公は正義のヒーロー」という設定と「主人公は侵略者」という設定の2通りの記事を作らせる
- 作った記事を見比べさせ、どこを切り取って見出しを付けるかだけで意図を持った発信ができることを確認させる(記事を先に見せて「なぜ同じ物語なのに伝わるものが違うのか」を発見させてから編集に入るほうがよい)
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- 科目
- 情報の科学(プログラミング)
- 学年
- 高校1〜2年(分割履修)
- 時間
- 8時間(1コマ65分)
- 必要なもの
- ビジュアル型のプログラミング環境(音を鳴らせるもの)、C言語に近づける段階的な学習用言語、ブラウザで使えるC言語の実行環境、校歌の楽譜
- 前提
- なるべく教えない。生徒に考えさせ、気づかせ、生徒同士で考えさせる。段階的にヒントを出して「自分でできた感」を味わわせる。難しさは全員が感じるが、最後までできたかどうかで授業への評価が分かれるので、達成感を確保する
- 1時間目はビジュアル型の環境で、最初の10〜15分だけ「歩く」「左(右)に回る」「繰り返す」の命令を説明し、あとは自由にやらせる(単純な命令の組み合わせでいろいろな図形が描けることを体感させる)
- 2時間目は音楽科と組んで、音を鳴らせる状態を用意しておき、楽譜を見ながら校歌のリズムを入力させる(校歌のリズムを正確に理解させることにもなる)
- 3〜5時間目は、C言語に近づけた段階的な言語を使う。簡易版は単純な移動と回転の命令だけで幾何学模様を描かせ、次に文末の記号や変数といったC言語に近いルールが入る版に進む
- 6〜8時間目にC言語の演習を行う。ブラウザで使える実行環境を用い、表示→入力した数の偶奇の判定→1から100までの合計、と進める。繰り返しの部分は「形を作りなさい」と指示したり、式の部分を空欄にして何を入れるか考えさせる
- 最後にデータの交換と、配列を使って最大値・最小値を求めるプログラムを扱う(生徒に考えさせながら進めると、正味60分でこの2つが精一杯)
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- 科目
- 小学校 算数(拡大図・縮図)※プログラミング的思考の活用
- 学年
- 小学校6年
- 必要なもの
- フローチャートを書く用紙、拡大図・縮図・合同・それ以外が混じった図形の問題、掃除ロボット(話題として)
- 前提
- コーディングは重視せず、教科のねらいを達成するためにプログラミング的思考を使う。コンピュータを使わない形でも成立する。フローチャートは形式にこだわらない(形を整えることに目的が移ってしまう。考え方が合っていればよしとする)
- 1つの図形を基準に、拡大図・縮図・合同・それ以外が混じった図形を示し、どれがどれかを問う(子どもは「多分5は違う」「3は絶対に拡大だ」と言い始める)
- そこで「なぜ3は『絶対』なのに、5は『多分』でよいのか」と問い返し、どこに注目すれば判断できるかを考えさせる
- 「フローチャートという便利なものがある」と教員から提示する(子どもの側から出てくることはない)。何を見れば拡大図と言えるのかを話し合わせると、「対応する角が全て等しいか」「辺の比が1対1か」といった見方が出てくる
- それらを分岐の形に振り分けてフローチャートを作らせる。対応する角が全て同じでなければその時点で合同でも拡大・縮小でもない、角が同じでも辺の比が違えばまた別、という視点と順番の階層を明らかにさせる。完成したフローチャートで実際に問題を解かせる
- 身近な機器の中でも同じ考え方が使われていることに気づかせる。掃除ロボットを例に「どんなところで条件分岐を使っていると思うか」と問うと、「ごみがあったら拾う」「壁にぶつかりそうなら向きを変える」といった答えが出てくる
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- 科目
- 情報(情報モラル)
- 時間
- 調査1時間+班での検討・制作・発表
- 必要なもの
- 事例を調べるプリント、スライドのテンプレート(6枚程度)、情報モラル啓発のポスター、相互評価の観点表
- 前提
- 教員が「こういうことはしてはいけない」と話しても頭から抜けるので、生徒が自分で事例を探して発表する形にする(同じ高校生が探してきた事例は心に刺さる)。「なぜ情報モラルを守らないといけないのか」は教員からは説明せず、活動を通して生徒自身にたどり着かせる
- 「情報モラルとは何か」を扱う。啓発のポスターを見せ、「こういうことをしている人はいませんか」と問う(映画館で画面を撮る、歩きながらスマートフォンを見る、書店で本の中身を撮影する、など)
- プリントを配り、情報モラルに関係しそうな事例を各自で調べさせ、5W1Hに沿って1時間ほどでまとめさせる。ここまでは個人で行う
- 3人程度の班を作り、各自が調べた事例を検討して、班として取り上げる題材を決めさせる。題材が少しずれていても頭ごなしに否定せず、「見るべきところはどこか」というヒントで方向を示す(例:ある事件では、人が亡くなったこと自体ではなく、そこにつながったSNSの使われ方が問題だと捉えさせる)
- テンプレートに沿ってスライドを6枚程度作らせ、5分程度で発表させる。他の班は観点ごとに相互評価する
- 最後に振り返りを書かせる。「情報モラルとは何か」「なぜ情報モラルを守らないといけないのか」の2つに必ず触れるよう先に伝えておく。評価は、スライドの出来ではなく「制作と発表に真剣に取り組んでいるか」と「振り返りの内容」の2点で見る
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- 科目
- 課題研究(数学)※プログラミングを用いた公式の探索
- 学年
- 高校2年(理数科)
- 時間
- 週1時間+休日や放課後/5月〜翌1月
- 必要なもの
- 表計算ソフトのマクロ言語、手計算で証明するための紙
- 前提
- コンピュータの高速大量な計算能力を使えば、多くの数値から関連性を見いだせるという発想から入る。プログラミング未経験でも取り組める。計算能力に限界があるので、調べる範囲を制限する必要がある
- 教員がテーマの候補を提示する(大量の数値処理から関連性を見いだす方向)。賛同した生徒で班を作る
- プログラミングが未経験なら、まずプログラミングの学習から始める
- 研究に必要な範囲を生徒自身に準備させる(教科書に載っているのはΣk³までだが、必要なΣk⁷までは生徒が導いた)
- 条件を満たす係数の組を探すプログラムを作らせる。条件を満たす組が見つかったら表計算ソフトのセルに表示する形にする。計算能力の限界から、調べる範囲を制限することをアドバイスする
- 処理を速くする工夫を生徒に考えさせる(必ず成り立つ条件を満たさない場合は表示させないようにすると、大きい数でも処理できる)。最後に、見つかった関係が全ての自然数で成立するかを手計算で証明させる
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- 科目
- 情報(デジタル化の総合実習)
- 学年
- 高校(後期課程)
- 時間
- 5月の班分けから10月の締め切りまで
- 必要なもの
- ビデオカメラやデジタル一眼(学校の予算で毎年2〜3台購入して蓄積)、三脚(人数分)、動画編集ソフト、ネットワーク上の保存先、絵コンテの用紙
- 前提
- 既にある動画をどこまで忠実に模倣できるかを課題にする(自由に作らせるとゴールが不透明になるが、模倣なら「ここはズレている」「ここは雑だ」がはっきり分かり、生徒も何をすればよいかが明確になる)。編集ソフトの使い方は最小限だけ教え、あとは自分で調べさせる。スマートフォンでの撮影は不可にする
- 5月に班分けをし、先輩の作品を見せる。模倣する動画を生徒自身に選ばせる(実現可能な内容であること、高校生が演じられない題材は除くこと、学校が舞台のものが作りやすいことを条件として示す)
- 絵コンテを書かせ、授業ごとに進捗を報告させる(丸投げすると「やってみた」で終わってしまう)
- 機材を貸し出す。個人の機材も可とするが、編集で使えない形式があるので必ず仕様をチェックする。三脚は必ず使わせる(素人感をなくすため必須)。撮影のルールを徹底する——部屋の管理者に前日までに許可を取る、撮影禁止の場所を決めておく、借りるときに液晶やレンズの状態を生徒自身に確認させる(スマートフォンと引き換えで貸すと必ず返ってくる)
- 編集ソフトの使い方は40分程度で、カット編集だけを教える。使うツールを限定し、動画のサイズ・素材の読み込み方・保存先の決まりは資料をPDFで置いていつでも確認できるようにする(カメラを挿したまま編集すると素材が失われるので、起動時にカメラを抜くことも伝える)
- 完成したら教員がチェックし、必要なら撮り直させる。最後に発表会と相互評価を行い、後輩のために苦労した点をまとめさせる(「早めにやれ」「三脚は家にあるなら持ってきたほうがいい」といった助言は、教員より先輩が言うほうが効果的)
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- 科目
- 中学校技術科(情報の技術)
- 学年
- 中学3年
- 時間
- 全4コマ(50分の授業を2コマ連続で行うものを2回。1回目がVisual Studioの基本操作と総和のプログラム、1週間後の2回目がライントレースカーの制御)/※同じ筑波大学附属駒場中学校の事例88は、ここで触れている「テーマ学習」(中学3年123名が8つのテーマから選択、希望者から選ばれた10人で実施)の側の報告
- 必要なもの
- PC端末(コンピュータ教室で1人1台のデスクトップ機)、Microsoft Imagine と Visual Studio(Visual Basic)、同校の先生方が外部の企業やアドバイザーと約10年をかけて開発したライントレースカー(WR-LTC2M。生徒1人1台。以前は2人で1台だったが、学習に対しての責任が生まれる点で1人1台の方がよいとのこと)、白黒のラインを引いたテストコース
- 前提
- 論理回路(IC実験ボード)および4bitコンピュータ(アセンブリ言語)での学習経験
- Visual Studioのフォーム上にボタンやラベルを配置し、GUI部品の配置とプロパティ設定、イベントハンドラの基礎を学ぶ
- テキストボックスから入力した数値(1からNまで)の総和を計算してラベルに表示するプログラムを作成し、変数や演算子、代入の処理を理解する
- 1週間後の2回目はライントレースカー(WR-LTC2M)による計測・制御。まず「知識編」として開発環境と、センサ・アクチュエータ・インタフェース・LED・可変抵抗器などの各部位の役割を丁寧に説明し、車の動きに対してどこがどのような役割をするのかを確認してからプログラミングに入る。ツールボックスから制御モジュールを貼り付けて「前進」「停止」のボタンを作り、左右モータのOn/Offを書く。電源を入れてもそのままでは動かないので、左右のモータの( )に速度を指定する数値(0〜255)を入れる必要があることを示し、単語や記号一つひとつが機器の動きにどう反映されるかを確認する(順次)
- 「右折・左折」「速度を変える」は、サンプルプログラムをコピペしたものを使い、コードのどこを変えればよいかを自分で考えて改変させる。さらに「後進」「回転」も前進や左折・右折のプログラムから工夫して作らせる。次の課題「黒のラインまで進む」から分岐と反復に入り、「黒まで前進」のボタンを作って黒と白を判断する閾値を指定し、センサが黒のラインを感知したら車を止めるプログラム(Do While と If の組み合わせ)を作る
- その後は「右トレース」→「左トレース」と進め、早い人は自分で「ライントレース」→「よりスムーズなトレース」を工夫して作っていく。いったんラインを通り越してからバックして止める動きを作る生徒や、LEDを光らせる工夫を入れる生徒も出る
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- 科目
- 中学校 技術科(プログラミング)※感情表現を題材に
- 学年
- 中学2年
- 時間
- 5時間
- 必要なもの
- ブロック型の入門教材、3Dのキャラクターを動かせる無償のプログラミング環境(複数のOSで動く)、感情分析のマトリックス、集計できるアンケートの仕組み
- 前提
- プログラミングを教えること自体が目的にならないようにする。コミュニケーション上の誤解が原因のトラブルが多いことを踏まえ、感情表現を題材にする。動作がうまく作れたかではなく、伝わらなかった原因に気づくことを目的にする
- 1時間目にブロック型の入門教材で体験させる(使用する環境の命令に英語が多いため、それに慣れることも目的にする)
- 2時間目に簡単なフローチャートを作らせる。カップ麺を作る手順を題材にして、プログラムで並べていたことがフローチャートで表せることを確認させる(カップ麺が作れる手順になっていれば合格とする)
- 3時間目の前半に感情の分析を行う。喜怒哀楽それぞれについて、表情・動作・声を3つずつ挙げてマトリックスを埋めさせ(合計36項目)、その違いを確認させる
- 3時間目の後半は環境の操作練習に充てる。用意されているキャラクターを自由に動かして遊ばせ、意欲を高めながら操作を身につけさせる(次の時間に取り組むための素地を作る)
- 4時間目に感情を表現する動作を作らせる。前後左右への移動・腕の回転・軸に沿った回転を組み合わせ、手足を同時に上げるには並列処理が必要になることなどを意識させる(人間にはあり得ない動きは禁止とする)。5時間目に全員が互いの作品を見て、喜怒哀楽のどれに見えたかを記入・集計し、自分の意図と伝わったものの差を確認させる
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- 科目
- 情報の科学(プログラミング)
- 時間
- 5回(別にビジュアル型を2回)
- 必要なもの
- マイコンボード(2人に1台。25個のLED、2つのボタン、明るさ・温度・傾き・方向のセンサー、無線通信の機能つき)、接続用のケーブル、作業手順を説明する5分程度の動画、凍らせたペットボトルや保冷剤
- 前提
- 2人で1台を使い、説明をしながら30分程度で完成できるプログラムを複数体験させる(難しいことはできないが、無理のない展開になる。ペアで行うと「間」ができ、その間に他の人の作業を見に行ったり自分の作業を見直したりできる)。機材は事前に番号を振ってケーブルとセットにしておき、作業手順の動画も用意しておく
- 1回目は本体の構造を確認させ(ボタン・センサー・LED)、コードをダウンロードする方法とファイル名の付け方を教える。そのうえで5×5のLEDを点滅させるプログラムを作らせる
- 2回目は2つのボタンでカウンターを作らせる。変数の定義を押さえてから、一方のボタンで数を増やし、もう一方で減らす形にする
- 3回目はセンサーを使う。温度が30℃を超えたらH、超えなければCを表示する条件分岐を作らせる。できたら30℃以上をH・25〜30℃をO・それ以下をCの3段階に改良させる(温度を下げるには凍らせたペットボトルや保冷剤を本体に押し当てる)。さらに進んだ生徒には傾きセンサーと組み合わせさせる
- 4回目はじゃんけんを作らせる。乱数と条件分岐を組み合わせ、0をグー、1をチョキ、それ以外をパーとする(「パーが出ません!」という生徒が出るが、なぜ失敗したかをコードで確かめることも経験になる)
- 5回目は無線通信を使う。無線グループを設定し、受信側は受け取った文字列を表示、送信側はボタンを3回押したらイニシャル、別のボタンで「OK」、3回揺さぶられたら「help」を送る形にする
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- 科目
- 情報(情報通信ネットワーク)
- 時間
- 3時間
- 必要なもの
- 雨樋を切った1.8mのパイプ(通信回線に見立てる)、色分けしたカプセル、カード、重しのクリップ、時間を測る係の生徒、2つの方式をそれぞれ推す文章
- 前提
- 1960年代にネットワーク通信が始まろうとしていた場面を想定し、どちらの方式が優れているかを実験結果から発見的に理解させる。受信側に時間のかかる処理をさせて回線に「空き」ができるようにする(そうしないと差が出ない)。カプセルは色を分けて、交換機役が振り分けやすくする(フタは開閉に時間がかかるので紙を折って入れるだけにする)
- 1グループ8人とし、6人が送信・交換機・受信の役を担当、2人が時間の計測係になる。パイプを通信回線に見立てる
- 回線交換方式を実験する。素数同士の掛け算のような時間のかかる式を1枚のカードに書き、クリップを付けてパイプに流す。受信側は計算して答えを返す。データを流してから答えが戻るまでの時間を計測する
- 同じことを2対2でも行う。1組目の通信が完全に終わってから、交換機役が回線を切り替えて2組目を開始する
- パケット交換方式を実験する。式を1文字ずつカードに書き、並び順も書いて別々のカプセルに入れて流す。交換機役は色ごとに宛先のPCへ振り分ける。受信側は届いたカプセルを順番に並べ替えてから計算し、答えも1文字ずつ順番を付けて返す。これも1対1と2対2で計測する
- 結果を比べさせる(1対1では回線交換が速いが、2対2では回線交換が約2倍かかるのに対しパケット交換はほとんど増えない)。「3対3、5対5と台数が増えたらどうなるか」というヒントを添えて特徴を書かせ、次の時間に「未来の通信方式としてどちらを採用すべきか」を根拠つきで提案させる
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- 科目
- 社会と情報(デジタル化/進数変換)
- 時間
- 1回(デジタル化の単元の導入)
- 必要なもの
- 文字コード表(縦軸・横軸の2進数の表記を隠したもの)、8文字の英単語のカード、ワークシート
- 前提
- 「10進数の〇〇を2進数で表すと」という問題を繰り返しても苦手意識が残るだけなので、実際にコンピュータの中で使われている場面(文字コード)で扱う。10〜15と16進数のA〜Fの対応は、手を使って体で覚えさせる
- 手の指を使って10進数と16進数を対応させる。グーの状態が10(16進数ではA)、指1本で11(B)、2本で12(C)…と進み、5本で15(F)になる。「指が2本のときはいくつ?」と聞いて、10進数と16進数の両方が即答できるまで繰り返す
- 2人組を作る。一方(A)に8文字の英単語のカードを渡し、文字コード表から各文字を16進数に変換させる(表の縦と横の桁をそのまま並べればよい)。このとき単語もコードも相手に見せない
- Aは16進数を2進数に直し、ワークシートに上から順に記入する。文字コード表は、縦軸・横軸の2進数の表記を隠したものを使う
- 記入したワークシートを相手(B)に渡す。Bは逆に2進数を16進数に変換し、文字コード表から該当する文字を読み取って、元の英単語を復元する
- 正解したペアから勝ち抜けとし、上位数チームを表彰するゲーム形式にする
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- 科目
- 情報(データの分析)※数学Ⅰの統計を情報の授業で扱う
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 6回(実質5時間+発表1回)
- 必要なもの
- テキスト型言語の実行環境(コマンドラインから起動して使う)、課題を配布・提出できる仕組み、確認テスト用のフォーム、班ごとに集めたアンケートのデータ
- 前提
- 「知る(統計とは何か)→わかる(身の回りの統計データを読み解ける)→使える(分析したデータを活用して提案できる)」の3段階で組む。目的と評価基準を最初の授業で生徒に示す。数式が抽象的だと数学が苦手な生徒は理解しようとしないので、具体的な数字を出しながら説明する
- 1回目に授業の目的と評価基準を示し、統計とは何かを扱って確認テストを行う
- 2〜3回目に、数学の教科書をベースに代表値と相関を扱う。プログラムで具体的な数値を計算させながら進める(表計算ソフト以外でもグラフが作れること、計算が速いことも示す)
- 標準偏差は、なぜ二乗するのか・なぜルートを付けるのかを具体的な数字で説明する。全員が実行環境を起動して一緒に打ち込みながら解く
- 4回目に、身の回りのニュースなどから統計データを持ってこさせ、その分析の仕方が正しいかを考えさせる
- 5回目に、宿題で班ごとに集めたアンケートなどのデータを分析させ、最後の回で提案として発表させる。相互評価は「提案が伝わったか」「数値によって説得力があったか」を基準とし、点数だけでなく理由も書かせる。毎回の授業の最後にはフォームで確認テストを行う(その場で採点されるので生徒が到達度を把握でき、記述問題は一緒に採点して合格の線を示せる)
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- 科目
- 情報(デジタル化/アルゴリズム)
- 必要なもの
- ブラウザで動く自作の教材(2進数を指で数える、電球のON/OFFで2進数と10進数を対応させる、16進数を箱入りの菓子と端数で捉える、歯車で16進数と2進数の関係を見る)、コンピュータを使わない教材、天秤を模した教材
- 前提
- なるべく教えない。教材と生徒同士の議論で力を引き出し、目標に届かない部分だけ教員が補う。教材は繰り返し動かしながら考えるもので、動かして楽しいと思えるものにする。学習の目標は授業の最後や次の時間に教え、それ以前に生徒が何に気づいたかを確認しておく
- ブラウザで動く教材を複数体験させる(速度が上がっていく2進数の教材、ボタンで8つの電球のON/OFFと2進数・10進数が対応して表示される教材、16個入りの箱と端数で16進数を10進数に変換する教材、歯車の仕組みで16進数と2進数の関係を見る教材)
- コンピュータを使わない教材も併用する(並べた図形でメッセージを作る課題、入力した文字を保存するとファイルサイズがどうなるかを見る課題)
- 体験のあと「これをやって何かわかったことがあるか」と問い、プリントに書かせる。グループで共有させて、教えなくても0と1の考え方やデジタル化を意識するように促す
- 生徒が何に気づき、何が理解できていないかを確認したうえで、理解できていないところに絞って教える
- アルゴリズムはコンピュータを使わない題材で扱う。天秤を模した教材で「同時に2つしか比較できない」制約のもとで重さの順を探させる(教科書には単純な並べ替えが載っているが、生徒は自然に分割して処理する方法を自分で発見する)
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- 科目
- 学校設定科目(問題解決)
- 学年
- 高校2年
- 時間
- 問題発見1時間+解決案1時間+調査分析1時間+スライド作成2時間+発表
- 必要なもの
- 付箋(色を分ける)、企画書の様式、プレゼン作成ソフト、話し合いの過程を記録するワークシート、発表に招くゲスト(関係する職員)
- 前提
- テーマは身近なものにする(大きすぎるテーマは生徒にとって現実的でない)。学校の設備は生徒にとって切実で、問題発見の宝庫になる。話し合いはいきなり始まらないので、まず個人で作業してからグループに広げる(付箋を使うと参加しづらい生徒も加われる)
- 「学校の設備で問題点はないか、改善したほうがよいところはどこか」を、まず個人で付箋に書かせる。それを持ち寄ってグループで整理し、クラスで共有する
- グループで課題を1つ選び、ブレーンストーミングで解決策のアイデアを自由に出させる(個人で3つ書いた付箋を持ち寄り、話し合いで新たに出たものは別の色の付箋で追加する)。アイデアが膨らんだところで採用するものを絞り、企画書にまとめさせる
- 提案に説得力を持たせるための調査分析に1時間かける。他校の事例や必要な費用を調べさせる。あわせて調査の手法も教える(数字があると説得力が増す、公式のページのほうがよい、など)
- 2時間かけてプレゼンのスライドを作らせる。この段階でスライドの基本的な流れ、見せ方、引用元の書き方といった資料作成のルールを押さえる
- 発表には可能な限り関係する職員をゲストに招く(いつものメンバー以外に聞いてもらうとモチベーションが上がり、相手が明確になることで本気度も上がる)。発表後は相互評価と振り返りのグループワークを行う。評価は発表だけで決めず、問題発見の記録・企画書・振り返りをそれぞれ項目ごとに評価して総合する
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- 科目
- 情報の科学(情報社会の問題解決/グループワークの型)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 1回(年度当初)
- 必要なもの
- ワークシート、残り時間が見えるタイマー(終了音が鳴るもの)、発表者を決める抽選の仕組み、発表用の言い方のひな形
- 前提
- グループワークは勝手にやらせるのではなく、適切なやり方を示してトレーニングする。時間を細かく刻み、作業内容と各自の役割を具体的に明示する(入学間もない1年生は「話し合うとはどういうことか」がまだ分かっていないという前提に立つ)。年度当初は型を厳しくはめ、授業が進むにつれて緩やかにしていく
- クラスを4人×10班に分け、「情報社会ではどのような問題が起きているか」を班ごとに異なるお題で割り当てる
- まず個人で2分、自分の知識で考えてワークシートに記入させる(タイマーで残り時間を見せる。書かせることが大事なので、簡単なことでも必ず記入させる)
- 車座になり、1人30秒ずつ残る3人に説明させる(計2分)。ルールを示す——発表者は聞き手の顔を見て話す、聞き手は発表者の顔を見て笑顔でうなずく、批判的なコメントは言わずにひたすら聞く
- 教員がリーダーを指名し、3分で意見をまとめさせる。リーダーと他のメンバーの役割を明示する。時間はやや少なめにする(短いので協力せざるを得なくなる)
- 1班30秒でクラス全体に発表させる。発表者は抽選で決めると先に伝えておく(「自分が発表するつもりで議論に参加しなさい」というプレッシャーで参加を促す)。慣れないうちは発表用の言い方のひな形を示し、そこに結果を埋めさせる
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- 科目
- 情報の科学(情報モラル)※国立教育政策研究所の研究指定校としての授業研究
- 学年
- 高校1年(全日制普通科、4クラス160人)
- 時間
- 1コマ(ただし本文は「この授業の内容は1時間で収まっていないところがある」と述べている)/前の授業で「見えないゴリラ」の実験、後の授業で「つぶやき宣言」を置く3回の流れの中央にあたる
- 必要なもの
- 2人の高校生の会話文(ネットいけいけ派のAさんと慎重派のBさん。広がりやすさ・複製のされやすさ・消しやすさ・言いたいことの伝わりやすさの4つの論点をひとまとまりの発言の中に入れたもの)、分析用のプリント(左に論点、右に2人の主張を抜き出して矛盾点と理由を書く欄。4つの論点それぞれに用意)、考え方の変化が1枚で見て取れるA3のワークシート
- 前提
- 複数の矛盾する情報の矛盾する理由を考えると、どちらかに肩入れせずヒューリスティックバイアスに影響されずに深く読めるという研究を下地にしている。あわせて、認知的不協和(Festinger/認識と状況が矛盾すると人間は本能的に何とかしようとする)と、情報を比較すると特定の機能や特徴に気付けるという研究(Schwartz)を根拠に、あえて矛盾する情報を見せる。ねらいの土台は「モラルは『こうしなければいけない』を強調するが、情報の科学的な性質と仕組みが分かっていないと結局は正しい行動はできない」という考え方——ネットワークでの発信は満員の野球場の大観衆の前でしゃべるのと同じ規模なのに、目の前にあるのは手のひらに収まるスマホだけで、直観と実際の特性に大きなギャップがある。
- 前の授業で「見えないゴリラ」の実験(白チームのパスを数えさせると、画面を横切るゴリラに気付かない)を使い、人間の注意力の特性に気付かせておく。
- ネットのつぶやきとリアルの会話を比較した2人の高校生の会話文を読ませる。ネットいけいけ派のAさんは「Twitterで話すのと内輪で話すのと変わらないじゃん」「電車の中でしゃべってたほうが周りに聞かれるから広がるかもよ」と言い、慎重派のBさんは「リアルの会話で1000RTとかないよね」「鍵を掛けても拡散できるの知らないの?」と返す。広がりやすさ・複製のされやすさ・消しやすさ・言いたいことの伝わりやすさの4つの論点が、ひとまとまりの発言の中に全部入っている。
- プリントで、左に論点を整理し、右に2人の主張を抜き出して、矛盾しているところとその理由を書かせる。まず個人で考えて書かせ、次にグループで考える。気付いてほしいのは、広がる規模と鍵の効果に対する認識の違い(広がりやすさ)、記録が残ることの重要性の認識の違い(特定されやすさ)、複製しやすさの認識の違い(消しやすさ)、文字以外の情報の重要性の認識の違い(誤解されやすさ)である。最初の2クラスで苦労したので、「矛盾する理由は文章に書いてあるからよく読みなさい」「Aさんは見落としていることがある」というヒントを出した(ただし後者は出し過ぎで、本来は中立的な立場で悩ませたいので出さない方がよいと本文は述べている)。
- 見つけた矛盾の理由をもとに、情報の「広がりやすさ」「消しにくさ」「特定されやすさ」「誤解されやすさ」についてネットとリアルの違いを考察させ、自分の意見を書かせる。生徒は「広がりやすいのはネット。拡散とかスクショがあるから」「まとめられたら特定されてしまう」「スクショやコピーされたら消せない」「表情がわからないから捉え方が違う」と、生徒なりの表現で書く。それを受けて「今みんなが見つけてくれたのはこう呼ぶんだよ」と、伝播性・残存性・複製性などの言葉を整理して説明する(生徒に発見させてから用語を与える順にする)。
- 事後課題として「こんなときには」「こんなふうにしたい(こういうことはしない)」を書かせる。ねらいは別の状況で学んだことを適用できるかを測ることなので、状況の設定自体を生徒に委ねる。あわせて「なぜそうしなければならないのか」を書かせ、「伝播性が強いから」「残存性が強いから」のように情報の科学的な性質を根拠にできているかを見る(最後に自信度とその理由も書かせる)。次の授業では「つぶやき宣言」として、今後どんなことをつぶやくか・どんなつぶやきはしないかを友達の前で宣言させる。なお本文は、直前の振り返りで自分のトラブル経験を書かせたため「誤解に関する状況」を設定する生徒が非常に多くなった、状況設定を委ねたので分析が苦しかった、という課題も挙げている。
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- 科目
- 人型ピクトグラムを使うアプリケーション「ピクトグラミング」で「情報Ⅰ」の4本柱を網羅的に学ぶ学習環境の構想提案
- 必要なもの
- ピクトグラミング(pictogramming.org)
- 前提
- 「情報Ⅰ」は4本柱のいずれも盛りだくさんの内容で、限られた時限数でどう授業設計するかが大きな課題になるという問題意識から出発している。発表時点では構想部分も多く、2020年ごろの実装完了を目指すと述べている。/※同じ著者の事例163は、その後の実装状況を含めた統合学習環境としての紹介。事例76も人型ピクトグラムを使った提案
- 人型ピクトグラムは抽象度が高いため、見た人が自分自身や自分に関わる人物を想起する効果があるとされる。またピクトグラムは人間の日常的・社会的活動や社会の諸問題を映し出す凝縮された写し絵なので、「(1)情報社会の問題解決」で情報技術が人や社会に果たす役割・影響や情報モラルを考える切り口になる
- 設計指針の一つはパパートが重視した「同調的学習」(自分の体を使ってタートルになったふりをすることでLOGOの命令を実行できるという特徴に重要性を見いだしたもの)。人型の対象を動かすために自分の体の動きの感覚や知識、経験を動員することになり、プログラミングの手順の理解が深まる
- 作品例は3種類に分かれる。「走る」「手を上げる」のように自分の体の動きを表すもの、「キューピット」「人気アニメキャラクターのポーズ」のように意図や好き嫌いといった自分の意識を反映するもの、「歩きスマホ禁止」「ドアはノックしましょう」のように社会的に望ましい行動を表現するもの。デザイン志向の授業なら3つ目、プログラミング志向なら2つ目の作品ができるとしている
- ピクトグラミングのプログラムコードは細粒度で動きや表示と関連づいているため、加工が容易なメタコンテンツに相当するデータとみなせる。「(4)情報通信ネットワークとデータの活用」の仕組み・構成要素・プロトコルを、擬人化技術で現実世界の日常的な振る舞いに落とし込んで理解するのに役立つとし、他の単元で蓄積したコンテンツをこの領域でも使う設計を構想している
- ここまでを「狭義のピクトグラミング」とし、生成される人型ピクトグラムを擬人化エージェントとみなして、それと影響し合う人間を含めた認知空間での相互作用を総合したものを「広義のピクトグラミング」と定義している。「どのように表現したらよいか」と考えることが作る人に内省を促し、人型ピクトグラムを「同一視」だけでなく「共感」の対象としてとらえる二重の認知モードが促進される。これはシステムとユーザ間のコミュニケーションを円滑にするとも言われ、一斉教授型の授業からの転換を促すとしている
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- 科目
- 情報(問題解決力を問う問題の試行)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 1回(30分程度+感想と自己採点)
- 必要なもの
- 公立の中高一貫校の適性検査問題、大学の情報系学部の総合問題、感想と自己採点を集める仕組み
- 前提
- 思考力・判断力・表現力を問う問題は、公立の中高一貫校の適性検査と形式が近い(暗記した知識ではなく複数の資料を読み取る力が問われる)。生徒は「難しい」と言う割に解けるので、訓練すれば対応できるようになる。実施時期は期末試験の直後を避け、できれば定期考査の中に組み込む
- 30分程度で解答できる分量で、複数の情報(文章・図・資料)を組み合わせて考えさせる問題を選ぶ。公立の中高一貫校の適性検査問題と、大学の情報系学部の総合問題を組み合わせる
- 授業の最初に主旨と解答方法を説明してから解かせる
- 解答後に、問題ごとの難易度の感想を4段階で、自己採点を6段階で回答させる。あわせて「知識・技能は必要と思うか」「問題解決力は必要と思うか」「思考力・判断力・表現力を伸ばしてくれそうか」も聞く
- 感想と実際の得点を突き合わせる(「とても難しい」という回答が多い問題でも5〜6割は解けている)。「難しい」という感覚と実際の到達の差を確認する
- 問題の構造を解説する。知識がなくても解ける手がかりがあることを示す(数値の並びから規則に気づけば解ける、長文でも文中にヒントがあるのでよく読めば解ける)
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- 科目
- 情報(情報通信ネットワーク/プログラミング)
- 必要なもの
- 通信機能があるプログラミング環境、3人分の座席(横並び)、IPアドレスを確認する手段、モニター
- 前提
- 生徒に最も身近なメッセージアプリを題材にして、ネットワークの仕組みを考える機会にする(仕組みの全てを理解させることは目的にしない)。役割を送信役・サーバ役・受信役の3つに分けることが要点。手計算や表計算で済むことでも、自分の手でプログラムを書くと、値が出る裏で何が動いているかを理解できる
- 「あなたの端末から友達の端末まで、メッセージはどうやって届いていると思うか」と問う(多くの生徒は端末から端末へ一直線につなごうとする。サーバの概念が分かっているのは1割程度)。そのうえでモデル図を描いて仕組みを示す
- 3人一組で横に並ばせ、真ん中をサーバ役、左右を送信役と受信役にする。全員でIPアドレスを確認し、配布したコードの接続先をサーバ役のIPアドレスに書き換えさせる。サーバ役だけがサーバのボタンを押す
- 送信役が、サーバに文字列を送るプログラムを実行する。サーバ役は自分の画面にメッセージが届いていることを確認する(一言届くだけで生徒は盛り上がる)。次に受信役が、サーバに送られたメッセージを受け取るプログラムを実行して受信する
- 送信ボタンの改良、受信ボタンの作成へ進む。いきなり全部作らせず、プログラムを少しずつ書き換えるごとに実行結果がどう変わったかを毎回確認させる
- 最後に教員が全員のサーバ役になり、40人が一斉に同じサーバへ送る。モニターに表示すると友達の名前で書き込む生徒が出てくるので、そこからセキュリティの話につなげる。続いてサーバを落とすとつながらなくなることを体験させ、メンテナンスの意味を説明する。音声通話はタイムラグを避けるためサーバを通さない方式であることにも触れる
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- 科目
- 情報の科学「モデル化とシミュレーション」(※本文は「情報Ⅱ」の「情報とデータサイエンス」を先取りする位置づけと述べている)
- 学年
- 本文に明記なし
- 時間
- 一斉授業(機械学習以前+機械学習の知識・技能)+グループでの問題解決/※同じ著者の事例90は同じ内容の実践を別の場(神奈川県情報部会報告会)で報告したもので、時間配分(説明6時間+グループ活動6〜7時間)やワークシートの入手先はそちらに書かれている。事例126はデータを活用する授業の成果と課題を扱う
- 必要なもの
- Python(形態素解析ライブラリJanome、Word Cloudのライブラリを組み込む)、プログラミング学習サイトProgate(PythonのⅠ・Ⅱで変数・条件分岐・リスト・辞書・繰り返しまで)、表計算ソフト(tf-idfの計算結果を出力してノイズを除きグラフ化する)、Webサイトからコピペで集める日本語の文章(生徒がテーマに沿って収集)、例示用の題材(小江戸と呼ばれる3つの観光地)
- 前提
- 単純ベイズ分類器を選んだのは、①文章がデータなので対象を多量に集めやすい、②コンピュータに文章を答えさせられて「いかにも人工知能っぽい」(迷惑メールフィルターでも使われている)、③仕組みが高校数学程度で理解でき、最後は長方形の面積計算で解決できるので「確率は嫌い」という生徒でも何とかなる、という3点の理由から。「情報Ⅱをやるかやらないか」を教員が授業できるかどうかで測るのではなく、今の高校生が社会の中心となる2050年がどのような社会になるかで測るべきだという主張が土台にある。
- コンピュータが動作する仕組みと情報の表現の仕組みを押さえる。ここは深く説明しない。Pythonのプログラミングもここに含めるが時間はかけず、プログラミング学習サイトProgateのPythonⅠ・Ⅱを個人で進めさせておく。変数・条件分岐・リスト・辞書・繰り返しまでできれば、この機械学習のプログラムは十分書ける。
- 自然言語処理を3つ行う。①形態素解析——日本語は分かち書きされていないので、意味を持つ最小単位に分けて品詞を判別する必要があることを示し、Janomeを使う(固有名詞に弱く「ディズニーランド」が「ディズニー」と「ランド」に分かれることも経験させる)。②tf-idf——「重要な言葉は何回も出てくる」という考え方で、裏で動く数字を手で数えて確認する(tfは全形態素数に対する出現回数、idfは1単語で特徴を表すものを抽出するイメージ。オフサイド・ホームランなら競技が分かるが「ボール」では分からない、という例で説明する)。③Word Cloud——「情報Ⅰ」の学習指導要領に「タグクラウド」が出てくるので入れている。tf-idfの結果は表計算ソフトに出力し、「する」「ある」のような特徴語にならない語を除いてグラフ化する。
- 単純ベイズ分類器と、そのもとになるベイズの定理を、数学Aの条件付き確率と関連付けて説明する。迷惑メールの例(普通のメール0.8・迷惑メール0.2、「お金を振り込んでください」が入る確率が0.05対0.8)を長方形の面積として示す。続いて果物(いちご・りんご・キウイ)の分類で計算結果による分類を説明し、キウイの語群に「果物」がないと確率が0になって「キウイは果物ではない」ことになる問題を見せて、足りないところにデータを少し加えるスムージングの話をする。あわせてPythonで「0.1の300乗」を計算させてアンダーフローを起こし、対数を使えば程よい値になることを体験させて、データの扱い方や精度、計算の手順に目を向けさせる。ここまでは一斉授業で行う。
- グループでの問題解決に移り、「tf-idfと単純ベイズ分類器を、社会における問題発見や解決へ適用する仕方を考えて提案しなさい」という課題を出す。問題の発見から生徒に考えさせるが、初めてなので例示として、小江戸と呼ばれる3つの観光地を差別化する特徴語を抽出して分類器にかけ観光案内を作るものを見せる。テーマ決めは、個人で内容を考える→グループ内で意見交換して視点を整理する→テーマを発表して他のグループと意見を交換する、というステップを踏む。
- 各グループがテーマに沿ってキーワードとなる語句をWebサイト上で探し、必要な部分をコピペで集めて、与えられたプログラムで処理し、特徴を見ながら問題点や提案を発表資料にまとめる。ここで思い通りに動かないことから機械学習の落とし穴が見えてくるので、それを扱う(沖縄担当の生徒がデータを多く集めたため検索すると沖縄ばかり出る/「使いやすいペン」と「使いやすくないペン」で同じ結果が出る/「あさチャン!」と入れると「ZIP!」が出るのは語群に「あさチャン!」自体が入っていなかったため)。データの量、偏りなく集めることの大切さ、偏りが寡占状態を引き起こしうることに生徒が気づく。事前確率を変える理由がなければ等確率にするという「理由不十分の原則」を使い、データの行数で調整できるようにしておく。
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- 科目
- 情報/総合探究(情報モラル/ネットいじめの予防)
- 学年
- 中等部・高等部
- 時間
- 1回(50分)
- 必要なもの
- 公開されているシミュレーション教材(行動を選択してストーリーが分岐するもの)、各自の端末とイヤホン、ワークシート
- 前提
- いじめを目撃した「観衆」「傍観者」の立場に立たせ、適切な行動への判断力を育てる。早期の対応が必要であることと、行動の選択肢が複数あることを理解させる。トラブルになりやすいのは「当人同士がふざけているだけだ」と見逃されるケースなので、当事者意識を扱う。一回限りでは効果が薄いので継続する
- 導入5分で、クラスの対人トラブルに対する「当事者意識」の重要性と、学校でのトラブルとネット上のトラブルの関係を説明する(ネット上のトラブルは早く広く拡散して悪化する)
- 教材は事前に各自の端末にダウンロードさせるか、その場でURLにアクセスさせる。音声が他の人に聞こえないよう、各自でイヤホンを用意させる
- 20分でシミュレーション教材を体験させる。行動を選択しながらストーリーを進めさせ、早期に適切に行動すれば事態の悪化を防げるが、遅れたり不適切だと悪化することを体験させる。早く終わった生徒には違う選択のパターンも試させる
- 15分で2〜3人のグループを作り、「このような場合にクラス全体で取るべき行動とその結果」を話し合わせ、ワークシートに記入させる
- 最後の5分でグループごとにまとめを話し合わせ、全体を通しての感想を書かせる
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- 科目
- 情報の科学(情報モラル・データの活用・プレゼンテーションの横断単元)
- 学年
- 高校3年
- 時間
- 12時間
- 必要なもの
- マインドマップを描く用紙、主張・論拠・根拠のひな形、表計算ソフト、ネット利用に関するアンケート、レポートとプレゼンの様式
- 前提
- 「長時間使ってはダメ」という指導では利用時間は減らない。科学的な視点で自分の利用状況を分析させ、自覚から自律を促す。情報モラルを単発で扱わず、プレゼンテーション・表計算による分析・問題解決を横断する12時間の単元として組む
- マインドマップで自己分析させる。中心に自分の似顔絵を描き、興味や関心を発散的に書き出させる。そのうえで内容を箇条書きのアウトラインに収束させる(後のレポートの章立ての練習になる)。これをもとにプレゼンをさせる(後で自分のネット利用状況を発表する練習になる)
- 主張・論拠・根拠の関係を学ばせる(主張=言いたいこと、根拠=よりどころとなるデータ、論拠=データが主張につながるロジック)。「未成年が携帯電話を持つ際のフィルタリングを法律で必須にすべきか」のような議題で、賛成・反対の主張とその根拠・論拠を組み立てさせる
- 表計算ソフトの基本操作、関数、グラフの作成を学ばせる
- ネット利用に関するアンケートを実施して分析させる。生徒は生のデータではグラフにできないことに気づく(選択肢の回答を数値に割り当てる必要がある、平均を取ってよいデータかを判断する必要がある)。分析の対象は「所属クラスの利用傾向」と「自分と他者の利用傾向の比較」の2点にする
- 分析結果を、主張・論拠・根拠のひな形に沿ってレポートにまとめさせ、プレゼンで発表させる(予測が外れた場合も、その結果から考察を展開させる)
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- 科目
- 社会と情報(知的財産権)※芸術専門高校での実践
- 時間
- 5時間
- 必要なもの
- 各専攻で制作する素材(絵、踊りや歩く動画、演奏の動画)、知的財産の専門家(外部講師)、質問を書き留めるメモと入力先
- 前提
- 展示会や発表会が5月上旬から始まり、生徒がそのたびに知的財産権の問題に直面するので、なるべく早い時期に扱う。生徒自身が制作して著作権の当事者になることで理解を深める。区別しにくい権利は具体的な例で説明し、「区別がつけにくい」ことも繰り返し伝える
- 1〜2時間目に知的財産とその保護、著作物の扱い方を教科書に沿って扱う。3時間目に個人情報とプライバシーを扱う。質問はメモを取らせ、各授業の最後にコメントとして入力させる
- 区別しにくい権利は具体例で説明する。産業財産権の4つは、高度な技術に基づく発明/日用品のような発明/商品を特徴づけるマークやロゴや音/製品の形状や模様や色彩、と対応させて具体的な発明品を挙げる
- 実演に関わる権利も具体例で説明する。楽譜を見て演奏する人、振付の指導を受けて踊る人に与えられるのが著作隣接権であり、そのうち個人が特定されやすい実演家の社会的評価や感情を守るのが実演家人格権だと示す
- 4時間目に各専攻で作品を作らせる(絵はテーマとサイズだけ指定して色やサインは自由、踊りや自分で決めたテーマに沿って歩く動画、練習曲を演奏する動画)。制作日を必ず入れさせる
- 5時間目に外部の専門家を招く。自分が作ったものを素材にして、著作物とは何か、純粋美術と応用美術の違い、保護期間が「作品を作った日から始まる」こと、営利を目的としない場合の権利の制限などを扱う。動画を使った専攻では、曲・振付・動画制作に著作権が、実演に著作隣接権が発生することを、自分が当事者である実感とともに理解させる
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- 科目
- 専門科目「情報学基礎」(コミュニケーションとメディア)
- 必要なもの
- 自分が所属する集団を書き出すワークシート
- 前提
- 「日常のコミュニケーションで使う情報」と「コンピュータが処理する情報」は違うということを、生徒が理解した状態にする。生徒受けがよくないからやめる/よくするためにやる、という判断はしない(大事だと思うから扱う)
- ワークシートの中心に自分を置き、クラス・部活動など自分が所属している集団の名前を書き出させる
- 情報には種類があることを扱う(生命情報・社会情報・機械情報)。そのうち機械情報を物理的に媒介するのが伝播メディアであり、マスメディアだけでなく、声が音として伝わる空気もこれに当たると示す
