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情報Ⅰでのプログラミングの扱い
情報Ⅰの検定教科書では,教科書ごとに異なる特徴を有し,特にプログラミングに関しては記述の差が顕著にあらわれています.
このページではPythonをベースとした授業で使用できる環境と動画教材を紹介します.
環境
・Google Colaboratory
・Jupyter Notebook
を使用することがオーソドックスだと思います.ただし授業で紹介し生徒に提供する環境は,生徒がいつでもすぐに使うことができることが重要でしょう(この際の「いつでも」は,自宅の自室,電車の座席,友人との待ち合わせのような隙間時間を含む).
情報Ⅰが必履修科目であるため,プログラミングを含めた情報関連に全く興味がない生徒も学習することになります.そのため興味のない生徒に対しても強いる内容が多くなります.すべての生徒の端末に,一斉にプログラミング環境を入れることは非常に負荷が大きいです.
先にあげたJupyterNotebookは使用しやすいが環境構築のステップが多いです.
GoogleColaboratoryはJupyterNotebookよりもとっつきやすいが,各自にアカウントを用意いただく必要があり,それに負担がかかります.
プログラミングは特に力の差が出やすく,できる生徒とできない生徒の差が激しいです.できる生徒にはそういったサービス等を紹介し,次々と自由に作成させるとよいでしょう.
逆に最低限の学習に留める場合にはオンラインエディタを使用することが最も負担が少ないと思います.
paiza.io は特に有名所ですが,ここではPictogrammingを紹介します.
ピクトグラミング
ピクトグラミングとは
青山学院大学社会情報学部教授 , 青山学院大学ピクトグラム研究所所長 伊藤一成氏 が開発したピクトグラムを制作するWeb環境です.
伊藤氏は長年高等学校の情報教育に携わり,高等学校のパソコン室の事情やプログラミング教育等の様々な事情を熟知しています.
そのため,様々なことに配慮した制作環境を実装しています.
例えば,
・軽量
一斉アクセスに耐える
・通信は一瞬のみ
ページを開く瞬間以外はネットを使わない
のように設計している.
オンラインエディタの多くは,常時サーバと通信したり,開くたびに多量の画像を読み込むなどで回線がパンクし,授業が停滞することがある.
そういった細かな欠点の多くをなくし,長年の研究の末に作り上げた理想的な環境がPictogrammingです.(※ いくつか筆者の解釈があります)
デザインツールとプログラミング学習
ピクトグラミングはISOやJISに則ったピクトグラムを作成する環境ですからデザインの授業展開に最適です.しかし少し使い方を変えると非常に優秀なプログラミングツールにもなります.
情報Ⅰの授業は2単位ではおさまりきらない量を扱っています.そのため授業内容の圧縮は必須です.
またデザインの授業,プログラミングの授業などそれぞれの単元で異なるソフトを使用するとその習得に時間や労力を割いてしまい,本質の理解のために時間を捻出できなくなります.
そのため,極力同一のソフトを使用することをすすめています.
以上のことから以下のような授業展開提案やチュートリアル動画作成をしています.
学習動画
筆者が作成した動画等の紹介です.
プログラミング(パターン1. ただのPython)
左はPictorammingの環境を使って実施する,教科書的な授業展開です.つまらないです.
右は情報デザイン,プログラミングをまとめて扱う授業実践についての紹介です.
「Picthon(Python版ピクトグラミング)」チュートリアル風
ピクトグラムのデザイン過程でプログラミング学習をするチュートリアルです.
プログラミング(パターン2. Pictogrammingで楽しむ)
参考までに,ブロックベースの授業展開例です.