- 社会情報を媒介するもの(成果メディア)を扱う。言語やピクトグラムのように記号に意味が乗っているもので、宗教や法律のように特定の集団で価値観が共有されているために誤解が生じにくくなることを説明する
- 最初のワークシートに戻り、書き出した集団の中から1つ選んで、その中でしか通じない「内輪ネタ」を発表させる(その集団にいない生徒には何も伝わらない。この空気を体験させることが要点)
- 限られた集団の中では成り立つが、そこから一歩離れるとメディアとして機能しなくなるのが成果メディアの特徴だと確認する。あわせて、集団内のコミュニケーションが高まるほど外部とのやりとりが薄れ、結果として誰かを外すことが起こりうることにも触れる
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- 科目
- 情報(データの活用)※日本語のプログラミング言語で統計処理を行う
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 50分×5回
- 必要なもの
- 統計処理の機能がある日本語ベースのプログラミング環境(ブラウザで使えるもの)、授業用のサンプルデータ
- 前提
- 表計算ソフトの使い方をクラス一斉に教えるのは大変で、操作の意味が分からないまま進むことになる。命令を1行ずつ並べる形にすると、どの手順で何をしているかが明確になる。操作の説明にかける時間が減るので、その分をグラフから読み取れることの考察に回す
- 授業用のサンプルデータ(通学時間や距離などの表形式のデータ)を読み込ませる。1行でデータの読み込みと書き出しができることを確認させる
- 命令を組み合わせて条件でデータを絞る練習をさせる(「1年生だけ集める」「通学30分以内の生徒だけ集める」など)。日本語の命令なので、何をしようとしているかが読んで分かる
- 代表値を調べてヒストグラムを描画させる
- 2つのデータの相関を調べて散布図を作らせる(一見関係のなさそうなデータの組み合わせで、関係があるのかないのかを考えさせる)
- 円グラフでは、命令で指定しておけば割合の大きい順に並べ替えて表示できることを使う。操作の説明で削減できた時間を「グラフで可視化されたデータから読み取れることは何か」の考察に充てる
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- 科目
- 「情報Ⅰ」の学習指導要領解説文そのものを題材に、情報デザインの授業の流れを設計してみた提案
- 必要なもの
- 「情報Ⅰ」の学習指導要領解説文(「コミュニケーションと情報デザイン」の節)、ルーブリック
- 前提
- 「情報デザイン」とは具体的にどんな内容か、実際の授業はどんな課題を設定してどんな流れで行うのか、どんな成果物を作ってどう評価するのか——この3つに答えるために、解説文を素材に「情報デザインの授業の流れを情報デザインしてみた」という発表。/※同じ著者の事例130・195・250・360も提言型の記事で、事例308は記入済
- 解説文の原文を段落ごとに色分けする。目標とされる内容を緑字、そこで何ができるようになるか・どのような力を付けるかを赤字、具体的な学習活動の例を青字にする
- 色分けしたものを「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学習活動の例」で分類して表組みし、解説文を視覚的に構造化する
- 青字の活動の中から具体的な活動の内容を表す語句を抽出して強調し、学習活動の流れとしてモデル化する。設計→制作・実行→評価→改善のPDCAに単純に当てはめるのではなく、制作は1回で終わりではなく相互評価や自己評価から改善案を考えて実行に移したいので、制作と実行の間に評価と改善のループを作る
- このモデルはギリシア文字の「φ(ファイ)」に形が似ているので「ファイ型学習活動」と名付けた。「コミュニケーションと情報デザイン」だけでなく情報Ⅰの全ての単元に当てはめられるとしている
- 制作物としてはリーフレットを勧めている(折りを入れることで情報が目に入る流れができてストーリー性がある、両面印刷が基本なのでチラシより情報量を盛り込みやすい、文化祭のクラス企画や部活の勧誘、遠足のしおりなどに応用できる)。「情報デザイン=リーフレット」と限定せず、スライド資料・グラフ・プログラムも情報デザインと考えれば全ての単元で指導と評価ができる。評価はルーブリックが最適で、ペーパーテストでは測りにくい思考力・判断力・表現力を測れ、自己評価と他者評価に同じ指標を使える
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- 科目
- 情報(評価のためのルーブリックの作り方と運用)
- 時間
- 単元を通じて / 記事前半のルーブリックについて
- 必要なもの
- 評価項目と4段階を書いたルーブリックの表、4人で1つの島にした座席配置
- 前提
- 誰が評価しても同じ評価になる基準にする(複数の教員で担当する場合に特に有効で、他の教員にも観点を伝えて評価を任せられる)。ペーパーテストで測りにくい関心・意欲・態度・思考・判断・表現の評価に使う。最初に示すと途中で基準を変えられないので、ぶれない基準を作る必要がある
- 縦軸に評価項目、横軸にS・A・B・Cの4段階を置く。Bにその単元の目標(全員に達成してほしいところ)を書き、それを超えるものをA、生徒の伸びしろをSとする
- 最初の授業で生徒にルーブリックを示す(例:企画内容・発表内容・伝え方・デザインの4項目)
- 全部を毎回読ませるのは大変なので、1時間ずつ「今日はこの項目に注目して作る」「今日はリハーサルなので伝え方の欄を確認する」と該当箇所だけを示す
- 生徒はその表に従って相互評価や作品の制作を行う(「ここを変えれば評価が上がる」「これがB止まりの原因ではないか」と生徒同士で話し合うようになり、教員への質問も具体的になる)
- 生徒自身にもルーブリックを作らせてみる(次の発表で自分がどこを見てほしいか、項目を1つ選んで作らせる)。自分が書いた内容がそのまま評価の基準になるため、やる気につながる
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- 科目
- 生徒個人購入のノートパソコンによる情報教育15年の環境整備・費用・機種選定の報告
- 時間
- 2003年の創立から15年間(1期生〜15期生)
- 必要なもの
- 生徒個人購入(後に譲渡条件付きリース)のノートパソコン、光ファイバーを基幹とする有線ネットワーク、教員用と生徒用をVLANで分けた無線LAN、コンピュータ教室5つ、常駐のSE2名、拡張修理プラン、クラウドのグループウェアとアンケート機能
- 前提
- 商業科・工業科・普通科の3校を統合した総合学科の市立高校で、創立以来、情報分野と国際分野を教育の柱にしている。情報教育の目標は、生徒負担で全員にノートパソコンを持たせ、それを道具として使いこなす力を付けて卒業させること。文部科学省の「普通教室のICT環境整備のステップ」ではStage3が目標とされるが、本校は10年前からStage4を満たしている。情報関係の費用は年間約1億円(ネットワーク等の借り上げ4000万円、SEの給料を含む保守管理費5000万円ほか)。
- 重視している3点は、生徒負担によるノートパソコンの購入、学校中どこでも利用できる環境整備、人的な対応。情報の授業は1クラスを半々に分けて別々の教室で教え、それぞれに2人の教員を付ける(全校960人に対し情報の専任5人・臨時2人・助手1人)。校務分掌として情報国際グループを置き、保守員としてSE2名が常駐している
- 教育課程の単位は何度も変わっている。1・2期生は「情報A」2単位+2年で学校設定科目2単位、3〜10期生は「情報A」3単位+「情報活用」1単位、11〜14期生は「社会と情報」3単位+「情報活用」1単位、15期生からは「社会と情報」2単位+「情報活用」1単位+3年次の「情報活用+」1単位の計4単位
- 1年目に生徒個人購入で分かった問題は3つ。ローンが組めない家庭があり一括購入もできなかったので、業者に頼んで学校の保証で分割払いにする特例をとった(月々5000〜6000円を3年間学校に払い、卒業時に業者へ支払う)。月に1台の割合で落下による液晶割れが起き、修理費が7万円以上かかるが家庭に負担させられず業者に頼み込んだ(代替機5台では足りなかった)。パソコンのスペックが不足して立ち上がるのに10分かかり、開いても連絡がないことが続いて生徒がパソコンを開かなくなったため、やめる予定だったホームルームを行うことになった
- 2年目からは譲渡条件付きのリース契約にした。落下事故で保険を効かせても減価償却で満額は下りず、お金が戻ってもパソコンが手元にないと困るので、リース会社の所有物にすれば壊しても卒業まで同じパソコンが戻ってくる体制が作れると分かったため。代替機は8台に増やし、CDドライブ付きのA4ノートにした。機種はドライブなしから始まってDVD-ROM、マルチドライブ、9期生で内蔵無線LANが付き、12期生からタブレットとしても使えるものになった
- 慢性的に残った問題として、A4ノートにしたため約2kgと重くなり、破損を防ぐためケースを大きくしたら持ち帰りが大変で全員ロッカーに置いて帰るようになったこと(携帯性という当初の目的がうまくいかなかった)、必履修の情報以外の教科ではなかなか使わないこと、SEとの契約はネットワーク管理だったのに年間300件近い生徒のパソコン修理対応を頼むことになったことを挙げる。タブレット導入後は部品交換ができず持ち帰り修理で3か月かかるため、代替機が何台あっても足りず、拡張修理プランを導入してシリアル番号を送れば2営業日で代替機が届く形にした。このプランに入るとリース契約が不要になり他の業者も参入できて価格競争が生じるという利点もあるとしている
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- 科目
- 公立高校のICT環境の現状と改善の報告、および自身の授業づくりの振り返り
- 必要なもの
- 普通教室のプロジェクター(電子黒板機能付き。天井吊りより工事費が安かった)とApple TV、黒板に貼る巻き取り型のホワイトボード型スクリーン、1フロア8教室のうち両端に200台接続できるアクセスポイント(真ん中の教室は廊下に3台)、iPad mini約20台(校長裁量のマネジメント予算)、生徒個人のスマートフォン
- 前提
- 大阪府からは一切特別な補助が出ておらず、創立110周年記念事業の中で同窓会に依頼して少しずつ改善した。教科「情報」が本格的に始まる10年ほど前から研究会で考えており、当時は「どこの学校でもできる標準仕様でどうかしないとあかん」というところから始めた。手持ちのカードはWindowsのPCとMS Officeだけで、教科書はカラーコード(2進数で256色を表す表)が付いていることだけを理由に選んだ。/※同じ著者の記事はこの1件
- 授業のキーワードを「様々な方法での表現」「協働(共同)学習」「問題解決(シミュレーション)」の3つに置いた。黒板に書きながら進める講義形式はやめた(生徒が確実に寝るため)。当時は2分の1以上を実習に充てるようにという通知があったが100%実習にした
- その中に「考え・調べ・発表・評価」の4つを入れた。生徒はわからないことをすぐ調べるが、この授業の調べ学習ではまずコンピュータを使わず自分たちで考えて話し合いをさせ、その次にやっと「調べていいよ、PCを使っていいよ」という許可を出す。調べる前にまず考えるという前提が大事で、これは全ての教科で同じだとしている。当時アクティブ・ラーニングという言葉は聞いたことがなかったが、自分の授業を思い出すと結果的にそうなっていたと述べている
- 板書はせず授業の内容を全部事前に電子メールで生徒に送っている。いつでも振り返りができ、欠席しても何をやったかがわかる。今後はクラウド上の共有フォルダに置いて各自で取りに行く形にする予定で、全員にメールを送る手間がなくなり事前にも事後にも見られるようになる。課題や作品は原則として電子情報で提出させており、十数年前から「〇〇のフォルダに△△の名前で入れておきなさい」という形で続けた結果、十数年間の生徒の取り組みの過程が全て残って、話題になっているeポートフォリオそのものになっていたとしている
- 普通教室の府の標準仕様はスクリーンと情報コンセントで、そこにプロジェクターとApple TVを配置した。Apple TVを使うのは、生徒のiPadのデータを映すときにいちいち前に出て接続させることをなくしたかったため。「黒板は時代錯誤だからホワイトボードにしてほしい」とずっと言っているが実現しておらず、10年前の語学研修でニュージーランドの学校はもうだいぶ前からホワイトボードだったこと、ICT機器にチョークの粉は天敵であることを挙げている。教室棟全体の整備は文科省の整備計画で言えばステージ3程度になる
- BYODについては、公立高校で1人1台のiPadは無理(何度も言うようにお金がない)だが生徒の99%はスマホを持っているので進まざるを得ないとする。ただし「スマホを持ってない子どうするんだ」への対応や、生徒が月の最初の7日ほどで10ギガ以上使い切って速度制限を受けているため校内のWi-Fiを使いに来て授業中に使えなくなる問題があり、ルール作りを含めて大きな問題だとしている。LAN教室は机の向きを横にして生徒の様子が見えるようにしワークスペースを確保、スクリーンは教室の真正面より少し横位置にして斜めに向けた。LL教室はCALL教室への改装に2000万円かかると言われて我慢していたが、前後左右を変えてプロジェクターを3台置き(既存の1台と合わせて4台)、テーブル付き椅子を40セット+20セットで60人が活動できるようにした
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- 科目
- 情報の科学(モデル化とシミュレーション)※機械学習の仕組みと機械学習を用いた問題解決
- 学年
- 3年
- 時間
- 説明6時間+グループでの活動6〜7時間/※同じ著者の事例100は、同じ内容の実践を全国大会で報告したもの。題名は似ていないが扱う手法・道具・流れは同じで、事例100の側にはWord Cloudやアンダーフローの扱い、生徒の気づきの例が詳しい
- 必要なもの
- Python(形態素解析ライブラリjanomeを組み込む)、ChaSenやMecabなどの日本語形態素解析エンジン、教員が用意した120行ほどのサンプルコード、表計算ソフト(グラフ出力)、ワードクラウドの出力環境、ワークシート14〜19(記事からダウンロード可)
- 前提
- Pythonは夏休み前までに生徒がProgateのLesson1・2まで自分たちで終えている。全部を自分で書くのは難しいが、プログラムを読むことはできる状態。/人工知能は人間を超えた存在と感じてしまいがちなので、仕組みを理解して人間が使いこなすこと、仕組みから見えてくる限界を知ることをねらいにする(出てきた答えを批判的に捉えられるようにする)。扱うのは「教師あり学習」
- 自然言語処理の手順を学ぶ。まずChaSenやMecabなどの日本語形態素解析エンジンで、文章を形態素(意味を持つ最小単位)に分解する作業をやってみる。次にPythonに形態素解析のプログラム(janome)を組み込み、同じように分解できることを確認する
- tf-idf法とナイーブベイズ分類器の二つの原理を説明し、それぞれを実際に行うプログラムを確認する。2つとも「特徴語」の出現度合いが多いものを選んでくる点は共通しているので、両方を見ることでコンピュータが何を選んでくるかを生徒が予想しやすくなる(ベイズの定理の数学的な意味は迷惑メールの例で説明する)
- グループごとにテーマを決め、選ばれる対象となる語をメンバーで分担してインターネットで検索し、説明として出てきた文章をコピペしてメモ帳にストックしていく(例:「おススメの温泉」なら鬼怒川・熱海・草津…の公式ページやブログから特徴のありそうな文章を集める)。ここはあえて自動化せず手作業にする——探している間に自分なりに特徴に気づき、それが機械学習にどう反映されるかを予測できるようになるため
- 集めたデータセットを両方のプログラムに同じように入れ、条件となる文章を入力して動かす。特徴語の抽出結果は表計算ソフトのグラフとワードクラウドの両方で出力し、どの語句が計算に影響しているかを見る。ナイーブベイズ分類器は分類結果だけでなくその確率も数値で出力させる
- 思い通りの結果が出ないケースを検討する(「賢くて活発でかわいい犬」でも「強い犬」でも、さらに「賢くなくて活発でなくかわいくない犬」と入れてもポメラニアンが出てくる——担当した生徒が集めたテキストの行数を事前確率に使っているため、データの量と質で結果が変わる)。最後に自分たちが作ったシステムのユースケース図を描き、どんな予想や分析ができ、どんな人が使うと有効かを整理する
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- 科目
- 情報(思考力・判断力・表現力の指導)※「なりきりチャット」の実習と200字の振り返り
- 学年
- クラスによって異なる(国公立を目指すクラスは3年、私大を目指すクラスは2年、大学進学の学科は1年)
- 時間
- 記載なし/記事の主題は京都私学および自校の情報科の状況報告であり、ここに書いたのは記事中で紹介された「なりきりチャット」の実習とその振り返りの部分。記事の他の内容(Moodleを使ったCBT、ルーブリックによる自己評価、Google Classroomの活用、教室と教員の制約、研究会の活動)は含めていない
- 必要なもの
- 生徒一人ずつに別の指示を送るためのメール、200字の振り返りを書かせる用紙
- 前提
- 「なりきりチャット」は大阪の教員にヒントをもらったものを、自分なりに改良して取り組んでいる。/自分自身が大学院に入って初めて本当のレポートの書き方を教わったように思う。高校や大学時代もレポートは書いていたが、振り返ると感想文のようなものだった。それでは困るので、自分の考えを他の人にどのように伝えるかに主眼を置くようにした。/担当する生徒数が300人のため毎週添削をするのは困難で、アカデミックな文を書く機会は学期に1〜2回が限度。/評価は定期考査とプリント、実習の成果物でつけ、定期考査の割合は成績の3分の1程度。実習成果物の評価はパフォーマンス評価のみで行い、最初の授業でテストと実習などの比率を宣言する。/教員があらかじめ段取りを済ませてしまい、生徒は指示されたことをするだけ、ということがとても多いという課題を感じている。理想は「ゴールだけを示し、道はそれぞれ」という授業
- クラスをいくつかのグループに分け、生徒一人ずつに違う文をメールで送り、「あなたはこのハンドルネームで、こんなミッションを達成しなさい」と伝える。メールで伝えるので、どんな指示が来ているのかは周りの生徒にはわからず、隣の子が同じグループかどうかもわからない
- その中で、一人ひとりがミッション達成のために誰をどう騙すのか、また騙されないようにどうしたらよいのかなどを考えさせる
- 実習の後、何が自分にとって明らかになったかをリフレクションさせ、コンセプトを振り返って、この実習で得たものを200字でまとめる課題を出す
- 提出された200字を添削して戻す(句点なしで200字を一文で書く生徒には「読んでいて、しんどいで」というメッセージを入れるなど、わかりやすく伝えるために書く指導を心掛ける)
- 学期末には、200字ずつの課題を積み重ねてレポートを書かせる。毎回の振り返りとこの学期末のレポートで表現力を身に付けさせる
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- 科目
- 総合的な学習の時間(テーマ学習) / 中学校技術科発展
- 学年
- 中学3年
- 時間
- 全17時間(年間17時間を土曜日に2〜4時間ずつまとめて実施)/※これは見学記事で、実際に見学したのは第10・11時限(着陸ゲーム)と第14〜17時限(VBA)。第1〜9時限は渡邉隆昌先生へのインタビューで語られた範囲/※同じ筑波大学附属駒場中学校の事例113は、同じ内容を技術・家庭科の通常授業(1クラス41人)で行った側の報告
- 必要なもの
- 1人1台端末(Surface Pro)、Visual Studio(Visual Basic)、ライントレースカー(同校の先生方が開発したもの。型番は事例113に記載)、Microsoft Office(Word/Excel)、SharePoint(授業ポータル)
- 前提
- 技術科で論理回路(IC実験ボード)と4bitコンピュータ(アセンブリ言語)を深く学んでいることを土台とし、原理を理解した上で高級言語(VB)に進む。受講生は中3の選考された10名(プログラミング初学者だが数学的思考力・集中力が高い層)。専門家(杉田氏)とのチームティーチングで、文法の網羅的講義は行わず手打ちで動かしてから要点を解説するスモールステップで進める。VBAは中学生がExcelを使いこなせていない実態に合わせ、全員が経験する校外学習報告書(約80頁)のWord文字置換マクロに絞って効率化を実感させる。
- Surface ProとSharePointのポータル環境を整え、Visual StudioとVisual Basicの基本操作、コード記述の作法(全角半角やスペース等のデバッグ)を導入する(第1〜2時限)
- 実機(ライントレースカー)によるプログラミング学習。VBでライントレースカーの操縦プログラムを作ることを通して、順次・分岐・反復の処理の活用方法を学ぶ。カリキュラムの3本柱の最初にこれを置くのは、生徒が視覚的に理解しやすく、動きがあるため、スタート時に興味や関心を持ちやすいからである(第3〜9時限)
- Timer機能とイベント処理で動く「着陸ゲーム」をプレイして仕組みを把握した上で、1行ずつコードを入力し、降下速度や点火推力といった物理パラメータ(変数)の役割と画面内での座標変化のアルゴリズムを理解する(第10〜11時限)
- 燃料制限・効果音・スコア判定などの新機能や難易度調整を各自で企画し、変数の追加や条件分岐のアルゴリズムを改良してオリジナルの着陸ゲームを開発する(第12〜13時限)
- 校外学習の報告書作成(約80ページ)と結びつけ、Word VBAによる文字装飾の一括変更や指定文字列の置換マクロ(約20ステップ)を段階的に作成・実行して日常業務の自動化を体験し、SharePoint上で成果を共有して振り返る(第14〜17時限)
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- 科目
- 情報の科学(問題解決の手段としてのプログラミング)
- 学年
- 4年生(高校1年生)
- 時間
- 全10回(前半5コマでmicro:bitの使い方、後半4コマで製作、最終1コマで発表と相互評価)※記事本文には「前半の4時」との記述もあり、記事内で数が揺れている
- 必要なもの
- micro:bit(1クラス分でセンサーボードとケーブル合わせて約15万円。5クラスで廻して使える。ブラウザ上で開発でき環境構築は不要、USBケーブルでPCと接続しドラッグアンドドロップで書き込む)、ブロックのパーツ、色ケント紙などのペーパークラフト材料、DCモータ・サーボモータ、相互評価用の紙幣(20ピク・10ピク・5ピクの3種類)
- 前提
- 単元に入る前に、ピクトグラミングでプログラミングの処理の基本構造(逐次処理・繰り返し処理・条件分岐処理)と変数を学び終えている。/初学者が作れるプログラムでは高校生の「問題解決」のレベルとしては物足りず、逆に高校生にふさわしいレベルの問題解決を情報科の授業の中だけで行うには材料や設定に工夫が必要、という前提に立つ。/単に「問題解決」では考えにくいので、「学校生活をもっと楽しく!」という観点で「こんなものがほしい」を考えさせる。/電波法改正により授業の中でも無線通信を使った活動ができるようになった
- 前半5コマで、簡単なプログラムによる制御を通してmicro:bitの使い方を個人で学ぶ。スピーカなどの外部デバイスと接続する、内蔵の各種センサの値を取得して設定した変数に代入する、といった基礎的な操作を経験する(それを使って何ができるかは、後半のグループ製作で「こういう動作をするプログラムが作りたい」という内発的な動機のもとに応用させるため、ここでは踏み込まない)
- 4〜5人の班で「学校生活をもっと楽しく!『あったら楽しい』アイテム開発」というテーマのもと、学校生活における解決すべき問題を討論し、その課題を改善するためのアイデアを班として決める
- 後半4コマで、アイデアをmicro:bit・ブロック・ペーパークラフトで形にする。DCモータやサーボモータ、Bluetoothは前半で詳しく説明していないので、自分たちがほしい動きのために使わざるを得ない班にだけ説明書を渡し、試行錯誤させる
- 最終回に「出資会」形式で発表と相互評価を行う。プレゼンは前半・後半各15分の2回で、班の中で担当を決め、担当以外の人は他の班のプレゼンを聞きに行く(全員が自分の班の作品に責任を持って説明することになり、どの班にも常に説明する人がいる状態になる)。実機のデモとあわせてプログラムもパソコン画面に提示し、なぜそのアイデアにしたのか、プログラミングで工夫した点はどこかを質疑応答する
- 聞き手は各自「20ピク」「10ピク」「5ピク」の3種類の紙幣を持ち、「おもしろいアイデアなので出資したい」と思う班に投票する。集計後、全員が起立して「〇〇ポイント以下の班が座る」という形で結果を発表する(一人1票より高いポイントが出てバラつきも生じるため盛り上がる)
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- 科目
- 情報(知的財産権のうち産業財産権)
- 時間
- 記載なし/記事末尾の「私の授業では」の流れについて。記事中の白樺学園高校での公開授業(1時間で知的財産権の概要、もう1時間でプレゼンテーションの話とワークショップ)は別の実践
- 必要なもの
- 実物の教材(色だけの商標が認められた消しゴムなど)、新聞の切り抜きを挟んだネタ帳、商標権侵害・意匠権侵害の実例(偽物)、身近な製品
- 前提
- 教科書には産業財産権の説明はあるが、図版に商標そのものは載っておらず、むしろ消されている(「0と1を使わずに二進法を教えてください」というくらい難しい)。逆に言えば、教員の工夫次第で教育的に価値のある面白い授業ができる。/教員自らが知財に関わろうとする態度を見せる(校外の教育活動で著作権法35条の規定外になるときは、テレビ局に問い合わせて許可を得るという動きを生徒に見せる)。/日々のネタ集めが必要で、そのためのネタ帳を用意しておく
- 導入は「消しゴムの話」から始める。色だけの商標が認められた例(トンボが発売したロゴのない消しゴム、セブン・イレブン・ジャパンの看板などに使われる縞模様。海外では既に商標として認められていたが、日本では2017年3月に認められた)を、実物を見せながら話す
- 産業財産権の概要を扱う
- 専門高校の生徒の取り組みを紹介する(おといねっぷ美術工芸高校の、入学後に自分の道具箱を兼ねた椅子を自分の手で作る授業や卒業制作/長野工業高校の生徒が文化祭で販売したオイル缶を加工した薫製器で特許を取ったり、ソーラーカーレース用の「パンクしないタイヤ」を開発して特許申請した話)。知的財産権の恩恵にあずかる世代がもう自分たちと同じ世代にいるのだと身近に感じてもらうため
- 「特許とは何か」「実用新案とは何か」を、身近な製品を持ち出しながら扱う
- 海外製品における商標権侵害や意匠権侵害を実例とともに提示する。偽物を見せると生徒の受けは大変よいが、授業のねらいはそこではない——海外資本によるブランドの買収など現在世の中で起きていることを知らせ、中には国益を損なうような事例もあることを伝える
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- 科目
- 貸与型のiPadからBYODへ切り替えた経緯と体制の報告(校長へのインタビューと情報科の授業見学)
- 時間
- 2012年の1人1台iPad導入から2018年度のBYOD移行まで
- 必要なもの
- 生徒個人のデバイス(iPadより大きくキーボードが付いていることが条件。CPUは中程度、画面は11〜12インチ程度でよい。各自でアンチウイルスソフトを入れる)、クラウドのドキュメント・スライド(デバイスの違いを気にせず家でも学校でも同じファイルを使える)、BYOD用のネットワーク(学内のイントラとセグメントを分け学内サーバーにアクセスさせない)、テックサポートの派遣職員2名
- 前提
- 2012年に1人1台のiPadを学校で購入して全員に貸与し卒業時に返却する形で始めたが、2018年度からBYODに変更した。理由は貸与していたiPadが古くなって活用しにくくなったことと、2015年にスーパーグローバルハイスクールの指定を受けて全生徒が論文を書くようになり、キーボードのあるデバイスでないと書きにくいため特に高校2・3年生が自分のMacBookを持ってくるようになって実質的にBYOD状態になっていたこと。/※情報科のアニメーション制作の授業も紹介されているが、方針の説明が中心で進行の記述はない
- BYODのデバイスはiPadより大きくキーボードが付いていることを条件にした(iPadで論文が書けないと言う以上、それより小さいスマホを許可すると前提が崩れるため)。ネットワークへの接続は容量の関係で1人1台のみ。守るべきことと必要なスペックをまとめた書類に自分と保護者、担当教員のサインをもらってからWiFi登録する形をとり、BYODのネットワークは学内のイントラとセグメントを分けて学内サーバーにアクセスできないようにしている(ファイルのやりとりはクラウドで行うので問題ない)
- 保護者には移行の約1年半前に文書を渡して説明し、デジタルシチズンシップを身に付けるための教育の流れ、iPadを使った意義、指定を受けてからの実態を説明した。機種選定に悩む保護者のために2つのOSでそこそこの値段のものを3種類ずつ挙げた専用サイトを作ったが、結局そこでは誰も買わなかった。法人としてライセンスを購入しているので希望する生徒にはログイン用のIDを設定している
- 推進体制はETT(Educational Technology Team)という教員チームで、iPad導入時は3人、現在は4人体制でICT教育の計画策定や環境整備を行う。生徒のデバイス登録の世話、教員のサポートと研修、保護者との相談窓口を担い、学期に1回の保護者会で必ず説明して疑問には一対一で対応し、毎年の学校アンケートの保護者版・生徒版に書かれた不安にも個別に回答している。併設校との間を取り持つマネージャーがおり、両校で授業に使うコアなソフトを共通で入れている
- iPad貸与時代は、卒業時に全員から初期化させて回収し、ケーブルの接続や画面の割れをチェックして新品同様にキッティングするのもETTの仕事で、時期が集中して大変だったが、BYODになるとその労力がなくなった。端末やネットワーク自体の管理は事務室に所属する専門の派遣職員2名が行っている
- 別々の端末が混在する不安への対応として、操作は周りの生徒同士で教え合うことで解決している。最初は教員に教えて教員から生徒へと考えたが時間がかかりすぎ、忙しい教員や苦手な教員もいたため、生徒に教えて生徒から広げてもらう形にした。ファイル形式については、クラウドのドキュメントやスライドを使えばデバイスの違いを気にせず家でも学校でも同じファイルを使えてグループ作業も楽になる。それ以外で作る場合はテキストファイルが書けるものなら何でもよいが提出はPDFにしてもらう。あわせて、手書きのアナログは大事で中学生ならプレゼンにスライドを使わず手書きでポスター発表をさせることもあり、段階や場面によって使い分けて両方使えるようになることが大事だと述べている
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- 科目
- 社会と情報(統計・データサイエンス)
- 学年
- 2年(1年生・2年生でそれぞれ1単位ずつ履修)
- 時間
- 2年生の学年を通じて(1学期Excel、2学期R=プログラミングは3コマ、3学期Azure MLS)/見学したのは3学期の2回目。2クラス(24名×2クラス)合同で2名の教員が担当/※同じ学校・同じ教員の前年度の報告が事例61にあり、そちらはR言語導入前の年間構成(2年の2学期・3学期に表計算ソフトでのデータベース操作と分析)と、ピボットテーブルの回を報告している
- 必要なもの
- Excel、R言語、Azure Machine Learning Studio(マイクロソフトのクラウドサービス)、学習用データ(2000〜2010年の人口データ pop.csv)、操作方法を見せる5分ほどの動画、2人に1台の提示用モニター、ハンドアウト、LMS(提出用)
- 前提
- 3年生の「総合的な学習の時間」で各自がテーマを設定して最低12,000字程度の卒業論文を執筆するため、各教科の学びが卒業論文の作成に結び付く大きなカリキュラム設計になっている(情報科で学んだ考え方や手法を使って問題解決をするために、卒業論文という場が与えられている)。/Azure MLSはコードを書かなくても画面上で学習データや分析手法を選択してつなげるだけで機械学習のモデルを作れるが、それまでにExcelとRで回帰分析を段階を踏んで学んでいるので、導かれた結果の意味とその裏で動いている処理を理解できる。/プログラミングは生徒によって興味の差が出やすく、特に初学者の場合は時間をかければ効果が上がるというわけではない
- 2年生の学年を通じて統計を扱う。1学期にExcelを使った記述統計、2学期にR言語を使ったプログラミング、3学期にクラウドサービスのAzure MLSを使ったデータ分析をもとにした探究活動を行う。回帰分析は数学Iの「データの分析」→Excel→R→Azureと段階を踏んで扱うことになる
- 2学期はRの基本操作とプログラミングを学ぶ。実際にプログラミングを行うコマ数は3コマだけで、アルゴリズムまでは踏み込まず、順次・条件分岐・繰り返しの基礎的な文法を押さえるところにとどめる
- 3学期のAzure MLSの回。最初にデータをクラウドアプリケーション上で操作することと、機械学習の簡単な解説をし、5分ほどの動画で操作方法を見せる
- 実際にクラウド上にデータをアップロードして処理フローの設計を行う(2000年から2010年までの人口データを学習用データとして読み込み、2011年から2020年までの予測データを書き出す)。手順の細かい説明はせず「まず触って動かしてみよう」という形にし、ざっくりした流れは2人に1台の提示用モニターに表示する。わからないところは周りの人と相談して解決し、どうしてもわからないところは机間巡視している教員に質問する(多少変なところをさわっても聞いて修正できるので、安心して自分で試せる)
- 宿題として、演習1(与えられた学習データを使った回帰分析の実行、散布図の作成、相関係数の算出、回帰直線の方程式の作成)と演習2(この学習データを活用する際に対象となる変数を考えつくこと)をLMSに提出させる。次の回では説明変数の数を増やして多変量解析を行う。成績評価は、今回とデータセットを変えたもので回帰分析を行う実技試験と、Azure MLSとRの違いについて考えをまとめるレポートとで行う
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- 科目
- 社会と情報(情報デザイン)
- 学年
- 1年(すべてのクラスで「社会と情報」2単位)
- 時間
- 記載なし/記事で紹介された情報デザインの活動を、記事の提示順に並べたもの。記事末尾の「まだ実施できていない授業の案」(ポスターのレイアウトと視線の動き)は含めていない
- 必要なもの
- 文書処理ソフトウェア、表計算ソフト(グラフの作成)、ピクトグラムを作る環境、プレゼンテーションの場
- 前提
- アートとデザインは明確に別物である——アートは表現する側が自由に表現してよく、受け手も自由に解釈してよいが、デザインは明確に誰かに何かを伝えるために行われる営みで、情報を受け手に伝達するために設計するのが情報デザインである(したがって情報デザインの評価を芸術科と連携するという考えはとらない)。/見た目が格好いいことがデザインだと勘違いされることがあるが、伝わらなければ意味がない(時速80kmで走行中に瞬時に判断できない高速道路の標識、洒落ているがトイレの方向がわからない案内板)。/デール・カーネギー「私はいちごクリームが大好物だが、魚はどういうわけかミミズが大好物だ。だから、釣りをする場合、自分のことは考えず、魚の好物を考えるのだ」
- 文章の構造化を扱う。見出しをきちんと付け、大きなくくりからだんだん小さなくくりへ段階を追って見出しを付けることで、まず情報の全体像を受け手に知らせる——受け手は全体像を知った上で情報を整理しながら受け止められる、ということを文書処理ソフトウェアを使いながら説明する。「総合的な学習の時間」の各自のテーマに関する発表レジュメを、構造化した形で作らせる
- 図解化の練習をする。生徒が興味を持ちそうな題材(有名な映画の登場人物の関係やセリフ)を図解するとどうなるかをやらせる(例:「恐怖は暗黒面へつながっている。恐怖は怒りに、怒りは憎しみに、憎しみは苦痛へつながるのだ」というセリフを図にする)
- プレゼンテーションで発表するときには、その図解を使いながら発表するように指導する。これを「総合的な学習の時間」の方に生かしていくよう展開する
- ピクトグラム(絵文字)を制作する。ピクトグラムは掲示する場所によって意味が変わるという特徴があるので、どこに・どのように使うかで何を伝えたいのかを明確にすることを意識させる(魚のマークは、スーパーの天井からぶら下がっていれば鮮魚コーナー、レストラン街のフロアマップにあればお寿司屋さん)。作ったピクトグラムを、どこに・どのように使うかも含めてプレゼンさせる
- グラフの見え方を扱う。同じデータから作っても作り方によって相手に与える印象が変わること、3Dのグラフはゆがんで見えて実際には小さいのに大きく見えてしまうこと、y=x²のグラフも軸をゆがめると曲線が直線になってしまうことを、実習を通して試させる(グラフの形自体を自由に変えられることがわかる。生徒から「こんなの詐欺やん」という声が出た)
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- 科目
- 情報(課題解決型学習・PBL/ロボットのプログラミング)
- 時間
- 7〜8時間程度/※同じ著者の事例36は、この前段階にあたるマインドストームでのライントレース(5時間の単元指導計画とワークシート5回分)を報告している
- 必要なもの
- レゴのマインドストーム(ブロックなのでいろいろな形が作れ、各種センサーで自動処理や計測ができる)、タッチセンサー・超音波センサー・ジャイロセンサー、iPadまたはPC(コーディングの必要がない、配置するだけのプログラミング環境)、ベルト状のケーブルと約2mの高さに設置する「ステーション」、運ぶもの(ピンポン球やフィギュア)
- 前提
- プログラミング教育の目的を「コンピューターのしくみに対する本質的な理解」「ITを活用してアイデアを具現化することを身につける」「様々な課題に試行錯誤しながら主体的かつ創造的に取り組んでいく姿勢を育む」の三つに置く。/センサーロボットのライントレースによる順次処理・条件分岐・繰り返しの学習は中学生を対象に行っている。中学から高校に進むにつれ、構造の自由度が高く活動の範囲が広いものに取り組みたいという考えからこの題材を選んだ。/宇宙エレベーターはまだ存在しないSFの構想だが、カーボンナノチューブなどの軽くて強い新素材が登場し実現可能性が語られるようになった。大林組が2050年完成を目指す建設構想を公表している。/「宇宙エレベーターロボット競技会」は非常に簡単なルールと簡単なプログラムで参加できるので、導入として取り組みやすい(小学生部門・中学生部門・高校生部門がある)
- 【宇宙開発の目的、宇宙エレベーターロボットの構想】なぜ宇宙エレベーターロボットが必要なのか、どんな形でどんな動きをするのがよいのかを考えた上で、マインドストームを使ってロケットの模型を作っていく
- 【宇宙エレベーターの製作】構想が固まったらロボットの制作にとりかかる。ベルトを挟みながら上る仕組みを考える、ベルトの挟み方を変えながら作ってみる、タッチセンサーや超音波センサーを搭載して試走してみる。ロボットはひもを垂らして上っていく形なので、バランスが悪いとうまく上らない——ジャイロセンサーを使って補正することも考える必要がある
- 【プログラミング】できあがったロボットを動かすためにプログラミングをする。ここではコーディングをする必要がない、iPadやPCを使って配置するだけの簡単なプログラムを使う
- 【プレゼンテーション】自分の作ったロボットの設計や、未解決な問題点などについて発表する
- 【宇宙エレベーターロボット競技会】競技会に出品できるまでのものを作る。ベルト状のケーブルを上っていくロボットを作り、約2mほどの高さに設置した「ステーション」までピンポン球やフィギュアなどを乗せて到達させる(競技は3分以内で60個のピンポン球をできるだけ落とさないように運ぶタイムトライアルで、落とすと減点。ロボットが動き出したら自動走行にまかせ、プログラムには絶対に手を出さないルールなので、安全性を考えて確実に運ぶことが重要になる)
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- 科目
- 情報(情報セキュリティ/パスワード)
- 時間
- 記載なし/記事後半の「見学者からのアドバイス」(生徒がハッカーになる設定、生体認証、セキュリティの原理への展開、httpsやパスワード管理アプリ)は、実施済みの内容ではないため含めていない
- 必要なもの
- ネット上のパスワード強度メーター、比較用の2種類のパスワード(A:アルファベットの大文字と小文字・数字・記号を使った8文字/B:「どんぐりころころどんぐりこ おいけには」を小文字でローマ字表記した32文字)
- 前提
- セキュリティのためには複雑なパスワードが必要であることは今や常識だが、具体的にどうすれば「複雑」になるのかは実はよくわかっていない。やたらと複雑な文字列は覚えるのが面倒で、結局生年月日や電話番号など簡単なものを使ってしまう。/2000年代の初め頃にアメリカでパスワード管理に関する有名な冊子を執筆したB.バー氏が「記号や大文字や数字をランダムに並べたパスワードは失敗だった」と述べたことが話題になった(2017年夏のニュース)のがきっかけ。/複雑にし過ぎることで利便性が下がり、結局安易なものに流れてしまっては意味がないので、見破られるのに時間がかかり、かつ覚えやすいパスワードとはどのようなものかを考えさせる
- 最新のスマートフォンに実装されているセキュリティについて考えさせる
- 2種類のパスワードを示し、「客観的に、この2つのどちらが複雑か」と訊く。Aは大文字・小文字・数字・記号を使った8文字、Bは意味のある日本語の文をローマ字の小文字で表記した32文字。ほとんどの生徒がAの方が複雑だと答える
- ネットのパスワード強度メーターで、AとBが解読されるまでに要する時間を実際に調べる(Aは46日、Bは24穣年)
- さらに、実際に自分が使っているパスワードを強度メーターで調べてみる(予想外にあっさり解読されてしまうことがわかり、生徒たちは俄然真剣になる)
- それぞれのパスワードが何パターン考えられるかを計算する(Aは大文字・小文字・数字・記号の計72種類が8文字なので72の8乗≒722兆パターン、Bはアルファベット小文字26種類の32文字なので26の32乗≒30極パターンでBが圧倒的に多い)。意味のある文字列はランダム配列より易しく思われるが、人間にとっての複雑さとコンピュータにとっての複雑さは異なることを確認する。あわせて、この強度メーターは総当たり攻撃で解読されるまでの時間なので、ある程度のパターンをまとめた「辞書」をもとにした辞書攻撃ならBも弱くなること、パスワードハッキング能力は向上し続けているのでさらに短い時間で解読されうることも認識させる
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- 科目
- 情報(2進法・10進法・16進法)
- 時間
- 記載なし(自作の「Binary Game」は10分ずつ3回程度、16進法のScratch教材は2回見せた)
- 必要なもの
- 表計算ソフトで自作した「Binary Game」(レベル3まで全30問、3シート、合計300点でコンプリート)、変換の仕組みを説明するScratch教材(2進法用・16進法用)、NHK「Why!? プログラミング」の指で2進法を数える動画、Unicodeの文字コード表、16進法のアスキーコード表、映画『オデッセイ』
- 前提
- 10進法を2進法あるいは16進法に変換することを、言葉で説明するだけでなく、楽しく学んで知識を身に付けてほしいという考えで素材を選ぶ。/指で2進法を数える導入は、間辺広樹先生の個人サイト「海の近くの情報教室」を参考にしたもの。/もとは「Cisco」のサイトにあった2進法と10進法を変換して遊ぶ「Binary Game」を10分ずつ3回ぐらい使っていたが、サービスが終了したので表計算ソフトで同じようなものを自作した
- 指で数を2進法で数える導入から始める。「指5本でいくつ数えられますか」と聞く(普通に数えたら5まで。両手の指10本だったらどうだろうと考えさせると、100以上1000までくらいだろうという答えが多くなる)。小指を1、薬指を2、中指を4、人指し指を8、親指を16として組み合わせると指5本で31まで数えられることを示す。これは、デジタルは0か1の2通りで作られていること——指を折る/折らないで0か1を表現していること——を理解してほしいから行う。「デジタル」がラテン語の「指(digitus)」からきていることもあわせて話す(NHK「Why!? プログラミング」の該当動画も見せる)
- Scratchで作った教材で、2進法と10進法の変換の仕組みを説明する
- 表計算ソフトで自作した「Binary Game」に取り組ませる。表示された2進法を頭の中で10進法に変換したり、逆に変換したりして画面上で答えるゲームで、レベル3まで全30問。「わからなかったら聞きに来てね」と伝えるが、生徒はけっこう自力でがんばって解くので、あまり手助けする必要はない。うまくコツを掴んだ生徒は10分ぐらいで1シートを終え、なかなかうまく進まない生徒にはできている生徒が教える姿も見られる
- 16進法も2進法と同じように16で割って変換するという説明を簡単にしてから、文字コードとは何かの話に入る。文字コードを2進法で表すと非常に煩雑になってしまうが、16進法に変換するとスッキリしてわかりやすくなることを説明する。Unicodeでは16進法で6587が「文」、5B57が「字」のように文字が割り当てられているので、自分の名前を文字コードで表してみる(16進法用の説明教材もScratchで作る)
- 映画『オデッセイ』を紹介する。火星に一人取り残された主人公が地球と交信を始めるが、YesとNoの最小限の通信手段しかなく、簡単なやり取りに30分も40分もかかるため効率がよくないと考える。そこで「あ、16進法だ」と思いつき、16進法で表されたアスキーコード表を出してきて地球とやり取りをする——このシーンを取り上げる
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- 科目
- 情報(プログラミング)※オンラインプログラミング環境Bit Arrowを使った授業の進め方
- 時間
- 10月から開始、7〜8回でほとんどの生徒がそこそこのものを書けるようになる
- 必要なもの
- Bit Arrow(東京農工大学・大阪電気通信大学・明星大学の3大学で共同開発している教育用のプログラミング学習環境。Web上で動作するのでインストール不要、作ったプログラムはクラウド保存されユーザー登録しておけばどの端末からでも入れる。C・JavaScript・ドリトルが使える)、プログラムの書き方や命令一覧のサンプルサイト、生徒のスマートフォン(QRコードでの取り込み用)
- 前提
- 教える内容は生徒に任せる方針をとる——サンプルサイトを見ればプログラムを作れるので、教員が教えることは実はほとんどない。教えなくても生徒が試行錯誤しながらつかみ取っていく方が面白いと考える。/管理者機能で生徒の取り組みの状態を一覧表示でき、誰がどこでつまずいているか、どんなエラーが出ているかを把握できる(自分の授業の振り返りにもなる)。/最近の生徒はPC操作が苦手で画面をいちいち立ち上げるのを億劫がるが、この環境ならタブの切り替えだけで済む
- 最初の時間はドリトルを使って、プログラムはきちんと書かないとダメであること、書いた順番通りに実行されることを体験させる
- 2時間目からJavaScriptを使う。普通にWebブラウザとテキストエディタでプログラムを書くとエラーを起こしている箇所がわかりにくいが、Bit Arrowに載っている教育用のライブラリはエラーの発生箇所を自動的に表示したり、忘れやすい入力の補助をしたりするので、本来の学習活動に集中できる
- サンプルのゲームを徐々に複雑にしていく。最初はボールが1個落ちるだけだが、変数を変えると速さや動きの向きを変えられる→出てくるボールを増やしてそれぞれ動かすことで「配列」の概念を教える→ボタンをつけて押すとボールが動くようにすると関数の概念が身に付く
- プログラムの書き方や命令一覧のサンプルサイトを見れば作れるので、自分で何を作りたいかを考え、どれが使えるかを考えて作らせる(猫がボールにぶつからないようにするなら「ぶつかった」という判定が必要になり、動きを工夫するにはsinやcosも使う必要が出てくる——そういったことも自分で考えて作っていけるようになる)。自分のアカウントでログインすれば自宅のPCでも作れるので「続きは家で作ってみよう」ができ、冬休みに自分でゲームを作る課題も出せる
- できあがったゲームのプログラムは、QRコードから自分のスマートフォンに取り込んで動きを確認する(友達のゲームで遊んで「こんな作り方があったのか」という刺激を受けられる)。作品の評価は生徒同士の相互評価で行い、「工夫して面白いものができたか」を第一のポイントにする
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- 科目
- 社会と情報(情報リテラシー/情報の信憑性)※学習指導要領の「(1)情報の活用と表現」の「(ア)情報とメディアの特徴」
- 学年
- 1年
- 時間
- 全4回(1年生の「社会と情報」6クラスで実施)/記事後半の他単元への応用(鍵アカの是非、パケット交換方式と回線交換方式)は同じ手法を使った別の授業。プログラミングへの応用は「来年度やってみたい」で未実施/**同じ実践の別の報告が事例225にあり**、そちらは2回目・3回目の授業を1コマずつ詳しく扱っている
- 必要なもの
- 矛盾する複数の文章(4回分の題材:①都道府県別の学力調査の結果と1人当たりの教育予算の関係について、文科省と財務省の事務次官が相反するコメントを出したという設定/②朝食の喫食率と学力の相関について、教育評論家AとBが相反するコメントを出したという設定/③低炭水化物ダイエットと低脂質高炭水化物ダイエットを、医学博士AとBがそれぞれ効果があると主張する文章/④条件付き報酬とパフォーマンスに関して大学生・子ども・インド人を対象に研究した3つの文章)、文章ごとに色を分けた付箋、ワークシート(記事からダウンロード可)、中央モニター
- 前提
- 情報の信憑性は「信頼できる情報源からの情報であるかどうかを基に判断する」という教え方が一般的だが、公的な人や機関が恣意的な情報を発信するのが当たり前になってきている中で、情報源の信頼性だけで判断してよいのか。また、人間が情報を受け取るときの偏り(ヒューリスティックバイアス)が考慮できていない。/「情報の信憑性を判断するためには、その情報が生み出されたプロセスに注目することが必要だ」という研究結果があり、矛盾する理由を考えることでバイアスに影響されず複数の文章を深く読み取れるという研究もある。/1回目の題材の前提として「相関係数0.2は、弱い相関があると見るか・ないと見るかのちょうど境目である」ことを事前の授業で教えてある。/文章の書き手は名前や肩書でバイアスがかからないように「教育評論家A・B」などとする(それでもかなりの生徒がひっぱられる)
- 矛盾する複数の文章を読ませる。それぞれの文章に何が書かれているかを、文章ごとに色を分けた付箋に書き出す(例:ピンクの付箋に財務省事務次官の主張、水色の付箋に文科省事務次官の主張)
- 書き出した付箋を、ワークシート上の「2つの文章の関係」の4つの分類に整理し、一致している点と矛盾している点・違っている点を見つけ出す(例:「相関係数は0.2」ということ自体は一致しているが、それを「相関がある」と見るか「相関がない」と見るかが違う)
- その違いが生まれる理由を考えさせる。まず個人で考えてからグループで考えるステップにする。ワークシートの理由欄は中央に点線があって左右に分かれており、左が「理由」、右が「理由の理由」——「理由を考えなさい」だけだと「考え方が違う」「発言する人が違う」で止まってしまうので、「じゃあ、どう違うの」と訊き、できるだけ右側に入るものが出てくるまで考えるよう促す
- グループで話し合っている間に机間巡視し、うまくできたグループのワークシートを中央モニターに映す(生徒は自分のグループのものと中央モニターのものを両方見て考える)。よくできたグループを2つ程度見つけて、皆の前で発表させる
- 矛盾する理由に「ラベル」=名前を付けて示し、再利用できる形にする(1回目は「バイアス」、2回目は「相関と因果関係は必ずしもイコールではない」、3回目は「効果の内容=メカニズムの違い」、4回目は「条件の違い」)。生徒が見出せなかったラベルは教員が説明する。最後に振り返りの事後課題を行う(例:「今後、ダイエット情報を見るときにはどんなことに気を付けたらよいか」/「パフォーマンスが上がるモチベーションの与え方と上がらない与え方を、部活など身近な例で考える」)
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- 科目
- 情報(情報モラル/情報の表現・伝達の工夫)
- 時間
- 1学期(手順1〜3は1学期の前半)/トーク事例の制作は1時間以内
- 必要なもの
- プレゼンテーションソフト(ピクトグラム制作、個人情報カード、トーク事例のテンプレート)、LINE株式会社が作っている情報モラル教材のカード(ネット上で公開されている)、相互評価用のルーブリック、ワークシート、「嫌なことのデータ」(毎年とって蓄積し前年と比較する)
- 前提
- 情報モラル教育を行う上で非常に重要なのは「題材」を何にするか——題材が高校生にとって身近であれば生徒も俄然やる気が出る。/実際に題材を変えて検証している。ピクトグラムの課題を「学校に必要なピクトグラムを作ろう」にした年は「身近な問題だった」25%・「切実な問題だった」53%だったが、SNS(LINE)にすると身近さと切実さが一気に跳ね上がった(その代わり題材は少し難しいと感じた生徒が多い)。メディアの特徴を扱う題材も、大学学長のスピーチからLINEトークのトラブルに変えると「身近であった」61%→94%、「切実であった」62%→86%に上がった。/手順2の個人情報カードの活動は、大阪府立東百舌鳥高校の勝田浩次先生の実践を参考にしている(本アーカイブの事例48に相当)
- ピクトグラムの制作。1学期の一番初めに「情報の表現・伝達の工夫」と情報モラルの両方の導入として行う。エスカレーターのピクトグラムなどいろいろな素材を見せ、プレゼンテーションソフトで練習してから作品作りにとりかかる。課題は「SNSで困ったことや嬉しかったこと」(悪意のある書き込み、スマホを持っていないから仲間はずれになってしまった、などの作品が出てくる)。完成したら「このピクトグラムは何を表していますか」と他の生徒3名にチェックしてもらい、作った生徒が口頭で説明しなくても3人中2人以上に意味が正しく伝わっていればAとするルーブリックで相互評価する
- 個人情報カードの空間配置。出席番号や性別といった生徒の個人情報をカード形式にしてスライド1枚にまとめ、左上を一番知られたくない情報、右下を知られてもいい情報とする。生徒にデータを渡し、それぞれ自分の考えで配置してもらう。次に、知られてもいい情報のベスト3と知られたくない情報のベスト3をワークシートに書いて発表させる(同じところに配置されていても自分とは理由や意図が違うことがあるので、個人情報の価値は人によって違いがあると気付ける)
- LINE株式会社が作っている情報モラル教材のカードを使う。「おとなしい」「真面目」「個性的」など、一見悪い意味ではないものの自分がクラスメートに言われたら嫌だと感じる言葉が書かれており、どの言葉が一番嫌かは人によって違う。あわせて「すぐ既読がつかない」「返信が来ない」「自分の写真を勝手に使われている」といった嫌なことのデータを毎年とっておき、去年のデータと今年のデータの違いを比較する(去年は「知らないところで自分の話題が出ている」が一番だったが、今年は「すぐに返信が来ない」が一番になっている)。ここまでを1学期の前半に行う
- LINEトラブルをトーク事例で表現させる。プレゼンテーションソフトのテンプレートを使って1時間以内に作らせ、あわせてどうしたらトラブルを回避できるかも書かせる(例:「明日の持ち物何?」に「まじ、卍だわー」とスタンプを返す=流行の言葉を使ってごまかしたり無視するタイプ/「明日の遠足楽しみだね! 大縄がんばろう!」に「うん」だけ=返信が短いので相手が怒っているのではないかと思ってしまう、回避策は「怒ってるの?」と一言返す/「今何してるの?」「わり、寝てた」「お前、ツイッターで呟いてたやん」=未読無視)
- 作られたトーク事例を共有する。自分たちが今どういうトラブルに遭っているのかを表現すると、自分がトラブルだと思うことが他の子たちにとってはトラブルではなかったということにも気付く(個人情報もLINEトークも、人と自分の違いを知るということを意識させる)
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- 科目
- 人型ピクトグラムを使った教具・教材の開発報告(アンプラグドの活動とプログラミング学習環境の2つ)
- 時間
- アンプラグドのアクティビティを10個公開/ピクトグラミングは1コマ50分を想定した全8回分のテキストを公開
- 必要なもの
- ヒューマンピクトグラムアンプラグド(hpunplugged.orgでアクティビティの動画とデータを公開)、ピクトグラミング(ブラウザで動くのでインストール不要。全8回分のテキストも公開)
- 前提
- 青山学院大学の伊藤一成先生との共同研究。「情報の科学」の採択率が2割しかない現状では、コンピュータサイエンス自体に抵抗がある先生もかなりいると見て、この分野を教えるための教具・教材が開発されていないなら一助になればという考えで行っている。/※同じピクトグラミングを扱う事例103・163は開発者側からの提案
- コンピュータサイエンスアンプラグドの書籍やサイトには23のアクティビティが提案されているが、実際に授業でやろうとすると難しいので、その課題を5つにまとめた。例として、天秤と重さの違うおもりを使った並べ替えのアクティビティは、天秤とおもりを10セット持っている情報科は非常に少ないという「教材準備に関する経済的・時間的負担」を挙げる。ピクトグラムがあればできるように開発した
- コンピュータサイエンスアンプラグドは人間がコンピュータの役割を演じるのでどうしても一人称の視点になるが、並べ替えの課題では俯瞰的な視点も必要になる。ピクトグラムを使えば理解できるまで何回もシミュレーションを繰り返したり全体の役割の理解を深めたりできる。現在はアンプラグドの模倣に近いが、今後はコンピュータサイエンス分野に限定しない独自の内容も出せるとしている
- ピクトグラミングを使う理由として、VBAやJavaScriptを学んでExcelを操作しても生徒がそこで何が起こっているか分かっているかはあやしく、既存の表計算ソフトの使い方を教えても「住所録を作って、何がおもろいねん」で終わってしまうことを挙げる。動かす対象が人なので、順次・並列処理、繰り返し、条件分岐、手続き、関数まで扱える
- 生徒はバレーボール部ならスパイクを打つ動きを作るなど、よりリアルな動きのために自分で試行錯誤を重ね、先生や友達に質問する姿が見られる。「こうやれ」と言われて動いたのとは違い、動かしたいものがあり、それが人の形をしているから動いたらどうなるかが想像できると述べている
- 優れた点として、ミスコードをしたときにピクトグラムが変な動きをするので生徒が笑い、クスクス笑いながら試行錯誤する空間が生まれることを挙げる。授業では説明は15分ほどで残りは生徒にやらせ、繰り返しとアニメーションを教えただけで面白いものを作る生徒が何人も出た。くじけそうな生徒には説明し、面白い作品は全員に見せて共有しながら進めた
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- 科目
- 情報(情報通信ネットワーク/パケット通信の仕組み)
- 学年
- 中等教育学校後期課程
- 時間
- 年間を通じた課題解決型の授業の一部(平成21年度から毎年改良を重ねた6年目の事例)/授業時間の冒頭5分は「作戦会議」として打ち合わせにあてる
- 必要なもの
- 実機(市販のルーター、HUB、LANケーブル)、クライアントパソコン(実習で使用するOSを誤ってインストールしないようハードディスクを抜き、USBメモリからUbuntuが起動できるようにする)、ネットワークを解説した自作プリント、Ubuntuを使うためのプリント、教科書・資料集・ウェブページ、デジタルノート、プレゼンテーションソフト
- 前提
- 学校の教育目標「知の創造」を実現するには「自分で勉強できるようになる」ことが最低限必要と考え、「総合的な学習の時間」を軸に「学び方スキル」のカリキュラムを整えている(中1でPDCAサイクル、中3でレポート、後期課程で卒業論文)。情報科は年間を通じて「課題解決能力を鍛える」をテーマとする。/インプット→インテイク(自ら理解し咀嚼するために考える)→アウトプット→フィードバック、という学習全体の活動をどうコーディネイトするかを意識する。/手取り足取りつなぎ方を説明せず、到達点を目標として与え、その目標を理解できれば基本的にOKという形にする。ルーティングテーブルも自分で一から書かせず、RIPで自動生成されたものを確認させる
- 実習に入る前に、演習問題2問をノートにまとめて提出する課題を出す。①インターネット接続を契約していない一軒家に光ファイバーでネットワークをひく際に、どんな機器が必要で、IPアドレスの設定はどうすべきかを図にする ②DNSサーバーに問い合わせてから実際にクライアントのパソコンにウェブサイトの画面が表示されるまでの仕組みを図にする。資料は自作プリント・教科書・資料集・ウェブページを準備し、そこから手がかりを見つけて答案を作らせる(教員に尋ねてもよいが、基本は資料から)。大切なのは情報源から自分の問題解決に必要な情報を取捨選択すること、そして調べた情報が本当に正しいかを自ら評価できること——教員は正しいものを見つけるごとに「いいものを見つけたね」と声をかけ、作業を進めやすい状況を作る
- 答案はグループで話し合って解決してよいことにし、アウトプットとフィードバックとインテイクを繰り返しながら作らせる。デジタルノートでまとめると何度も書き直しや要点のまとめ直しができ、編集方法や伝わる表現も指導できる(答案の概要を検討→答案を作る→要点をおさらいする→答案を補強する、というPDCAサイクルを回す)
- 実機を使って4人1班でネットワークを構築する実習に入る。課題1は同じネットワーク同士で有線LANでコンピュータをつないで通信してみる(左右で同じIPアドレスを設定するとpingが成功したように見えるが実際にパケットが交換されたか分からないので、異なるIPアドレスを設定する必要性に気づかせる)。課題2は左右のネットワークを相互接続してパケット通信する(図の中にネットワークはいくつあるかを問い、左右に一つずつと真ん中にもあるので、ネットワークアドレスは三つだと気づかせる)。ルーターのWANがプロバイダー側、1〜4が家の中のデバイス側であることは付属マニュアルで理解できるので、実機の扱いを通してルーターが異なるネットワークの橋渡しをする機器であることを理解させる
- 課題2のネットワークが組めた班に口頭試問をする。教員が組んだネットワークの前で、2台のコンピュータの画面を見ながら、右のコンピュータから左のコンピュータへパケットが届けられる仕組みを4人が交代で説明する(pingを打つとデフォルトルートにパケットが行く、というところから順に)。途中で説明に詰まったらやり直し
- 活動と実習の成果をスライドにまとめてプレゼンテーションする。班の中で説明の練習をさせるが、4人1班なので一人1回ずつ話すと同じことが4回話される——そこで1人目に対するアドバイスのレベルから、2人目、3人目、4人目と段階的に引き上げ、ハードルがどんどん上がっていくようにする。一人2回ずつ説明する機会を設けると、アドバイス後の2回目は1回目よりスムーズに話せるようになる。うまくできたところを褒めて練習を終え、どうしても話しにくかったスライドを修正して最終提出とする
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- 科目
- 情報(プログラミング)※1年間にプログラミング教育を詰め込んだ年間計画
- 学年
- 1年
- 時間
- 年間(1学期=Progateの自宅学習2か月+JavaScript 8時間+実技テスト30分/夏休み=Scratchの課題/2学期=発表会+ドリトル4回/冬休み=Progate再挑戦)/3学期のmicro:bitを使った授業は記事の時点で「予定」であり未実施/※同じ著者の事例291は、後に総合学科で担当した専門教科「情報」の「情報デザイン」(年間12課題)を報告している
- 必要なもの
- Progateのアカウント(アカデミック版が無料になった)、JavaScriptの実習環境、Scratch、ドリトル(サーバーを介した通信ができる)、投票用の付箋、家にパソコンがない生徒のために開放するパソコン室
- 前提
- プログラミングの課題を宿題に出すのはなかなか難しい。/課題をコピペして提出する者が後を絶たない——一生懸命やったバブルソートの課題をスマホで撮って写して提出する生徒がいて「それは不公平だ」という声が出たため、実技テストを入れることにした。/ドリトルの授業までに、座学でネットワークの学習は済んでいる。/しつこいくらいに体験させていると、だんだん意味がわかるようになってくる
- 1年生が入学した時にProgateのアカウントを配布し、自宅での宿題として2ヵ月くらいでJavaScriptの学習コースをクリアすることに挑戦させる(家にパソコンがない生徒にはパソコン室を開放して好きに使わせる)。予備知識なしなので「ログインってどうやるんですか?」というレベルの質問も出るが、5月ごろまでには全員が課題を終える
- 中間テストを終えた5月後半から6月にかけて、JavaScriptを一緒にゆっくりやる授業を8時間分行う。授業の最後に、並べ替えのプログラム(選択ソートやバブルソート)を自分で作らせて課題として提出させる
- 実技テストを行う。目の前でプログラムを組ませる試験で、Progateの課題に近い形にし、30分の制限時間で実施する(「指定された変数を使って値を表示させなさい」「for文を使って星を5個並べなさい」など)。最後に少しだけ力試しとしてFizz Buzzを出す(1から10の間で、2で割り切れるならFizz、3ならBuzz、両方ならFizz Buzzと表示するプログラム。正解率は3%)
- 期末考査後の短縮授業でScratchを体験させる(初心者向けゲーム「猫逃げ」を15分ほど説明し、残りの時間は自由制作)。夏休みの宿題としてゲーム作りを課す——条件は①得点が出る②マウスやキーボードからの入力機能がある③ゲームオーバー(またはクリア)がある。わかりづらいという生徒には夏期講習でフォローする(半日程度を3日間同じ内容で開催し、好きな日に来させる)。夏休み明けの最初の授業で発表会を行う:各パソコンをゲームができる状態にしておき、自分の席を離れて他の人のゲームで自由に遊び、よかったものに付箋を貼って投票する(付箋の枚数で1位・2位…と表彰する)
- 10月から11月にかけて、日本語でプログラムができる「ドリトル」で情報システムを自分で作る。1回目・2回目の授業でドリトルに慣れ、3回目・4回目でネットワークを意識したプログラミングとしてマルチゲームを作る(左のコンピュータの亀と右のコンピュータの亀がマルチで行き来するもので、サーバーを通じて位置情報をやり取りすればマルチゲームができることが理解できる)。冬休みの宿題としてもう一度Progateを課す(2回目なので、1学期は1コースに90分かかっていたのが20分ほどでできるようになっている)
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- 科目
- 学校設定科目「発展プログラミング」(商業科の専門科目「プログラミング」でJavaの基礎を学んだ生徒への発展。使用言語はJava)
- 時間
- 記載なし/授業時間の確保のため100分授業。総合学科の少人数選択科目で履修者は3名
- 必要なもの
- Javaの開発環境、教員が自作したゲームプログラム(3目並べ・棒消し。どちらも人工知能が入っていて人間対コンピュータで対戦できる)、思考の言語化を促す教材プリント、自主制作教材(教科書はない)※紹介されたプログラムと教材テキストは学校のホームページからダウンロードできる
- 前提
- 「発展」プログラミングというからには、言語を変えるのではなく内容を発展させるべきである——当初はC#に言語を変えて同じ内容をやろうと考えたが、助言を受けている大学教員から「プログラミング学習は系統性が大事なので、あれもこれもとやるとつまみ食いで終わってしまう」「『発展』というなら内容を発展させるべき」と指摘され、Javaのまま内容を深化させることにした。/プログラミングは、ソフトウェアによってコンピュータを思い通りにコントロールする技術である。コンピュータに触らなくてもプログラムの学習ができるという考えは間違いで、水泳を習うのにプールに入らなくてもできると言っているようなもの——プログラムの考え方を身につけるにはコンピュータの前に座ってプログラムを作ることが必要。/高校生が授業で将棋のプログラムを作るのは不可能なので、もう少し簡単な対戦ゲームを題材にする
- 3目並べゲームで、まず教員が作ったプログラムを見せる。マウスでクリックするたびに〇と×が交互に出現し、縦・横・斜めのどこかの列で同じマークが揃うとそれをキャッチしてどちらの勝ちかを判定する。さらに人工知能が入っていて人間対コンピュータで対戦できる(コンピュータはけっこう強い)
- コンピュータの思考ルーチンは実はそれほど難しくなく3段階でできていることを示し、生徒にこのプログラムを考えさせる。①縦横斜めの8つの列を調べ、一つの列に二つ同じ駒があったらそこに打つ ②そういう場所がなければ四隅を見て空いているところに打つ ③それもなければどこでもよいので空いている所に打つ
- 次に棒消しゲーム(七五三ゲーム)に進む。まず「棒消しゲームって知ってる?」と聞くと全員が知らない・やったこともないと言うので、教員が作ったプログラムを配ってゲームで遊ばせることから始める。遊びながらルールを覚え、「こうやると次はこう打ってくるんじゃないか」とコンピュータのアルゴリズムを推理させる。大体の仕組みがわかったところで、実際に作らせる流れにする
- 教員が夏休みにプログラムを作った手順をそのまま教材にする。まずマウスで棒を選ぶルーチンを作らせる(マウスでなぞって複数の棒を選択するが、既に選ばれた棒を挟んだ選択や上下段にわたる選択はキャンセルしなければならないので、このユーザーインターフェースを作るのが難しい)
- そのあと思考ルーチンを考えて作らせる。方法は非常に原始的で、実際にゲームをやってある局面になったときに自分はどこに着目してどう打つか、頭の中で考えたことを箇条書きにし、その箇条書きを元にJavaのプログラムを書かせる。教材プリントで「こういう場面のとき、どういう手を打つ、それはどこに着目したか、どう考えたか」を問い(例:下段が全部埋まって2段目が三つのときは、下の段ではなく上の段の端を1個取るのが正解)、生徒に自分の考えをメモさせた上で、まとめとして「先生だったらこう考える」を示す——まず空き状況を見て連続した部分がどこにいくつあるか・独立したコマがいくつあるかを確認する分析から始め、「ここを取ったらどうなるか」と試行錯誤し、それをまず日本語で書いてから同じことをJavaで書き、上段・中段・下段と順番に見ていく
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- 科目
- 英語・社会・図工にまたがるカリキュラムマネジメント(小学校)※情報科の授業ではなく、小学校でのICT活用の実践として発表されたもの
- 学年
- 小学6年
- 時間
- 建物の制作はトータル6時間(集中して固めて時間を取るのではなく、年間でばらばらに取る)/京都の情報収集は社会と英語の授業でコマ数を取る
- 必要なもの
- 一人1台のタブレット(5・6年生。Word・Excel・PowerPointを使うのでキーボードのある2in1機を選択)、マインクラフト、JavaScript(チャットコマンドでロボットの動きとセリフを作る)、Skype(海外の学校とつなぐこと自体は無料)
- 前提
- 「今教えていることは、10年後にはたぶん役に立たないだろう」というところからタブレットの機種選定の議論を始めた。ICTを使うときに気をつけなければいけないのは「最先端であると同時に永久不変であるもの」を同時に伝えていくこと——10年後・20年後も使えるICTの能力は何かを議論した結果、Word・Excel・PowerPointの3つは絶対に生き残るという結論になり、それに合わせてキーボードのある機種を選んだ。/英語教育・プログラミング教育・カリキュラムマネジメントをばらばらに実施すると大変なので、全部まとめて行う。/カリキュラムマネジメントは教科のボーダーレス化を図るもの——マッピングのやり方を国語でも図工でも英語でも別々に説明していると無駄だし、教員によってやり方が違うと子どもが混乱する。/ICTを使うと黙々と個人作業をするという印象があるが実際は逆で、必ず対話が多く生まれる。パソコンと向き合ってする勉強は各自の家でできるので、学校では学校でしかできないことをしなければならない。/この授業は「英語なのか図工なのか社会なのか総合的な学習の時間なのか」がわからなくなるが、それこそがカリキュラムマネジメントである
- 京都を世界に紹介するという目的を立てる(観光客や海外からの視察客のために「何かできたらいいよね」と子どもたちがぼそっと口にしたことから始まった)。まず「君たちは京都のこと知っているの? 何を紹介するの?」と問い、京都の歴史を知る学習から始める。社会の授業で金閣寺や平等院、清水寺などの歴史に関する情報を集める(6年生は歴史を少し習っているのでそこにつなぐ)。インターネットで情報を集めることも大事だが、本物に勝る知識はないので実際に現地にも行く
- グループで一つずつ、マインクラフトで建物を組み立てる。ここで一番大事なのは、メンバーが同じ地図を頭の中に描けているかということ。そこで「僕こっち側を作るから、君はそっちを作って」と同時に作らせ、いざくっつけようとするとサイズが合わない——というトラブルを、わざと1回起こさせる
- トラブルが起きたところで一度全員を集め、これを解決するために何が必要かを聞く(「設計図が必要だ」「地図がいるよ」「皆でこんな大きさのものを作ろうという共通概念が必要だよ」という意見が出てくる)。そこを図工の教員と共有し、これは大きすぎる・これは小さすぎるといったことをグループの中で話し合わせながら作っていく(何もないところにブロックを1個ずつ置いて作る)
- 建物があるだけでは何なのかわからないので、「観光ガイドさんが必要だね」という話にする。観光ガイドをロボットでプログラムする——JavaScriptのチャットコマンドでロボットの動きやセリフを作る(例:ロボットが"Welcome to Ritsumeikan primary school."と挨拶し、ついていくと"This is the entrance. This is our library. Enjoy reading!"と次々に紹介してくれる)
- 完成したものを海外の人に発表し、Skypeでやりとりをする。「どこどこのプログラミングがうまく動かなかったよ」「こういうところがわかりにくかったよ」といったフィードバックを海外の人からもらう(英語を使わなければいけない必要性が生まれるので、子どもたちがものすごくアウトプットをするようになる)
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- 科目
- 専門科目「情報と問題解決」(「情報の科学」にも応用できる課題)※パケット通信の原理とルータの役割を体験する実習
- 時間
- 記載なし/授業の導入で使う。記事の主題は情報科の評価方法であり、この実習は記事中で紹介された取り組みの一つ
- 必要なもの
- ガチャガチャのカプセル(スーパーなどにある、100〜200円入れてグルグル回すとおもちゃが出てくるもの)、カプセルを入れる箱、メモ用紙、1階の端から4階の端まで建物の対角を進める経路(階段2本)、門番6人、記入用プリントとノート
- 前提
- 通信の初歩的な原理を学ぶには、自分で体験するのが一番だと考える。/生徒たちは楽しくなって盛り上がってしまうので、実習を行う前にその棟で授業をしている担当者全員にことわりに行く必要がある(60メートルほど離れた隣の棟からうるさいと苦情が来ることもある)。棟と棟が密集しているところや、たくさん授業のあるフロアーで行うのは難しい。/評価は実習の成果物、講座ごとの提出物、授業態度を含めて総合的に判断する。普段のテストや定期考査や実習で、知識・理解の部分に偏らず、思考力や判断力が必要となる問題を必ず入れるようにする
- 「短文を伝送しなさい」という課題を出す。その短文をメモ用紙に書き写し、一文字ずつばらばらにして、ガチャガチャのカプセルの中に入れる
- 文字を入れたカプセルを集めて箱の中に入れておく(箱の中からどのカプセルが取れるかはわからないので、結果的に文字が順番にならない仕組みになる)
- そのカプセルを目的地まで持っていかせる。伝送経路は1階の端の部屋から4階の端の部屋まで、建物の対角を進んでいく形で、階段は2本ある。各フロアーの踊り場に門番が6人立っていて、そこでじゃんけんをして勝てば進める、負けたら帰らなければならない
- じゃんけんに勝てずゴールまでたどり着けない生徒が当然出てきて、そのカプセルは迷子になる。これが、情報を伝達する際に漏れが出てきてしまうということを表す——迷子になるカプセルはパケットを、「あちらへ行け、こちらへ行け」と行き先を決めている門番はルータの役目をしていることを確認する
- 問題解決のためにはどうしたらよいのかを生徒自身が考えてプリントに記入し、書き込んだものを友達同士で共有して、解決方法の改善すべき点などについて意見を交換する。プリントは全てノートにつづらせるので、後で見返して「ここが間違っていた」と生徒自身が気付けるし、教員も後でまとめてチェックできる(簡単なポートフォリオと、ちょっとしたパフォーマンスの評価も合わせてできる)
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- 科目
- 情報(データ分析・統計)※情報IIの「データサイエンス」に該当する内容
- 学年
- 3年(1年生の数学でデータ分析を学習した後、間があいて3年生で情報の授業というカリキュラム)
- 時間
- 全16コマ(1コマ目=数学的なデータ分析の確認、2〜3コマ目=表計算ソフトの利用、4〜11コマ目=統計分析の手法、12〜14コマ目=グループでの問題解決、最後の2コマ=報告と相互評価)
- 必要なもの
- 表計算ソフト、統計局などの実際の多量のデータ、放送大学のREAS(リアルタイム評価支援システム。Excel形式でデータが出てくる)、単元のルーブリック
- 前提
- 数学のデータ分析はデータの量が少なく、学習の目的が数式などの使い方を学ぶところにある(手計算なので多量の計算は現実的でない)。情報の授業では実物の多量のデータを扱い、実際の問題を解決するためにどれだけ早く処理できるかを考えさせたい。/進学校でも技能は高くない——ダブルクリックができない生徒が40人クラスに1〜2人、表計算ソフトでセルの複数選択ができない生徒が50%いた(中学で触った経験はあるが高1・高2にパソコンの授業がなく、その間はスマホしか使っていない)。/数学科との連携は必須。数学でデータ分析を学習した経験があったからこそ、生徒はヒストグラムを取ったり分散を取ったりして多面的に表を作ることができた。それがなければ相関係数だけを調べる内容の薄い分析になっていたかもしれない
- 1コマ目に数学的なデータ分析の確認をざっと行い、2〜3コマ目で表計算ソフトの利用を扱う(セルの複数選択ができない生徒がいるので「セルの真ん中、マス目の中央を押しっぱなしにして、真下に動かすんだぞ」というレベルまで丁寧に説明する)
- 4コマ目から11コマ目で統計分析の手法を学習する。関数を使ってみる、表を引く、グラフを描く。様々な課題を提示しながら「こういったことができるよ」「こういった方法があるよ」ということを小出しにしながら当てはめていく方法をとる。複合グラフを描いたりクロス集計を体験したりしたあと、散布図と相関係数を使って分析する(データは教員が用意したものと、放送大学のREASから取ったものを使う)
- 相関係数の値を求めて「関係がある」というだけでは物足りないので、そこから踏み込ませる(例:スマートフォンの使用時間と学習時間のデータで、相関係数は-0.29で相関は小さいように思えるが、学習時間の上位70%・次の20%・下位10%で区切ってスマホ使用時間の平均を比べると109分・152分・174分となり、集団を区切ることで相関係数の値だけでは見えなかった関係を見出して「学習時間の多い子ほどスマホの使用時間は短い」と考察する)
- 12コマ目から3コマ使ってグループワークの統計分析を行う。特定のデータを使わせるのではなく、任意の二つの値についてデータを集めて分析させる。集める際には、なぜそれを調べる必要があるのか、質問項目を作るときに注意する点は何かも考えさせる。テーマは学校の課題として道徳上・倫理上問題がなければOKとする——身長はOKだが体重はNG(人によっては聞かれたくないデリケートな質問だから)、「異性と一緒に出掛けた回数とLINEの友達の数」は二つに大きく分かれて分析しづらくなる可能性があるのでやめさせた
- 最後の2コマで互いに報告を行い、相互評価をする。単元のルーブリックでは、相関分析だけではなく他の分析手法も取り入れていることをAとする(外れ値を除いた場合の結果も併記した生徒や、「牛乳を飲む人は骨折の回数が多い」という結果から「運動する人は身長を伸ばしたり骨を強くしたりしたいという思いから牛乳を飲んでいる」と疑似相関に気付いた生徒が出る。そこまで気付いた生徒は全体の19%、おおむね達成が79%)
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- 科目
- 学校設定科目「情報学基礎」(著作権法)
- 学年
- 1年(5月に実施)
- 時間
- 2時間連続の授業1回プラスα
- 必要なもの
- 条文をほぼそのまま載せたスライド(難しすぎる文章には図解をつける)、いろいろな行為が著作権に違反するかどうかを考えるクイズ形式の演習問題、演習事例に対する解説(配布用)
- 前提
- 法律は日本の国のルールであり、これが読めないといけないのだ、ということを徹底する——これが生徒と教員の共有すべき大前提。/著作権法は頻繁に変わる法律で、しかも違法ダウンロードなど生徒の一番身近なところにあるルールがどんどん変わるので、授業で一生懸命具体的に教えても、生徒が社会に出る頃にはルールが変わっている可能性がある。教科書の解説が数年で通用しなくなったり、これまでなかったような新たな知財の問題が発生したりするのに対処しなければならない。/スライドはほとんど条文をそのまま紹介するが、単に見せるだけではうまくいかない
- 最初に、なぜこの授業をするのかを説明して共有する。原理原則はわかった上で、最終的にはその時々の法律の条文そのものを理解できるようになってほしい——ルールが変わったとしてもそれを読んだら理解できること、つまり「社会の変化への対応力を涵養する」ための授業だと伝える(ここをきちんと共有できれば、条文の説明にもけっこう食いついてくる)
- 著作権の権利の保護と著作物のトレードオフの関係について説明し、著作権法の目的が文化の発展に寄与することであることを理解させる
- いろいろな行為が著作権に違反するかどうかをクイズ形式で考える演習を行う。ここでは短時間で個人で考えさせ、自分自身の考えを持たせる(ここまでが1時間目)
- 2時間目のはじめに、著作者人格権や著作財産権など著作権の内容について、1時間目よりも踏み込んだ説明を行う。その後、1時間目に行ったのと同じ演習を、今度はグループワークで考え、その問題は条文のどの部分に関係しているかも考えてもらう(1時間目に自分が考えた内容を客観的に見直すことができる)。そのうえで、これらの事例に対する解説を配布し、自分たちが話し合った内容と比較させる
- 差止請求権や罰則等、著作権に違反した場合の規定について説明する。そして総括として、二次創作や文化の発展への寄与、さらにTPP等の話をする
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- 科目
- 学校設定科目「情報デザイン」(文系の必履修科目)
- 学年
- 2年
- 時間
- 年間(1学期=人物決定・予告編・チラシ/2学期=本編制作/3学期=キュレーションサイトでまとめ6回、うち記事作成に3時間)※3学期は行事の関係で6〜7回が限界。記事の翌年度は記事作成を4時間に増やす予定
- 必要なもの
- キュレーションサイト(NAVERまとめ。ブラウザベースで作成が容易で、記事数が多いため生徒の記事が目立ちにくい)、様々な分野で活躍した著名人のリストと『人間ドキュメンタリーワーク』の教材、生徒が使う端末とネットワーク(フィルタリングサービスの影響でセッションがつながらず待ちになる端末が多数発生した)
- 前提
- 「本当に伝えたいことは何か」を明確にして構成を練ることと、デザインの手法について理解することを二本柱にする。/文系選択の生徒には数学や理科ができないという理由で文系を選んだ子が多く、進路の目標が定まっていない子が非常に多いので、著名人の生き方から何かを学び取り、進路を考えるきっかけにする。/教材の著名人リストには海外の偉人をなるべく多く入れてもらった(日本語で資料が出てきてしまうと、英語を学ぶという能動的な部分が減ってしまうため)。/例年は最後に三つ折りチラシを作っていたが、Webからのコピペが非常に多く、自分の意図を持って編集することがうまくできないという問題があったので、キュレーションサイトに変えた。自分が記事を作る立場になるとものの見方が変わり、商用サイトで実際に公開すればリスクも含めて生徒自身がいろいろ考えると期待した。/生徒には「もしトラブルに巻き込まれたらまず私のところに相談にきてね」とあらかじめ伝え、教員もある程度リスクをかぶる覚悟を持って実施した。/実際に、内容的に少し偏ったまとめ記事を公開した生徒がおり、サイト側から公開の差し止めを受けた(事前に対応してもらえたが、偏った記事を作ってしまう生徒は少なからずいる点に注意が必要)。著者は、チェックリストを用意して生徒3人にチェックしてもらい合格点が出たら初めて公開する、という相互チェックの仕組みを取り入れるべきだったと述べている
- 1学期の最初に、様々な分野で活躍した著名人のリストからグループで1名を決める。グループワークとして予告編を作る——本編につながるような内容で、多くの人に興味を持ってもらえるような内容で資料をまとめ、プレゼンをする。次に、映画館に置いてあるチラシのようなイメージでB5サイズのチラシを個人ワークで作る。2学期に本編を制作する(生徒は1学期からずっと書籍やWebサイトなどで一人の人物についての情報を蓄積していく)
- 3学期の最初に、キュレーションについて調査させる。キュレーションの概要と問題点、作成するに当たって注意すべきことを、中学生でもわかるように、発表をイメージしながらまとめるという課題にする(不正確な記事や著作権を無視した転用を行っていたキュレーションサイトの問題が話題になっていた時期なので、実習の前にここを置く)
- 実際にキュレーションの記事を3時間かけて作る。ログインしてアカウントを作り、「まとめ作成」ボタンからタイトルと概要説明文を入力し、内容を入力していく。見出しを選ぶとどう見えるか、引用を選ぶとどう出てくるかを確認しながら進められるので、編集画面と実際に出来上がる画面を照らし合わせながら作業させる(必ず入力する項目を指定しておく)
- 商用サイトで実際に記事を公開する。生徒は各自で自分のアカウントを登録しているため、個人が特定されてトラブルが起こる可能性がある——相互評価の際は、作品にランダムに連番を振って誰の作品かわからないようにする
- 興味を持ったものを三つ選ぶ形で相互評価を行う(評価が高かったのは、コメントに自分の考えをきちんと整理してまとめている作品。時間が少なかったせいもあり、文章の引用と写真を貼り付けただけになってしまった作品もあった)。あわせて、この取り組みの是非について生徒に具体的に記入させる
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- 科目
- 総合実践・電子商取引(情報ビジネス科の学習の総まとめとしてのアプリ開発)
- 学年
- 3年
- 時間
- 記載なし/記事後半の土日の活動(子ども向けプログラミング教室、ゴミ収集日アプリ「5374.jp」、ウィキペディアタウン、鉄道の位置情報ナビ、VR/ARの観光アプリ)は授業外の活動なので含めていない
- 必要なもの
- アプリ開発プラットフォームMonaca(デバッガもついていて、自分たちで作ったものがスマホですぐ見られる)、オープンデータのカタログサイト(「ふじのくにオープンデータ」など各自治体のもの)、RESAS(地域の情報分析システム)、スライドシェア(プレゼンテーションデータの共有)、Google G Suite(クラスルームでのデータ共有)、Dreamweaver(cssでのレイアウトが難しい場合)、各種のWeb API
- 前提
- 「シビックテック」(テクノロジーを活用しながら自分たちの身の回りの課題を自分たちで解決していこうという考え方・ムーブメント)に基づく。/生徒が企画運営する「島田フューチャーセンター」があり、大人から子どもまで地域の方々を集めて意見を聞き、生徒たちがファシリテーターとなって様々な課題を吸い上げる場になっている。情報ビジネス科の生徒はそれを「情報」という観点で解決することを目的にする。/1年生でC言語とHTML、2年生でJavaとJSPとMySQL、3年生でJavaScriptとjQueryなどのライブラリを学習しており、その総まとめとしてアプリ開発を行う。/オープンデータをどのようにしてアプリに反映するのかがなかなか難しいところだが、高校生の柔軟な発想でアイデアが生まれる
- 3年生でグループに分かれ、観光・少子化・ごみ処理・子育てや高齢者の支援など、地域の課題の解決に役立つアプリのテーマをそれぞれ決める
- オープンデータの種類や使い方、ライセンスなど基本的なことを教え、公開されているオープンデータを見せる。静岡県内だけでなく福岡市・横浜市・千葉市・会津若松市・名古屋市など様々な自治体のものを見ていく(「このデータ、使われないで残っているよ」「もっとうまく活用できるのでは?」と説明しながら進める)。RESASという地域の情報分析システムでの分析も行う(名古屋の観光アプリを作るグループは、RESASで外国人観光客に中国人が多いと知り、中国人向けにすることに気づいた。中国語は分からないのでフューチャーセンターでつながった中国人留学生に翻訳してもらった)
- 既存のものと自分たちで考えたものを掛け合わせて「自分たちのオープンデータ」を作成し、学校のホームページでExcel形式とCSV形式で公開する。お店などオープンデータとして存在していないデータは、それぞれのお店に直接連絡し、持っているデータをオープンデータとして利用したいこと、利用するときにはコモンズライセンスを付加することを説明して許可をもらう
- アイデアを出したらスライドシェアにアップロードして外部の人たちに見てもらう(企業の方や地域活性化を目的とした団体から意見が聞ける場合もある)。3〜4人で1グループを作り、プログラム担当・デザイン担当・プレゼン担当に分かれるが、実際には「ここはどういうことだろう?」「ちょっとわかりにくいかな」とユーザー側の視点からグループの中で話し合って作る(特にデザインは「このデザインでボタンを押してくれるか」など細かいところまで気を配る)
- データとアプリを同軸で作っていく。HTML・JavaScript・jQueryで形にし、cssでのレイアウトが難しい場合はDreamweaverを使う。それをMonacaにアップして実際に携帯端末で見てみて、ずれているところを修正したり、よりよい見え方を工夫したりしながら完成形に近づける(APIを利用すると地図情報や天気情報をアプリに追加できる。プログラミングの仕方は最初に教えるが、そのうち自分たちでいろいろなAPIを見つけてきて利用するようになる)。毎年2月に情報系の企業の方・大学の先生・地域の方を招いて、生徒たちが作ったものを発表する機会を設ける
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- 科目
- 社会と情報(基数変換/プログラミングで仕組みを理解する)
- 時間
- 基数変換のプログラミング自体は1コマ/その前に、最初の授業でアンプラグドと手計算の練習、次にドリトルの使い方(四則演算・BMI)を置き、本題の後の時間にデバッグの演習を行う/※本文で参考にしたと述べている「大石先生の公開鍵暗号方式解読」は事例62に相当する
- 必要なもの
- ドリトル(エクセルやJavaScriptでも作れる)、コンピュータサイエンスアンプラグド「点を数える」の2進法カード、カードを使った練習問題、事前に配る基数変換のプログラム(2ビット版)、あえて計算式を間違えたプログラム(次の時間の演習用)、入力用の2進数データ、文字コード表、ペアチェック用のチェック項目
- 前提
- これからの情報教育はプログラミングだけを学ぶのでなく、プログラミングを通して情報の科学的な理解、特に仕組みの理解をゴールとすべきだと考える。/「プログラミング『を』教える」(=調理でいう包丁の使い方=ドリトルの使い方)と「プログラミング『で』教える」(=包丁を使って何かを作る=基数変換を学ぶ)を切り分けて考え、この二つのバランスが取れていないと授業の意味はないと考える。/前年度に四則演算の段階を省いたところ、生徒の基数変換のコーディングが「写経」になってしまった。手順をプログラムに置き換えることをねらいとする以上、写経を防ぐために、まずコードの書き方を覚えて、教員と同じものを打たずに自分たちで考えてプログラミングできるところまで足場作りに時間をかける必要がある。/前年度は欲張って10進法から16進法までやったが、生徒はプログラムでどう計算すればよいか全くわからず「32進法を作ればいい」と全然違う方向に行って大失敗した。紙と手計算なら簡単にできることがプログラムではできなかったのは「プログラミング『を』教える」ことをおろそかにしたため。/基数変換は情報科の教員が必ず扱うが、普通にやったらつまらない授業になる。手計算だけでやらせても理解が深まったか疑問で、1年経って生徒がどれぐらい覚えているかもおぼつかない
- アンプラグドから入る。コンピュータサイエンスアンプラグドの「点を数える」を使って2進法カードとパターンを考えさせる。カードで手順を理解したら練習問題を解かせる(ツリーが付いているところが1、付いていないところは0と考えて、どんなメッセージを送っているのかカードを使って考えさせる)。最初の授業ではこの問題で手計算の手順まで練習させる
- 手計算とアンプラグドで手順を理解しても、いきなり基数変換のプログラミングには入らず、まずドリトル自体の使い方を学ばせる。四則演算の計算機を作らせる(XとYに数値を入れてプラスボタンを押すと答えのZが出てくるもので、コードはたった9行)。一行ずつスモールステップで進め、できたらお互いにチェックし合う。ここまで作ったら「今度はBMIの計算方式を作ってみよう」とネットで調べさせ、Y/(X*X)に作り替えさせる
- 本題の基数変換に入る。事前にプログラムを配っておく(フィールドが二つあって「11」という数字があり、「10進変換」を押すと「3」になるもの)。授業の頭に「前回BMIをやったよね。今日はこれを配るよ」と言ってまず配り、正しく動くかテストする。次に11ではなく10を入れたらどう変わるか、ボタンを押してみる
- 「では、フィールドを追加してみましょう。今は2ビットまでしかなかったので、今度は3ビットのものを作ってみよう」と呼びかけ、3つのコードをスモールステップで書かせる——(1)フィールドを追加するコード (2)フィールドの値を読み込むコード (3)計算式を追加するコード。ここまでは一斉にやり、3ビット以上は自分たちでどんどん増やしていかせる。ここでのポイントは必ずテストを行わせること——作ったらその都度テストしないと正しくプログラムできたかわからないし、テストの機会を設けないと試行錯誤が生まれず、わからなければ他人のものを写経しておしまいになる。入力用の2進数データを用意して全部打たせ、計算結果が隣の人と一致しているかを互いに確認させ、テストが正しく実施されているかもお互いにチェックさせてコードエラーを防ぐ(ペアを作ってチェック項目に沿って相手のプログラムをチェックさせる。プログラムは習熟差が大きいのでそれを防ぐ意味もある)
- 最終的に7ビットまで作る(ASCIIコードを読み取らせたいため。本来は8ビットまで行うつもりだったがコードの数を減らすために7ビットにした)。2進数の数字を用意しておき、10進数に直して文字コード表に対応させ、メッセージを読み解かせる。次の時間には、あえて計算式が間違ったプログラムを配ってテストをさせ、うまく修正できるかを見る(全員分のコードをチェックするのは評価地獄になるので、デバッグできるかで評価する。「基数変換が理解できた」と答えたのは89%だったが、1週間後にプログラムを修正できたのは73%で、「できた」と思っていた中の16%程度はデバッグができなかった——やりっ放しにせず定期的な演習が必要)
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- 科目
- 情報の科学(国際情報科学コンテストへの参加と、生徒による問題作り)
- 学年
- 1年
- 時間
- 年間(5〜6月に過去問を見せる/9月の前期テストで類題を出す/11月のビーバー週間に参加/12月の冬休みに問題作りを宿題/1月に共有・冊子化/学年末テストに出題)※生徒が問題作りにかけた時間は1〜2時間程度
- 必要なもの
- ビーバーチャレンジへの参加申請(必要なものは教員のメールアドレスと生徒分のアカウント。申請すると生徒数分と教員用のアカウントが送られてくる)、Webブラウザが使える環境、過去問、問題作成用に枠だけを作ったプリント、教員向けの問題作成ガイドライン
- 前提
- 日本では競い合うことはしておらず、子どもたちがコンピュータ科学に興味を抱くきっかけにしてもらうことが主な目的。あわせて「自分で考える」という意識を向上させること、生徒同士で議論をする題材に使うこと、授業の補助教材にすることも目的にする。/教員は設定だけをして「この番号を使いなさいね」と生徒に渡せば、あとは生徒が自分たちで進めるので、教員の負担は小さい。/「作る」のと「解く」のとでは大きな違いがある——問題を作らなければいけないとなると身の周りのものから題材を見つけようとするので、情報や科学っぽいものはないかという目で周りを見られるようになる。/実際に生徒の感想は逆転する。解いたときは「面白い・楽しい」が多く「難しい」が続くが、作ったときは「難しい」が最も多くなる。/過去問や教科書を見るという行為は通常自分から進んではやらないので、この課題によって生徒が自ら活動する意義がある
- 5〜6月頃に生徒へ過去問を見せて、「こういうのがあるから見ておきなさいよ」と言っておく
- 9月の前期テストで、コンテストと同じような問題を出す
- 11月のビーバー週間に実際のコンテストに参加させる(所要時間は35分程度で問題は12問。生徒はWebブラウザからアクセスして作業する。1週間ほどしたら結果がわかるので、再度アクセスして自分の結果を確認させる)。前期テストの結果を見て振り返らせる
- 12月の冬休みに、ビーバー問題作りを宿題に出す。教員向けガイドラインの条件を生徒に伝える——情報科学を題材に扱った問題であると同時に学びを体験できること、1問あたり3分以内で解けること、問題文が容易に理解できること、一つの問題を1画面で表示できること、楽しくやること、絵を含む問題を用意すること。配布するプリントは枠だけを作っておき、過去問や教科書を見てもよいが、誰かのまねをするのではなく自分の個性を生かしたオリジナルを作るよう指導する
- 冬休み明けの1月に宿題を全部集め、PDFにして全員でシェアする。その中から優秀な問題をいくつかピックアップして冊子にし、生徒たちに配る。さらにその中から問題を絞りこんで少し手を加え、学年末テストに出す(よい問題は情報オリンピックの日本代表問題の選考会に持っていくこともあり、採用されると英語に統一されて各国の言語に訳され、全世界に広がる)
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- 科目
- 情報の科学(情報通信ネットワーク/情報セキュリティ)
- 学年
- 1年
- 時間
- 第8回「ネットワークの動作としくみ」+第9回「情報セキュリティのグループディスカッション」の2回
- 必要なもの
- 端末名とIPアドレスを書いたカード(クラス全員分。4つの島がそれぞれ別のネットワークになるよう仕込んで配る)、宛先を書いた紙、届けるパケットの紙(宛先のないものもわざと混ぜておく)、4つの島に分かれたコンピュータ室(各島の角にルーター役が座る)※教材は著者のサイトで公開されている
- 前提
- 思考力・判断力・表現力を養うことを意識し、1学年の「情報」で問題解決に直結する土台を丁寧に作るというスタンスで授業を行っている。/去年までは情報セキュリティについて何となく「セキュリティってこういうものだよね」という話をしていたがしっくりこなかったので、情報通信ネットワークの動作のしくみを終えた後に、セキュリティのグループディスカッションを入れることにした。/実際に自分たちの手を動かしていろいろな場合を体験させた後で「実は世の中にはこういうものがあるんだよ」と説明したり実際に見せたりすると、生徒は非常にすんなり理解する。体験的な学習はもちろんよいが、その後で体験を元に考えさせる授業の方がもっと面白い。/実施上の注意:データをメールの形状にしたため「メールが間違って配信される」と誤解した生徒がいた(漏洩するのはメールではなくデータなので、届けるものを工夫した方がよい)。また対応策として「ウイルス対策ソフトを入れる」という回答が全体的に多く、まだ習っていない段階なのでそれ以外が出てこないのは仕方ないが、ウイルス対策ソフトの役割も実習に取り入れてよい
- 一人ひとりに「端末名」と「IPアドレス」が書かれたカードを配り、「今日は君たちが端末になりきって、パケットの情報通信ネットワークの実習をするよ」という設定にする。最初にプロトコルとは何かを話した後、ある生徒から別の生徒に荷物(=データ)を届けさせる。ポイントはどのようにして相手を見つけ、どうやって荷物を届けるか。ほぼ100%の生徒が相手の端末名を呼び、呼ばれた本人が手を挙げるのでそこへ歩いて行って渡す。そこで「呼ばれて自分は違うと思ったら返事をしないけど、自分だと思った人だけ手を挙げた。これも一種の暗黙の約束、つまりプロトコルの一種だね」と説明し、実際のネットワークでも同じことをしている(ブロードキャスト)が、全員に届いてしまうので自分以外のものは捨てるという約束を作ることで目指す相手のみに届くと説明する
- 実習1として、全員に宛先の紙を配り、制限時間30秒でクラス一斉に同じことをする(部屋が大声であふれてすごいことになる)。その後で「大声叫び手渡しプロトコル」の良い点と問題点を考えさせる。この活動をもとにTCP/IPの説明につなぎ、IPアドレスやDNS、IPアドレスのネットワークのルールも簡単に話す(サブネットの話をするときりがないので「最初のいくつかの文字が同じものは同じグループである」くらいにとどめる)。ルーターの役割やしくみもここで説明する
- 実習2としてインターネットのやりとりを体感させる。コンピュータ室の4つの島を11・12・13・14番のネットワークと決め、あらかじめそのネットワークになるようIPアドレスのカードを仕込んで配っておく。自分のIPアドレスを再確認させ、届けるパケットの紙をランダムに配布する。各グループの角に座った4人がルーターの役割をする。ルーター以外の人は、回ってきたパケットを見て自分宛てだったらもらう、違ったら右手の人に渡す(島の中でパケットがぐるっと回って流れていく)。ルーターの人は回ってきたパケットの宛先を見て、自分のネットワークだったら右隣の人に渡し、自分のネットワーク以外なら隣のルーターに渡す(自分のネットワークと外からのネットワークの両方からデータが入ってくるので慌ただしくなる)
- 活動の中で実際のモノやしくみに結びつける。「皆さんの家でWi-Fiルーターのランプが赤くチカチカ光っているのは、このように一生懸命にデータをやりとりしていることなんだよ」と説明する。ネットワークにトラブルが起きた時のことも説明する(12のルーターがダメでも他のルーターに回せば、12のネットワークには届かないが他のところには届けられる)。わざと宛先のないパケットを仕込んでおくとあてどなく何周も回り、そのうち「いないみたいだから送り主に返そう」となるので、「これが宛先不明メールとして返ってくるしくみだよ」と言う
- 次の回で、前回の実習をもとにブロードキャスト・IPアドレス・ルーター・DNSの四つにターゲットを絞り、四つの島で4人グループを作って課題を出す。「ネットワークの中に悪意を持つ人がいたら、それぞれどんな悪いことをすると考えられるか、それに対してどんな対策が考えられそうか」を、前回の予備知識だけで直感的に議論させる。出てきた意見を踏まえて、スイッチングハブ(特定のMACアドレスを記憶してそこだけにしかデータを流さない)やMACアドレスフィルタリング、ハブにふたをして挿せないようにする物理的措置などを説明したり実際に見せたりする
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- 科目
- 情報の科学(プログラミング/タグ打ちでのWebページ制作)
- 時間
- 10時間(1日1レッスンを目安。進度の早い生徒は30分で1レッスンを終え、5時間ほどでレッスン10まで終わる)/※同じ著者の事例40は、前任校で同じ映像教材を年間の3実習(総合実習・Webプログラミング・映像制作)の一つとして使った構成を報告している
- 必要なもの
- 映像教材とテキスト(動画とテキストを見ながらそれだけで進められるもの。レッスン1〜10、各レッスンに動画3本、1本5分程度。最初にプログラムのひな型が与えられている。オフラインでも見られるテキストがあると便利)、テキストエディタ(タグや命令の色が変わってソースコードの編集がやりやすいもの)、全体を見渡すためのページ(全クラスの生徒の進捗と、先輩たちが作った過去の作品が見られるもの)、授業中に流すBGM
- 前提
- 過去に経験した「残念なプログラミングの授業」を裏返して設計する——「写経」(テキストを渡してひたすら写させる)、「コピペ」(電子データで正解を渡して動いたら良かったで終わる)、「自由にやっていいよ」で収拾がつかなくなる、そこで怒ると生徒が寝てしまう。原因は教材(情報が新しくない、自由度がない、「これをやって何になるんですか」という内容)と雰囲気(つまらない、テキストが見づらいと生徒はそれだけで「難しい」と思い込む)、そして教員が一人しかいないこと(あちこちから呼ばれているうちに授業が終わる)。/したがって、教材が新しく自由で難しくない、雰囲気が楽しくテキストも見やすい、生徒は勝手に自分で進められ、教員は自由に動き回って様子を見られる形にする。教員は教え過ぎないようにファシリテーターに徹する。/単にアプリの使い方にならないよう、タグ打ちでWebページを作れる教材を選ぶ。/教材は特定のものに限らず、自分の使いやすい言語や教材に置き換えて考えてよい
- 映像教材とテキストを組み合わせて進める。1本5分程度の動画が3本で1レッスンなので、授業1時間の中で15分ほど動画を見て、残りの時間はテキストを見る。最初に与えられたプログラムのひな型に対し、テキストを見ながらソースを編集して、表示されるフォントや背景を変えたり画像や地図を挿入したりと、だんだん難しい技術を入れていく
- 生徒は動画を見ながら自分でテキストを開き、その日の自分のやるところを各自で進める。わからないことがあったら①動画をもう一度観る②ネットで調べる③近くの友達に聞く④どうしても困ったら先生を呼ぶ、という順にする(意外と生徒の間で解決することが多い)
- 全体を見渡しやすいページを用意する。全クラスの生徒の進捗がわかるページと、先輩たちが作った過去の作品が見られるページを作る(自分の作業をしながら手が空いたときに他のクラスの生徒の作品や過去の先輩の作品を見て参考にでき、それ以上のものを作ろうという意欲にもなる。最後の相互評価のときにも全作品が見られると非常にやりやすい)
- 立ち歩いて他人の作品を見るのも相談するのも助けを求めるのもすべてOKにする。教員は良い作品や進んでいる作品を「○○君がいいものを作っているよ」「○○さんのここがいいね」と全体に聞こえるように言う(みんなが見に行き、その生徒のモチベーションも上がる)。テキストにないテクニックやブログパーツを使うのも大歓迎で、放課後・休み時間・自宅での作業もOKにする。進度の早い生徒はレッスン10まで終わってしまうので、あとは好きなページを作ってよいとする。教員はBGMを流しながら教室を回る
- 最後の授業で生徒同士の相互評価を行う。ポイントは、その場でコメントを生徒たちにフィードバックすること——フィードバックが後日になると印象が薄れてあまり効果が上がらない
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- 科目
- 社会と情報(情報通信ネットワークの仕組み/公開鍵暗号)
- 時間
- 3時間(1時間目=公開鍵暗号方式の手順を生徒に発明させる、2時間目=素因数分解の手順を考えさせる、3時間目=コンピュータにやらせる)/公開鍵の手順発見までであれば1時間でできる。※事例66(鎌田高徳氏)が「同じ大会の分科会で大石先生が発表された公開鍵暗号方式解読の実践を参考にした」と本文で述べている(記事間のリンクはない)。同じ著者の事例78・225は別の実践(矛盾する文章の読解)
- 必要なもの
- 南京錠のかかるケース、南京錠(=公開鍵)、南京錠の鍵(=秘密鍵)、手紙、テスト用の数字、素因数分解のプログラム(VBAで教員が用意。どんな学校のパソコンにも必ずあり、画面を作ったりデータを扱ったりが簡単にできる)、最初に手順を見つけた班に出すお菓子
- 前提
- 問題解決に必要な力は、プログラミングを通して学べる力とほぼ同じものだと考える。どちらも「手順化」(問題解決までの過程を細かくステップに分けて考える力)と「検証」(考えた手順が本当に問題解決に向かっているかを確かめる力)である。/問題解決の授業では身近な題材を取り上げようと言われるが、身近な題材は実際は複雑で解決が難しいことばかりで、逆に単純な題材は人工的になって生徒の興味を引きにくい。教員がうまくモデル化して、バランスの取れた問題を提示する必要がある。/この題材を選んだ理由は3つ——①公開鍵の手順自体は非常にシンプルだが革命的で、学ぶ意義がある ②公開鍵暗号が解けないのは素因数分解が難しいからだが、その手順はシンプルでプログラミングしやすく、コンピュータ利用のメリットを感じやすい ③暗号化は生徒は決して身近に感じていないが、日常的に使っているのでイメージ化しやすい。/授業設計で心がける3つのキーワード:問題解決型の授業(大きな課題を与えて授業を通して解決する)/スモールステップ(教員が教え込むのではなく、生徒が乗り越えられるぐらいの課題の幅に調節する)/言語活動(グループで相談したり、与えた知識や技能を使ったりしながら自分で乗り越える)。/発展:わざと暴走するケースを用意しておくとバグを発見させる活動ができる(公開鍵に小数や1以下の数、素数を入れると無限ループになるようにしておき、「実はこのプログラムにはうまくいかないケースがあるけど、誰が最初に見つけるかな」と声をかける)。次の時間に直したものを持って行って動かすと暴走しないので、「これが、皆がいつもアプリでやっているアップデートと一緒だよ。プログラムは作ったら終わりではなくて、どんどん直して改善していくんだよ」と示せる
- 「暗号化」を理解するのに必要な「鍵」と「手順」の概念を、シーザーローテーションで理解させる(手順=決められた数だけアルファベットをずらすこと、鍵=何文字ずらすか)。そのうえで、シーザーローテーションで共通鍵方式の暗号を作ったとして、共通鍵方式の何が不便なのかを考えさせる(「途中で盗まれる」「忘れる」などが出てくるが、一番の決定打は初めて会う人とは暗号通信ができないこと)。そこで「だから、鍵を送らなくてもよい暗号を発明しよう」と生徒に持ちかける
- 3〜4人のグループワークで、ボブ・イブ・アリスの役割を割り振る。「アリスが持っている秘密の手紙をボブに送りたい。ところがスパイのイブがいてのぞき見ようとしている。そこで、ボブが持っている南京錠のかかるケースと南京錠(=公開鍵)、南京錠の鍵(=秘密鍵)の三つを使って、イブに見られないでアリスからボブに手紙を送る手順を見つけよう」。3人を横並びに並べ、ボブとアリスの間で南京錠や手紙を送り合う。ルールは、何かを送るときは必ずイブを経由すること。イブは中をのぞいたり鍵をコピーしたりはできるが、ものを壊す・破る・盗むことはできない。「最初に手順を見つけた班にはお菓子をあげるよ」と班ごとで競わせると、だいたい5分以内にどこかの班が見つけるので、その班に前に出て実演してもらう(「こんなに簡単なのに、なぜ2000年間、誰も思いつかなかったんだ?!」という感想や、「これは情報を一方的に送るときには使えるが、双方に送り合いたい場合は使えない」と気づく生徒も出る)
- 2時間目。「公開鍵(=南京錠)を素因数分解できれば秘密鍵ができる」ことを説明し、まず個人で素因数分解の手順を考えさせる。このとき「素因数分解」という言葉はあえて使わない——数学が嫌いな生徒が多いことと、数学で扱う素因数分解は因数が非常に小さい数であることを暗黙の前提にしているため、生徒が知っているテクニックがこの内容には役に立たないから。個人でできなくても、そのあとグループでそれぞれ考えた方法を持ち寄って一番よい方法を考える活動でフォローする(「2で割る、3で割る、5で割る…」と素数で割る作戦はうまくいかない——数が大きくなると次の素数が何かわからないから。「2で割って割り切れなければ3、4、5、6…と割る数をだんだん増やす」は正解の一つ。「2で割って、割り切れなければ3、5、7…と奇数で順番に割る」がさらに速い)
- 皆が考えた手順が本当にうまくいくのか確かめる。あらかじめ準備したテスト用の数字をグループ内で分担し、自分たちで考えた手順で素因数分解ができるかどうかを調べる(正しく分解できるが、時間はかかる)
- 3時間目。プログラムはあらかじめ決められた手順を速く正確にコンピュータに実行させるものだと説明し、用意したプログラム(公開鍵の数字を入れて「分解実行」ボタンを押すと素因数分解し、実行時間も表示される)が本当に正しく動くか確かめるにはどうしたらよいか考えさせる(「あらかじめ答えがわかっている数字を試してみればいい」となるので、自分たちで素数を2つ掛け合わせたテスト用の数字を作らせて実行させ、元通りになるか確かめる)。次に10の15乗の桁の数字で実行させる(表計算ソフトのセルに入力できる最大がこの程度。5秒ほどで分解できる)。実際の公開鍵は10の600乗あり、最新のコンピュータでも天文学的な時間がかかることを話す——手計算であれだけ時間がかかったものを一瞬で解くコンピュータでも実際の暗号解読には膨大な時間がかかるとわかり、解読困難性が実感できる
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- 科目
- 社会と情報(データ分析による問題解決/ピボットテーブルによるクロス集計)
- 学年
- 2年(「社会と情報」を1年生と2年生で各1単位履修。2年生の2学期と3学期に、表計算ソフトを使ったデータベースの操作や分析の手法を学ぶ)
- 時間
- 2年生3学期の第4回/※同じ学校・同じ教員の実践報告が事例84にもあり、そちらは翌年度にR言語とAzure MLSを導入した後の年間構成(1学期Excel・2学期R・3学期Azure MLS)を報告している
- 必要なもの
- 表計算ソフト(ピボットテーブル)、LMS(スライドの提示とサンプルデータの配布に使う)、教科情報のオリジナルテキスト、約90サンプルのアンケートデータ、復習用のオンライン教材
- 前提
- 数学Iの「データの分析」は、コンピュータや電卓の使用を前提とせず手計算で扱えることを前提にしているため、サンプル数が10〜30と実際の統計学に比べて極端に少なく、結果をモデル化して提示しやすくするためイレギュラーな値もほとんど入っていない。また数学Iの教科書にはコンピュータや電卓の使用法の解説がほとんど掲載されていない。/表計算ソフトを使えば四分位偏差・分散・標準偏差・散布図・相関係数を簡単な操作で出せるので、本来の目的である傾向の把握や問題点の抽出に重点を置ける。/教科書的な「○○について傾向を調べなさい」という問題を手計算で解くよりも、表計算ソフトで観点をいろいろ変えて試行錯誤的に試すほうが、同じ時間をかけてもより深い学びにつながる。/3年生の総合的な学習の時間で全員がテーマを決めて卒業論文を書き、自分で作成・実施したアンケートや実験・観察、統計データを、統計の知識や手法を活用して分析し論文にまとめる。統計手法は生徒が卒業論文を書くためのツールとして位置付けられている
- LMSのスライドで、これまで行ってきたデータ分析のための用語を説明し、表計算ソフトにはこれらが関数として組み込まれていることを確認する
- オリジナルテキストの例題で、様々な項目が入っているデータをクロス集計するためにピボットテーブルを使うことを説明する
- LMSからサンプルデータをダウンロードして実習する。テキストに載っていたものより多い約90のサンプル数で、もちろん手計算では分析できない(例:ミシガン州の小学生に「成績」「スポーツ」「容貌」「お金持ち」の4つについて重要であると思う順番を答えさせたアンケート)。この回答と、回答者の属性(学年・男女・人種・居住地域)をクロス集計して、どのような傾向が見られるかを調べる
- ピボットテーブルの使い方は、最初に画面を使って操作の説明を一斉で行い、その後は教員が机間巡視で質問に答えたり、生徒同士が教え合ったりする形で進める
- この部分に十分時間を取り、操作を通して手順を習得することと、「クロス集計の観点を決める(=仮説を立てる)→集計して結果を表やグラフに表してみる(=検証する)」というステップを繰り返し経験させる。次週はオンライン教材から官庁等のサンプルデータを取って表計算ソフトで回帰分析を行い、その次の週には表計算ソフトを使ったデータベースの実技試験を行うので、各自で復習しておくよう指示する
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- 科目
- 中学校 英語科(後置修飾の練習)※情報科の授業ではなく、デジタル教材の開発事例として発表されたもの
- 学年
- 中学3年(調査の対象学年)
- 時間
- 記載なし
- 必要なもの
- タブレット端末(現状ではキーボードを接続する必要がある)、表計算ソフトで作ったクレーンゲームの教材(セルの色と計算式で作る)、(デジタル以外の教材として)色のついたカードをめくるカードゲーム、四目並べをもとにしたボードゲーム、独自に作った食品サンプル
- 前提
- 後置修飾の定着が困難なのは、日本語と英語の修飾の関係が正反対であるため。/生徒は名詞句の構造を理解せず、日本語の語彙の知識と常識で判断している——“people in Osaka”なら語彙の知識と常識で解釈できるが、内容語がバラエティに富むととたんに理解が困難になる(“William Street after Elizabeth Street”のように内容語がどちらもStreetだと、日本語の語順通りに取ってしまう可能性がある)。/中学3年生を対象にした調査では、“The boy walking a dog is my friend.”と“The dog walking a boy is my friend.”の違いが十分に認識できるのは3〜4割で、6〜7割は意味と構造の関係を理解していない。/教科書で扱われている後置修飾には、修飾・被修飾の関係を理解させるようなインプットがあまり多くないので、教科書を使って練習するだけでは深いところまで理解できない。どのようなインプットを与えてそれをどうインテイクさせるのか、という仕掛けが必要になる。/「机の中の箱」と「箱の中の机」の違いは何かという練習を繰り返してみたが、明確な効果が出るほどではなかった。/同じようなもの同士(色の異なるカードが上下に重なり合う場合など)は、語彙の知識や常識だけでは意味解釈しにくく、構造に目を向けないと意味の違いに気づけない——指導ではこの点に気をつけてケアする必要がある。/課題:表計算ソフトで作ったため今一つスムーズさがない。また、文構造への考え方は正しくても単語の綴りを間違えると動作しないため、構造に誤りがあるのか綴りに誤りがあるのか区別がつかない
- 後置修飾が難しい理由を示す。日本語と英語の修飾の関係が正反対であることを「不思議な鏡」(英語をこの鏡に映すと英語が日本語に変わって映る)で示し、「後置修飾は逆立ちで歩くようなもので、とても難しいから、学び続けないといけないよ」と伝える
- 表計算ソフトで作ったデジタルクレーンゲームを使う。立体的なブロックの代わりに、表計算ソフト上で色のついたセルを取っていくことを説明する。例えば画面のいちばん左上の黄色いブロックが欲しいのであれば、黄色いブロックはいろいろあるので、「青いブロックの上の黄色いブロック」と限定して言わなければならないことを気づかせる
- 画面の下の方にある空欄に色の名前を入れて、意味のかたまりを作らせる。はじめのマスにyellowを入れると文の右側に黄色のブロックが表示され、on theの後にblueを入れると青いブロックの上に黄色のブロックが乗ったものが表示される。これで「青いブロックの上の黄色いブロックというのは、yellowが先でblueが後なんだ」ということがわかる。さらにunderという前置詞を使うと、また異なる意味と語順になることも見せる
- “I want to catch”で始める形にする。“I want to catch”の後の空欄に“the yellow block on the blue block”を入れてenterを押すと、指定した黄色のブロックが消えて「取った!」ということになる
- 対戦式のゲームを行う。青チームと赤チームに分かれ、“I want to catch”の下に名詞句を入力して指定したブロックを取っていき、合計点を競う(ブロックによって与えられた点数が異なる)。クレーンゲームなので指定したブロックが取れない場合があり、そのときは相手チームに取る権利が移って、相手はあらかじめ狙われていたブロックを取ることができる。得点は表計算ソフトの機能でトータル表示する。1対1でも、2人1組で相談しながら対戦することもできる(先攻・後攻を決めて時間設定をすると、ゲーム的にさらに楽しくできる)
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- 科目
- 情報(プログラミング/乱数を利用するJavaScript)
- 時間
- 全4時間(制作にあてるのは3時間目と4時間目の半分)/記事前半の2015年度の実践(ジグソー法を取り入れて数当てゲームを作る)は前年度の別の構成
- 必要なもの
- Monaca(クラウド上で作業でき、「ひな形」を簡単に全員に配布できる。スマホ対応なので完成したプログラムを自分のスマホで確認できる)、配布用のサンプルプログラム、トランプのカード
- 前提
- プログラミングはやはり楽しくなければいけない、そのためには好きなものを作らないといけない——しかしJavaScriptで好きなものを作るのはハードルが高く、実際に制作にかける時間は2時間しかない。そこで最低限の条件だけを与え、作るものを制限しないことにした。/前年度は数当てゲームを作らせたが、活動そのものは楽しかったものの、うまく動かないと「どこがおかしいんだ」と原因を探してバグ取りを一生懸命やって「よかった、動いた」というのがメインになってしまった。/生徒は「どこかに正しい答えがあって、それを持ってきて模範解答のような形になればいい」という発想を持つ場合があるので、「好きなものを作っていい」と言われると真面目な生徒ほど「先生、何すればいいの?」とフリーズする。/事後アンケートでは「まあ難しかった」なら「難しいけど楽しかった」と答える生徒がけっこういるが、「とても難しい」と思ってしまうと「あまり楽しくなかった」が増える——「ほどよい難しさ」が大切かもしれない。/「とても難しかった」と答えた生徒の中に「コンピュータの操作方法が難しかった」が予想より多く、プログラミングにはある程度の機器の操作方法の習熟が必要であることが見えた
- 1時間目に、基本的なアルゴリズムとフローチャートの説明を行う。コンピュータの動作の特性、アルゴリズムとは何か、フローチャートとはどんなもので各記号は何を意味するかを説明してから、トランプのカードを使って一番数の小さいものを選ぶにはどんな手順ですればよいかを考えさせる
- 2時間目に、JavaScriptで順次・繰り返し・条件分岐など基本的なアルゴリズムをどのように表現するかを説明し、「あなたはお寿司が好きですか」「好きです」「好きではありません」といったものを実際に打ち込んでフローチャートの形を作ってみる。ただし事細かな説明に終始せず基本的な情報のみ提示し、「こんなのがあるから、最悪コピペでもいいよ」とする(乱数は「モデル化とシミュレーション」で一度扱っているので、「そういえば、昔『乱数』って何かについてはやったよね」と話しながら進める)
- 3時間目に、出席番号順に3人1組でグループを作り、「乱数(Math.random())の機能を使って何でもいいから役に立つものを作る」という活動をする。「何でもいい」と言ってもわけのわからないものではなく、「役に立ちそうな」もの、あるいは「楽しそうな」ものを自分たちで考えて作らせ、作るものは生徒に任せる。困っている生徒のためにサンプルプログラムを全員に配布する(キーワードを入れ替えて改造してもいいし、全部消してやり直してもよい)。ただし生徒が作りそうな「おみくじ」などはサンプルにしない——あまり見せすぎると彼らが作るものがなくなってしまうため。「君たち自身が作りたいものはどこにも載っていないよ。自分たちで何を作りたいかを良く考えなければできないよ」「作りたいものを考えることも今回の課題のうちだよ」と伝える
- 4時間目の前半までを作業時間にする。「何でもいいから作りましょう」と言うと、まず教科書を見始めたりネットで「JavaScript」と調べたりする生徒がいるが、多くが失敗する——教科書やネットのサンプルはパワーユーザー向け、あるいは学習時間や製作時間をそれなりに取るものが多いため。制作時間は1回半分しかないので、3人で相談しながら配布したサンプルをあれこれいじっていく方が形になる
- 4時間目の後半で発表する。ここで工夫をする——グループをシャッフルして発表のための別の3人組を作り、その中で自分たちのプログラムを残りの2人に、実際にプログラムを走らせながら1行1行解説させる(実際は作っていない人も自分たちのプログラムを説明しなければならなくなるので必死に食いつき、中心になって作った人も「ここはこうだから、ちゃんと説明してね」となってグループ内での学習が活性化する)。発表が終わったら自分たち以外のグループの2人からコメントをもらい、元のチームに戻って言われたことを伝え、改善すべき点を話し合う(完成できなかったグループも、他のグループからのアドバイスで完成へのコツや修正点を学べる)
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- 科目
- 情報(問題解決/発想法・ブレインライティング)
- 時間
- 記載なし
- 必要なもの
- ブレインライティング用のワークシート(6人分の行がある表形式のもの)、6人ずつのグループ
- 前提
- KJ法やブレインストーミングは実践してみるとなかなか敷居が高いと感じることがあるが、ブレインライティングは実践しやすい。問題解決の単元だけでなく、授業の様々な場面でも使える(情報モラルのDVDで登場人物の問題行動とその解決方法を考えさせる場面など)。/中学校国語の作文指導から学んだこと——「書きたいこといっぱいあるでしょう。じゃあ書いてごらんなさい」と指示して、よく書けたものを選んで紹介するだけでは授業とは言えない。本当の指導とは誰でもが一定水準の作文を書けるようにすることであり、そのために「素材をどう集めてくるか」「それをどう組み立てるか」「フォームをどう作っていくか」を緻密に指導する必要がある。特に「素材の集め方」「発想法」のトレーニングが必要。/授業の最初にゴールを明確にしておくことが大切——「今日は最後に発表してもらうよ」と言っておく。ただ発表するのではなく、最初のうちは「私たちの班は〇〇と△△を候補に挙げましたが、話し合った結果□□という理由で〇〇を最終案にすることに決めました」という形式で発表しよう、といった具体的なことまで細かく伝える
- ブレインライティングに入る前に、発想力をつけるためのトレーニングをゲーム感覚で行う。「レンガの変わった使い方を考えてください」というテーマを出す(普通に積めば暖炉や壁ができるが、そうではなく、温めてタオルにくるんで湯たんぽにするなど、本来の目的とは別の用途を発想する)。順番に当てていくことを事前に伝えて考えさせ、クラス40人に順番に答えさせる
- ブレインストーミングの4つのルールを使う——(1)質より量。どんなつまらないことでもいいのでたくさん話す (2)どんな意見が出ても批判は禁止 (3)突拍子もない意見、クレージーな意見も大歓迎 (4)他人の意見に便乗したり、アイデアを追加したりするのもOK。どんなアイデアも「それは無理だ」とは決して言わず、否定しないで柔軟に発想する訓練をする。あわせて、テーマに対して漠然と考えるのではなく範囲を絞ると発想しやすいことも紹介する(「白いものを挙げてみましょう」に対して範囲を「食べ物」に絞れば牛乳やパンが出てくる)
- ブレインライティングに入る。いきなり始めず、各自でアイデアを考えるところから入る(各自約5分でアイデアを10個以上書くよう指示する。ポイントはどんなにつまらないことでもたくさん書くこと、そして時間を絞ること)。6人ずつのグループを作り、ワークシートの一番上の行にテーマについて各自3つ書かせる
- 書けたら隣の人にそのシートを回す。受け取った人は前の人のアイデアをよく読み、参考にしたり発展させたりしながら、なるべく関連付けたアイデアを書く。どうしても無理という場合は全く新しいアイデアでもかまわないが、絶対に空白のまま隣に回さないようにさせる。これを繰り返す
- アイデアを収束させる。アイデアを書くときと同じくグループ内で紙を回し、いいなと思うもの3つくらいに丸を付けて再度隣の人に回す。一周させると色々なところに丸が付くが、やはり良いアイデアに集中して丸がつくようになる。そこまでが下準備で、後はグループで集まっていちばん良いアイデアを話し合って3つ選び、最後に発表する
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- 科目
- コミュニケーション英語(oralの週2時間のうち1時間をCALL教室での速読にあてる)※情報科の授業ではなく、デジタル教材の開発事例として発表されたもの
- 学年
- 1年
- 時間
- 週1回(1学期9回、2学期9回)/1回に扱う教材の語数は約230語。同じ週にもう1時間、図書館での多読を並行して行う
- 必要なもの
- CALL教室(コンピュータ教室でも動くように作られている)、PowerPoint(速読教材。リハーサル機能で秒数を表示させる)、表計算ソフト(ライティングのシートと成績記録用。レッスンごとの単語数を母数とする計算式を入れておけば、生徒が自分で計って記録した秒数と正答数からWPMと読解の正解率が出る)、音声編集ソフト(Audacity)、多読用の段階別リーディング教材(8段階あり、最高難度で約9万8000語)
- 前提
- 通常のリーディングの授業だけだと1年間で10レッスン程度、4000語程度しか読まない。多読(1冊874語)と速読(1回234語)を併用すると、学年終了時にトータルで約4万語を読みこなすことになる。/CALL教室の特徴である「生徒一人ひとりが自分のペースで学習ができる」ことが大事で、それが生かされる教材が必要。/成績上位レベルの生徒はどんな教材でもそれなりの効果が上がると思われるので、中位から下位の生徒で何らかの良い結果が出ることを狙う。/教材は簡単な作りにする——プログラミングをしてまで教材を作る英語科の教師はめったにいないし、公立高校はネットにつなぐことすらアクセス制限がかかるのが現状。簡単な作りだからこそ誰でも触って改良版を作れるし、転勤後も現任校で使ってもらえる。小中高の現場における研究は「汎用性」を持つことが大事。/教材作成を4名の若手の教員に分担してもらったところ、むしろ改善された部分があった(語彙練習のパートが、写真と単語を組み合わせてイメージで覚える形になった)
- プレゼンテーションソフトで今日の教材の導入をする(オーラルイントロダクション)。話題に関する写真を見せながら英語で問いかけていく(例:和食の課なら「Do you like any food? This one? ... this one is Japanese food which is called "washoku" in English.」というように進める)
- 導入の後、生徒を指名してクイズ形式で、その課で登場する語彙の発音練習と意味の確認をする。最後に今日出てくる単語をすべて見せて、一つずつポインターで指してリピートさせる(すべてを頭に入れてから速読に入る)
- 速読と内容理解を行う。生徒は各々のクリックで、自分が今取り組んでいる該当部のフレーズが画面に現れるので、自分のペースで読んで内容を理解できる。プレゼンテーションソフトのリハーサル機能を使うと左上に秒数が表示されるので、その秒数を自分で記録しながら読ませる。英文はフレーズごとに表示するが、一旦画面に出したフレーズは読んだら消すよりも残しておく方が速読の効果があるという先行研究に従い、残す方式にする。速読の後に内容理解の問題を行い、クリックして各自で答え合わせをさせる
- ライティング活動を行う。表計算ソフトのシートを使い、まず自分が読んだ部分のサマリーと、コメントや感想をそれぞれ2行程度の英語で書く。ここまで終わったら隣同士で座席を交代させ、相手の書いた英文を読んだ上でコメントを書いてあげて、また元の座席に戻る
- 音読(重ね読み)を行う。音声は編集ソフトで一つずつ貼り付けた音読シートを使う。英語の苦手な生徒は「通常速度でフレーズ間のポーズなし」ではついていけないので、再生速度が遅いものも作る(マイナス11%くらいから1〜2%ごとに試し、マイナス5%では通常速度とあまり変わらないことがわかって最終的にマイナス7%に落ち着いた)。あわせてフレーズ間に1秒のポーズを置く——前のフレーズで聞き取れずついていけなくなった生徒も、そこは諦めて次のフレーズの準備をして最後まで音読することが可能になる
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- 科目
- 社会と情報(著作権)※1年次・2年次に各1単位ずつ分割履修
- 学年
- 1年(2学期)
- 時間
- 3週(第1週=用語の理解度チェックと著作権法の目的、第2週=実際の事例のレポート作成、第3週=グループを再構成してレポートをもとに話し合い)/※同じ学校の実践報告が事例61(データ分析・ピボットテーブル)と事例84(統計とAzure MLS)にもある
- 必要なもの
- LMS(小テスト機能で理解度チェック、レポート提出、レポートの類似判定機能)、著作権法の条文のプリント(第一条、二条の一)、判例データベース、参考サイト(文化庁「著作権なるほど質問箱」など)、ワープロソフト
- 前提
- 初中等教育で著作権について体系的に教える機会があるのは高校の教科情報だけだが、まとまった教材はなかなかない。/著作権法自体も、デジタルコンテンツや加工ソフトの増加で、従来の著作権法が想定していなかった著作物の創造・流通・利用・管理形態が生まれ、法整備が追い付いていない部分がある。/目指すのは「知的財産権を侵害することが他人の財産を奪うことであるという認識を持たせること」と「身近な事例を通し、法律を基に著作権の侵害となるかどうかの判断をする力を育成する」こと。/情報活用能力は全ての科目の中で継続的に身に付けていくべきものであり、週1回でも継続性があることが大事。/生徒の約3分の2が高校からの入学者で、中学校の技術・家庭科の「計測・制御」の経験にバラつきが大きいが、2年間かけることで全員がほぼ一定のレベルに達する。/LMSは個人がどのような回答をしたかがわかるとともに、クラス全体の傾向も同時進行で見られるので、理解できていない人が多い内容をピックアップして説明できる
- 「デジタルデータは『完コピ』が手軽にできるが、それを使って自分の作品を作ることをどう思うか」と問いかける(生徒は「他の人の作品を勝手に使ってはいけない」ことは理解できているが、具体的にどのようなことが侵害にあたるかは明確に答えられない)。次にLMSで理解度チェックテストを行う——著作権に関する48の用語について『内容をよく理解している』『言葉は聞いたことがある』『知らない』の3段階でチェックさせる。権利の種類、考え方、著作物の利用の行為、条約や協定の名称、著作権利用でよく使われる用語を、いったん全部提示する形にする。制限時間5分が経過すると、それぞれの用語の回答結果がパーセンテージで表示される
- 回答結果をざっと振り返ってから、「最近よく聞く『デジタル万引き』とは、どのような行為か」と質問する(「雑誌や本のページを写メで勝手に撮ること」という答えが出るので、「中身だけでなく、表紙もダメなんだよ」と説明する)
- 「著作権法はなぜ、何のためにあるのか」を、ニュースで知ったことや身の回りの事例をもとに考えて書かせる。実際の著作権法の条文(第一条、二条の一)をプリントで配布し、自分の言葉に置き換えながら、まず各自で5分ほど考えて書く。そのタイミングで、著作権は創造的に表現したものすべてに発生すること、「創作活動を守ること=個人の才能を尊重する」ためのものであることを説明する(事例として生徒自身が書くレポートを出す——他の人が書いたものをまる写しにして自分のものとして提出する=自分の利益とすることは悪である。LMSに類似判定機能があり、コピペをすると成績がつかないことがわかっているので実感が伴う)。最後に著作権法の目的をまとめる——著作者のためだけでなく、著作物を広める者(演じる人、音源等を作る人、放送する人)や利用する人の権利も保護するためにあること、財産的な権利だけでなく勝手に改変されないための人格的な権利も含むこと。一方で著作者側の権利だけが強すぎると利用者が使いにくくなる。著作権の目的は文化の発展に寄与することであり、年限を決めて著作権をなくすのは利用者が使いやすくするためである
- 理解度チェックで出た48語を、1人3個ずつ分担して意味を調べ、週末までにLMSに投稿する宿題を出す。調べる際のリテラシーも一緒に説明する——必ず出典を明記すること、Wikipediaやまとめサイトなどを見てもよいが必ず大元の資料にあたること、サイトを調べた場合はURLと閲覧日を書くこと
- 第2週は宿題の振り返りをしてから、実際の事例をもとにした課題に取り組ませる(例:「禁転載」と書かれている資料や文章は引用できないのか/文化祭で市販の演劇台本を無断で上演できるか/配信される音楽や映像をCD-RやDVD-Rにコピーして問題ないか/テーマパークのパレードの動画を個人のウェブページにアップしてよいか/美術館で絵画を撮影してホームページに掲載できるか)。グループの代表がどの課題をするかを決めて持ち帰る。テーマはグループごとで、グループ内で相談はするが、レポート作成の作業は基本的に個人で行う。レポートには、事例に対するYes/Noの回答、事例テーマ内に出現する用語の解説、関連する条文の内容、制限事項・例外などの内容、過去の判例(判例データベースで調べる)をまとめる(他の論文・レポートのコピペはNG、参考文献にはURLと閲覧日を記載)。第3週はグループを再構成して、それぞれが書いたレポートをもとに話し合う
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- 科目
- 情報(情報モラルと合意形成)
- 学年
- 1年(9クラス360名)
- 時間
- 3時間(5月下旬から6月上旬、中間テストが終わった後)/情報機器は使わずオフラインで実施(1・2時間目は教室、3時間目は第2会議室)
- 必要なもの
- ワークシート・プリント(依存度チェック、良い点/困っている点のアンケート、相互評価用)、スライド作成用のA4の紙と油性ペン、書いたものを写すカメラとテレビモニター
- 前提
- スマホが生活に欠かせない生徒が多くいる状況では、危険なことややってはいけないことを教えるだけでは十分ではない。これからも使っていかなくてはいけないスマホやネットとどう付き合っていくかを生徒に考えてもらいたい。/活動の目標は「自分で考える」「グループで話し合う」「グループで合意形成をする」——教員が教えるのではなく生徒が考える。/付箋でやると残すことがたいへんなので、全部プリントで行う。/コンピューター教室は机が動かせないので、話し合いの活動は教室で行う。/スライド用の紙は以前はB4を使っていたが、B4は机で書くのがたいへんなのでA4にした。/教員が授業で言ったことを覚えていて宣言に入れるクラスがあるので、あまり言わない方がよいが必要なことは言いたい、というところが悩ましい。/週2時間しかない情報の授業で3時間かけるには、他の内容を速く進めたり省略したりする必要がある。/成果は外部のコンクールの「私たちの情報モラル・セキュリティ行動宣言」部門に応募している(団体でも個人でも応募でき、毎回テーマが設定されている)
- 1時間目。授業の流れを説明した後、まずアンケート形式で依存度チェックをする。次に良い点・困っている点をアンケートで聞く(各項目に挙げられた問題点が意識できているかどうかをチェックするためで、どういうことで困っているかを自分で考えて書き出すことにつなげる)。そのうえで、自分の言葉で良い点・困っている点を書かせる
- 机を合わせてグループを作り(座席の近い人同士5人で1クラス8グループ。男女が極端に偏らないようにチェンジするが、基本的には座席で決める)、リーダーや書記などを決めて各自の意見を共有する。次に、困っている点の対応策をまず自分で考えさせ、これもグループで共有して、グループとして「これでいこう」というところまでもっていく
- 2時間目。「私たちはこうやってスマホと付き合っていこう」という行動宣言を、まず自分で考えてから、グループとしての行動宣言にまとめる
- スライド作成用のA4の紙に油性ペンでスライド8枚を作る。5人で手分けして作る。時間があればスライドを見せ合って、わかりやすいかどうかという話もする
- 3時間目。気分を変えるために別の部屋で発表と相互評価を行う。発表順はくじで決めるが、遅そうなところにはわざと順番が遅くなるようにする。書いたものをカメラに写してテレビモニターを使って発表させ、発表はグループ内で分担して自分が作ったスライドを担当させる。相互評価のプリントに、各班の評価を3項目で書き込み、各班の行動宣言を書き、自分が気に入った行動宣言の番号も書かせる。発表が終わったら黒板に行動宣言を書き出し、各自のプリントに書き写させ、クラスでいちばんよかった行動宣言を選ぶ。最後にこのプリントを回収し、これを評価の基準にする
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- 科目
- 社会と情報 / 情報の科学(プログラミング・ネットワーク)
- 学年
- 本文に明記なし(複数校・複数年度の変遷の報告。現任校では3年生の選択「情報の科学」でも実施している)
- 時間
- 単元の展開(複数時間)/※事例66は「小松先生のドリトルチャット」を参照しており、この事例のチャット実習を指している可能性がある(リンクはない)
- 必要なもの
- PC教室(校内LAN接続端末)、Webブラウザ(Blockly Games、Scratch)、ドリトル(ネットワーク機能付き)
- 前提
- 前任校からドリトル、ビュートレーサー、HTML/CSS、Scratch、EV3と教材を試行錯誤してきた変遷を踏まえる。中学校でのプログラミング経験の有無による生徒間の極端な格差(Scratch経験者とPC室すらなかった生徒の混在)を前提とする。一字一句手打ちさせる「写経」は生徒が眠くなりタイピング格差で授業が止まるため、あえてショートカットキーによるコピペを基本とし、一部を欠落させた不完全なコードを配って考えさせる割り切りを行う。言語の文法習得自体を目的とせず、ドリトルを通してIPアドレス、通信プロトコル(TCP/IP)、情報モラル(なりすましの危険性)といったネットワークの概念を理解させる「プログラミングで教える」アプローチをとる。
- Webブラウザで「Blockly Games(Maze)」をプレイさせ、迷路を脱出するブロックの組み合わせを通して順次処理・条件分岐・反復処理のアルゴリズムの基礎を体験的に理解させる
- Scratchを用いて自由に命令を組み替えるプログラムを作成させ、Blocklyで学んだ制御構造を定着させる
- ドリトルを導入し、中間モニタでの手打ち(写経)を避けるため不完全なコード(例:左ボタンはあるが右ボタンがない等)をコピペ配布し、生徒自身に不足部分を考えさせて補完させながらゲームを作成する
- ドリトルの通信機能を用いて2人ペアで互いのIPアドレスを指定する1対1チャットを作成させ、さらに班内でサーバ役を決めて全員で通信できるグループチャットへ拡張し、IPアドレスの役割となりすましの危険性を実感させる
- 班内でサーバ役とクライアント役に分かれ、音楽データのダウンロード配信とストリーミング配信のプログラムを作成・実行させ、送受信のタイミングを合わせる体験からTCP/IPプロトコルの仕組みを振り返る
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- 科目
- 情報(コンピュータの歴史/アルゴリズムのしくみ)※歯車式計算機の体験
- 学年
- 3年
- 時間
- 記載なし/記事は歯車式計算機の操作手順(掛け算、割り算の引き戻し法・引き放し法)の説明が中心で、授業の進行としての記述は「コンピュータの歴史を学ぶときに体験してもらう」まで。ここに書いた手順は、記事が説明している体験の内容を順に並べたもの
- 必要なもの
- 歯車式計算機(置数レバー、ハンドル、桁移動つまみ、回数表示部、結果表示部、引きすぎたときに鳴る鐘)
- 前提
- もともとコンピュータはcomput+erで「計算する人」のことであり、それが機械に置き換わったことを見せる。/歯車式計算機は、基本的にはパスカルが1645年に発明した機械式計算機から大幅に変わっておらず、電卓が発明される昭和40年代まで普通に使われていた。日本で普及したのは、足し算・引き算だけでなく掛け算・割り算ができたため。/機械は単純に面白いということも生徒に伝わるとよいと考えて導入した(女子校で進学先に工学部を選ぶことは少ないが、メカニカルなものに興味を持ってもらいたいという気持ちがある)。/授業後も何人かが「もっとやってみたい」と触りに来る。コンピュータや機械、アルゴリズムに生徒の興味を引くための導入に向く
- コンピュータの歴史を学ぶ導入として、もともとコンピュータはcomput+er=計算する人のことであり、それが機械に置き換わったことを見せるために、歯車式計算機を体験させる
- 掛け算をやってみる。367×581なら、置数レバーで367をセットしてハンドルを581回まわす=367を581回足し算することになる。交換法則を使って581×367と数値の順番を入れ替えても、ハンドルを367回まわす必要があって大変だと気づかせる
- 桁移動つまみを使う。回数表示部と結果表示部を左右に移動でき、右に1桁ずらすとハンドルの1まわしがもとの10回分、2桁ずらすと100回分になる。367をセットしてハンドルを1回→1桁右にずらして8回→もう1桁右にずらして5回、合計14回で581回分の計算ができる(先に右へ2桁移動して百の位・十の位・一の位の順に回しても同じ結果になる)
- 割り算の「引き戻し法」をやってみる。割られる数を置数レバーにセットして1回ハンドルを回して結果表示部にコピー→回数表示部をリセット→割る数をセット→掛け算と逆方向にハンドルを回して引き算を繰り返す→0より小さくなった時点で「チーン」と鐘が鳴る→これは引きすぎの状態なので最後に正方向に1回回す→この時の回数表示部の数値が商、結果表示部の数値が余りになる。「引きすぎてしまったら(負になったら)戻す」というところがまさにアルゴリズムであることを示す
- 「引き放し法」をやってみる。桁をずらす機能と割り算を組み合わせてハンドルの回転数を最小にする方法で、必ずもっとも大きい桁から始める。余りが正のときは引き算を、余りが負のときは足し算をする——この2つの動作で計算のアルゴリズムを表していることを確認する(コンピュータのプログラムでも使われている手法。桁を調整すると小数点以下も計算できる)
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- 科目
- 社会と情報(アルゴリズムとプログラミング)※研究会で検討した4本の独立した指導案
- 学年
- 1年(授業案1は、入学以前に勉強でつまずきを経験した生徒が多数いる学校で実施)
- 時間
- 授業案1=50分1コマ/授業案2=4コマ/授業案3=5コマ/授業案4=8コマ。**4本は独立した指導案であり、順に実施するものではない**
- 必要なもの
- code.org(code.studioのオンライン学習コース。文字が読めなくても学習できる4歳から18歳までの初心者対象のブロックベースのプログラミングで、順次処理→for文→while文→関数→if文→入れ子のループ→デバッグと順を追って学習できる。ブロックでアルゴリズムを確認し、コード表示で実際に動いているJavaScriptを見られる。コースは4つあり、レベルに応じて選べる)、ワープロソフト(フローチャートの作成)、ワークシート、スクリプト言語の実行環境(授業案3)
- 前提
- 授業にかけられる時間が少ないので効率よく学ばせたい。また、生徒アンケートからアルゴリズムを難しいと感じることがわかったので、入り口はできるだけ易しくしたい。/プログラミング教育が必須になると言われているが、実際にどこから・どのように・どんなレベルまで教えたらよいのか、具体的なことは何も示されていない。/プログラミング学習はあくまでも手段であり、目的は論理的思考と問題解決能力を身につけることである
- 【授業案1:フローチャートとビジュアルプログラミング/50分1コマ】「プログラミングとは何か」を教えてからフローチャートを考え、ブロックを操作してプログラムの記述を確認する(あくまで確認するだけ)。1本の線を描く動きをフローチャートとプログラムで表し、次に四角を描くときはどうするかを考える——最初は順次処理で、次にループを使って、さらに「四角を3つ描くとしたら」で入れ子のループへ。ワークシートに空欄を作って埋めさせる。JavaScriptは記述させず、プログラムコードは見せるだけにする
- 【授業案2:フローチャートを作成する/50分4コマ】ワープロソフトでワークシートを作っておき、図形のブロックを使って自分でフローチャートを描いていく。順次構造→反復構造→選択構造の順に進める。フローチャートやワープロソフトそのものに不慣れな生徒のために、実際に作業しながら説明することが大事。随時ワークシートを回収してフィードバックし、早くできた生徒を他の生徒のサポート役にして確実に理解させる。評価は、サイトのステージがクリアできたか、フローチャートを描けたかを観点として行う
- 【授業案3:コーディング→実行→改善/50分5コマ】フローチャートを描かずにプログラミングを行う。1・2限目はサイトで古典的迷路など様々な問題解決を行い、3〜5限目はスクリプト言語でのプログラミング演習を行う。細かい文法を説明するのは時間がかかって大変なので、すでにあるサンプルプログラムを説明して、それを問題に合わせて改良させる形を取る(例:「1〜nの素数判定」という難しいプログラムを実際に見せて解説し、それを改良して「1〜nの合計を計算する」プログラムを作らせる)
- 【授業案4:アルゴリズム学習から問題解決学習へ/50分8コマ】1・2限目でサイトを使ったアルゴリズムとプログラミング。3限目にフローチャートの書き方説明と班分け、これまでの企画の振り返り。4〜8限目で作業のリスト化、手順の並べ替え、ワークシートの作成、グループごとの発表を行う。題材は、文化祭の企画内容を振り返って当日までの作業をリスト化し、フローチャートを作成して無駄な部分や失敗点を改善するというもの。カップラーメンの作り方や遠足のカレー作りのフローチャートを書く練習を挟み、フローチャートのメリット(作業を一つずつばらばらに分けて流れを表せる/複数人で作業する場合は分担ができる/時間の流れがわかるのでスケジュール管理ができる/より効率的に作業を行える)に気付かせる。クラスを6人ずつの班に分け、班で1つのフローチャートを作り、一人ひとりに役割を与えるとともに作業の目的や意味を意識させる
- 4本に共通する留意点:生徒の能力に応じたペースで作業させ、生徒同士の教え合いは歓迎する。そして授業を通じて「ゲームもプログラミングで作られている」「コンピューターは言われたことだけを正確にやる。言われたことだけをやるのでは機械に負けてしまう」「人間は自分で考えて動くことができるので、自分で考えて動く人になろう」ということを伝える
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- 科目
- 情報の科学(プログラミング)※Excel VBAを使い、単元全体を「エイリアンとの交信」というストーリーで組み立てたもの
- 学年
- 3年(必修選択科目)
- 時間
- 目標8時間(数を色に置き換えて「実は意味があるエイリアンからのメッセージだった」というところまで行きたかったが、昨年度は最終的にそこまでたどり着けなかった)/※同じ著者の事例18は、赴任2年目に担当していた3科目(情報A・情報B・学校設定科目)の年間の組み立てを報告している
- 必要なもの
- Excel VBA(どの学校にもあり、セルで実行結果を可視化できる)、ミッションを提示するスライド、プログラムの相互チェック用のチェックシート
- 前提
- 2年生に必履修で「社会と情報」、3年生の「情報の科学」は必修選択科目なので、選択するのはある程度情報に興味・関心がある生徒だが、プログラミングへの興味はまちまち。/そこで「この授業はプログラミングを学ぶのだ」というイメージではなく、エイリアンとどのように交信するかを教員が生徒と一緒に考える展開にする。/単にコードを書いて実験するだけでなく、Excel VBAで書いた結果がセルで実際に「ここが変わった」と見えることで達成感を得られるようにする。/英語科の教員でもあるので、最初に単語や文法、そのあとに文章というやり方と同じイメージで進める——基本的なコードを学び、それを使ったプログラムに落とし込み、入力してコードで記述し、正しく動くかテストする、という一連の流れを繰り返す。/著者自身もVBAをそれほど学習していなかったが、県の教育課程研究推進委員として共同研究する中でVBAがよいということになり、自分自身がスモールステップで学習して教材を考えた。/実施上の注意:具体的な事象を抽象化してコード化することが難しい——具体的過ぎると生徒が考えすぎてしまい、シンプルすぎると逆に考えられなくなる。特にヒントをどう与えるかが難しい。/コードの入力と設計などの活動がごちゃごちゃになると、今何をやっている時間なのかがわからなくなって生徒が混乱するので、何をする時間なのかを明確に区切ることが重要。/生徒は真っ白な状態からプログラムを書くのに抵抗感があるので、コードの最初の1行を書いてあげるとハードルが下がる
- 単元全体を「エイリアンとの交信」という一貫したストーリーで組み立てる。最初に「エイリアンと交信するためにはVBAをツールとして使う」として、基本的な使い方(セルをどう動かすか、どうしたらセルの中に値が入るか)を学習する
- 「エイリアンは変な数を使う」と伝えて変数に入る。変数の宣言を扱い、実際にプログラムを構成する中で「この変な数は一体何だ?」を考えさせる(学習内容の順番を意識して、この時点では変数の型が何を意味するかには触れない)。その後、変数の型によってはうまく計算できなくなったり、おかしな結果になったりする体験をさせる
- 毎時間、エイリアンからのミッションという形で課題を出す(例:「セルに触れずにA5という場所に数字を代入して中身を表示してください」/「エイリアンの送ってくる2つの数字が正しく計算できるかテストせよ」——変数の型によってうまくいく場合もあるが、明らかに大きな数字を入れるとエラーが返る)。「今日はこれを解決するために最初にこういうコードを学習しますよ」という形で進め、そのコードは次の学習にも繋がるので、毎時間前回の学習を振り返りながら進める
- セルの中身を交換するミッションでは、まずステップをいくつか設けて考えさせる。①ミッションの状況が今どうなっているのか、入れ替えた後はどうなってほしいのかを簡単な絵で表現する ②その絵を見ながらグループ内でどうやったら入れ替えられるかを考える ③それを順番に記述する ④最後にコードに落とし込む。皆が考えた手順を共有した後に、各自コードを書く
- プログラムができたらチェックシートを配布し、隣同士席を交換してチェックし合う(チェック項目だけでなく、コメントやアドバイスも書かせる)。ごく簡単なプログラムでも“b”と“d”を逆にする、ピリオドがカンマになる、全角文字やスペースが入るなど様々な原因で動作しなくなるので、一見簡単そうに見えることでもその都度テストを行わせる。実際に起きた自動改札機の停止のような事例から、テストがいかに大事であるかを考えさせる
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- 科目
- 小学校のプログラミング必修化に向けて、誰が教えられるかを学校数から検討し、教材の候補を提案したもの
- 学年
- 小学校(提案の対象)
- 時間
- リトミック的な活動に1〜2時間+アルゴロジックに1時間程度という提案
- 必要なもの
- アルゴロジック(プログラミングの基本となる論理的思考をゲーム感覚で習得する課題解決型ゲームソフト。キーボード入力が不要)、「にんげんプログラミング」のシート
- 前提
- 海外ではcode.orgを用いて小学校段階からプログラミング教育が行われているが、日本でチュートリアルやイベントが開催された地点は少ない。日本でも約30の団体が出前講座を行っているが、小学校は約2万校・約27万学級あるので1団体あたり1万学級となり無理な数字である。しかも教室や講座はほとんどが関東圏で、首都圏にいると盛んだと感じるのは大きな思い違いだ、という認識から出発している。/※同じ著者の事例40・63は自身の授業実践の報告
- 高校の情報科の先生が小学校に出向く案を検討している。全国にくまなくいて、ICTの操作に慣れ、プログラミング教育にも長けており、活動を通じて情報科教員の地位向上にもつながると考えた。しかし東京都では小学校約1300校に対し東京都高等学校情報教育研究会の一般会員は約80人で、実際に活動できるのは半数程度とすると1人あたり30校、小学校から見て年1回でも自分たちは月に2〜3校行かねばならず無理だと計算している
- 結局は現場の小学校の先生に頼るしかないので、若くて熱心な男性教員4人に聞いた(サンプル数4と明記している)。小学校では「プログラミング」はNGワードで、「アクティブ・ラーニング」はアリでも「プログラミング」は無理、特にキーボードを使うのは難易度が高くコードの記述が入ると教える方が無理、30人ほどを相手に質問が出たらお手上げ、という答えだった
- そこで「小学生ができるものは何か」ではなく「小学校の先生ができるのは何か」という観点で、キーボード入力が必要ない教材を検討した。高校生ならScratchやViscuitの次にCやJavaScriptが順当だが、小学校の先生にはScratchやViscuitに至る前にハードルがあると見ている
- 手始めの候補としてアルゴロジックを挙げる。上向きと左右の矢印しかない状態でロボットを動かして旗を全て取る課題では、生徒はまず上に行き右に行ったところで下向きがないことにつまずき、相談させると「一回右に出てから上に行って左に行けばいい」と気づく。指定の動きをなぞる課題では、繰り返しでゴールできても最適でなければ「〇」、短いステップにすると「◎」がつく。難度の異なる課題が多数あるので易しいものから進められる
- 前記の4人に試してもらうと全員が初めて見たとのことで、おおむね好評だったが、「子どもたちは『なんで命令された通りにしか動いちゃいけないの?』と言うだろう」とも言われた。小学生はロボットの動きやプログラミング的な動作になじみがないためで、そこで阿部和広氏の「にんげんプログラミング」を挙げる。リトミックのように実際に体を動かすのは小学校の先生の得意分野なので、アルゴロジックの前に得意分野から1〜2時間入り、その次にアルゴロジックを1時間ほどに絞れば、先生もやりやすく子どもも理解しやすいのではないかと提案している
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- 科目
- 高校生が講師となって教員向けにSNS講座を行った取り組みの報告
- 学年
- 講師役は公立・私立の高校生(初年度22人、講座では20名が講師を務めた)/受講者は小・中・高・特別支援学校の教員約50名
- 時間
- 半日の講座を2回(2015年3月と2016年3月)/準備は土日に全6回
- 必要なもの
- LINEをインストールしたタブレット20台程度(グループ外しの体験用)、前方のスライドにトークを映す環境、寸劇のための役割分担
- 前提
- 「SNSは使っていないけど仕組みを知っているから教えられる」「アカウントは取っているがやっていない」「興味がない、見るだけ」という教員が情報科にも多くいる一方、生徒は「先生にもSNSに興味を持って使ってほしい」「問題について相談できる身近な大人であってほしい」「情報社会を生き抜く手本を見せてほしい」と思っている、というずれが出発点。著者は当時神奈川県教育委員会の指導主事の立場だった。/※同じ著者の事例94・130・174・195・234・250・360も提言型の記事
- きっかけは県の模擬議会「ハイスクール議会」での議論だった。「うちの学校の先生はSNSを全然知らない」「先生に『twitterって何よ』と言われた」という声が出て、特に問題と感じられていたのがトラブル時の「じゃあSNSを使わなきゃいいじゃないか」という発言だった。そこから「私たちのほうが詳しいなら、私たちが講師になってSNSの研修会を立ち上げたい」という政策提言がなされ、年度途中かつ高校生からの提案だったにもかかわらず教育委員会が講座を立ち上げた
- 講師の条件はSNSに詳しい生徒と、先生にこうなってほしいという希望を持っている生徒。公立・私立、男女・学年・興味の分野を織り交ぜて初年度は22人が集まった。フォロワーが何百人・何千人もいる生徒もいれば、学校でSNSが禁止されていることに不満がある生徒もいた。急に発足した事業には予算が付かず交通費も出せない中、土日に全6回集まって準備した
- 一番大変だったのは研究会でのリハーサルで、「高校生が調べ物をした発表会のレベルで、教師向けの研修会の内容になっていない」と厳しく評価されたこと。そこから方向性を全く変え、先生に何を一番伝えたいかをカードに書いてホワイトボードにまとめ、ゼロから考え直した
- 講座の中身は2つ。1つは寸劇形式で、放課後にカラオケを断ってボウリングに行ったことを別の友人がツイートして誘った側が気分を害する、という場面を、認識の甘い生徒(顔写真をそのまま載せる)・厳しい生徒(文章だけ)・中間の生徒(写真の隅にボウリング球が写る程度)の役割分担で比較した。もう1つはLINEの「グループ外し」の体験で、タブレット20台でグループを作り、途中で1台を意図的に外す。外された画面ではトークが止まるが前方のスライドでは進み続け、一定時間後に復帰させる。受講した教員からは「やはり腹が立つ」という感想が実感を持って語られた
- 講師の高校生の言葉として「私たちにとって先生方は、1日の多くの時間を同じ場所で生活しているとても身近な『大人』です。これから先、もっと相談しやすく、困ったとき悩んだときに頼ることができる関係になることを望みます」を挙げ、感謝とリスペクトの上に希望が語られたことに感動したとしている。成果物として教員のSNS利用のルーブリックが作られ、情報科の先生にはS基準、それ以外の先生でもB基準であってほしいとされた。ただしS基準になる必要はなく、たどたどしくても子どもに聞きながら一生懸命やろうとする姿こそが相談できる大人であることを示すとし、目指す気持ちもない大人が一番残念に見えていると述べている。この取り組みは問題解決学習・協働学習・アクティブ・ラーニングでもあるので、学校の授業でも実施できると気づいたとまとめている
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- 科目
- 情報(情報モラル/プライバシーリスク)
- 時間
- 記載なし(1学期に実施)/※事例77(鎌田高徳氏)が、個人情報カードを空間配置する活動について「大阪府立東百舌鳥高校の勝田浩次先生の実践を参考にしています」と本文で述べている(記事間のリンクはない)
- 必要なもの
- 自作教材「どこまでが個人情報?」(ワークシート・情報カード・まとめシートの3枚セット。記事からダウンロードできる)、検索結果を見せるための環境
- 前提
- 情報モラル教育では、危険性を知識として伝えるだけでなく、行動変容を促すところまで行う必要がある——危険性を知識として伝えるだけの教育では、危険性は理解できるものの、問題への意識や自覚を持ちにくいため、自身の行動を見直すことにはつながりにくい(酒井郷平氏らの指摘)。企業の方に講演をしてもらうといった危険性の注意喚起はすでに十分なされているので、教員はあれはダメこれはダメとルールを定めて規制するだけではなく、生徒の主体的な行動につながる次の一手を考える必要がある。/行動変容を促すときに注目するのは他者の存在。自分の価値観だけで全てを判断すると、自分と重ならない価値観の他者に知らないうちに不快な思いをさせてしまうかもしれないが、異なる価値観の人と交流して共通点や相違点を見つけられれば、自分の行動を広く見直してより適切な行動を促せる。/個人情報公開の良し悪しについては基本的にあまり言わないようにする——この授業で意識してほしいのは、自分と他者が個人情報を交換するときに起こり得る問題だから。ただし、個人情報公開には生徒たちだけでは想像もつかないようなデメリットもあるので、情報提供としてある程度の説明はする。/総務省のインターネット・リテラシー指標ILASでは、3つの柱のうちプライバシー・セキュリティに関する項目の正答率が全体的に低い
- 教材(ワークシート・情報カード・まとめシートの3枚セット)を準備する。ワークシートは「知られてもよい」「知られたくない」という2つの軸で区切り、それぞれの軸で「知られてもよい度・知られたくない度」の度合いの強さで重み付けができるようにする(どの程度公開してもよい/したくないと思っているのかというグレーゾーンもマッピングさせるため)。情報カードには「名前」「高校名」「生年月日」「みんなで撮った集合写真」といった高校生がSNSに投稿しがちな情報を用意し、トランプのように一人ずつに配布する
- 全員に情報カードが行きわたったら、グループの中で、それぞれの情報カードがワークシートのどこに当てはまるかを考えながら、1人1枚ずつ順番にカードを配置していく。配置する際は、自分のカードがなぜその位置なのか理由をしっかり伝えさせる。このとき、他者の発言に対して批判や意見は一切しない(つまり、自分の価値観で情報カードを配置していく)
- 全てのカードを配置したら、話し合いに移る。カードを配置する際に理由を聞いても納得できなかった、つまり自分の考えと異なった配置になった情報カードについて話し合わせる。みんなが納得した場合は、情報カードの位置を修正することも可能にする(他の人が配置した場所への違和感について話し合わせることで、自分とは異なる価値観を持っている人がいることに気づかせる)
- だいたい話し合いが行き詰まった段階で、教員から情報提供を行う(例:「○○高校 Twitter ○期生」と検索して結果一覧を見せ、情報の組み合わせの問題に気づかせる。就職試験や内部告発の話をしてSNSは閉鎖的な空間ではないと説明する。写真の転載問題や、予備校の合格実績の写真によるSNS上での個人の特定などの事例を話す)
- 最後に、全てのグループに、まとめシートにまとめた「個人情報を扱う際には…」というクラスへの提言を発表してもらう(グループの中だけでなくクラス全体で考えた内容を共有することで、さらに別の価値観に触れることもできる)
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- 科目
- 2年生の選択科目(メディア・リテラシー/映像制作)※1年生で「社会と情報」を履修した後の科目
- 学年
- 2年
- 時間
- 全7時間(企画1時間+撮影2時間+編集2時間+発表1時間=制作6時間、最後の1時間が受け手としての振り返り)
- 必要なもの
- 安価なデジタルカメラ(学校にある約7000円のものの動画撮影機能)、OS付属の無料の動画編集ソフト、操作を丁寧に説明したプリント、S・A・B・Cの4段階の評価基準表、相互評価用のワークシート、絵コンテ付きの企画書用紙 ※スライドや配布資料は著者のサイトで公開されている
- 前提
- メディア・リテラシーは、受け手として『読み解く力』と、送り手として『表現・発信する力』の両面が必要である。この両方を一緒に学べないかと試みた授業。/特殊な機材やソフトを使ってしまうと、生徒が実際に自分で作りたい時に作れないので、自宅でもできるような環境で教えることにこだわる。/実習では企画の時間を大事に取る——グループ全員がしっかり制作に参加するため。/評価基準は映像を作る前から生徒に知らせ、教師も同じ観点で評価することをあらかじめ伝えておくのがポイント。生徒が教師と同じ観点で評価することで自分自身の作品を客観的に見る力が育つと考え、評価も学びの場と捉えて相互評価を公開する。/グループの成果物で個人を評価するために3つの手立てを使う——①個人のワークシート(自分の意見だけでなく、グループでの話し合いや他のグループの意見もきっちり書かせて提出させる)②作業中にグループを回って観察した積極性を参加点にする ③グループ内評価(4人グループなら持ち点5点を自分以外の3人に配分させ、割り切れないので差をつけざるを得なくする)。/メディア・リテラシーがどの程度身についたかは、正直わからない部分もある——最終の振り返りコメントで、単なる授業の中の気づきで終わらず、そこから普段見ている映像の受け止め方まで深く考えられているコメントには評価をよくつけた
- 3分間の学校紹介映像を作るという目標を提示する。「学校を知らない人」をターゲットに「学校の良さを紹介する」というコンセプトを設定し、それに沿った企画を考えさせる。いきなり話し合いをさせるとグループの何人かで「こんなんいいんちゃう?」「それええなあ」と話すだけで終わってしまうので、まずノルマとして1人3つの企画を考えさせてから、1グループ4名で12個のアイデアを絞り込んだり組み合わせたりして、絵コンテ付きの紙ベースの企画書にまとめさせる(企画に1時間)
- 撮影・編集に入る(撮影2時間、編集2時間)。特殊な道具やソフトは使わないで作ることに決めておく——安価なデジタルカメラの動画撮影機能で撮影し、お金のかからないOS付属の編集ソフトで編集する。教員の説明は5分程度にとどめ、その代わり丁寧に作ったプリントを用意して、自力で取り組みながら、わからないところを教員に質問したりグループ内で相談したりさせる
- 映像が完成したら発表と相互評価を行う(1時間)。評価基準は制作前から知らせてあり、S・A・B・Cの4段階で、教師も同じ観点で評価する。グループ内評価では、あえてメンバーの人数で割り切れない評価点を割り振らせて、それぞれの貢献度を考えさせる
- 制作後、受け手としてメディア・リテラシーを考える振り返りの授業を行う(1時間)。全員が映像制作という共通の体験を踏まえて、3つの視点から個人とグループで振り返る。①編集の基準——編集の時に使った部分と使わなかった部分の基準を聞く(「音楽に合わせて長さを削った」「ネガティブな発言や誤解を招きそうな部分をカットした」などが出る)。気づいてほしいのは、映像は一部分をつまんで編集してできており、決して全てを伝えているわけではなく、作り手の意思で編集されているということ ②不自然な部分——「やらせ」や演出だと感じた部分を考える(「たまたま出会った」「長いコメントをすらすら言った」といったシーンにはカメラを回す前から作り手の意思が働いている。欲しいコメントを言ってくれそうな人にわざわざ聞いたり、多少強引に発言を誘導したりしている)。演出とやらせの境界は実はすごく曖昧で、良く見せようとするとつい作ってしまう部分がある ③映像から受ける印象——映像の中の学校の印象と現実の学校の違いを考える(「実際より楽しそう」「生徒が優しそう」「学校が広く見える」)。きれいな部分ばかり切り取っているのだから当たり前だが、よく見せるために作ってその印象が生まれたのだから映像制作としては成功である——つまり映像とはイメージを作ることである
- さらに一歩踏み込んで、テレビでも似たような例がないかを考えさせる(「うちの近所のお店、行列ができてるんやけど全然美味しくない」「撮影前にテレビ局の人が来て面白い人物がいないか探していたのはやらせではないのか」といった意見が挙がる)。テレビでも自分たちの経験と同じところがあるのではないか、という話につなげる
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- 科目
- 大学の授業(中学校技術の教員免許取得を目指す学生対象)※中学校技術・家庭科や高校情報科での実施を想定して開発された教材
- 学年
- 大学3年
- 時間
- 全15回(前半7回でドリトルのプログラミング、後半8回で計測・制御の基礎と制作)
- 必要なもの
- 比較的安価で使いやすいArduino互換マイコンボード(ボリューム、スイッチ、マイクロフォン、LEDなどを搭載。センサ部品そのものが見える状態のもの)、プログラミング言語ドリトル、ワニ口クリップつきケーブル、制作用の材料(学生は画用紙・水彩絵具・カーボン入りインク・銅箔などを自分で持参した)、抵抗値を測るテスター
- 前提
- これまでの中学校「技術・家庭科」や高校「情報科」で行われてきたプログラミングでは、プログラムの作成自体が目的になっている場合が多い。この教材では、生徒にとって身近な実世界のデータを計測し、それをプログラミングに取り込むことで、データからの問題発見、制御など具体的な解決策の提示まで経験することを目指す。/プログラムにとっては計測と制御のどちらもデジタル化された「数値」にすぎないという認識を重視する(アナログ値は0から255の間の整数、デジタル値は0または1)。計測する対象と制御する対象の間の関係を自由に組み替えられるので、一見魔法のようなことが実現できる。/センサ部品そのものが見える状態の基板を手に取り、触れ、制御するプログラムを作ることで、身の回りのコンピュータ内蔵機器やシステムへの関心が高まるかも調べた。/検証結果:受講前と受講後に同一質問の記述式アンケートを行い、センサを搭載しコンピュータ制御された装置にどのようなものがあるかを段階的に説明させたところ、事前は家電機器・スマートフォン・ゲーム機や漠然と「乗り物」といった回答にとどまっていたが、事後は自動ドアや防犯システムのように社会に設置されたシステムの回答に大きく切り替わり、情報技術に関わる語句を正確に用いた記述が増えた
- 前半7回でドリトルのプログラミングを学ぶ。このうち5〜7回目で、画面上でマウスクリックする形のゲームプログラム(ピンポンゲームとシューティングゲーム)を作成しておく
- 第8回で計測の基礎、第9回で制御の基礎を学ぶ
- 第10回で、それらを活用する具体例として、前半に作ったゲームプログラムを改変する。基板に搭載されたボリュームとスイッチの値を計測して、画面内のキャラクタを移動させたり、シューティングゲームでは弾の発射を行ったりするようにする。これは、数行のプログラムの改変で、マウス操作であったものが物理的なゲームコントローラによる操作を実現できてしまう——という刺激を与える時間にする
- 第11回で何を作るかをデザインする。見た人に驚きを与えるような作品を構想させるように誘導する(学生の作品例:画用紙に水彩で花を描き、裏にカーボン入りインクを塗って抵抗値を測りながら調整し、花の中心に触れると抵抗値の変化で音楽が流れるようにしたもの/基板のマイクロフォンで息を吹きかけるときのノイズを数値に置き換え、LEDに与える電圧を制御して、ロウソクのように消えかかるようにしたもの)
- 残りの3回で、実現まで教員の支援のもとで制作する(実際に中学校・高等学校で生徒を対象に実施する際には、最終課題の部分はグループ制作が適切と考える)
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- 科目
- オンラインプログラミング学習環境「Bit Arrow」の開発提案と、3つの言語での利用報告
- 学年
- 中学校以上を想定
- 必要なもの
- Bit Arrow(Webブラウザで動作しインストール不要、作品をスマホやタブレットで実行可能、教員が授業を登録して管理でき、生徒の登録とパスワード配布が不要)
- 前提
- 近い将来、小学校で簡単なプログラム学習をした子どもたちが中学・高校に上がってきたときには文字でプログラムを書くことになるので、複数の言語を選べたほうがよいという考えに立つ。スポーツで跳び箱・縄跳び・水泳をすることで様々な筋力を使えたり得意分野を発見できるのと同じだとしている。/※事例133は同じBit ArrowのPython対応の報告、事例79は授業で使った側の報告
- 言語だけでなく学習環境も重要だという問題意識がある。ブラウザは全てのパソコンに入っていてJavaScriptが標準で使えるので現段階では使いやすいが、実際に授業をするとエディタが用意されていない、エラーメッセージが親切でないという問題があった。大学でVisual Studioを新たに購入しようとするととたんに高価で実現が難しくなる事情も挙げている
- JavaScriptの実践では、通常はHTMLの中にJavaScriptを埋め込むが難度が高いので、HTMLとJavaScriptを別のタブで書けるようにした。HTMLのタグで猫を「neko」、ボールを「ball」のようにキャラクターのオブジェクトを定義し、それをJavaScriptの変数として動かせるようにしたところ、高校生が通常より少し複雑なプログラムまで理解できるようになったとしている
- 学校のネットワーク環境が良くない現状では、全てをクラウド化すると授業に支障が出る。そこで起動時にサーバから自分のプログラムをダウンロードした後はローカルで動かし、ブラウザの中に全てのプログラムが保存されてオフラインでも動く形にした。あわせて実行ボタンを押すと瞬時にサーバにファイルが送られる自動提出型にして、提出の時間を取らなくても済むようにした
- C言語の実践は大学の工学部の授業で、CをJavaScriptにコンパイルして実行する。大学では100人を教師1人とTA2〜3名で教え、授業ごとに5問を週2回提出させると週に1000個の採点が必要になるため、必要に迫られて自動採点プログラムを作った。ただし正解のパターンが複数ある場合にどこまでを可とするかは簡単ではないので、該当部分の色を変えて注意喚起し、教員が自分で見て責任を持って判定できるようにしている
- ドリトルは著者自身が作って公開している言語で、Cと同様にJavaScriptにコンパイルすることで高速になりPCへの負荷も減った。今後は計測・制御やロボットといった外部機器の操作、Arduino上でドリトルを動かすことも並行して進めており、温度センサをRaspberry Piにつないでドリトルでグラフを描く高校の例を挙げている。作品評価や成績評価の課題は今後出てくるとしている
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- 科目
- 社会と情報(うわさ/情報の特徴とメディアの意味)
- 学年
- 2年(2単位配当。1学期の「社会情報学的な何か」の中で「コミュニケーション」「メディアの効果研究」と並んで実施)
- 時間
- 1コマ50分
- 必要なもの
- うわさの定義と定式化を示す資料、実際に学校で流れたことのあるうわさの例、災害時の流言ツイート数の変化を示すグラフ
- 前提
- うわさと言うと「うわさに振り回されないようにしよう」といった生活指導のような授業を考えがちだが、ここではうわさを情報という視点から捉えることで、うわさとの付き合い方を論理的に理解させる。/うわさを怖がるのではなく、うわさを知っていくことが大切。/あわせて「曖昧さに耐えること」を覚えてもらいたい——教員は生徒に対して「はっきりしなさい」といった言葉を使って指導することがあるが、世の中にははっきりしないことがたくさんある。生徒は「正解は何ですか」とよく聞いてくるが、世の中には正解なんてない。/うわさの構造は絶えず変化している。「人のうわさも〇〇日」をテストに出したとき間違えて「3日」と答えた生徒がいたが、流言ツイートのスピードを見るとそう答えるのも無理はない。人伝いの時代は「75日」だったが、ネット時代のうわさのスピードは格段に速い——情報化社会について学ぶのだから、時代に対応した授業をすることが押さえどころ
- まず、うわさを定義することから始める。うわさを全く知らない生徒はいないが、知っているという前提で進めると生徒たちがバラバラなイメージを思い描いてしまう恐れがあるので、冒頭で定義しておく(例:タモツ・シブタニの定義「曖昧な状況に巻き込まれた人々が、自分たちの知恵を寄せ集め、その状況について有意義な解釈を行おうとするコミュニケーション」を引用する)。ここで定義しておくと、以降うわさを丁寧に扱えるようになる
- うわさが発生する仕組みを説明する。オルポート・ポストマンの定式化——うわさの流通量は「当事者にとっての重要性」と「おかれた状況の曖昧さ」の積に比例する——を引用する。定量的ではなく定性的に捉えることと、「積」であることがポイントで、どちらか一方がゼロならうわさは発生しない(重要性が全くなければ状況が曖昧でも発生しない。状況が明確なら当事者にとって重要な問題でも発生しない)。実際に学校で流れたことのあるうわさを例にして説明する
- うわさを生む人々の意識や心理を2パターン紹介する。①情報の空白を埋めようとする場合——ある情報を必要としているが公式情報では満たせないとき、その差を埋めようとして発生する(試験前の生徒は試験問題の情報を必要としているが公式情報は範囲しか明かさないので「あの問題が出る」「この問題が出ない」といううわさが出る)②抑圧された感情が噴出する場合——「友達から聞いたんだけど、テレビで専門家が〇〇だと言っていたらしいよ」は人脈と権威で信頼性があるように見えるが、伝聞の形なので発する本人は責任を負わず、言いたいけれど言えない自分の感情を満たしている。ここから「うわさには根拠らしきものがある」ことを示す(「根も葉もないうわさ」ということわざがあるが、うわさには根も葉もある。「火のないところに煙は立たない」と言うが、火のないところにも煙は立つ)
- うわさの伝達を扱う。伝わりやすいうわさの3つの特徴——①重要であるか ②共感できるか ③ネタとして面白いか(高校生はネタを好むので、ネタとして面白ければ広がりやすい)。うわさというものを真実性から捉えることはできないことを、複数の具体例を用いながら繰り返し説明する。そして、うわさは伝達されることでどんどん歪むことを強く伝える——単純化され、重要だと思うところだけが強調され、「それは〜だから」「他の情報では確かにこうなっている」といった調子で後から根拠が付け足されて整合的に変化していく
- うわさの消滅を扱う。2パターンある——①自然消滅(興味や関心が新しいうわさに移っていく)②正確な情報による消滅(公式情報が空白部分を埋め、曖昧な状況が明らかになる)。実例として災害時の流言ツイートを取り上げ、ツイート数の変化のグラフから、瞬時に拡散し瞬時に消滅する様子を読み取らせる(ネットの拡散はリツイート機能によって口伝いより格段に速い。瞬時に消滅するのは興味や関心がなくなるからではなく、大変な勢いで検証されてデマだと判断されるから。この例では発生の翌日に企業が公式発表を行って一気に沈静化した)。最後に、うわさと上手く付き合うには「情報に対する批判能力」と「曖昧さに耐えること」が必要だと伝える
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- 科目
- 情報(データの分析)※「柏陽IoT」と「柏陽ビッグデータ」の2つの取り組み
- 学年
- (1学年318人がアンケートに回答)
- 時間
- 記載なし
- 必要なもの
- ラズベリーパイ(手のひらサイズのコンピュータ)、I2C規格のセンサー(温度・湿度・明るさなど)、プログラミング言語ドリトル、インターネット上のデータ格納サーバー、アンケートをリアルタイムに収集できるシステム(放送大学のREAS)、表計算ソフト、個人が特定できないように加工した成績データ
- 前提
- 統計教育は本当に難しい部分が多く、数学Ⅰで「データの分析」を学んだ生徒でも統計的な考え方ができていないこと、生徒が「データの分析」の必要性を感じていないことが課題。/実際に、一度実験をしただけで「植物に話しかけたから大きく成長した」などデータに因らない結論を出してくる生徒も少なからずいた。/数学の教科書では統計が巻末近くに出てくること、計算式は理解できてもそれがどういう意味を持つのかの理解に結びつかない生徒が多いことから、数学の授業だけではなかなか統計的な考え方の理解には行けない。データで示すことの必要性や、データから発見する面白さを味わわせるのが情報科の果たすべき役割だと考える。/効果:気温の授業では参加した39名中31名が「データ分析の大切さ」に気づいた旨を記述した。スマホ利用時間と成績の分析結果をクラスに示したときは、25名がスマホ利用の自制を記述し、18名がデータ分析の面白さを記述した。/今後の課題:今回は初めにデータの取り方を教員がお膳立てした状態から分析に入ったが、本来研究では、目的とするデータを自分でどのように収集するべきかを考えさせることも大切
- 【柏陽IoT】ラズベリーパイに温度・湿度・明るさなどのセンサーを取り付け、身近なデータをドリトルで計測・保存できる環境を作る。取得したデータをインターネット上のデータ格納サーバーに送り、誰もが見られるようにする。遠隔地のコンピュータをリモートコントロールしてリアルタイムの数値を送らせ、QRコードをもとに生徒が自分のスマホや自宅のパソコンからアクセスして、データがセンサー側から手元のスマホに移動したことを確認する体験をさせる
- 【柏陽IoT】「仮説を立て、データ分析をもとに検証する」というプロセスを行う。「昨日の朝9時から今朝の9時までの24時間で、この教室の気温がどのように変化したか」を想像させ、グラフに予想を書かせる(だいたいの生徒は、朝は低く日中にかけて上がり夕方に下がるグラフを書く)。次に実際のデータと比べさせる——朝の授業前の気温が一番高く、その後どんどん下がり、明け方が一番低く、日の出とともに上がっていた。つまり朝の授業前にクーラーをつけたために温度が下がったことが読み取れる。あわせて、人が教室内にいる時間帯は気温に揺れがあること、極端な気温の変化から「ここでクーラーを入れた」など人の活動を推察できることも発見的に学ばせる
- 【柏陽ビッグデータ】各クラスに何人かずついる「情報係」の生徒に、勉強・部活動・SNS・恋愛など、どんな項目でもよいのでアンケートを作らせる(例:「唐揚げにレモンをかけますか?」「スマホはどのくらい使っていますか?」)。最初なので100問ほど考えさせる。抜け漏れや重なりがあっても、生徒が考えたということで回答する側も興味も親しみも湧くと考えて、まずはそのままにする。そのアンケートに1学年318人が回答する(データ収集はリアルタイムに行えるシステムを使う)
- 【柏陽ビッグデータ】生徒たちが結果を表計算ソフトの表に落として、まずは眺め、様々な切り口でデータの分析を行う。すぐにはっきりとした分析はできないが、少しまとめてみると意外な結果が見えてくる(好きな果物を集計すると、ひらがなの「りんご」とカタカナの「リンゴ」が混在しているので、それらを足したり共通のものをまとめていくと順位に変化が起きる)
- 【柏陽ビッグデータ】さらに深めて、ある設問の答えと他の設問の答えを関連させたら面白いのではないかという仮説を立てさせ、それを検証させる(生徒が立てた仮説:「スマホを打つほうが速いほど睡眠時間が短い」「米が好きな人は朝ご飯を毎日食べている」「ポッキー好きな人は恋愛経験が多い」——理由を聞くと「ポッキーゲームをやっているからだ」)。ある生徒は「スマホの利用時間と成績との関係」に着目し、相関係数-0.2で相関は見られなかったが、さらに分析して「スマホ利用が1時間以内」のグループは成績上位層が40.0%を占めるのに対し、「3時間以上」のグループは成績上位層が14.4%と少なく34.0%が成績下位層にいることを見出した。これらの結果をクラスに示す
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- 科目
- デジタル百葉箱で環境情報を共有する研究活動「Live E!」と、それを使った高大連携の紹介
- 時間
- 都内を中心に約30か所以上の観測点
- 必要なもの
- デジタル百葉箱(気温・湿度・気圧のセンサー、雨粒が当たることで降雨量を測るセンサー、3点の間に超音波を流し合って風向と風速を同時に測るセンサー)、小型のネットワークPC、インターネット接続環境、Live E! サーバが提供するデータとAPI
- 前提
- 学校や組織、個人が設置運営するデジタル百葉箱を用いて、地球の生きた環境情報を自由に流通・共有させる情報基盤を作る目的で設立された共同研究の組織(Live E! 協議会)の活動。複数の大学、国公立の研究機関、企業の研究所、高等学校で構成され、自然科学の教育プログラム、災害時の情報提供などの公共サービス、データのビジネス利用の検討などを行っている。
- 従来の百葉箱は木箱の中の温度計や湿度計を誰かが1時間に1回見に行って記録していた。デジタル百葉箱は下から小型のネットワークPCをつないで定期的に計測するので、短い時間間隔で自動的にデータ取得ができる(現在は1分または5分間隔)。形状や小型PCには複数の種類があるが、観測されたデータはネットワーク経由でサーバに同じデータ形式で送信する仕組みにしてある
- 高大連携のきっかけは、東京都立工業高等学校校長会で協議会代表の江崎浩教授が活動を紹介したところ、複数の先生から参加希望が挙がったことだった。東京都立工業高校を中心とした公立高校や千葉県立柏の葉高校と、東京大学・慶應義塾大学・上智大学・首都大学東京の間で覚え書きを結び、大学側が機器の設置を行うとともに、高校で行われる環境教育・研究活動をサポートする形にした
- 都立戸山高校や都立多摩科学技術高校ではスーパーサイエンスハイスクールの研究活動、柏の葉高校ではサイエンスパートナーシッププログラムとして学習活動や授業を行い、震災支援で岩手県立大槌高校でもICT教育の一環として授業を実施した。設置場所は配線の都合から高校も大学もおおむね屋上としている
- データの活用方法は、サーバが最新の観測データをWebで提供しているので一覧から特定のセンサーを探すのが最も簡単で、関心のある観測点のデータだけを取得するプログラムを書く方法や、複数地点の指定時刻の過去データを取得する方法も提供されている。解析例として、2010年に練馬地区で1時間以上100ミリ以上の大雨が続いたゲリラ豪雨の観測(東京西部から降雨場所が東に移る中で練馬だけが局所的に豪雨になった様子)と、金環日食の際に食が始まった時刻から気温が上がらず終了後も少し下がる傾向が広域で観測できたことを挙げている
- 2012年からデータの有効活用を目的に、若手研究者や大学生・高校生を対象としたサイエンスコンテストを実施している。部門はプロトコルに対応したセンサーを自分たちで作るセンサー開発部門、収集したデータを解析して知見を発表するデータ解析部門、提供されるAPIでアプリケーションを開発するプログラミング部門の3つ
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- 科目
- 情報/道徳/総合的な学習の時間(アドバイザーグループ)※IT依存とIT活用
- 学年
- 1年(前任校)/2年(アドバイザーグループ20名)
- 時間
- 夏休みの課題(IT断食1日)+その後の振り返りの授業/アドバイザーグループでは後半に時間を多く取ってカードゲームを制作した
- 必要なもの
- ネット依存のチェック項目、IT断食のレポート用紙、ネット普及によって10代・20代がしなくなったことの統計データ、カードゲームの制作材料
- 前提
- ネット依存には世界的に決められた基準、厳密な定義というものはない。/依存には2種類あると考える——①病的な依存(ギャンブル依存や薬物依存と同じレベル。個々の学校だけでの対策は難しく、病院との連携が必要)②気付かない依存(本当はおかしいはずなのに、まわりも含めて一緒の状況になっているので当たり前になっており、本人もまわりも気付いていない)。携帯を使っている人のほとんどが後者かもしれない。/IT機器を一切使うなということではなく、あくまでも道具として、携帯が主ではなく人間が主の使い方をしてほしい。/いきなり依存について考えさせるのではなく、気付くきっかけとしてIT断食やカードゲームづくり、ルール作りから始める。/効果:前任校では、IT断食の前は「依存はしていません」という生徒が半数以上いたが、振り返りの授業後は「実は自分は依存していました」が8割くらいになった。授業の翌日、昼休みに教室に行くと生徒の顔が上がっていて教室の雰囲気が明るくなったこともあった
- 「ネット依存とは何か」を扱う。世界的に決められた基準や厳密な定義はなく、チェック項目で判断していることを示す(「気付いたら思ったよりも長い時間スマホを使っていることがありますか」「友人と過ごすよりもインターネットを選ぶことがありますか」など。10個中7個以上で依存度が高い、といった判断)。そのうえで「まわりと比べてあなたはどのくらいケータイを使っていますか」と三択(多い/少ない/同じくらい)で聞くと、高校生は「だいたい同じか、僕は少ないと思います」と答える。「では、その携帯を何に使っているの?」と重ねると「勉強の効率が上がる」「緊急時の連絡に絶対必要」と答えるので、それは本当にスマホでしなければいけないことか、実際はそれ以外で使っている時間のほうが多くないかを考えさせる
- 夏休みの課題として「IT断食」を課す。夏休み中のある一日、携帯電話・コンピューター・ゲーム・音楽再生機器といった、個人で持っているものでネットにつながるようなものは使わないで一日を過ごす。「外に出てみるといいですよ、おもしろいですよ」と伝える(券売機のように個人所有でないものは気にしない)。時間は午前8時から午後8時まででも24時間でもよく、生徒に任せる
- 体験したことをレポートにまとめて提出させる(これが活動のポイント)。夏休みにする理由は、時間の都合がつけやすいことと、1年生は高校入学時に携帯を買ってもらうことが多いので、半年経って今までと生活がどのように変わっていたかに気づくのにちょうどよい機会だから
- 生徒の気付きをもとに振り返りの授業を行う。ジグソー法を用いて、「IT断食の経験から今の自分に足りないものを考える」「スマホの利用時間を書き出して、その時間があるとしたら本当にしなければいけないことは何かを調べる」「ネットが普及したことによって10代・20代がしなくなったことを統計データで見る」といったテーマをグループに分けて扱い、講義形式ではなく生徒自身が考える形で進める(海外のIT依存の状況、保護者・高校生・医者それぞれの視点からIT依存を考える時間も設けた)
- 「ITを活用するためにはどうすればよいか」という具体的な自分のルールを考えさせる(「友だちがいるときは触らない」「お昼休みや食事中は触らない」といった簡単なものから、「テストの前にはTwitterをアンインストールする」というかなり強いものまで様々)。さらに時間が取れれば、IT活用に向けたカードゲームを作らせる——ゲームのルールやキャラクターをITに絡めて作ることで、ネットにどのようなトラブルがあるかを自分たちで考え直せる(生徒が作った「LINE大好きねえさん」というモンスターから「ほかにどんなモンスターがいるか考えてみよう」「こうならないようにするためにはどうしたらいい?」と問いを広げる)
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- 科目
- 情報の科学(年間の3つの実習)※アクティブ・ラーニングで実施
- 時間
- 年間(1学期=総合実習8時間、2学期=Webプログラミング10時間、3学期=映像制作実習6時間。それ以外は学習指導要領の内容を1項目1時間で進める)/※同じ著者の事例63は、このうち2学期のWebプログラミングで使った映像教材の運用を10時間の授業として詳しく報告している(前任校での実践)
- 必要なもの
- 映像教材(レッスン10まであり、1レッスンに動画3本と教科書がつく。YouTubeにもアップされているので自宅での反転学習も可能)、テキストエディタ、表計算ソフト、プレゼンテーションソフト、動画編集ソフト(学校で用意したものでも自分たちでダウンロードしたフリーソフトでもよい)、過去の作品のアーカイブ、生徒のスマートフォン(撮影用。性能が上がったのでカメラの貸し出しは不要になった)
- 前提
- 学習指導要領を全部網羅しようとすると1項目1時間になる(二進法・十進法・十六進法を1時間、データの圧縮もマインドマップも著作権もそれぞれ1時間)。その中で各学期に大きな実習を1つ入れる。/プログラミングは従来ドリトル1時間+BASIC 6〜7時間だったが、センター試験の数Bでプログラミングが出題されなくなったので変更した。C言語などができればよいが、文系も含めて全員に教えるとなると6時間ではなかなかきついし、マニアックな言語をやっても「将来何につながるのですか」と聞かれてしまう。そこで、プログラミングをやりつつアクティブ・ラーニングにもなり将来役に立つ授業として、Webページ制作にした。/Webページは他人に見てもらうためのものなので、人からどう見られているか、頑張ったところが認められたか、自分の順位はどのあたりだったかが、その場ですぐわかる方がよい。/効果:一斉講義型の授業とアクティブ・ラーニングについて「思考力」「判断力」「表現力」「主体的に取り組む態度」を尋ねたところ、いずれの項目でもアクティブ・ラーニングのほうが自己評価が上がった。ただしクラスに2人くらいは「こういう授業は好きではない、独りでやりたい」という生徒もいる
- 学習指導要領の内容は基本的に1項目1時間で進めたうえで、各学期に大きな実習を1つ置く(1学期=総合実習、2学期=Webプログラミング、3学期=映像制作実習)
- 【1学期・総合実習8時間】グループに分かれてそれぞれテーマを自分たちで設定し、そのテーマについて仮説を立てる(「絶対に失敗しない○○」「恋愛と成績の相関性」「萌えとキュン」など、好きなものを設定させる)。次にアンケートを作ってクラスの中でお互いに回答し合い、結果を表計算ソフトで集計して、仮説と比べてどうだったかを検証する。グラフや表を作ってプレゼンテーションソフトにまとめ、皆の前で発表する。その発表をその場で全員で相互評価してコメントを返す
- 【2学期・Webプログラミング10時間】映像教材を使う。「今日は〇時間目ですよ」と言えば、生徒は自分でテキストを開き、動画を見て進めていく。教員はBGMを流しながら「何かわからないところはない?」と机間を廻る。Webページの制作は、見本となるファイルをテキストエディタで適宜変更しながら行わせる(一人ひとりが自分の好きなテーマで工夫を凝らして作る)
- 【2学期・評価】できた作品を、クラス全員で全員のサイトを1時間かけて評価する。評価基準は①テクニック(ビデオの中で出てきたテクニックがどのくらい盛り込まれているか)②デザイン性 ③コンテンツ の3項目で、それぞれ5段階評価してその場で合計点を出し、順位を出す。コメントは誰が書いたかわからないようにランダムにして、その場でフィードバックする
- 【3学期・映像制作実習6時間】グループで自由に動画作品を作る。条件は公序良俗に反しないことと、撮影する時に他の教員から怒られないこと。編集ソフトも自由で、学校で用意しているものでも自分たちでフリーソフトをダウンロードしてもよい——どんなソフトを使うかということを含めての問題解決とする。過去の作品は全てアーカイブにして生徒がいつでも閲覧できるようにしておく(歴代の作品自体が見本になり、「これに負けないように」とだんだんエスカレートしていく)。見終わった後で各班の作品を評価項目ごとに5段階評価し、コメントもすぐに各班に届くようにして、それぞれの順位も出す
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- 科目
- 英語科(※情報科の授業ではなく、英語科でのICT活用とアクティブラーニングの実践。1年間の留学を必須とするIMコース)
- 学年
- 高校2年(1年次または2年次に留学し、帰国後の2学期・3学期の授業)
- 時間
- 2015年度の2学期・3学期(TOEFLのテーマ研究の発表は2学期に計2回、セルフチェックの方法の説明に1時間)
- 必要なもの
- 1人1台タブレット、サイボウズLive(掲示板とファイル共有のポータルサイト。300人まで無料)、PowerPoint、Word(コメント機能)、YouTube、『頻出テーマで はじめてのTOEFLテスト 完全攻略』(高橋書店)、Eラーニング教材『コロコロイングリッシュ』、パソコンで開く辞書(Babylon等)、Google検索
- 前提
- 留学から帰ってきた生徒で、何となく話せて聞けるが、高校で学ぶべき文法をほとんど学んでいない状態。教員は最初に指示を出したあとは全体を見ながら個別対応し、学習をマネジメントする役割に徹する。TOEFLで難しいのはパッセージの背景知識(スキーマ)が全くないことなので、その隙間を埋めることを目的にテキストを選んでいる。
- 2学期の最初に、ポータルサイトの掲示板でシラバスとExcelで作ったスケジュールを提示する。何月何日の授業で何をするか、テストの日程まで載せておき、生徒が常にそれを開いて自分の学習スケジュールを立てられる状態にする。
- TOEFLのテーマ研究をグループワークで行う。4人1組でテーマを決め、テキストの短いパッセージをもとに、そこに書いてある3倍以上の情報量を図書館やインターネットで調べ、PowerPointにまとめて発表させる。1回目は好きな者同士で組んでからテーマを決め、2回目は先に各自が好きなトピックを選び、同じトピックを選んだ者同士でグループを作る。
- 発表のあと、聞いている側のグループ内やペアで、同じPowerPointを使って教え合いをさせる。スライドのノートペインに、初めて見る人にも分かるように自分の言葉で説明を書かせ、専門用語には日本語でよいので注釈を付けてサマライズさせる。発表でスピーキング、聞いている間はリスニング、調べるためにリーディング、まとめるためにライティングと、4技能すべてを使う形にする。
- 並行してPowerPointによる映画のアテレコを行う。YouTubeで使いたい場面を選び、「共有」の埋め込みコードを「挿入→ビデオ→Webサイトからビデオ」に貼り付けるが、貼るだけでは自動再生されずタイミングが取れないので、末尾に「&autoplay=1」を足す。初回はテクニックを学ぶため好きなシーンで行い、2回目は「自分の人生観や倫理観を高めるようなシーンを選び、なぜそのシーンを選んだのか理由も書く」ことにする。語彙と文法の定着はEラーニング教材に任せ、週1回の授業中のWebテストでペースを維持し、それ以外の日はタブレットで自学習させる。
- 3学期は、生徒から「文法をしっかり学びたい」という声が上がったことを受けて文法とライティングに方針を変える。ターゲットの文法事項(例:現在形・現在完了形・現在完了進行形)を10分ほど説明してから、それを使いやすいテーマでWordのエッセイを書かせ、使った文法事項を赤、辞書等で調べた表現を青で記させる。TOEFLのスコアが高い人・中位の人・低い人が混在するグループを作り、Wordのコメント機能で相互チェックさせる(間違いには根拠と理由を示して正すこと。文法の説明として正しくないコメントもよしとする——目的はきれいなエッセイを書くことではなく、自分の書いたものが正しいかを確認する習慣を付けることだから)。あわせて1時間かけて、「この英文には11カ所間違いがあり、10分以内にメールで送らなければならず、ネイティブにも聞けない」という設定のグループ学習で、辞書とGoogleのフレーズ検索(""で囲む。件数はページをめくると激減することがあるので2〜3回めくる)を使ったセルフチェックの方法を説明する。
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- 科目
- 情報の科学(アルゴリズム・プログラミング)
- 学年
- 高校1年
- 時間
- 単元全4〜5コマ(見学は第3回)
- 必要なもの
- PC教室端末、車型ロボット「ビュートビルダーR」シミュレータ&実機、ワークシート
- 前提
- 日常の手順の言語化、ドリトル等での基本プログラミング経験
- インスタントラーメンの調理手順などを例に、日常の処理を順序立てて書き出し、アルゴリズムとフローチャートの基本概念を理解する
- ビュートビルダーRを起動し、前進と旋回の時間を数値設定してシミュレータ上のコースをクリアする順次処理プログラムを作成する
- 繰り返し処理のブロックを用いて四角形コースを1周走るプログラムを作成し、正しく動作することをシミュレータで確認する
- 光センサの値を読み取らせ、条件分岐ブロックを用いて「黒い線の上で自動停止する」制御プログラムを作成する
- 左右センサ判定と反復を組み合わせてS字や8の字のライントレースプログラムを完成させ、実機ロボットでの走行実験と自動運転等の身近な技術への応用をまとめる
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- 科目
- 情報の科学(プログラミング)
- 学年
- 後期課程4年(本文「高校1年相当の学年」。中等教育学校のため高校ではない)
- 時間
- 全4時間(4コマ)
- 必要なもの
- PC教室端末(環境復元ソフト・個人ドライブ・中間モニタ導入)、Webブラウザ(アルゴロジック、JavaScript実行環境)、テキストエディタ(TeraPad等)、ドリトル
- 前提
- 都立高校の通常クラス(40人・アシスタントなし)を想定し、教員がプログラミング専門でなくても指導できることを目指す。キーボード操作(「=」や「!」のキー位置)やファイル保存(個人ドライブの階層管理・環境復元ソフトへの対策)すらままならない生徒の実態を前提とする。全角記号の誤入力によるデバッグ停止を徹底的に防ぐため、「日本語入力を絶対にオンにさせない(表示文字列もローマ字のみ)」という強力な割り切りルールを設ける。画面を指させない中間モニタ環境で生徒を置いてきぼりにしないよう、Ctrlキーによるポインタ強調や「ゆっくり3回クリック」などペース管理の工夫を組み込む。
- ニンジンを星形に切る手順の効率化などを例にアルゴリズムの意味を説明し、Web上の「アルゴロジック」でゲームを解かせて終了画面を印刷・提出させる(1時間目)
- ドリトルを用い、キーボード操作のつまずき(=や!の位置)を周りと教え合いつつ、「かめた」を動かす命令やボタンを作成して宝物拾いゲームを完成させる(2時間目)
- 環境復元ソフトに対応した保存作法を徹底し、全角エラーを防ぐため日本語入力を禁止した上でJavaScriptの文字列表示コードを入力させ、テトリスの文字書き換え実験で仕組みを実感させる(3時間目)
- 前時の処理をフローチャート(流れ図)で表して数学の等号とは異なる「変数への代入(=)」の概念を説明し、ポップアップブロックの解除やリロード等のエラー対処法を押さえる(4時間目)
- JavaScriptで繰り返し命令(for/while文)を入力させ、あえて無限ループなどの挙動を体験させながら順次・分岐・反復の基本制御構造を定着させる(4時間目後半)
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- 科目
- 中学校技術・家庭科「プログラムによる計測・制御」(高校で行っても全く問題ない)※ロボットのプログラミング
- 学年
- 中学(高校でも実施可能)
- 時間
- 5時間(1時間目=ロボットの仕組みと社会で活躍するロボット、2時間目=アルゴリズムとフローチャート、3時間目=センサーの働き、4時間目=試走、5時間目=競技会)/※同じ著者の事例82は、この後の段階として「宇宙エレベーターロボット競技会」を題材にした課題解決型学習(7〜8時間)を報告している。事例82の本文でも、中学生にライントレースで順次処理・条件分岐・繰り返しを教えていると述べられている
- 必要なもの
- レゴのマインドストームEV3(bluetoothでiPadとペアリングでき、iPadで組んだプログラムをそれぞれのマシンに転送できる)、iPad、カラーセンサー・超音波センサー、コース用の黒いテープ、5回分のワークシート(記事からダウンロードできる)、2人1組の編成
- 前提
- 情報教育の狙いというと「ICT活用」「情報モラル」がしきりに取りざたされるが、「情報の科学的な理解」=コンピュータ・サイエンスが世界的に非常に注目されている。/中学の技術・家庭科の技術分野で情報にかけられる時間は3年間で15〜20時間しかなく、その中でプログラムをしようとしてもせいぜい2、3時間くらいしか取れない。/ロボットを使うプログラミングは、プログラムが簡単で、実際に作ったプログラムでロボットを動かしてみることができるので、子どもたちが興味を持てるとともに達成感を得ることもできる。さらにフローチャートやロボットの動きを見ながら、自分でPDCAサイクルを確認できる。/授業デザインのポイントは「まずはやらせてみる」ことと「ワークシートの準備」——やってみた、作ってみた、面白かった、楽しかった、できた・できなかった、だけで終わるのではなく、その部分でどのような学びがあったのかをしっかり定着させる必要がある。/コース作りは教員が適当に作ればよい。レベル設定はあまり難しくすると生徒が諦めてしまうので、欲張らず、クラスの状態に合わせて少しチャレンジングな程度に設定する
- 1時間目に、ロボットの動く仕組みや、現在社会で活躍しているロボットの話をする
- 2時間目にアルゴリズムやフローチャートを教える。フローチャートの記号を教え、「今朝起きて学校に登校するまでに、どんな順序で来たか」を書いてみて、学んだ記号を使ってフローチャートを書かせる。そのうえでプログラムを作ってみる——アイコンをドラッグ&ドロップでつないで数値を入力し、送信ボタンを押すとマシンが動きだす。アイコンをつなぎ変えたり数値を変えたりすればすぐに修正できるので、基本的な操作をするだけでも「プログラムの作成」→「動作検証」→「フィードバック」→「再検証」→「完成」というステップを経験できる
- 3時間目にセンサーの働きを扱う。カラーセンサーや超音波センサーを使って分岐処理を行う。センサーがモノや色を感知してどのような動きにするかを決めるには、タイマーやタイヤの回転数も指定する必要があり、「どの程度動いてほしいか」を決めるには何度も動かしてみて感覚をつかむことが必要になる
- 4時間目にロボットを試走させる。ライントレースを題材にする——カラーセンサーで黒を認識することを設定し、認識した後のマシンのホイールの回転やステアリング、パワー、回転数を調整して、黒いテープに沿って走るようにする。さらに黒を認識しなかった場合にどう動くかも設定し、これをループのアイコンで挟むと設定した動きが無限に繰り返される(ここで「順次」→「条件分岐」→「反復」→「ループ」のステップも押さえたことになる)
- 5時間目に競技会を行う。競技会のワークシートにはコースが載っており、どんなプログラムを組んだかをまとめ、最後に「実際に組んだプログラムにどんな問題があって、それに対してどのような解決策をとったのか」も記入させる。こうすると、競技会をやった・うまくいった・いかなかっただけで終わらず、問題解決の過程を踏んだことが残る
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- 科目
- 学校全体のICT本格導入(1人1台タブレット・全館Wi-Fi・教室整備)と、大学・教育委員会との共同研究の報告
- 学年
- 特進科・探究科・科学技術科の3学科、生徒数1000人弱
- 時間
- タブレット導入2年目の報告/※本文の「国語科におけるデジタル教科書の活用例はこちら」は、同じ学校訪問の2本目にあたるサイト内ページ /事例35仙台城南高校2/(事例番号は付いていない)を指している
- 必要なもの
- 1人1台タブレット、探究活動のデータを蓄積・共有する校内専用サーバー、全館のWi-Fi(ホームルーム教室に80台接続できるアクセスポイントを1つずつ、他は廊下)、電子黒板機能付きプロジェクターとApple TV、黒板に貼る巻き取り型のスクリーン、話し合い活動用の「Jゼミ室」(ノートPC40台を必要な台数だけ持ち出す、可動式の机・椅子・モニター)と制作活動用の「JCR」(iMac 40台)、SNSと学校支援システム
- 前提
- 工業高校としてスタートし普通科が設置されて現在の校名になったとき、教育目標を『ICT教育とグローバル教育』の2本柱とした。ICT教育の狙いは「情報基盤社会を担う生徒を育てる」で、知識を伝えるのではなく使えるような指導、自分で情報を選び知識として獲得していく姿勢、情報モラルの育成の3点。情報端末を「持たせない」「やらせない」という規制ではなく、端末は既に皆が持っている前提でベストな使い方を見せ、問題が起きたときはきちんと対話するという方針をとる(高校でがっちり規制して社会に出て歯止めがきかなくなるのは教育ではないという考え方)。/※同じ著者の記事はこの1件
- 導入のきっかけは「探究」という授業を作るときに、先生方から「生徒がそもそも話せないからプレゼンテーションなんてできない」「ゼミなんかやっている暇あるの」「整理力がないから資料をすぐ失くす」「調べ学習をするパソコンのある部屋が1つしかない」といった問題が次々に出たことだった。そこで1人1台のiPadを持たせればプレゼンもでき、データも蓄積され、パソコン教室がなくても調べ学習ができ、制作物を面接や小論文の素材に活用できると考えたのが始まり
- 探究科では調べ学習のマインドマップをWebノートにまとめ、大学でインタビューを録音し、クラス内でプレゼンして良かったグループが体育館で全クラスの前で発表し、ポスターセッションも行う。探究活動の授業がない科学技術科では、実習の細かい作業を動画で提示し、検定の問題をPDF化して端末に入れ、授業を撮って配信するという使い方をしている
- 校内サーバーは無線でデータを引っ張ることも置くこともできる。グループで分担して作った資料をそれぞれがアップし、代表が合体させてダウンロードすることもできる。もともと調べ学習にパソコンは必要ないと考えていたのでPC教室は様相を変え、話し合い活動を主体とする「Jゼミ室」と制作活動のための「JCR」の2室にした。サーバーは校内のみアクセス可で生徒用と教員用に分かれ、生徒用はさらに教科別。動画も置いてダウンロードして家や通学時間に見る形で使っている
- 県教育委員会・県の教育大学・系列大学と「宮城のICT教育研究専門部」を立ち上げ、「授業」「教材」「指導」「家庭学習」「PDCA」の5つを柱に共同研究をしている。授業の例として、数学ではボタンを押すとヒントが順番に出るスライドを説明用ではなく提案学習に使い、「ここまで分かるがここから分からない」を隣の生徒と教え合ってメタ認知させる。国語では宮沢賢治『永訣の朝』を映像化し「てっぽうだまのやうに」をどう表現したかから読解を話し合う。物理では実験データを一括で集めるアプリで共有してやり取りする
- 評価・学習効果を研究するグループの報告では、生徒の学習意欲を高める項目は「メタ認知」「有意味理解」「援助提供(教える機会を作ること)」の3つだった。生徒アンケートでは「授業の理解度」に効果があったと答えたが、家庭学習ではあまり効果的でなく、学習意欲もタブレット自体への意欲や面白味はあっても勉強自体への意欲は「あまり今と変わらない」という結果だった。展望として、教員の授業力向上を「生徒同士で話し合う授業づくりをしましょう」というキーワードで進めることを挙げる。ICTを入れたことで職員室の会話が「服装が…」「勉強してこない」から教科を越えた授業の話に変わり、生徒の未来を考えながら授業を作るようになったとしている
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- 科目
- 社会と情報(産学連携のコラボ授業)※ロボットの機能を活用した新サービス・新商品の企画立案
- 学年
- 2年(1クラス)
- 時間
- 企業の人が来校する活動は3回(9月/10月/翌年2月)。第2回から第3回の間に、グループごとに企画を考える期間を取る
- 必要なもの
- スマートフォンを頭脳として動くエデュケーショナルロボット(スマホスタンドにキャタピラが付いた形で、移動、カメラで撮影した色を覚える、ビデオ通話で会話する、画面の表情表示、ライト点滅などの機能を持つ)、協力企業(趣旨説明、開発現場の説明、企画立案の手順の説明、講評)
- 前提
- インターネットの安心・安全な利用促進のための啓発講座を2011年から企業の協力で行ってきたが、ネットの闇の部分だけでなく光の部分にも焦点を当てようということで、高校生自身が事業会社と協力してより発展的なネットの活用について考える産学連携のコラボ授業にした。/中学校の技術・家庭科の「プログラムによる計測・制御」ではロボットを動かすこと自体が目的だが、このコラボ授業ではロボットを動かして何か人のためになるサービスを考えることが狙い。その過程で、企業の方から実際の商品開発の現場で用いられる対象の絞り込みや顧客ニーズの分類などの手法を学ぶことは、「社会と情報」の目標である「情報社会における問題の解決」につながる。/情報の授業では機器の操作やプログラミング言語の習得などテクニカルな部分で個人差が出やすいので、グループで話し合って考えをまとめることを通して、お互いの考えを聞き合いグループの意見としてまとめ上げる工夫をする
- 第1回。企業からコラボ授業の趣旨の説明と、使用するロボットの紹介を受ける。その後グループに分かれて実際にロボットを動かしてみて、機能や動き方の特徴を体験する
- 第2回。企業のエンジニアからスカイプで、システム開発やプログラミングの現場について説明を受ける。続いて、顧客ニーズの把握や類似商品との差別化など、実際の企業で新商品の開発や企画立案を行う手順の話を聞く
- 第2回から第3回までの間に、グループごとにロボットの機能を使ってどのようなサービスができるかを考える。基本的な機能(移動する/カメラで撮影した色を覚える/ビデオ通話で会話する)を組み合わせて、誰かの役に立つ新しいサービスを考えさせる。どのようなサービスを作るかを考えながら、アプリにどのような命令を入れたらよいかを考える——この過程でロボットの動作設定を体験することを通して、スマホ上でのアプリの仕組みを学ぶ(この期間に、国際交流で来校した海外の生徒が各グループに入って一緒にディスカッションを行う機会も設けた)
- 第3回。グループごとに自分たちが考えた新サービスのプレゼンを行い、生徒同士でもプレゼンを評価し合う
- その後、企業から賞の表彰と講評を聞く(生徒の企画に対して「ニーズがあることがわかったので、将来、商品化を目指したい」といったコメントがもらえる。医療現場でのリハビリへの応用や、機能をカテゴリーに分けて「使う人が笑顔になれる機能」を考えた企画が評価された)
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- 科目
- 情報(アルゴリズムとプログラム)※数IIの「図形と方程式」「三角関数」「漸化式」の応用
- 学年
- 2年(理数科クラスと普通科クラスの両方で実施)
- 時間
- 記載なし
- 必要なもの
- 表計算ソフトのVBA、教員が自作したプログラム(二分木/縮小していく円の群れ/バラの花。記事からダウンロードできる)、数式の変形を説明するプレゼンテーションのスライド(色分けとアニメーション機能を使ったもの。記事からダウンロードできる)、生徒の手元のPC
- 前提
- 2012年の数学の学習指導要領の改定で数学Bからプログラミングが消え、数学の単元内容としてコンピュータに触れる機会はなくなった。しかし実社会での数学的な処理のほとんどがコンピュータで行われており、学んだ内容が実際にどう活かされるのかを体験することは、深い理解と学ぶ意義の実感につながる。/2年生で情報の授業を行う——他教科と連携したり理解を深めたりするには、特に理数系の学習が進む2年生の方がおもしろい活動ができる。/数式の変形の説明にプレゼンテーションソフトを使う理由:板書よりも表示に手間がかからず生徒の反応を確認しながら進められるため、複雑な数式の説明にも十分時間をかけられる。色を自由に使えて関連性のあるところを囲んで見せられ、数式の代入もアニメーションで見せればチョークで書くよりわかりやすい(著者が大学時代、色チョークで関連箇所を囲んで見せてくれた教員の説明で「今までもやもやしていたものがすっきりとつながった」経験から)。/初学者はどうしても一つひとつの要素がぶつ切りで、どこからどこまでが一つのまとまりかをイメージできない。コンピュータを使うことでこの部分をサポートできる。/「次の漸化式を一般項にせよ」という紋切型の問題では生徒は上手に解けるが、「漸化式とは何か」という本質的なところはわかっていないと感じることがある。/手作業でもできることをわざわざコンピュータでするのでなく、コンピュータにしかできない学びを経験させることが大事。/ICTと学力向上の報告を見ると、低学力層を伸ばすことには効果があるが、上位層を伸ばす決定的なものは出ていないように思う
- 再帰プログラムでフラクタル(自己相似図形)を描く活動として設計する。情報の単元では「アルゴリズムとプログラム」、数学では数IIの「図形と方程式」「三角関数」に関連し、数列の漸化式の内容も含む
- 【理数科クラス】まず図形を描くための準備問題として、「図形と方程式」「三角関数」を踏まえた数式の変形の復習を行う。説明は生徒の手元のPCにプレゼンテーションソフトのスライドを映して行う——関係のある項同士を同じ色で表示し、アニメーション機能で移項や式の変形の過程を見せる。スライドのデータは生徒のPCに配布しておき、途中でメモが取れなくなった人も、後で該当箇所を自分で探して見直せるようにする
- 一通り説明を聞いた後で、各自が表計算ソフトのVBAに入力して二分木のプログラムを完成させる(線分の先端が任意の角および比率に分かれた時の2点の位置を表すプログラムを作り、それを繰り返せば線分の先の分割が繰り返される)。入力でわからないところが出てくると、生徒は自然に近くの人同士で教え合ったり、説明のスライドを見直したりする
- プログラムを実行すると様々な二分木が現れる。条件を変えて違うものを試したり、分岐した部分の色を変えたりして、できたものを見せ合いながらいろいろなパターンを作らせる
- 【普通科クラス】同じ教材を使うが、式の変形の説明にはあまり時間をかけず、フラクタルの図形を描く作業を中心にする。数列の漸化式を応用した「縮小していく円の群れ」、内分点の式を使った「バラの花」を描く。プログラムの角度や比率、最初に描く図形を変えると全く違った形が現れるので、何度も工夫して美しい形を描かせる
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- 科目
- 社会と情報(課題解決学習)
- 学年
- 1年(2単位)
- 時間
- 2学期=「情報社会の光と影」、3学期=学校CM制作(情報の授業のまとめ)/記事後半の「過去の作品にキーワードを付与して類似度から探せる教材」は、記事の時点で未実証/※本文はサイト内の /東京学芸大学附属高校事例/公開授業情報/(事例番号は付いていない)へリンクしている
- 必要なもの
- タブレット48台(モバイルカートに入れて移動できる)、各教室に1台のデスクトップPC、動画制作の環境、プロジェクト会議の報告書、外部の評価者(映像のプロ)、学校外の発表イベント
- 前提
- 一般的にいわれるPDCAサイクルには、いちばん大切なものが欠けていると考える——それはPlanする前に、自分たちがそれが問題だと認識すること。課題解決の場面は生徒にとって日常いたるところにあるが、それを生徒が問題であると思うか思わないか、自分がやるべきなのかやらなくてもよいのか、という問題意識・課題意識の植え付けが大事で、それがあって初めてPlanが立つ。/再構築の部分でもう一つ大事なのが評価。授業者の評価も大事だが、成果を社会に発信して社会から生徒が評価を受ける活動が非常に大事。/著者が抱えるジレンマ:過去の生徒の作品をどう使うか——見せすぎると結局教員の思いになってしまって生徒の学びや課題意識が芽生えない、逆に見せないと課題意識を見つけられない。毎年一からスタートして十まで上げて、また次の年に一まで戻るというのを繰り返している。そこで過去のプレゼンにキーワードを付与し、キーワードの類似性から過去のスライドと音声にアクセスできる教材を開発した(未実証)。/課題解決型学習では「出口」(評価を受ける場)は用意できるが、「入口」——どうやって生徒が自分たちなりの課題意識を持つか——が難しい
- 課題解決のサイクルを設計する際、Planの前に「自分たちがそれが問題だと認識する」段階を置く。生徒が問題意識・課題意識を持ったうえで、Planを立て、実施し、CheckとActionで再構築するという流れにする
- 【2学期・情報社会の光と影】情報社会における問題点やエチケットなど、教科書を読むだけでは生徒の心に響きにくい題材について、グループで調べてプレゼンし、結果を共有する。テーマ(コミュニケーション、LINEなど)は生徒が自分たちで決め、実験したりインタビューしたりしてまとめる
- 評価を受ける場面を段階的に用意する。まず授業の中で相互評価する→クラスの中で選ばれたものが学年全体で発表する→学年全体で評価を受けたものは学校外のイベントで発表する。人に見られることで作品のクオリティは非常に上がる
- 【3学期・学校CM制作】情報の授業のまとめとして学校CMを制作する。教員は作品への評価を一切行わず、それまでのプロジェクト会議でしっかり報告書が書けているか、どのように進捗しているかといったことのみを評価する
- 1年の最後に発表会を行う。作品については生徒同士の評価と、映像のプロのコメント・評価のみが行われる(作品は全部でおよそ100本になり、全体の場でプロからコメントをもらえるのは1/5くらい。取り上げてもらえると喜ぶが、逆に厳しく言われて落ち込むこともある)。学校の授業の枠組みの中で「はい、できてよかったね」で終わるのではなく、社会にこのCMを流したときにどのような意味を持つか、どの点が優れていてどの点が問題なのかという観点で評価してもらう。CMは実際に学校説明会で使われ、それを観た受験生が「自分たちもこういう作品を作ってみたい」と思う良質なサイクルができている
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- 科目
- 情報の科学(問題解決/総合実習)
- 学年
- 1年(2単位)
- 時間
- 「問題の明確化」に4〜5時間+総合実習/記事は2011年度(自由テーマ)→2012年度(「情報社会」に関する5つのテーマから選択)→2013年度(メインテーマを示してサブテーマは生徒が決める)という3年間の変遷を報告しており、ここに書いたのは2013年度以降の形/※同じ著者の事例2は、より前の年度に「情報A」で行った問題解決とアンケート実習を報告している
- 必要なもの
- IE図の用紙、ブレーンストーミングとロジックツリーを行う環境、プレゼンテーションソフト
- 前提
- 自由テーマで行っていた頃は「テーマが自由ならば、情報の授業とは関係が薄くなるのではないか」という思いがあった。/2012年度にテーマを「情報社会」に関する5つに絞って選ばせたところ、生徒は前提知識が不十分なのでまず調べる必要があり、さらにサブテーマを決めるための予備調査も必要になって、3時間程度で計画まで出せていたのが時間内にできなくなった。予備調査だけで終わるチームや、とにかく調べたことをスライドに詰め込んで発表するチームも出た。授業アンケートで「新たな発見や驚き」がガクッと減り、「楽しく学べたか」もかなり下がった。/2013年度に身近な疑問から入る形にしたところ、「楽しく学べたか」「意欲的に取り組めたか」が盛り返した。/テーマにはある程度の自由度が必要——「少子高齢化を解決する」など大人でもなかなか解決が難しい問題から入っていくのは生徒の手におえなくなることが多く、身近な疑問から入っていくのが効果的。/生徒の様子を見ると「具体的な理想」が明確になっていないグループが多い。調べ学習で終わってしまうほとんどのチームが「なぜそうなるのか」の部分だけで終わる。/問題解決においては、合理的な根拠と具体的な提案を示すことに重点を置く。/生徒アンケートで「成功するために最も重要と感じたもの」には「理想と現実の明確化」「サブテーマ決め」「解決策を考えて提案する」を選んだ生徒が多かった
- 「問題の明確化」を4〜5時間かけて丁寧に行う。「問題とは何か」「問題をしっかり発見しよう」「どのようにしたら問題を発見できるか」を、ブレーンストーミングやロジックツリーを使って扱う(教科書に「問題とは理想と現実のギャップである」と書かれているので、まず理想と現実をはっきりさせる必要がある)
- メインテーマを「情報科学・情報技術を社会に役立てる」とし、これを切り口にサブテーマを生徒に考えさせる。まず「身近なことで、何でもいいから困っていることを挙げてみよう」と問いかけ、日常場面の「困ったこと」をブレーンストーミングでいろいろ出させる(「ロッカーの鍵を忘れて困る」「財布がじゃらじゃら重い」など)。それを情報技術を使って何とかできないかという切り口で迫っていくと、本題にスッと入っていける
- 出てきたものを評価して、実際にどれを大まかな問題として設定するかを考えさせる。そのうえでIE図を描かせる——左側に『理想』と『現実』を書き、右側は下に4W1Hの「なぜ」を書いて理由を展開する(例:理想は「数Iで80点」、現実は40点。なぜかを「基礎学力がないからじゃない」「勉強方法が悪い」と展開する)。原因を考えたら、これに対する対応策を上の方に同じように展開させる
- 「具体的な理想」を決めさせる。例:財布の中に会員カードがたくさんあって邪魔だから何とかしたい→大まかな理想は「持ち運びを楽にしたい」→具体的な現実は「会員カードが10枚もあるから嫌だ」→「なぜカードが10枚もあるのか?」をツリーで展開(店ごとにカードが違うから/ポイントを貯めたいから/財布に入れておかないと使えないから)。そのうえで、カードを減らす方向にするのか、一つのカードを多機能にするのか、そもそもカード自体が要らない形にするのか——どの「具体的な理想」を選ぶかで解決策の方針が全く変わることを理解させる
- 自分たちがどのような解決策を考えるのか、さらに本当にそれが有効な解決策になるのかを本調査で調べる。高校生には解決そのものはかなり難しいので、解決提案を必ず出すという形にする。最後にスライドを用いて全体にプレゼンテーションを行う
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- 科目
- 情報(情報のディジタル化の実習/情報モラル)※動画制作
- 時間
- CMの模倣=2コマ×4週(年末年始をはさむ)/4コマ漫画の実写化=2月中旬から3月中旬まで2コマ×4週程度
- 必要なもの
- 動画編集ソフト、貸し出し用の三脚、ビデオカメラまたはデジタルカメラ(動画機能)、模倣するCM(音楽や音声はそのまま使う)、撮影時に元のCMを見て時間を合わせるためのスマホ、教科書会社の情報モラル教材(4コマ漫画)、テロップの入れ方などを調べる本
- 前提
- 映像制作や情報メディアの学習を通して、私たちの見ている情報は加工されていたり見えていなかったりする世界があるのだ、ということを生徒に教えなければいけない。/情報のディジタル化(2進法、画像・音・文字のディジタル化、解像度、色(RGB)、音質、コーデックなど)を学んだ後に実習を置き、授業で習った用語や概念を実際の活動で使ってみる位置づけにする。/撮影機材はスマートフォンではなくビデオカメラかデジタルカメラにする(スマホ用の三脚がないこと、データを取り出す際に物理的・電子的トラブルの原因になっても困ること)。動画の形式やパソコンで編集できるかは事前に確認する。/反省点:いろいろな機能を使うとおもしろいことができるとわかると、生徒は制作を楽しむ方向に走ってしまい、効果を入れたりなどと凝りだして時間が長くなってしまった。「映像は3分以内にまとめる」「こういう要素が必ず入っていること」「こういうものはNG」といったルールを明確にしておく必要がある。/実写化の作業では校庭や校舎内の施設を使うので、各担当の教員へ事前に授業内容の説明をして理解と協力をお願いしておくことも不可欠
- 情報のディジタル化を学んだ後に、実習としてCMの模倣(動画製作演習)を行う。事前課題としてCMの選定と絵コンテの提出をさせる
- 1週目にサンプルを提出させ、2週目に企画書を作成させる。音楽や音声は実際のCMをそのまま使うため、セリフはなく口パクになる。ただし単に真似るだけではなく、このCMのポイントはどこなのか、テロップを入れたほうがいいのかなども自分たちで考えさせる(テロップの入れ方を聞きに来る生徒には本を貸したり検索の仕方を教えたりすると、自分たちで工夫するようになり「先生、こうしてもいいですかね?」と持ちかけてくる)
- 3週目に校内で撮影する(制服着用)。三脚を貸し出し、隣にスマホで元のCMを見ながら時間を合わせて録らせる。こうすると生徒には画面に映っている風景の外側も見えるので、ふだん見ている情報がいかに「不要なもの」がカットされて出来ているのか、実際にはその外側にどれだけ多くの情報があるのかが実感できる
- 編集・仕上げは宿題にして、4週目に上映会を行う(録画や編集をしていると、データの大きさや記録媒体の容量など、授業で習ったことをおのずと復習することになる)
- 次に、教科書会社から出ている情報モラル教材の4コマ漫画を実写化する。生徒に演じてもらうことで、自分たちでストーリーを最初から考えるのではなく、足りない情報を補完することで情報モラルの勉強になる。絵コンテ作りから動画制作まで生徒が主体的に行い、出来上がったものをみんなで見て相互評価する(自分が関わっていない情報モラルの分野は、友達の作品を見て再学習することができる)
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- 科目
- 情報の科学(問題解決学習)
- 学年
- 1年(6月末に実施)
- 時間
- 1コマ(50分)
- 必要なもの
- 「水の分配」の教材(イギリスで開発された数学教材を日本語化したもの)、各国のデータが載った表計算ファイル(人口、国土の面積、農業に従事する人の数、耕地面積、1年間の利用可能な水の量など。記事からダウンロードできる)、白地図と色鉛筆、インターネット、地図サービス、授業用のポータルサイト
- 前提
- 問題解決学習では問題を解くのが目標ではなく、問題解決を通して物の見方・考え方・態度を育成することを目指す。方法と手順は『問題を発見し、問題を分析し、解決案を考え、実際に解決する』。/しかし「問題を発見すること」が難しく、題材になるような模範的な問題はなかなかない。もう一つの課題は、その問題がICTを活用できるような内容かどうか——情報機器を活用しない問題解決もあるかもしれないが、「情報」の問題解決の授業では情報機器やインターネットを活用したい。/言語活動に重きを置き過ぎると他の教科と内容が重なってしまうので、教科「情報」ではICTの利活用や情報学が重要。/今後、情報と数学がお互いに行き来しながら授業を行うことが必要(2013年から実施された学習指導要領では統計の扱いが大きくなっている)。/授業の目標は「正解のない問題を解くこと」の意味を理解させること
- 生徒に設定を与える。中近東および北アフリカに水資源を提供する任務を負った国際支援機関の事務官になるという設定で、「各国の水の利用可能量を公平に比較して、どの国が一番水を必要としているかを決める」ことを考えさせる(具体的には「国際支援機関から水不足に悩む3か国へ水を公平に分配します。どうしたらいいでしょうか」という課題)
- こういう問題はそのまま生徒に与えても難しくて解けないので、「公平に」というところに目をつけて、教員から「3つの国に1:1:1に分配したらどうですか」とクラス全体に提案する——生徒の意見を引き出すため。すると「3つの国は人口が違うんじゃないか。それなら全部同じではダメだ」「面積や気温、降水量など、いろいろなものを考慮しなければならない」という意見が出てくる
- 個人ごとにインターネットでそれぞれの国について調べさせる。あわせて白地図に色を塗って国の位置を確認させる(位置が地中海の周りで、雨が少なく砂漠がありそうだとわかってくる。地図サービスで調べると砂漠か森林かがわかる)
- 人口や国土の面積、農業に従事する人の数や耕地面積、1年間の利用可能な水の量などが載った表計算データを、授業用のポータルサイトからダウンロードさせる。表計算ソフトを初めて使う授業だったので、シート上で人口・面積・利用可能な水の量の合計と比率の計算方法を説明し、人口密度を算出するにはどのようにすれば求められるかを考えさせて計算式を作らせる。このデータをもとに「自分なら1:1:1ではなくこのように分配する」という意見を紙に書かせる
- 4人のグループで集まり、互いに意見を出して話し合ったうえで、最終的に自分の意見をまとめさせる(ここは全て紙ベースで行う)。最後に「他人の意見を聞いて思ったこと」「自分の意見を正確に伝えること」「正解のない問題を考えることの大切さについて」の3つについて振り返りを行う
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- 科目
- 情報(ユーザインターフェース)※UIの違いを軸に授業全体を組み直したもの
- 時間
- 記載なし
- 必要なもの
- 移動用にたくさん用意したフォルダーとファイル、コマンドプロンプトとバッチファイルが使える環境、ショートカットキーの一覧、IT機器との適切な態度を問う3択問題
- 前提
- スマホなどIT機器に慣れ親しんでいる今の高校生に、情報の授業が用語の説明や意味のわからない操作の練習に終始するのはつまらない。/タッチタイピングをやるかやらないかという議論ではなく、生徒にとってのIT機器とのUIがどのような変遷を経て今の状態になってきたのかを知ることが、IT機器との適切な関係を理解するために大切であり、情報教育の根幹に触れることにもなる。/UIの取り扱いは教科書によってまちまちで、特に「社会と情報」では全く扱っていない教科書も何冊かある。/情報の実習で生徒が飽きてしまうのは、GUI=マウス操作でアナログ的なちまちました作業をさせることも原因の一つ。効率化・省力化を模索する態度の育成には、GUIで行うとうんざりするような作業をあえて選ぶことが有効。/著者自身、ショートカットキーを教えることに非常に抵抗があった(OSが変われば使えないような狭い知識を教える必要などないと思っていた)が、「OSが変わってもショートカットキーを使えば作業が効率化・省力化できる」と伝えておくことは重要だと考えを変えた。/GUIのタッチパネル操作は熟練性を必要としないが、それだけに誤操作も生じやすく、一瞬手が触れただけで画像が公開されたりワンクリック詐欺などの犯罪に巻き込まれる危険も生まれる——UIの変化によってモラル意識を高める必要もまた高まっている。/プレゼンテーションもキー操作で進めるよう指導する——マウス操作はグラフィカルなので発表者の目線がパソコンの画面に取られてしまう。「プレゼンは聞く側を見てやりなさい」と指導するなら、キー操作にすべき。あわせて、同じ内容ならできるだけ時間をかけないで作ることも指導する必要がある。/効果:キーボード操作を面倒がる生徒が減少し、今までパソコン操作がマウス一辺倒だったということに生徒側から気づいた
- ユーザインターフェース(UI)の種類を扱う。CUI(Character/Commandline User Interface)、GUI(Graphic User Interface)、NUI(Natural User Interface=ゲーム機やスマホの音声検索などで実用化されている)、MUI(Multimedia User Interface)など。生徒にとってのIT機器とのUIがどのような変遷を経て今の状態になってきたのかを知ることが、IT機器との適切な関係を理解するために大切だと位置づける
- GUIでは大変な作業をあえて選んで体験させる。「ファイルaをフォルダーA、ファイルbをフォルダーBに移動する(以下同様)」という操作をさせるために、フォルダーとファイルをたくさん用意しておく。マウスでフォルダーを開けたりドラッグで移動させたりしようとすると、膨大な手間と時間がかかることを実感させる
- 同じ作業を「ファイルaを選択してショートカットキーCtrl+Xで切り取り、フォルダーAを選択してCtrl+Vで貼り付ける」という手順で行わせる。次にコマンドプロンプトでこの作業を記述し、バッチファイルで自動化させると、瞬時にファイルを分類して移動できることがわかり、キーボードの有難味を実感する
- UIの知識を入れたうえで、以降の実習を位置づけ直す。「ここからはCUIの練習だよ」「今日はGUIを利用して何か作業をしてみよう」と示すことで授業全体がつながっていく(これを最初に押さえておくと、プログラミング実習の際にキーボードベースのプログラミングとグラフィカルなプログラミングのギャップを埋め、UIの違いに過ぎないことに気づける)
- IT機器との適切な態度を考えさせる問題を出す。3つの選択肢から選ばせる——(1)「人の手では処理できないビッグデータの取り扱いはコンピュータに任せるべきだ。コンピュータは間違いがないので、ビッグデータを処理した結果は信頼できる」→コンピュータに間違いがないというところが誤りで、こういう妄信的な態度を潰していく必要がある (2)「大量のデータ処理をコンピュータに任せればいいが、その結果が正しいかどうかの検証を、時間をかけて人の手作業によって確認すべきである」→人の手作業での確認は不可能で、検証さえもコンピュータにゆだねざるを得ない時代になっている (3)「人の手作業には間違いや揺らぎが生じやすいので、単純作業は可能な限りコンピュータで管理された機械に任せるべきである」→これを正解とする
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- 科目
- 情報の科学(プログラミング/データベース/モデル化とシミュレーション)※目標を「できるようになる」から「できることを理解する」に置き換えたもの
- 学年
- (いわゆる中堅校での実践)
- 時間
- モデル化とシミュレーションは2時間/他の2単元はコマ数の記載なし
- 必要なもの
- ドリトル(日本語でプログラミングでき、変数の宣言が不要で、半角全角や表記揺れに寛容)、sAccess(日本語で命令でき、もともとデータが入っている。指導者用の資料やプリントもある)、プレゼンテーションソフト、格安物件の図面、家具店の通販サイト(家具のサイズを調べる)、ワークシート ※資料や年間の授業計画は著者のサイトで公開されている
- 前提
- 「情報の科学」の単元で生徒にとって難しいのは「プログラミング」「データベース」「モデル化とシミュレーション」の3つだが、他の学習内容とのバランスを考えるとこの3つにあまり時間をかけることはできない。そのため「プログラミングができるようになる」「データベースが組めるようになる」ことを目標にするのは無理だと考えた。/学習指導要領を改めて読むと「情報の科学」の目標は「理解させる」であって「できるようになる」とは書かれていない。だから目標の置き方を「できることを理解する」とすればよい。/プログラミングを学校で多少やってできるようになっても、実際に必要な場面で違う言語だったら自分で一からやり直さなければならない。データベースもシミュレーションも、必要に迫られれば自分で勉強することになる。その時に今回目標に置いたようなことがわかっていれば、よりスムーズに学ぶことができる——学校で担保しなければいけないのはそこではないか。/アプリケーションの操作説明は「Ctrl+P」「Ctrl+S」「Ctrl+Z」くらいで5分程度にとどめる(アプリケーションに依存しない操作を説明する)。/数値のシミュレーションを表計算ソフトで行ったら「操作がわからない」「初めて表計算ソフトを使う」とシミュレーション以前に引っかかってしまった。シミュレーション自体の重要性を知るには、数値よりも図形での操作の方が有効。/課題:「問題解決」が難しい。中堅校で生徒による「問題発見」を狙うとどうしても問題が発散し、「解決できない問題」が問題になってしまうこともあって落としどころが見えない。かといって教員が問題を決めてしまっては問題解決にならない。/授業で「難しいけど面白い」と言われるのが最高の褒め言葉だと考える
- 3つの難単元それぞれについて、目標を「できるようになる」ではなく「できることを理解する」に置き換える
- 【プログラミング】目標を「プログラミングでプログラムが作られていることを理解する」に置き、プログラミングを体験してアルゴリズム=フローチャートを追えるようにする。言語はドリトルを使う。生徒が自分でフローチャートを書いてプログラミングすることで「きちんと命令しなければ、コンピュータが気を利かしてくれるようなことはない」ということがわかる(『かめた』という亀を出して操作させると、時々『かため』と打つ生徒がいるので「それじゃあ通じないだろう」と突っ込む——毎授業一回ずつくらいある定番)
- 【データベース】目標を「データベースで情報を整理することで情報を分析できる」に置く(中堅校の生徒に正規化を教えるのは苦しいため)。学習ツールはsAccessを使う。もともとデータが入っているのでデータベースを作らなくて済むのが大事——授業用にデータベースを作ることから始めると、そこで挫けてしまう。操作による変化が画面上に表示されるので、データがどのように管理されているか、関数を使うと知りたい情報だけを絞って取り出せることなど、データベース操作で何ができるかが非常によくわかる
- 【モデル化とシミュレーション・1時間目】目標を「問題解決にモデル化とシミュレーションという手法が使える」に置く。数値ではなくプレゼンテーションソフトで家具の配置のシミュレーションをする(はさみやのりの準備が不要で、サイズ指定機能で正確なサイズのパーツを作れる)。高校を卒業して就職した時にぎりぎり借りられる程度の格安物件の図面を準備する。最初にモデル化とはどういうことかという話を30分ほどした後、部屋をモデル化して長方形の枠を作る。画面の中に描くためにどの程度の縮尺にすればよいかは自分で決めさせ、試してみて1/20だと描けることに気づかせる。家具は家具店の通販サイトに載っているもののサイズをメモして、これも1/20でモデル化する。ここで保存して1時間目を終える
- 【2時間目】最初にシミュレーションの話をしてから、移動や回転の機能を使って家具を実際に配置させる(冷蔵庫が横向きで回り込まないと開かない、シンクが出っ張っているのに端までぴっちり置いて棚の中のものが取り出せない、といったことをやらかす生徒が出る)。配置ができたら、空いているところにコメント欄を作って、なぜこの配置にしたかを書かせる(「朝、自然な光で目覚めたい」「寝転んでテレビが見たい」「ベッドから冷蔵庫を開けられるようにしたい」など)
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- 科目
- 情報の科学(情報モラル)※小学生向けの情報モラル絵本(紙芝居)の制作
- 学年
- 2年
- 時間
- 1コマ65分×7〜8コマで1人1作品(後期の11月〜12月頃)。ソフトウェアの使い方の基本の授業やストーリーの作成、絵コンテの作成も含む
- 必要なもの
- プレゼンテーションソフト(アニメーション機能で紙芝居の動きをつける)、OS付属のペイント(絵が描けない生徒はオートシェイプや顔文字で人物を描く。別のフリーソフトやペンタブレットの使用も許可する)、作品を置くサーバー
- 前提
- 教師の話を聞くだけでなく自分の言葉で書くことで、高校生自身が情報モラルのトラブルを身近なものとして感じてもらう。紙芝居風にすることで具体的なシチュエーションを考えたり、小学生向けに平易な言葉で表現したりすることで、理解をより深める。/最近は教員よりも生徒の方がスマホを使うなどネットトラブルに敏感だが、個人差も大きくなっている。作成後の作品を見ることで、生徒たちの関心がどこに向いているかを知る手掛かりになる。/特別な機材やソフトウェアも必要としないので、どこの学校でも取り組みやすい。/10年続ける間に生徒が選ぶ題材が変化した——「ネットショッピング・オークション」は大きく減り(生徒の実体験ではないため)、「コミュニケーションの問題」が増え(LINEの影響)、「肖像権(無断アップロード)」が増加した(スマホが増えて実際に迷惑な経験をした生徒が増えた)。「著作権」は数に大きな変化はないが、内容が違法アップロード・ダウンロード関係から「自分の写真や記事を勝手に使われること」に移った。2011年度に「チェーンメール」が多かったのは、その年の3月の震災で実際にチェーンメールを受け取った生徒が多かったため
- 「情報モラル絵本」(紙芝居)を1人1作品制作させる。インターネットトラブルの事例や失敗談を通した情報倫理の教材を、小学生ぐらいに説明するつもりで作らせる
- 題材は「自分や友人の体験」あるいは「新聞やネットの記事」から考えるよう指示する
- ソフトウェアの使い方の基本を扱い、ストーリーの作成と絵コンテの作成を行う。紙芝居としての動きはプレゼンテーションソフトのアニメーション機能を利用し、絵はOS付属のペイントで描かせる(別のフリーソフトやペンタブレットを使いたい生徒も許可する。逆に絵が描けないという生徒はオートシェイプを利用したり顔文字で人物を描くといった工夫をする)
- 最後に「なぜこうなったか」「どうしたらよいか」を必ず入れるという条件をつける——絵を描くことやお話作りのオチを考えることに時間をかけてしまうと、目的である「情報モラル」を考えることがおろそかになってしまうため。言葉は知っていても内容は理解していない生徒が多いので、きちんとした知識を調べるきっかけになり、調べた言葉をまとめることで理解につながる
- 完成した作品をサーバーに置き、スライドショーで鑑賞して相互評価を行う(他人の作品を見ることで理解を深める「学び合い」につながる)
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- 科目
- 情報(情報の信ぴょう性・表現と伝達/消費者教育)※家庭科・公民との連携
- 学年
- 1年(2学期。家庭科では1学期に「不当表示」の法律の内容を学ぶ)
- 時間
- チラシ制作に2時間/全体のコマ数は記載なし
- 必要なもの
- ふだん目にする雑誌等の広告(題材用)、チラシ制作用の商品の写真等(教員が準備する)、手描きと切り貼りの材料、動画編集ソフト
- 前提
- 消費者教育の担い手として「消費者市民社会の構築」「商品等の安全」「生活の管理と契約」「情報とメディア」の4つの観点から学校での消費者教育の重要性が説かれており、情報科は「情報とメディア」が主な対象分野とされている。/各教科が単独で指導するのでなく連携して指導にあたることも方策として挙げられており、学校ごとに「消費者教育指導計画」を作成することが求められている。/連携によって、身に付けさせたい力や目標が明確になり、学習する事柄とその時期も明確になって、学校全体で組織的・系統的に授業を行うことができた。今まで各教科で同じようなことをばらばらにやってきたことを、教科の目標と照らし合わせて再構築できたのがとてもよかった。/情報の中だけでは教えきれない部分も、他教科や時には外部講師に任せることで幅が広がる。/チラシ制作を手描きと切り貼りにするのは、その方が生徒が自由に制作できるため。/課題:実施する学年や時期をより詳細に検討する必要がある。また、事前に教科間で綿密に打ち合わせをすることの重要性を再確認した
- 学校全体で「消費者教育指導計画」を作成し、教科間の連携を図る。情報科は「情報とメディア」の観点を担当する。「不当表示」については、1年生1学期の家庭科で法律の内容について学び、情報科ではそこで学んでいることを前提として2学期に扱う
- 情報の信ぴょう性や表現・伝達について学ぶところで、広告の意義・見方・不当表示について調べさせる。広告の見方では、ふだん目にする雑誌等の広告を題材にして、曖昧表示や誇大表現、根拠のない説明、小さすぎる表示など様々な問題があることに気付かせる
- 架空の店のチラシを自分たちで作るという設定で、実際にチラシ制作を2時間かけて行う。商品の写真等の題材は教員が準備し、商品構成は自由に考えさせる。制作は手描きと切り貼りで行う
- 動画編集ソフトで自分たちでCMを制作する活動も行う。テーマは複数準備しておく(「クリスマスプレゼント」「旅行・観光(行き先は自由)」「バレンタインデー」「高校生をターゲットにする清涼飲料水」など)
- 作ったものを相互に鑑賞し、CMのテーマを読み解く態度や、相手に伝えるために何を盛り込んだらよいかを考える姿勢を各自で考えさせる。これらの活動を通して、生徒は「まともな」表現の広告はとても作りづらいということがわかる——買ってもらおうというアピールをしようとすると、どうしてもグレーゾーンにならざるを得ない。「商品を正しく伝えるための工夫」と「景品表示法」とのはざまで苦労することで、不当表示とはどんなことかを受け手と作り手の両方の立場から理解できる
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- 科目
- 情報の科学(情報活用の実践力)※コンピュータを使わないコミュニケーションワーク
- 学年
- 1年(最初の授業で実施)
- 時間
- 1回(ワークの制限時間は10分程度)
- 必要なもの
- コミュニケーションワークの教材(5〜6人分の情報カード。「1年3組の皆さん集合してくださーい」「野球ゲームの再開」「家族旅行」、英語版の「Who is my Hero?」など。記事からダウンロードでき、CCライセンスで公開されている)、4観点のルーブリック、授業の振り返りシート
- 前提
- 「必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し、受け手の状況などを踏まえて発信・伝達する」という教科情報の目標の3観点の一つ「情報活用の実践力」を体感する活動。/この活動では「こういうことをするのが情報の授業だ」というのを生徒に知らせることが大切なので、ルーブリックを作って観点を明示する。/制限時間内に問題を解くためには否応なくコミュニケーションを取らなければならないので、コミュニケーションを取る手段としてとても有効。あわせて「たくさんある情報」から「必要な情報」を選び出す情報活用の流れを意識化することにも役立つ。/課題:ルーブリックは作ったが、協働作業をどのように評価するか、考えるプロセスの評価はどうするかが必要。また、教科情報の各単元との関連付けや、「分類する」「推測する」などの思考の方法も視野に入れなければならない。/教材は大学の学部に協力してもらって作成している——教員側から教科「情報」でどのような授業を行っているかを学生に伝え、問題を考えてもらう。これによって、情報の教員を目指す学生に教科情報の学習目標と学校の現場を知ってもらうことができる
- 「情報の科学」の最初の授業でこの教材を行う——教科情報の授業目標が何かを理解させるため。コンピュータは使わない
- 5〜6人一組にして、それぞれの手元に情報カードを配る。カードに書かれたことを話し合いながら問題解決にあたらせる。話し合わなければ答えが出ない作りになっているので生徒は夢中になる。10分程度の制限時間を設けて実施する
- あわせてルーブリックを示して、「こういうことをするのが情報の授業だ」というのを生徒に知らせる。観点は「伝達」「収集」「取捨選択」「発信」の4つで、それぞれAからDの評価指標を設ける
- 各観点の指標を具体的に示す。伝達(自分の情報カードの内容をメンバーに伝えられたか)はAが「内容をすべて伝え、さらに分かりやすい言葉を使って伝えることができた」/収集(メンバーの話を聞けたか)はAが「話を聞くだけでなく、メンバーから情報や意見を引き出すことができた」/取捨選択(たくさんの情報の中から必要な情報を選べたか)はAが「選択したものをどう使うか、見通しを持って選択できた」、Dが「どれを選択したら良いかわからず、思いつきで読み上げた」/発信(自分の意見をメンバーに伝えられたか)はAが「分かりやすい言葉を使って伝えることができた」
- 授業の振り返りシートを書かせる際に、この観点に沿って自己評価をさせる。これによって、コミュニケーションを取り合いながら協働して問題を解決するためにはどのような態度が必要かを、生徒に明示することができる
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- 科目
- 情報(情報モラル)※モラルジレンマを取り入れたもの
- 時間
- 1コマ(最後の10分をまとめに使う)
- 必要なもの
- どちらに転んでも厳しい結果となるジレンマ課題、学習活動の記録シート、黒以外に3色以上のペン
- 前提
- 以前は情報モラルの授業で○か×で判断できる知識を問うクイズのようなものを利用してきたが、簡単に答えが出せるような課題ではなく、どちらを選択したとしても「これで平気だろうか」と考えるとジレンマに陥るような課題を用いて、より深く考えさせる。/高校生くらいになるとモラルとしてどの程度がダメでどの程度はいいかは何となくわかっているが、ごくふつうのいい子たちにアンケートを取ってみると「ダメだとわかっているけどマンガをダウンロードする」「ダメなことは知っているけど音楽をコピーする」という状況。だから、その場その場での判断力を身に付けるようなものをやる。/黒以外に3色以上のペンを使わせる——色を分けて書かせると、人の意見を聞いたことでの思考の広がりや自分の意見の変化が目に見えて、生徒たちにとってもおもしろいようだ。/落としどころは「情報の信憑性を確認しよう」だが、信憑性とは何かということまで考えなければならない課題もある(湾岸戦争で重油まみれになった水鳥の写真のように、新聞に載っているからといってすなおに信じてよいのか、プロパガンダで世論を動かそうとしていることもある、とわざと問うてみる)。/評価は記録シートにA・B・C・Dの判定と、次回もっと良い評価になるためのコメントを記入する。いい意見のところには波線のアンダーラインを入れる。コメントではなるべく具体的な手立てを記述し、生徒が次はどんなところを頑張ったらよいかわかるようにする(毎回やるのはたいへんだが、赤ペンのコメントやアンダーラインは生徒には励みになるようだ)。/「〜してはいけない」という課題では、してはいけないことをやめさせる指導や生徒の思考力を育むといった教育目標は果たせない。高校に道徳の教科はないが、モラルジレンマの問題を扱い考えさせることで、社会や他者への影響までを考慮し判断するという高次の道徳性の育成を目指せる
- どちらを選択してもジレンマに陥る課題を用意する(例:「動物が好きな友だちから、『ペットショップが倒産して、大量の動物が処分されてしまうという。これを拡散してくれ』というメールが来た。さあどうする?」)。普通なら「拡散しちゃだめだね、メールを止めるのが常識だよね」となるところを、そこで止めない
- まず、このメールを拡散した場合・しなかった場合について、生徒各自に考えさせる。生徒各自が場合に合わせたストーリーを作る(「ここで拡散をしなかったためにペットショップの動物がすべて死んでしまった」「問い合わせの電話がたくさん入り、電話回線がパンクしてしまった」など、どちらに転んでも厳しい結果となる)
- 4人程度のグループになってグループ内で意見交換をする。他者の意見で印象的だったものや、自身とは違う立場からの意見を青ペンでメモを取らせる。班ごとの発表を聞いた感想も、各自青ペンでまとめさせる
- 人によっていろいろな考え方があることに気付かせたうえで、「学習活動の記録シート」に自分の考えを絞り込んで、今度は黒ペンで自分の意見を再度まとめさせる
- まとめとして教員が情報モラルの解説と情報操作についての説明をし、「この情報が嘘であったなら」ということを考えさせて、自身の意見を青・黒・赤以外のペンでまとめさせる。最後の10分で、自分の意見と他の生徒の意見に、さらに教員の説明を聞いてどう思ったかを記入させる
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- 科目
- 社会と情報(論理回路)※学習指導要領では「情報の科学」で扱う内容
- 学年
- 1年(1学期。「社会と情報」2単位を1年次・2年次に分割して1単位ずつ履修)
- 時間
- 授業は1コマ(50分)/基本的な理論は動画教材での自習にあてる。※同じ学校の実践報告が事例56(著作権)・事例61(データ分析)・事例84(統計とAzure MLS)にもある
- 必要なもの
- 動画教材(プレゼンテーションソフトの資料をメインに作成し、Webサイト上で公開)、単元のワークシート、実験キット(ブレッドボード、AND・OR・NOT回路のICチップ、リード線、赤色LED。25セット作って1人あたり約739円で製作できた)、書画カメラと生徒の席のモニター
- 前提
- 情報で教えなければならない内容は多いので、授業内で十分に解説する時間が取れない単元もある。そこで授業を補うために動画を教材として自学自習をさせる。/論理回路は学習指導要領では「情報の科学」で扱う内容だが、コンピュータ内部の構造を理解させるためにも重要な内容である。/実際にはコンピュータの内部では電圧がかかるか・かからないかで演算して情報を処理しているので、従来の学習方法では回路を通る演算過程をイメージさせることにとどまり、論理回路と実際のコンピュータ内部の演算回路との関係が理解しづらいのではないかと考えた。/動画を見た生徒からは「黒板や静止画を見て説明を聞くよりもわかりやすい」「携帯でも簡単に見ることができて便利だった」「具体的な例を目の前で実践してくれるのでわかりやすく、イメージが浮かんでくる」という感想が得られた。閲覧した生徒のうち約3割がスマホから見ていた。/動画教材で自学自習を支援することで、授業ではより発展した内容を扱うことが可能になった。また、授業を受ける上で知っておくべき内容を事前に勉強していかなければならないという緊張感が生まれた。/著者は情報工学科の出身ではなく、秋葉原のキットショップにも初めて足を踏み入れたほどだった
- 論理回路の基本的な理論は動画教材で自習させる。プレゼンテーションソフトによる資料をメインにした動画教材を作成し、Webサイト上で公開する
- あらかじめこの単元のワークシートを配布し、動画教材を見ながら取り組むよう課題として与える
- 授業では実験教材を使って、実際に論理回路を組み立てて動作を実験し確認する。教材はブレッドボード上にAND・OR・NOT回路のICチップを装着し、ICチップのピン先にリード線から電圧を入力することで、出力側に装着されている赤色LEDを点灯させるという単純な構造にする
- 生徒は2人1組で、教員の説明と回路図を見ながら協力して、回路が埋め込まれているICチップに電圧がかかるようにリード線を配線していく
- 配線の説明は、書画カメラで教員が実演する手もとを映したものを生徒の席のモニターで見せながら行う。最初はやや戸惑いながらも、次第に慣れてAND回路・OR回路の実験まで順調にこなせるようになる
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- 科目
- 社会と情報(プレゼンテーション)※「情報の共有と操作」をテーマにした年間構成
- 学年
- 1年(2単位・必修)
- 時間
- 年間を通してプレゼンにかける時間は約20時間(一人当たり個人5回、グループ5回の計10回)/1・2学期は授業の冒頭10分程度で毎回2〜3人ずつ
- 必要なもの
- 優れたプレゼンを紹介するテレビ番組や動画(春休みの課題用)、相互評価の観点表(電子ファイル上で自己評価と他者評価をすぐ見比べられるようにする)、ビデオカメラ、プレゼンレポートの用紙、毎時間の出席カード
- 前提
- プレゼン能力を育成する重要性・必要性は誰もが認めるが、教員はたくさんの生徒を同時に指導するため質の向上に時間をかけるのは難しく、時間がかかるわりには実りが少ないという声も少なくない。あえてその流れに逆行して積極的にプレゼンを取り入れる。/授業の中でプレゼンのテクニックの指導はほとんど行わない。/短時間を毎回繰り返し行うことで、まとめて時間を取るよりもプレゼンターの生徒も構えずに話せるようになり、聞き手の生徒も集中が途切れず、より効果が上がる。/聞き手としても成長させることが重要——1学期はまずプレゼンターが話しやすい雰囲気を作ることを意識させる。他人のプレゼンを観点に沿って評価しながら聞くことで、聞く力を高めると同時に、問題点を見抜き・見極める力や問題発見能力、自分の意見を構築する能力も身に付き、それが自分のプレゼンへのフィードバックになる。/2学期のラジオ番組制作のプレゼンでは、聞き手はスポンサーとして「この番組にお金を出せるか」という観点で評価する。/プレゼン能力の向上として顕著なのは、話す内容をシンプルにまとめられるようになること——もともとよくできる生徒たちなので初めはどうしても話し過ぎて何を伝えたいのかがぼやけるが、本人たちはそのことに気付いていない。動画を含めた自己評価や他者評価を繰り返すうちに着実に身に付く。/別に、授業の振り返りを兼ねた出席カードを毎時間記入させる(「楽しんで取り組んだか」「とことんやったか」「礼節を重んじたか」「理解度」「満足度」の5項目で自己採点し、授業に関する質問・意見・感想を具体的に書く)。提出させてコメントを書いて返す。/課題:プレゼン内容について質疑応答や批評で議論を深められればよいが、なかなかそこまで至ることは難しい。日頃から質問をさせる場を意識的に作り、それに応えるための指導が課題
- 入学前の春休みの課題として、優れたプレゼンを紹介するテレビや動画等を最低2つ視聴して、自分の理想のプレゼンはどのようなものかをレポートにまとめさせる(これがプレゼンに取り組むための、いわばお守りになる。レポートを読むと概ねプレゼンとはどうあるべきかは理解できているが、実際にやってみて初めて理想と現実のギャップを痛感する)
- 1・2学期は授業の冒頭10分程度で、毎回2〜3人ずつ個人のプレゼンを行う。1学期のテーマは「嘘つき自己紹介」——自分に関する情報を4つ提示して自己紹介するが、1つだけ嘘を混ぜる
- プレゼン用に「DNS」「著作隣接権」「ユニバーサルデザイン」などの情報用語をミドルネームとして与える。その意味を夏休み中に自分で調べておかせ、2学期に「情報用語プレゼン対決」を行う(自分のミドルネームになった用語を調べてプレゼンできるように理解しまとめるとともに、他の人のプレゼンを聞くことで、授業で通り一遍に扱うよりも深く学べる)
- 2・3学期は「ラジオ番組制作」「学校紹介CM制作」などのプロジェクトの中で、グループ単位のプレゼンを行う。このときはプレゼン前に「声の抑揚をつける」「笑いを取る」「結論-根拠を明確に」など、それまでのプレゼンで自分の課題として挙げたものを1つ選び、そこを意識して話すようにさせる
- プレゼンは必ず相互評価とセットで行う。同じ観点で自己評価するとともに他者からも評価を受け、電子ファイル上で行ってすぐに見比べられるようにする。さらにプレゼンの様子はビデオで撮影して映像を各自に渡し、自分のプレゼンの良い点・次回に向けて改善すべき点をプレゼンレポートにまとめさせる(ほとんどの生徒が自分の姿にショックを受けるが、自分が話す姿を客観的に知るという点でビデオ撮影の効果は絶大)
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- 科目
- 情報C/社会と情報(Webサイト制作)※2年次の自由選択と3年次の文系選択
- 学年
- 2年・3年(選択科目)
- 時間
- 年間(1学期=データの処理とグラフ化、プレゼンテーションの作成と発表準備/2学期=プレゼンテーションの実施と相互評価、Webページの作成/3学期=Webページの完成)
- 必要なもの
- エディターソフト、シンプルなCSSテンプレート、各自が作ったプレゼンテーションのスライド(ページに取り込む)、スライドをフラッシュ化するソフト
- 前提
- 1年目は各自が課題に沿ったWebページを作成したが、生徒の意欲や関心を高めることができなかったので、2年目から方法を変えた。/2単位という限られた時間の中で個人でWebサイトを完成させることは、経験のある人には可能であっても全員の目標としては難しい。中途半端に終わってしまうことを避けるために、グループでWebサイトを作成して完成させることにした。/サンプルサイトを活用したことで、サイトを完成させるまでの時間を短縮できた。1年目は完成したグループが約半数だったが、2年目は6グループ中5グループが完成した。/グループ活動を取り入れたことで、多くの生徒がWebサイトを完成に至らせることができただけでなく、生徒同士が教え合ったり、効率よく指導ができるようになった。/各自のスライドも、最初の年は画像で表示しただけだったが、次の年はフラッシュにしてファイルとコードをページ内に取り込むようにした
- 1年間の学習内容をコンテンツとして、5ページ構成のWebサイトを作る。5ページのうち「ホーム」と「学校紹介」の2ページは各自で作り、残りの3ページをグループで分担して作成したものを各自自分用にカスタマイズして、一人ひとりの作品として完成させる形にする
- グループ活動がスムーズにできることが必要なので、Webサイト制作とは別に、課題解決を目的にした3回のワークショップを行い、グループ内で自然にコミュニケーションが取れることを目指す
- Webページの作成にはエディターソフトを使い、0からタグ打ちさせていたのをやめてシンプルなCSSテンプレートを活用する。まずサンプルをもとに、サイト内容の紹介をする「ホーム」と「学校紹介」のページを一斉指導で各自に作成させる——この段階でHTMLの基本的なタグや構造を理解させる
- 各学期の学習内容のページは、グループのメンバーで分担してそれぞれ作成する
- グループのメンバーが作ったページを自分のサイトに組み込ませる。単にコピペするだけでなく、それぞれのページに自分が作成したプレゼンテーションのスライドなどを入れなければならず、タイトルやコピーライトなども修正する必要がある——このようなことを通して、各自の著作物としての意識を高める
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- 科目
- 情報A(定時制)※15の「作戦」として整理された年間の工夫
- 学年
- 3年
- 時間
- 年間(1学期の当初は25分授業で進行し、その後45分授業になっても明確に2分割する)
- 必要なもの
- マウスのゲーム(曲がりくねった道をポインタでたどるものなど、ネット上に公開されているもの)、文字入力のフリーソフト(得意な生徒が飽きないよう4種類)、短くて面白い詩、ペイント、メモ帳、プレゼンテーションソフト、屋外投影用のプロジェクター、HTMLのひな型(タグをコメント文の中に用意したもの)、表計算ソフト、ワークシート形式の簡単なドリル、アンケートのリアルタイム評価支援システム、カラープリンター
- 前提
- 定時制の生徒たちは持っている知識・スキルに個人差がある——大学に進学する生徒がいれば、一方でアルファベットの記述もあやしい生徒がいる。パソコンを使いこなせる生徒もいれば文字入力ができない生徒もいる。中学時代に勉強のやり方というものを身につけてこなかった生徒もいる。/そういう生徒たちに、とにかく「情報の授業は面白い」「ちょっと役に立つかもしれない」と思わせて、少しでも授業に積極的に取り組んでもらうことが大きな目標。/できるだけ実習を取り入れ、話を聞くだけの時間を作らない。初心者でもできるような授業にする。スキルのある子が飽きないよう面白いと思ってもらえる工夫をする。学校行事や他の教科とも連携する。/45分の授業を受けるトレーニングを中学校で十分につんでいない生徒がいる。/「アニマシオン」はスペイン語でアニマ(=魂)の活性化という意味。『読書へのアニマシオン』(本が嫌いな子どもにいかに本を読んでもらうかの75の作戦を提案した本)を参考にしている。よく使うのは"まちがい探し"——読んでほしい文章にわざと10のまちがいを入れ、オリジナルの文章と読み比べさせる。生徒はただまちがい探しをしているだけだが、結果として文章を読んでくれる。/将来より詳しく勉強することになる生徒にとって知識の足がかりになるようなことを、ところどころで残しておく。/表計算ソフトが情報の授業の大きな障害になっている——中学校時代にエクセルの授業で辛い思いをしている生徒もいる。せめて「なんとなく使えるかな」という気分で高校を卒業してもらいたい。/表計算ソフトがつまらないのは、生徒がこのソフトを使って便利だと感じる点がなかなかないこと。その対策にはアンケートのデータ処理が一番よい
- 授業を分割する。1学期の当初は25分授業で進行し、その後45分の授業になっても明確に2分割して前半と後半でやることを変えて退屈させない(前半に文字入力のゲーム、後半に他の授業を展開)。文字入力などの単純なトレーニングはゲーム形式にする——マウスの使用方法の確認を兼ねてマウスのゲームを実施し、次に文字入力のフリーソフトを使う(得意な生徒が飽きないよう4つのゲームを用意する)。文字入力のトレーニングが終了するまで、授業の課題はマウスだけを使用してできるものにしておく
- 文字入力には短くて面白い詩を打たせる(促音の練習になる詩、ひらがなで書かれた詩を漢字に変換する練習など)。操作方法の易しいシンプルなソフトを多用する——ペイントでは落書きさせながら、拡大すると小さなグラフ用紙を塗りつぶして画像を表現していること、RGBの数字で色を作っていることに触れる。文字入力だけなら、機能が多くて慣れていない生徒が困るワープロソフトより、一番シンプルなメモ帳を使う
- プレゼンテーションソフトを年間で最も多く使う。プレゼンだけでなくデザインの勉強にもなる(必ずやる課題:単語を一つ表示して、フォントや色、背景などを変えてその単語のイメージを表す)。作ったデザイン系の作品は必ず全作品を授業内で公開して相互鑑賞する。生徒にクイズを作らせることもする。文化祭の宣伝を生徒が作り、それをかたっぱしから繋いで、文化祭の1週間前から校外からも見えるところに投影する(定時制でないとできない企画)
- HTMLを扱う。コマンドを打ってコンピュータを動かす体験をさせたいが、ローマ字入力や英単語が苦手な生徒もいるのでタグは打たせない——タグはコメント文の中にすべて用意しておき、それをコピー&ペーストでコメント文の外に配置させて、ちょっとしたホームページを作らせる。背景色を指定するところに自分の氏名を入れると色が表示されることがあるので、「パーソナルカラーが表示される」と言って盛り上げ(実際には半数以上が黒になる)、十六進数で使用するアルファベットが名前に含まれていると色が表示されるとネタをばらして、十六進数について少しだけ説明する
- 表計算ソフトへの恐怖心を取り除く工夫をする。10月の時間割変更に合わせて表計算ソフトで時間割を作らせる(時間割は行と列の関係を理解するのに適している。配布した時間割の書体や文字の大きさを変え、色や罫線の装飾を加えさせて、カラープリンターで出力して配布する——小さく作って財布に入れる生徒もいる)。進行に合わせて、ワークシートごとに「文字の色を変えましょう」「列幅を変えましょう」といったすごく簡単なドリルを並べて繰り返させる。さらに生徒にアンケートの質問を作らせ(制限は人を傷つける質問はしないことくらい)、リアルタイム評価支援システムで実施して、結果を集計・グラフ化して分析させる。年度末には、国語科が作る文集の原稿を情報の授業でパソコンで作成する
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- 科目
- 情報A/情報B/学校設定科目「生活の中の情報」
- 学年
- 2年(情報A・6クラス)/3年(情報B=必修選択30名限定、生活の中の情報=自由選択20名)
- 時間
- 年間(情報科の専任教諭は著者1人で、16単位分をチームティーチングで担当)/※同じ著者の事例51は、後の年度に「情報の科学」(3年の必修選択)で行ったプログラミングの授業を報告している
- 必要なもの
- 新聞の折り込みチラシやテレビCM(広告分析用)、プレゼンテーションソフト、表計算ソフト、数字だけのパスワード解読ゲーム
- 前提
- 中学校時代から学習が苦手、学習習慣が身についていない、遅刻をする、授業に集中できない、という生徒が少なからず在籍している。/授業の中で強調しているのはコミュニケーション——コミュニケーションをするときには必ず相手がいるのだと、受け手の存在を意識させることを単元の中でも取り入れる。/1時間の授業で様々な活動を行うことを心がける。1時間丸々授業を聴き続けるのは苦痛で堪らないと思うので、様々な活動を取り入れて1時間を楽しくする。/「情報科ってコンピュータについて勉強する教科じゃないの?」と他教科の教員がたまに言い、「授業に筆記用具なんていらないんじゃないの?」という生徒もいるが、そうではないことを授業の中でかなり触れる。スティーブ・ジョブズの「技術と人間性の交差点に立ちたい」という言葉を紹介し、コンピュータを使った先には人間がいるのだから人間のことも考えようと強調する。/【情報B】3年生30名限定の必修選択で意欲的な生徒が選択しているが、学習内容はほとんど定着していない。実習中心にプログラミングの基礎も行う。見本のとおりに打つよう言っても間違いがかなり出るので、1行のミスで自動改札機が止まった事件を示し、1行のミスで情報社会すべてが止まってしまうこともある、実際の情報社会の現場では許されないこともあると理解させる。/【生活の中の情報】ビジネス文書実務検定の対策として開講された科目。ほとんどの生徒が3級まで取得し、合格証書をもらってうれしくて他の情報系の資格を聞いてくる生徒もいるので、ITパスポートなどの問題にも取り組ませる。最初は懐疑的だったが、検定取得による達成感が他の検定を受けてみようという学習意欲の向上につながっている
- 【情報A】1学期は生徒の実態を踏まえ、復習的な部分・基本的な部分を中心に構成する(キーボード入力に慣れていない、ローマ字もおぼつかない生徒もたくさんいるので、コンピュータの基本的な操作と基本的なソフトウェアの活用)。2学期は情報セキュリティや情報モラルも意識させて情報を伝える授業、3学期は受け取った情報をどう読み取るのかという授業にする
- 広告分析を2時間で行う。新聞の折り込みチラシやテレビCMを例示して、誰が対象なのか、何のためにこの広告があるのか、受け手にとってどういうデザイン上の工夫がなされているのかを考察させる(情報には受け手が必ずいるということとともに、先入観にとらわれない、当然だと思っていることが実は当然ではないということも理解させる)
- プレゼンテーションを行う。修学旅行の感想や学んだことをスライドにまとめて発表させる。その際に友人や教員が撮った写真を使ってもよいとし、「画像を勝手に使ってもいいの?」と著作権や肖像権を考えさせる。作ったスライドを元に相互評価を行い、改善策を考察させる(伝える手法を習得することはもちろんだが、ここでも他者の尊重、受け手の存在を強調する)
- 3学期は関数やグラフを使った問題解決として表計算ソフトの活用をメインにする。中学時代にやってはいるはずだがわかっていない生徒が大多数で、入力ですら怪しい(長い文章になると1つのセルに入力せず、A列が区切れるところでB列に移って入力し、次はC列に移る、という形で入力する生徒も少なくない)。基礎を復習してデータ入力とグラフ作成を行い、グラフの種類やデザインによる見え方の違い、見えていない部分に情報の裏側があるといったことを教える
- 1時間の授業の中に様々な活動を入れる。例えば情報セキュリティの授業なら——①情報セキュリティの概念に簡単に触れる ②4ケタの暗証番号のパターン数や処理時間を計算する(1万通りあるが「実は多くないんだよ、コンピュータに計算させればほんの一瞬で済んでしまう」)③スマホではどういう工夫がしてあるのか、パスワードを自分で作るならどうするかを考察する ④指紋認証技術が搭載されたという話題から生体認証を調べる ⑤最後に数字だけのパスワード解読ゲーム。座学があって、計算や考察があって、調べる時間があって、実習があるという形にする
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- 科目
- 数学とコンピュータをつなぐ夏休みの集中講座の取材記事(プログラミングを通して数学が実際に使えることと数学の面白さに気づかせる)
- 学年
- 高校1・2年生対象(自由参加。12名が参加)
- 時間
- 4日間(8月20日〜23日、11時〜12時50分の8校時授業)/※授業のスケジュールと4日めの「図形の回転と3DCG」の内容は図と動画で示されており、本文には進行の記述がない/※本文は著者自身の発表記録「『コンピュータの計算原理』を理解させる体験的な学習法と教材の考察」(サイト内の /研究6/。事例番号は付いていない)へリンクしている
- 必要なもの
- ビジュアルが得意な言語Processing、生徒の操作を手元のメインコンピュータからモニタリングできる環境
- 前提
- 著者はもともと数学の教員。数学は問題を解いてなんぼというところがあり面白さを味わう余裕がなく、生徒にとっては教科書の中だけのものになっている。特に進学校の生徒は間違えることを極端に恐れ、正解を出すのがすべてで生徒同士で相談するのも嫌がるため、教えたことは確実にできても間違いから学ぶことができない、という見方が土台にある。/※同じ著者の事例79・118は授業実践の報告
- この講座の目的は、コンピュータができるようになることではなく、数学がきちんと理解できているとコンピュータを使いこなせて、そうすると数学でどんどん面白いことができるようになると生徒に知ってもらうことだと述べている
- コンピュータを使って考える利点として、プログラミングは正解がなく手順もtry and errorの繰り返しなので「間違える」ことが当たり前であることを挙げる。あわせて手元のメインコンピュータで生徒の作業をモニタリングできるので、一人ひとりの考え方やつまずきを把握して生徒に合わせた言葉かけができ、観点別評価にもなじみやすいとしている
- 授業ではある程度準備をしておいて、生徒が操作しながら解決していく部分を残す。ただしtry and errorだけではだめで、解決をたぐり寄せる知識も必要だとしている
- Processingで図形を描いたり回転させたりするときには数学Cで学ぶ一次変換を使う。数学の授業なら数学ありきでコンピュータを取り入れるが、この講座では「グラフィックでこういう動きをさせたい」ために一次変換の知識を使う。そうすることで数学を実際に「使う」体験ができ、自分から獲得した知識のほうが生徒の中に残るとしている
- 着任して初めての夏期講習で生徒の興味の度合いが分からなかったため数学を意識した内容にしたが、今後の土曜講座などでは統計やHTML5を使ったホームページ制作などテーマの幅を広げ、時間も増やして受験一色でない講習をやってみたいと述べている。参加した生徒には12月の情報オリンピックへの参加を呼び掛けるつもりで、チャレンジの目標を持たせることが学びを深めるのに有効だとしている
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- 科目
- 社会と情報(個人情報とモラル)
- 学年
- 1年(LINE利用率80.9%、スマホ普及率80%)
- 時間
- 50分1コマ(二部構成)/※同じ単元でSNSの発信を扱う授業(つぶやく前に躊躇できるようになる)も別に行っている。記事前半の「ディジタルディバイド」の授業も別の回
- 必要なもの
- LINEの友達自動登録の仕組みを説明するスライド、登録時の確認画面、生徒が自分の考えを書くシート
- 前提
- 授業のねらいは「企業サービスに個人情報を提供することを躊躇するようになること」。躊躇するとは「ポイントカードを作るのをやめる」ことではなく、自分の情報を提供するリスクとサービスを受けるベネフィットを比べてみて、自分にとってカードを作ってサービスを受けることが本当に利益になるのかを一瞬考える時間を作り、理性的に判断すること。/私たちはサービスを享受するかわりに個人情報を会社に提供している——ポイントカードはタダで割引をしているわけではなく、自分が何らかの情報を提供した見返りに割引がある。/素材の選定:ポイントカードは身近だが、統計データを使って説明すると生徒には難しすぎる。LINEは1年生の80.9%が利用しており、ほとんどの人が同じ情報を共有しているので授業のネタに使える(ツイッターはまだ50%くらいで、半分の生徒は説明されてもわからない)。/「情報」はあえて流行に流されるべきだと考える——今流行していることを通して普遍的なことを教える。今学んでいる技術は社会ではこう使われているんだ、ということを常に意識させる。/手順2の質問は、後でLINEについて考えることに使うことを踏まえて設計している。/課題:50分授業1回では短いが、1週間あいてしまうと盛り上がりが消えてしまう。よく考えている生徒がいる一方でまだ考えが浅い生徒もいるので、グループディスカッションもやってみたい。ポイントカードだけでなく他のカードやサービスではどうかというところまで広げて、一般化するための調べ学習やプレゼンにも広げたい
- 50分1コマを二部構成にする。はじめに教科書に沿って個人情報の定義、基本四情報の内容などを説明する。次に個人情報を扱う団体について、個人情報を勝手に第三者に渡してはいけない、使う目的を伝えなければいけないなど、どのように個人情報を扱うかを説明する
- 「きみたちは個人情報をどう扱うか」と問いかける。自分の個人情報は「うかつに他人に教えない」などすぐ判断できるので、他人の個人情報について考えさせる——「Aさんから『B君のアドレス教えてくれない? 今度教えるって言ってたんだけど、聞き忘れちゃったんだ』と言われた」という問いかけを出す。たいてい「B君に確認する」など模範的な答えが返ってくるので、こちらから「Aさんにしてみれば面倒なんだから、教えてあげたっていいじゃん」などと揺さぶりをかけ、自分のものではない個人情報を勝手に他人に渡さないことを何度も何度も確認する
- 後半は「現実世界にようこそ!」としてLINEを登場させる。まずLINEは何をするものかを確認する(友達同士でチャットができる、通話ができる——ただし通話はほとんど使わない)。この「友達同士で」というところがポイントになる
- 会員登録の時にほとんどの人が何をしているか、何をLINEの会社に送っているかを問いかける。最初は「自分のメールアドレスや電話番号を送る」という答えが返ってくるが、そのうちに「アドレス帳をLINEの会社に送っている」という答えが出てくる。この仕組みをスライドで説明する——AさんとBさんのアドレス帳にそれぞれのアドレスが入っており、それを会社に送ると友達関係だと見なして、使う際に友達登録をしなくても自動的にチャットを始められる
- 「でも、アドレス帳をLINEの会社に送るということは他人の個人情報を勝手に送っているということだよね」と投げかける。3分前にやってはいけないと言っていたことを疑いなくやっているということに気づかせたところで、自分の考えを書かせる(「正解がないから大人だって難しい。自分はどう考えるか書いてみよう」と声をかける)。ヒントとして「LINEを使っていない人や、キミの家族の電話番号やアドレスまで伝わってしまう」「自分はLINEを信用していても、他の人は信用していないかもしれない」を話す。余裕があれば登録時の確認画面も見せる——さりげなく「アドレス帳を利用して友達を探します」と書いてあるが、よく読むと「アドレス帳をラインサーバーに送り」とある。アドレス帳を送るのはマストではなく、送らなくても使えるという話もする
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- 科目
- 情報A(プログラミングとフィジカルコンピューティング)
- 時間
- 記載なし(10年間の実践の報告)
- 必要なもの
- グラフィカルなプログラム環境(squeak e-toysなど。タイル型のコマンドを使う)、台車型ロボット、Arduino(C言語的な言語環境を備えたシステム)、LEDと光センサーなどの電子部品、タブレット端末と自作のデジタルテキスト(iBook Authorで作成)、電子黒板
- 前提
- 文字ベースのプログラミング学習は、1文字でも書式と違うコードを書けばエラーとなって意図した動きをしないことが多く、そのミスも発見しづらいので「難しい」というイメージを持ってしまいがち。/生徒アンケートでは、中学までに何らかのプログラミングの授業を受けているものの「言われたとおりに入力して動作を確認しただけでよくわからなかった」という回答が多い。/「プログラミングを難しく考えるのでなく、物語を考えるようにプログラムを作ろう」と常に言う。生徒が興味を持つのはコードの書き方ではなく「構成すること」。/コンピュータは0と1で動いていることは頭ではみんな知っているが、なぜそうなっているかはなかなかわからない。だからArduinoのようなものを使ってわからせたい。/プログラミング学習の目的は、プログラミングを通して思考内容をブロック化し、論理的に物事をつなげるような思考を作ること。頭の中に「メタファー(暗喩・隠喩)」を持つということで、それも教科書だけの世界でなく、自分の日常生活の中から持てるようになってほしい。/自作のデジタルテキストの利点:カラー画像やイラストを多く掲載できる/動画資料を掲載できる/インターネット上のコンテンツにリンクを貼れる/改訂作業が比較的簡単で授業後のフィードバックが容易。電子黒板での全体説明と、個々の学習速度にあわせて学べるデジタルテキストを併用すると、生徒は板書どおりに書き写すのでなく、関連することをどんどんメモしたりブロック化して記述するように変わってきた。/授業後の感想文に「今までにない脳内分泌物が出てくる感じがする」と書いた生徒がいた——自分で動作原理を考えることで、暗くなると自動的に点灯する照明や手をかざすだけで水が出る蛇口といった、今までは当たり前だったものの制御が気になるようになる
- グラフィカルなプログラム環境を使い、順次・繰り返し・条件分岐の3要素について段階を追って学習する。タイル型のコマンドを用いて、画面上に図形を描いたり、オブジェクトを自動制御したりする
- プログラムを組む前にフローチャートを考えさせる(例:青・赤・黄の信号のプログラム——もし信号が青なら進む、赤なら止まる、という条件分岐を入れる)。このとき、教えていないネストを自分で発見する生徒も出てくる——プログラムを作るのは頭の中に物語を作るような感覚が大切で、論理的に構成する力がついていく
- 課題を段階的に難しくする。「柵の中に馬がいます。馬が柵の中をぐるぐる歩きながら、しかし柵から出ないようにせよ」というプログラムを出すと、生徒は「反転させるだけだから簡単だ」と言って始める。一通り作成し終えたタイミングで「同じ動きばかりしていては動物らしくないでしょ」と声をかける。生徒が興味を示してきたら、生きものらしく動かすために乱数を教え、さらに乱数に興味を示したらランダムシードを教える
- 台車型ロボットを用いたフィジカルコンピューティングの実習を行う。シミュレーションと違って実世界でロボットを動かすため、生徒はセンサーの重要性を実感していく
- Arduinoでフィジカルコンピューティングを行う。コンピュータの入出力ポートに電子部品を接続して、LEDを点滅させたりするプログラムを作成して制御する。さらに光センサーの値を読み取り、光をさえぎるとLEDが点灯するプログラムを生徒自身に作成させると、暗くなると自動的に点灯する照明の仕組みを体験できる
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- 科目
- 情報C(表現方法を学ぶ)※英語の要素を盛り込んだもの
- 学年
- 3年(文系クラス3クラス。2・3年生の必履修科目で毎週1時間)
- 時間
- 前期=プレゼンテーション、後期=フォトムービー作成に計6時間(55分授業のうち実質の作業時間は45分程度)
- 必要なもの
- プレゼンテーションソフト、動画編集ソフト、ワープロソフト(名刺の作成、ムービーの英語紹介文)、表計算ソフト(作業報告書)、参考にする海外のプレゼンテーションの映像、以前の勤務校の生徒作品、生徒が持ち込むカメラ
- 前提
- 理系クラスは別の教員が「理科の面白さや、数学の大学入試問題をプレゼンする」というテーマで進めていたが、文系クラスでは大学入学以降のより将来的なことを見据えて「表現方法を学ぶ」ことを基幹にしたカリキュラムを組んだ。/3年前期は言葉を使った表現に主眼を置き、後期は映像や音などの媒体を利用して統括的に情報を活用し、伝えたいことを的確に表現する能力を育成する。/今の高校生は見本がないとなかなか取り組めず、すぐに答えを求めがちだが、「こうしたら」とアドバイスしたくなる気持ちを抑えて、生徒を主体に、教師はあくまで補助役というスタンスを心がける。/英語の授業との連携はしていないが、英語の副読本は何を使用しているかを英語の教員に聞き、持っている副読本を活用してさまざまな表現方法を考えさせた。TTで英語の教員がいたので、英語の微妙なニュアンスは助けてもらった。/写真は授業時間外に撮らせ、「カメラを学校に持ち込む場合は、管理は自己責任で」と伝える。過去に撮影したプリント写真を使う場合は教員がスキャンしたが、持ち込まれた枚数が多かったためかなりの時間を費やすことになった。ネット上のデータを使う場合は「本来は著作権の許諾が必要」と話し、クラス内で見るだけにとどめる。/相互評価は5段階だと「ふつう」の3をつけてしまう生徒も多いため4段階にする。/教科「情報」は時代と共に変わる「生きている」教科だと思うので、タイムリーな題材を授業に取り入れられるよう常にアンテナを張る。/英語でのプレゼンは本来は全員にやってほしかったが、このカリキュラムを3年生に導入した最初の年だったため、英語への意識付けをするには時間が足りなかったと反省している
- 【3年前期】「オススメのお店を1つ紹介する」というテーマでプレゼンテーションを行う。フランチャイズのチェーン店は除き、自分が普段行くお店でよいので、聞いた人が行きたくなるようなプレゼンにする。時間は1人3分に抑える(自主的に取材をして写真を撮影する生徒も出てくる)
- スライドは日本語で作成するが、発表は英語ですることを奨励する——「どうしても無理なら日本語でもいいけど、英語でプレゼンする人にはボーナス点を追加します。中学校英語でいいからチャレンジしてみよう」と伝えると、半分くらいの生徒が英語でプレゼンした。事前に、ユーモアを交えながらラフに話す海外のプレゼンの映像を見せ、「受けを狙って面白おかしく話すのもアリ」「失敗を怖れずチャレンジしよう」と話す
- プレゼン後は社会に出ることを意識して、アポイントの取り方や、ワープロソフトでの名刺の作成と交換方法を各自でインターネットで調べさせ、著作権などモラルに関する確認をする
- 【3年後期】動画編集ソフトでフォトムービーを作成する。グループで作業する場合は5名以内とし、1人でも作品を作ってよいことにする。見せる対象は同世代の高校3年生に絞り、テーマ設定は生徒に任せる。ムービーの時間は音楽1曲分(だいたい5分くらい)。イメージを湧かせるヒントとして、以前の勤務校で生徒が作ったムービーを見せたり、動画サイトを自由に閲覧させたりする
- 計6時間をムービー作成にあてる。55分授業のうち最初の5分で出欠確認と、前回の授業の様子を撮った1分程度のムービーを流す(前回学んだことの振り返りになり、演出方法のバリエーションを伝えるのにも効果的)。最後の5分で表計算ソフトを使った作業報告書を書かせる(その日にやったことや今後の課題、覚書を簡単に書く。グループの場合は毎回相互評価もさせる)。プレゼン時や作品完成時には時間の許す限りフィードバックを行い、良い点・改善点をコメントしたり、自分自身で考えさせる問いを投げかけたりする
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- 科目
- 情報A(プレゼンテーション能力の育成)※2時間連続授業
- 学年
- 2年
- 時間
- 年間(1学期=座学+1回目のプレゼン、2学期=修学旅行の事前・事後、3学期=保護者会プレゼン)
- 必要なもの
- プレゼンテーションソフト、ワープロソフト、ホームページ作成ソフト、クラスに1台ずつのデジタルカメラ、副教材(著作権と情報倫理のテキスト、フリーのタイピングソフト、自作のプリントとスライド)
- 前提
- この授業では何よりもまず「伝える力」を身につけさせたいと考えている。/2学期まではグループ作業をしているので、途中段階ではいろんな意見が出るが、最終的に1つにまとめていく過程を通して「自分たちは何を伝えたいのか」ということを掘り下げて考えさせることができている。/課題:「どのように相手に伝えるか」という点に関しては、現状ではスライド作成にまでしか時間がとれず、プレゼン時に必要な話術の指導には手が回っていない
- 1学期は座学でモラルや著作権などを扱い、実習ではofficeソフトの基本的な利用方法を教える。5月の終わりから6月にかけて1回目のプレゼンを行う——4人くらいのグループに分かれ、テーマを「福祉」「環境」「情報化社会」「国際」「科学技術」「現代の日本社会」の6つから選び、プレゼンテーションソフトで持ち時間の約5分で発表する。各班でテーマの中の具体的な発表内容を決めさせ(環境なら原発やエコカーなど)、単なる説明にならないように、伝えたいものを必ず発表するよう指導する
- 2学期は11月の修学旅行に向けて、事前にワープロソフトでしおりを作成する。夏休みの宿題として、行き先を題材にした1枚のパンフレットを各自にワープロソフトで作らせる(写真なども貼り付けて「一目でイメージがつかめるようなものを」と指導する)。これを文化祭で展示して意識付けをする
- 行き先に関する7つのテーマ(自然/文化芸能/暮らし/抱えている問題/戦前の歴史/戦争/基地と安保)をもとに、4人ぐらいのグループでプレゼンを作り、クラス内で発表する。内容が良いグループは修学旅行前日に行う事前指導の場で、クラス代表として学年全員の前でも発表する(全員が2回発表を聞くことができるので、平和学習や事前学習として有効)
- 旅行を終えた後、ホームページ作成ソフトで修学旅行のホームページを作成する。あらかじめデジタルカメラをクラスに1台ずつ渡し、班内の情報係を中心に「学園から空港までの様子」など班ごとに撮影場所を決めておく(班ごとに撮影者を変えることで、ホームページに多くの生徒の画像が使われることになる)
- 3学期は座学で情報化の歴史やネットワークの基本などを教え、実習では総合的な学習の時間と連携して「保護者会プレゼン」を行う。高2の1年間の反省や頑張ってきたこと、高3での目標(特に進路目標)などを、自分の親と担任の教員に向けて個人ごとに3〜5分で発表する。ここでは文字や数字だけでなく成績推移や学習時間などの「グラフ作成」を指導し、一歩進んだ説得できるプレゼンができるように工夫させる
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- 科目
- 情報の科学/社会と情報(情報のディジタル化)※どちらでも使える教材
- 時間
- 記載なし
- 必要なもの
- 教材用の画像フォーマットの規則(0〜9の数値で表現するもの)、変換の練習用の単純な画像データ
- 前提
- 高校で教科「情報」が必須となってから10年以上になるが、コンピュータの中で情報がどのように処理されているかについての生徒の理解は、いまだ十分と言えない。/コンピュータ上で扱うファイルは「0」と「1」からなる数値の並び(ビット列)で構成されているが、プログラムやソフトウェア、情報機器はこの構造を知らなくてもファイルを作成できるようになっているため、ファイル自体の仕組みにはあまり関心が持たれていない。また、生徒が「ビット列」を直感的に理解できるようなよい教材が見当たらない。/そこで直感的に理解できるように、0と1のみで数値だけが並ぶバイナリファイルではなく、0から9の並びによって情報を表現する教材にする。/生徒の多くは、デジカメで撮った写真はそのままの形でデータ化されていると思っている。/ファイルフォーマットとは何かを理解させるのが大変で、「ファイルの中には画像の色や画素などのほかにも、それに付随するファイルの情報がたくさん入っている」と言葉で話してもなかなかピンとこない。/ディジタル化の知識にはあまり深入りしないようにする
- 「少し年配の方だと、フィルムと同じようにそのままSDカードに写真を焼きつけていると勘違いしている人がいますが、そういうものではない」という話から始める(生徒の多くはデジカメの写真がそのままの形でデータ化されていると思っている)
- 教材用の画像フォーマットの規則を示す。与えられた画像に対応して、0〜9の数値が次の規則で並ぶ「数値の列」を考える——(a)左から初めの2個の数値は「画像の縦の行数」(10進法2桁)(b)続く2個の数値は「画像の横の列数」(10進法2桁)(c)さらに続けて、画像の最左上から順にそれぞれの画素の色に対応した数値(10進法1桁)を1行目、2行目…と並べる
- 具体例で変換させる(例:縦4行・横6列で、左の2列は緑、真ん中の2列は白、右の2列に赤が並んでいる画像データを、この画像フォーマットに変換する)
- この体験を通して2点を理解させる——①画像は「平面」的な情報だが、数値の並び(作成するファイル)は横に並んだ直線的な情報であること ②数値の並びには、画素や色だけでなく、その情報を再現するために必要な「画像の縦の行数」や「画像の横の列数」などの情報も含まれていること
- さらに考察させる——「この規則で扱うことができる画像の行数と列数は、最大でいくつ?」「この規則で扱うことのできる色の種類は、最大で何種類?」。そのうえで「行数・列数や扱うことができる色の種類の最大を増やすにはどうすればよいか」を考えさせ、生徒たちにオリジナルのフォーマット(規則)を作成させる。プログラミングの基礎的な知識があれば「?行?列の色を出力させる」「?行?列の色を変更する」などのプログラムを作成させることもできる
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- 科目
- 3学年 技術・家庭科「計測と制御」→4学年「情報の科学」(アルゴリズム)※中高一貫でカリキュラムを連続させたもの
- 学年
- 3学年(中学3年生相当)+4学年(高校1年生相当)
- 時間
- 3学年の「計測と制御」に計7時間、4学年の「情報の科学」に計15時間(アルゴリズムの理解3時間+演習8時間+レポート4時間および課外の補習)
- 必要なもの
- マインドストームNXTとその付属ソフトウェア、ライントレースのコース、NXC(プログラミング言語)、DNCL(センター試験用手順記述標準言語)の教材
- 前提
- 高校から入学を募集しない中高一貫の中等教育学校なので、3学年(中3相当)の技術・家庭科と4学年(高1相当)の情報科に学習内容を連続させたカリキュラムを組める。/例年「計測と制御」は3学年の後期で学ぶので、4学年の「アルゴリズムによる問題解決」を前期の一番はじめに設定することで、連続したカリキュラムにすることは容易だった。/DNCLを学ぶことは4年時のアルゴリズム演習で非常に役立った。/反省点:3学年でDNCLで手続きを検討した後、マインドストームNXT付属のソフトウェアを用いたライントレース実習は実施しないで、すぐにNXC言語で記述するアルゴリズム演習を行った方がよかったのではないか。その方が3学年の最初の4時間の学習成果を活かせたスマートなカリキュラムになった。付属ソフトウェアでの実習を行ったのは、車を走行させて理論を可視化させるほうがアルゴリズムの理解が進むだろうと思ったからだが、生徒からも「要らなかったのでは」という同様のコメントがあった。それだけDNCLでの手続きとNXCによる手続きの間にはギャップが少なく、アルゴリズム演習はうまくいったということだろう
- 【3学年・技術・家庭科「計測と制御」7時間】(1)コンピュータの動作原理を2時間——コンピュータの5大機能と、各機能とハードウェアとの対応について整理した後、プログラムで実行される仕組みを解説する (2)プログラムの構造を2時間——センター試験用手順記述標準言語(DNCL)の基本を学び、2の10乗を計算するプログラム等の簡単な例でプログラムによる処理の流れを把握することに慣れさせる。アルゴリズムの基本制御構造である「構造化定理」もここで少し述べる (3)マインドストームNXTの付属ソフトウェアでライントレースカーにコースを一周させる実習を3時間
- 【4学年・「情報の科学」3時間】ライントレースカーでコースを一周するアルゴリズムについて、プログラムの構造を意識しながら理解する学習をする。どの部分に条件分岐が隠されているのか、どの部分に繰り返しがあるのかと、自分でプログラムを組んだ気持ちになって、その手順を日本語で記述し、車が走行するアルゴリズムを理解する
- 【アルゴリズム演習8時間】日本語で記述した手続きが、実際にライントレースカーを走行させている処理と同じであることを確認するために、NXCというプログラミング言語で記述し、実際に車を走行させてみる(生徒一人ひとりで考えるのは大変ではないかと思ったが、みんなグループを組んで自主的に活動を始めた)
- 課題を2つ与える。「ライントレースカーでコースを一周させる」に加えて、数学の授業でユークリッドの互除法を扱っていると職員室で聞いたので「ユークリッドの互除法で求めた最大公約数を○○させよ」という課題も与える。プログラムができたら車を走行させる(2つのセンサとパラメータの調整をうまくやって、シューッと滑らかにコースを回るプログラムを作る生徒も出る)
- 【アルゴリズムレポート4時間および課外の補習】演習でやったことを自分の言葉で科学的に記述するようレポートを執筆させる(わかりやすい構造的な文章を書くことも狙いの一つ)。レポートを書く際に、不足しているデータの収集をさらに行う生徒も出る。「参考文献から引用するのもいいけれど、引用の分量が全体の2割を超えたらレポートの評価は低くなるよ」といった話もする。順次添削したものを並べて眺めながら自分の成長を喜ぶ生徒もいる
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- 科目
- 情報C/社会と情報(データベース)※「社会と情報」でも実施可能な内容
- 時間
- 3時間(全55時間の授業時間の中の3時間)/※3時間目に使うオンライン学習教材は、事例26の著者(野部緑氏)らが開発したもの
- 必要なもの
- 社会ではたらく情報システムの例、POSシステムの説明資料、正規化された「関係」と「関連」を載せたワークシート、データベースを学ぶオンライン学習教材
- 前提
- データベースというと「情報の科学」の領域と思われがちだが、「社会と情報」の指導要領の「(4)望ましい情報社会の構築」には『情報システム』という言葉が繰り返される。これは情報システムの構築に皆が関わることが必要であることを示している。/webサービスも情報端末もデータベースが支えていることを、まず生徒に意識させる。ただし技術の領域に踏み込む必要はなく、検索や関連付けとはどういうことかという概念がわかればよい——そこまでわかっていれば情報システム構築の上流工程に関わることができる。目標は「実世界をモデル化するためのものの見方・考え方を養う」こと。/目指すのは先進的な授業実践というより、全国のどの学校でも行えるスタンダードなもの。/【失敗の経緯】3年前に最初に取り組んだとき、データベースの教科書通りに「データベースの設計→正規化→関係演算」という順番でやってみたら大失敗した——生徒は難解な「正規化」に苦しむだけで、その先の見通しが立たないまま学習意欲が薄れるばかりだった。実習のソフトに不具合が多くて本質以外のところで手間取ったのも一因。/2年目は1時間目に「情報システム」の裏にデータベースを意識させる座学、2時間目に関係演算で大量のデータから情報を取り出す実習にした。理解は深まったが、用意した手順をなぞる学習の枠を超えることがなく、言われたことをただこなしているだけという感もあった。/生徒の感想には「この単元は情報という授業の総まとめのようなものだと感じた」「情報社会で生きていく上で、今まで学んだ情報の授業がどのように役立つのか、ようやくわかった」が多かった。/もう1時間確保できるなら、POSシステムとポイントカードを組み合わせて、POSシステムで蓄積される「購入者情報」の個人情報の取り扱いを考えさせる学習に発展させられる
- 【1時間目・前半】社会ではたらく情報システムの例を紹介しながら、そこにデータベースやネットワークが関わっていることを意識させる
- 【1時間目・後半】主にPOSシステムを例に、そこでどのような情報が記録されるかを考えさせる(「購入した商品」「購入者」「購入日時」などを導く)。次に「購入した商品」について掘り下げる——購入した商品はバーコードを通すが、バーコード自体には商品の名前や金額等の情報は入っていない。そこで、バーコードと商品に関するどのような情報がひもづけられているかを考えさせる(「商品名」「メーカー」「金額」などを導く)
- POSシステムに記録されるデータを蓄積することで、どのようなことが分析できるかを考えさせる(この店ではどのような商品がどの時間帯にどんな客層に売れているかがわかることで、いつ頃どのような商品を仕入れればよいかがわかる/年齢や性別による流行を知ることで新商品の開発に役立つ)。あわせてデータベースを使った情報活用の方向性も考えさせる
- 【2時間目】はじめにデータベースとは何かを、特に関係モデルの概念に重点を置きながら説明する。関係モデルに関する実習として、簡単な文章情報を表にまとめることを通して、関係モデルでのフィールド設定の大切さを理解させる。次に、ワークシート上に正規化された「関係」と「関連」を用意し、「関連」からデータを導き出して読み取る実習を行って、「関連」の意味を理解させる
- 【3時間目】データベースを学ぶオンライン学習教材を使って、大量のデータから情報を取り出すことにより、データベースを利用して情報が様々な形で活用できることを理解させる
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- 科目
- 社会と情報(著作権)※21世紀型スキルの育成を目指した授業実践と、その授業評価の枠組みの報告
- 時間
- 全3回(各回に導入・展開・まとめを置く)
- 必要なもの
- 法令データベース・判例データベース・著作権条文(法務省・文化庁が公開しているもの)、ワープロソフト、BBS掲示板とチャットを備えた授業支援システム(テストの実施・採点・集計機能があるもの)、学習前テスト/学習後テスト/総まとめテスト、事例相談の課題2問
- 前提
- ETSが開発したEvidence-Centered Assessment Design(ECD)という評価デザインの枠組みに沿って授業を組み立てている。ECDは4つの活動プロセス(活動選択過程・表象過程・応答過程・総合評定過程)からなり、各過程で評価モデルからの科学的根拠を中心に据えた評価を行う。単元目標は「著作権用語の理解とその活用ができる」、ICTリテラシー目標は「ワープロソフトの活用とBBS掲示板・チャットを活用したディスカッションができる」、協調性スキル目標は「グループによるディスカッションやICTを活用して問題解決ができる」。
- 第1回の導入で、法令データベースの活用方法を説明し、学習前テストを行う。展開は個別ワークで、生徒が担当する条文を要約してワープロソフトでまとめる。まとめで学習後テストを行う。
- 第2回の導入で、判例データベースの活用方法と著作権条文の説明を行い、学習前テストを行う。展開はグループワークで、個別課題を1つのファイルにまとめ、事例相談2問への解答をまとめて課題スレッドに書き込む。あわせて作業についてBBSやチャットでディスカッションし、課題スレッドに提出する。
- 第3回の導入で著作権法の振り返りと事例相談の解答方法を説明し、グループ分けと役割を決定する。
- 第3回の展開では、グループごとにBBS掲示板に解答した事例相談の課題に対して、他のグループが質問や意見を投稿してBBSでディスカッションし、投稿された質問や意見への回答を投稿する。授業支援システムはテストの自動集計と即時フィードバックができるので、動的形成的評価から授業改善を行える。
- まとめで総まとめテストを実施して学習理解度を確認する。著作権の事例課題は白か黒かの判定ではなく、自らの価値観や理由づけの過程から、そう考える根拠を条文や過去の判例から論理的に述べることが求められるため、様々な立場を理解したうえで相手を納得させる発表のための問題解決や批判的思考を育てる授業になりうると述べている(学習前後の著作権用語理解度テストでは成績が明らかに上がった)。
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- 科目
- 情報理数科「情報と表現」(3単位)※統計グラフポスターの制作
- 学年
- 1年(1学期)
- 時間
- 8〜10時間
- 必要なもの
- 統計情報を検索できる環境、ポスター制作の環境(グラフ作成、キャッチコピー、デザイン、イラスト)、大学や企業から招く外部講師
- 前提
- 平成19年度から行っている授業だが、平成23年度までの手順は「一人ひとりが表現したい・伝えたいテーマを考える(問題認識)→伝えたいことに関する統計情報を収集する→集めた情報から受け手に伝えたいことが伝わるように工夫してグラフを作成する→キャッチコピー、デザイン、イラストなどを加えてポスターを完成させる」というものだった。/授業を始めた当初はかなり手探りで、多くの生徒はグラフ作成機能でグラフを作り、文字で長い説明をつけるといった作品を作るのがやっとだった。そこで「伝えたい」ことをはっきり意識させて表現させることが重要だと考え、だんだんよいポスターができるようになった。/しかし大きな問題点に気付いた——県の統計グラフコンクールに出品すると、小学生部門の優秀作品と比べても、構成比を円グラフで表現したり度数分布を棒グラフで表現したりと、グラフや表現方法に大きな差がない。/そこで平成24年度の授業からは、単純に伝えたいことを伝えるのではなく、高校生らしく問題解決のためのプロセス=ストーリーを意識させるように変えた。/変更の効果:平成23年度の作品は「問題認識→データ収集→現状把握→提案」で、集まったデータで現状を把握し提案は従属的なものだったが、24年度は集めたデータからさらに要因を絞ってどうすればよいかという仮説を立て、解決策を検討し提案するという問題解決のストーリーが表現されていた。/「伝えたいテーマに合わせてデータを集め、グラフを作る」というオーソドックスな活動も、工夫次第で表現力・プレゼンテーション力に加えて問題解決力も高める活動になりうるので、専門学科の授業だが普通科でも応用できる
- ポスター作成の前に、大学や企業から講師を招いて統計的な問題解決に関する特別授業を行う。ただし1年生には難しいところもあるので、以降は個々の生徒の作品のテーマや制作状況をみながら一人一人に声をかけ、問題解決のストーリーを具体的に考えさせるように指導する
- 問題認識——解決したい問題を設定させる。自分が課題として捉えていることをテーマとして設定させ、それを解決するために自分はどう考えるのかということを、グラフでいかに伝えるかを考えさせる
- データ収集——着目すべき事象を絞ってデータを収集させる。この場面では、どうすれば必要な情報が検索できるかを考えさせたり、情報源や情報の信憑性の確認、作品への出所の明記など、授業で学んだことを実際に活用しながら作業を進めさせる
- データ分析——データから要因を絞り、仮説を立てさせる
- 解決策を検討して提案させる。キャッチコピー、デザイン、イラストなどを加えてポスターを完成させる
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- 科目
- 中高生1074人へのスマホ・ソーシャル利用実態調査の報告
- 学年
- 中学生・高校生(自校の中学・高校の生徒、回答1074人)
- 時間
- 調査は5月に実施
- 前提
- 調査の直前に「ネット依存症の中高生が全国で50万人以上」というニュースが流れ、スマホの急激な普及と子どもたちのインターネットへの過剰なのめり込みが学校現場でも問題になっている状況を背景にしている。
- 端末はスマホ率が伸びており、Androidではなく iPhone で、調査した全体の半数近い405人が iPhone を使っている。SNS・コミュニケーションツールではLINEの人気がどの学年でも圧倒的で、高校生では全体の80%が使っている(会場の教員からは「うちの学校はもっと多い」「90%を超えている実感だ」という声も出た)
- 端末の利用料金は9割が親に払ってもらっているが、金額を知らない生徒が半数近くいる。これでは通信にお金がかかっているという実感がないだろうとする。それなのに端末の使い方について親と何らかの約束をしている生徒は3割くらいしかおらず、ほぼ制約なしに使っている生徒が多い
- セキュリティやモラルには無頓着である。自分用の端末にフィルタリングをしている生徒は4分の1以下、SNSで実名を使っている生徒は3割近くおり、実名を使って危ない状況に遭ったことがある生徒もいる
- メールやコミュニケーションツールで意思疎通の行き違いを経験した生徒も3割近くいる。「言葉が足りない」「ネット上だときつい口調になる」ことから勘違いや喧嘩になるのは、誰でもいつでも陥ってしまうトラブルの入口だろうとしている。一方でこれだけ携帯端末でインターネットに親しんでいてもPCは得意ではないという現実も挙げる
- この実態を踏まえて今後考えるべきは情報の授業でのデバイスの使い方だとする。日本の学校では校内への携帯の持ち込みや使用が禁止されているところが多いが、これだけスマートフォンやタブレットが普及しているのだから個人のデバイスの利用の可能性も検討する余地があるのではないかと述べている
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- 科目
- 情報(モデル化とシミュレーション)※生物基礎との連携
- 時間
- 記載なし
- 必要なもの
- 「生物基礎」の教科書、表計算ソフト(離散モデルの作成)
- 前提
- 教科情報と他教科の連携が学習指導要領で掲げられているが、これをどのように解釈するのかはあまり議論されていない。具体的な方法として他教科の実習部分を情報科が担う、授業の相互乗り入れ、人的交流などがあるが、大切なのは他教科と連携することによって、その教科と教科情報それぞれに対する理解を深めることができるということ。/題材は「生物基礎」の教科書の記述(「生態系のバランスは、極相に達した森林などのように、構成する生物の種類が多く、複雑な食物網をもつ生態系ほど保たれやすく、農耕地など、生物の種類が少なく比較的単純な生態系では、バランスが崩れやすい」)を裏付けるようなシミュレーションができないかと考えたもの。/捕食者と被捕食者の関係をシミュレーションするのは、わりと単純な作業だと思っていたが結構大変だった。失敗しては原因を考えて修正し、再試行できるところにプログラミングの良さがあるが、かなり時間はかかる。/生徒が困っているときは「環境が良くなったら、死亡率は下がる、けれど、そんな単純なものではないよね、実際は違うんじゃないの? こうかもしれないよ」というように誘導する。/シミュレーションの目的は特定のプログラミング言語へ精通することではなく、問題を解決するためのモデル化を自分で試行錯誤できるようになること。/他の連携例:①生徒自身が先生になったつもりで他教科の授業内容をプレゼンテーションソフトで他の生徒に伝え、優秀な資料は他教科の教員にも幅広く広めて使ってもらう ②数学の統計学の実習部分を情報の授業で担う ③物理基礎の題材(物体の運動)のシミュレーション。/他教科に題材を求めるだけではなく、他教科の教員を共同実践者として授業指導案の構築に一緒に取り組めればよいと感じている——これによって情報科への理解を深めてもらうことになり、より深い意味での連携が実現する
- 問題提示——「生物基礎」の教科書を準備させ、単純な生態系と複雑な生態系における生命個体数をシミュレーションしてみることを示す。パラメータを変化させて生命個体数の変化を調べ、どのような生態系がバランスが保たれやすいか考えることを伝える
- 設定の提示——「生物の種類が2種類の生態系」と「生物の種類が5種類の生態系」を示す。各種類は食物網でつながっているとする
- モデルの作成——表計算ソフト上に離散モデルを作成させる(一例:n+1月目のBの個体数=(n月目のBの個体数-被捕食数)×(1+出生率)×(1-死亡率)、死亡率=|1-個体数/適正個体数|)
- シミュレーションの実行——パラメータ(適正個体数、初期個体数、出生率など)を変化させてシミュレーションを繰り返させる
- 結果の考察——いくつかの生物が絶滅したり、安定した数を維持したりといった状況を読み取り、結論を導き出させる。そして複雑な生態系の方がバランスが保たれやすいことに気づかせる(AはBとCを食べ、BはDを食べ、CとDはEを食べる、という食物連鎖の構造を持てば、AがEを食べるという単純な構造に比べて、ある年に爆発的にある種が増えたとしても元の安定した数に戻りやすい)
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- 科目
- デジタル情報の伝達と復元のしくみを体感させる教材・教具「デジたま講座」の開発報告
- 学年
- 小学生から高校生まで(10進数表現と切り離すことで小学生にも理解できるようにしている)
- 時間
- 講座は4つで構成。iPadの導入により「ころころピクチャー」は授業2コマの枠内に収まるようになった
- 必要なもの
- 「デジたま」(直径12mmの白黒の球)、通信路に見立てたアクリルパイプ、正方形の白黒タイルとカラーブロック、カラーコード表、iPad(16×16のマス目をタッチ操作で白黒に塗り分ける)、ペーパーラウンドオルゴールと専用シート・パンチ
- 前提
- 画像や文字、音声、映像が「0」と「1」で表現されていることは情報科学の基礎中の基礎だが、デジタル情報処理の様子は「目に見えない」「さわれない」ため理解しにくい。また日常的に10進数表現を使っているため、同じ記号「0」「1」を用いると混乱を招きがちである。そこで白黒の球に置き換えて10進数表現と切り離した。
- 講座は4つからなる。(1)情報をつたえる(導入部)、(2)ころころファックス(画像情報を送る)、(3)ころころトンパ(文字情報を送る)、(4)ころころミュージック(音楽情報を送る)
- 「ころころファックス」では白黒2値画像で、デジタル表現→伝送→画像の再現という流れを体験させる。用意された絵の上から白黒のタイルを敷き詰めて16×16のドット絵に変換し(デジタル表現)、各行をデジたま16個の並びに置き換えてアクリルパイプに流して相手に送ることを16行分繰り返し(伝送)、受信側は送られてきた順番どおりにタイルを並べて絵を再現する
- 16×16=256個のデジたまを流すには手間がかかり、これによってデータ量の多さを実感できる。しかし最近の児童・生徒は手先を使った作業に不慣れで演習全体に時間がかかってしまうため、タイルを並べる作業をiPad上の操作に置き換えた。また家庭でファックスに触れる機会が減ったことから、写メール等を取り上げた「ころころピクチャー」に変更している
- カラー画像では、色のついた球を送るのではなく白黒のデジたまの並びを送る。デジたま3個の並べ方は8通りなので8色を表現でき、送信側はカラーコード表で色のコードを調べて送り、受信側は届いた順にコード表を見ながらカラーブロックを置いていく。「ころころミュージック」では音を鳴らすタイミングと音の高さをデジたまで表して送り、受信者がオルゴールの専用シートにパンチで穴をあけてハンドルを回すと音楽が聞こえる
- これまでアンプラグド(情報通信機器を使わない)方針だったが、アンプラグドな教材には「具体的な情報通信機器にどのようにつながるかがわかりにくい」という指摘がある。iPadを前面に出し、iPadによる処理の一部分だけをアンプラグドな教材で置き換えたことでこの問題を解決できたと考えていると述べている
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- 科目
- 学校図書館の貸出記録を「あえて」データベース教育の題材に使う提案(架空の貸出記録を作る)
- 必要なもの
- 実習用に作成した架空の貸出記録と指導の流れ案(記事からPDFでダウンロードできる)
- 前提
- 「情報の科学」のいくつかの教科書はデータベース実習の題材に「学校図書館の貸出記録」を使う例を載せているが、貸出記録はプライバシーであり他人が勝手に見ることは適切でない。図書館はプライバシーひいては民主主義を守るために「利用者の読書事実を外部に漏らさない」ことに取り組み、返却後の記録を消去するソフトが多く、図書委員であっても「生徒は他人の貸出記録を見てはならない」とされている。/※共同発表者に小学校の学校司書と大学講師が入っている
- 現在の教科書の記述では「本来貸出記録は他人が見てはいけないものである」ことが、生徒だけでなく情報科の教員にも伝わりにくいという実感を出発点にしている。貸出記録を見ることで持病や家庭内の問題といったプライバシーが漏れてしまう問題を挙げる
- だからといって使わないことにするのは簡単だが、学習指導要領が身近なデータベースの例として挙げる「携帯電話の電話帳・アドレス帳」「学校の進路情報」「コンビニなどのPOSシステム」は、いずれも貸出記録以上にプライバシーの問題があるか、表計算ソフトの1シートに収まってデータベースの本質を伝えにくいとする。貸出記録は生徒に身近で使い勝手もよく非常に優れた素材だという判断
- そこで架空の貸出記録を作り、「図書館の貸出記録」と「データマイニング」を比較しながらデータベースの作業を体験させ、最終的に「学校図書館でデータマイニングする」ことを題材に情報社会とプライバシーを考えさせることを提案している
- 図書館のデータベースは「所蔵資料リスト」と「利用者リスト」を「貸出記録でつなぐ」構造なので、リレーショナル構造の設計が生徒に理解しやすいという利点がある。結合・選択・射影といったコマンドの入力を、実際にデータベースの何を操作しているのかを意識させながら指導できるとする
- 操作を経験させることで情報漏えいや喪失のリスクも実感させられるとし、具体例を挙げる——貸出者名を逆引きできない番号に置換しても、「●●という作家の本をよく借りている人が医学部進学の手引書もよく借りている。●●をよく読んでいるのは▲▲君だから、彼は医学部を受験するんだ」と分かってしまう。ただし学校現場でデータマイニングを行えるソフトや大規模なデータは見当たらないため、現状は「ごくわずかのデータを目視で分析する」「ビッグデータやポイントカードについては教員の説明を聞く」にとどまるという改善点も挙げている
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- 科目
- 大学新入生への教科「情報」プレイスメントテスト(レベル判定テスト)の結果報告
- 学年
- 大学1年(8大学の新入生約1000人と、自校約400人の比較)
- 時間
- 40問・5択(1〜4の選択肢に「わからない」を加えたもの)
- 前提
- 文部科学省の大学間連携共同教育推進事業に参加する8大学が3つの大学協会と協力し、大学での基礎情報教育を見直す目的で実施しているテスト。学習指導要領の情報教育の3つの観点に対応させて問題数を配分している(情報活用の実践力12問、情報の科学的な理解15問、情報社会に参画する態度13問)。
- 正答率の低い5問は、8大学と自校で**まったく同じ**だった。実施方法や時期に違いはあるが、大学や学科による大きな差はなく「どの学生も押しなべてできなかった問題」といえるとしている
- 最も特徴的なのは「10進数の4を2進数で表したものとして正しいものはどれか」(正答0100)で、正答率27%に対し「わからない」が19%いた。正答率が低いだけでなく「わからない」が各校ともかなりいることから、二進数とは何かが分かっていないと述べ、「この程度は基礎知識として知っていてほしい」としている
- 「連続的に変化する量を離散的な量で表すことを何というか」(正答ディジタル化)は正答率22%で、「ビット化」33%・「バイト化」31%が正答を上回った。「情報化の進展により普及した情報システムの例として適切でないものはどれか」(正答URL)は正答率18%で、「情報システム」の意味が理解できていないから答えられないのかもしれないとしている
- 「一次情報の収集手段として当てはまらないものはどれか」(正答は新聞や書物による収集)は正答率29%、「待ち合わせ場所を案内するために地図情報を伝える際に最も適切でないもの」(正答は音声電話)は正答率18%だった
- このテストは教材・モデルシラバス・到達度テストの作成や改善のために行われたもので、英語で既にプレイスメントテストをもとにしたクラス編成や指導が行われているのと同様、情報でも習得度に応じたきめ細かい指導のために必要だとする。一方で大学の情報教育が高校入学時レベルの補習から始めなければならない部分もあるとし、結果を高校と共有しつつ高校から大学への接続性を改めて考える必要があると述べている
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- 科目
- 大学新入生へのICTスキル・ICT環境アンケートの結果報告(2006年度からの変化を含む)
- 学年
- 大学1年(1学年約2000人)
- 時間
- 1年次必修の実習科目「コンピュータ・情報リテラシー」90分×15回、最大150人定員のクラスを毎週18コマ
- 必要なもの
- eラーニングシステム(アンケートの実施と、携帯・スマホからの連絡・小テスト・アンケート)
- 前提
- 1学部18学科で新入生2000人という規模で、1クラス最大150人になるため情報リテラシーの個人差が大変大きい。事前に状況を把握しておくためにアンケートを実施している。高校で教科情報を履修した学生が入学した2006年度から継続している。
- ICT環境:自分のPCを所有しているのが約50%、家族と一緒に使っているのが45%、自宅にPCがない人が5%。自宅PCのOSが「わからない」と答える学生が25%程度、オフィスソフトの版も「わからない」が半数近い。自宅のインターネット接続は9割以上あるが接続形式がわからないという回答が3割以上で、「家の中で無線がとんでいるから多分無線だろう」という理解にとどまる回答も散見される
- スマホは一昨年から尋ねており、昨年は3分の2、この年は9割近くが所有。一方でPCメールは約5割が使わず、「パソコンメールを送る際の常識・マナーと言われているものが通じない」状況が見える。携帯・スマホのメールも「しない」が増えており、理由は「キャリアを変えたときにメールアドレスを持ってこれない」「LINEなどがあるとメールがなくてもいい」だった
- パケット定額契約が進んだことで授業での携帯・スマホ利用が可能になったと判断し、この年からeラーニングを携帯・スマホから使えるシステムに切り替えて、連絡事項の伝達・小テスト・アンケートを携帯でも行えるようにした
- ICTスキルは自己評価に段差がある。日本語入力は「普通に利用できる」以上が7割以上、情報検索も8割以上だが、ワープロソフトは4割強、表計算ソフトとプレゼンテーションソフトは2割強に下がる。受講希望科目でもワープロ・表計算・プレゼンの3つが多い
- 高校での履修状況は、「情報A」が3割、「情報B」「情報C」が10%程度で、**半分以上が「情報は履修したと思うが、どれだかわからない」**と答えた。学習内容で最も多いのは文字入力やOffice系ソフトの利用(タイプ練習を延々とやった学校もある)で、近年は著作権やネットワークの危険性といった情報倫理が増えている。プログラミングやアルゴリズムを学習したという回答は1割以下だった
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- 科目
- 情報科の「観点別学習状況の評価」をeポートフォリオで行う方法の提案
- 必要なもの
- eポートフォリオ(学習の記録・成果・作品を一定の観点から集めたもの)、評価項目のルーブリック
- 前提
- 情報科で育成される能力はペーパーテストなどの客観テストでは測定しにくく、最も重要な実践力を測ることができないという問題がある。観点別学習状況の評価は情報科ではアセスメントそのものであり、学習と切り離して行うべきではない、という立場に立つ。
- 多面的にアセスメントするために、学習の記録・成果・作品などを一定の観点から集めたポートフォリオを用いる。ペーパーテストとは異なり、学習活動のプロセスを通した継続的な成果物や学習履歴のデータすべてが使われる
- 情報科では学習の記録や成果、作品がすべて電子化されているため、生徒の活動がそのつど記録され、教育目標に向かってどの程度達成されているかがデータで把握できる。これがeポートフォリオで、教師はこれを分析して足りない部分を補ったり強い部分を伸ばしたりするように活動や教材を工夫できる
- 「教師が自分で教えたことをテストで評価する」という従来のやり方では情報科の授業はつまらなくなるだけだとする。ICT環境が整えば知識を教えるのは教師自身でなくてもよく(うまい講義を映像で見せればよい)、では教師の役割は何かといえばそれがアセスメントだと述べている
- 評価項目のルーブリックをきちんと作り、eポートフォリオを駆使して個々の生徒に応じた授業設計を行う。一人で正解を出すのではなくグループで試行錯誤させたり相互評価させたりするアクティブラーニング型の授業も、情報科の問題解決学習なら毎回可能だとしている
- 教師は授業支援のファシリテーターとして、生徒に「自分に何が身につき、それがどのように役立つのか」を体得させることが肝要だとする。それによって生徒や保護者に対する説明責任を果たすと同時に、授業の質の向上にも役立つとまとめている
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