中央教育審議会の教育課程企画特別部会は、2025年9月5日の第12回会議で「論点整理(素案)」を示しました。教育課程の枠組みと教科横断的な事項について、11回の審議内容を暫定的に整理した全113ページの資料です。
資料の位置付けこれは2025年9月5日時点の素案です。同年9月25日に「論点整理」が報告され、その後も各ワーキンググループで審議が続いています。このページは、素案で示された方向性を当時の記録としてまとめます。
要点だけ読む
次期学習指導要領に向けた検討の基盤として、次の3方向が示されました。
- 01深い学びの実装主体的・対話的で深い学びの具現化・深化
- 02多様性の包摂個性、特性、背景を踏まえた柔軟な教育課程
- 03実現可能性の確保教師と子供の「余白」、持続可能な実施条件
資料種別教育課程企画特別部会の「論点整理(素案)」です。
情報教育第4章で、情報活用能力と探究的な学びを扱っています。
後続資料2025年9月25日に「論点整理」が報告されています。
情報教育に関する主な論点
第4章「情報活用能力の抜本的向上と質の高い探究的な学びの実現」に掲載された論点です。
- 01教育内容情報技術の活用、適切な取扱い、特性の理解
- 02学校段階の接続小学校、中学校、高校を通じた体系化
- 03探究との連携各教科等の探究を支え、駆動させる基盤
- 04条件整備研修、教材、教員養成、環境、外部人材
学校段階別の方向性
小学校総合的な学習の時間
- 領域:総合的な学習の時間に「情報の領域(仮称)」を付加する方向です。
- 内容:情報技術の活用、適切な取扱い、特性の理解の基礎を扱います。
- 探究:課題の設定、情報の収集、整理・分析、まとめ・表現と一体的に指導する考え方です。
中学校情報・技術科(仮称)
- 教科構成:技術・家庭科を家庭科と情報・技術科(仮称)に分離する方向です。
- 内容:コンピュータ、ネットワーク、データ活用を充実させます。
- 技術分野:情報の技術だけでなく、材料と加工、生物育成、エネルギー変換との関連を強めます。
高校情報科
- 系統性:小学校・中学校で整理する内容を踏まえ、情報科の内容を充実する方向です。
- 特性の理解:文理を問わず、生成AI時代の基礎的な素養として扱います。
- 接続:高等教育の数理・データサイエンス・AI教育と、社会人のデジタルスキル標準を参照します。
小中高共通条件整備と更新
- 研修・教材:全面実施前から研修機会を拡充し、国による動画教材などの提供を検討します。
- 人材:教員養成課程、認定講習、柔軟な教員配置、地域・企業との連携を検討します。
- 技術変化:学習指導要領解説の一部改訂、指導の手引き、デジタル教材の提供を検討します。
情報活用能力の3要素
- 情報技術の活用:基本操作と、情報の収集、整理・比較、発信・伝達など。
- 適切な取扱い:情報モラル、権利と責任、長時間利用の影響など。
- 特性の理解:コンピュータ、ネットワーク、AI、メディア、データ活用などの科学的理解。
資料が示した検討日程
以下は、素案の第8章に記載された当時の予定です。
- 2025.09素案第12回教育課程企画特別部会で提示。
- 2025.09論点整理特別部会で取りまとめ、教育課程部会へ報告。
- 2026 春授業時数情報教育の充実に伴う標準授業時数について一定の結論を得る予定。
- 2026 夏各WG各教科・領域の検討を取りまとめる予定。
- 2026年度答申中央教育審議会の答申を取りまとめる予定。
この資料の扱い上記は2025年9月時点の検討日程です。現在の審議状況は「制度・審議動向」と、2026年7月30日時点の指導体制改善プランで別に整理しています。
詳しく読む全8章の構成、情報教育の課題、条件整備、後続資料+
詳しい解説
資料全体の構成
- 第1章次期学習指導要領に向けた基本的な考え方
- 第2章質の高い、深い学びと学習指導要領の在り方
- 第3章多様な子供たちを包摂する柔軟な教育課程
- 第4章情報活用能力と探究的な学び
- 第5章「余白」の創出と教育の質
- 第6章豊かな学びにつながる学習評価
- 第7章カリキュラム・マネジメントなどの諸事項
- 第8章検討スケジュールと検討体制
情報教育の現状・課題
素案は、小学校ではコンピュータやネットワークの仕組みが扱われていないこと、中学校でも仕組みの理解やデータ活用が十分でないこと、生成AIなどの先端技術が明確に位置付けられていないことを挙げています。
また、小学校では教科等への位置付けと授業時数が明確でなく、中学校技術分野、高校情報科との体系も明確でないと整理しています。情報活用能力と探究的な学びの連携、指導体制、教材・研修・環境の整備も課題として掲載されています。
学習の基盤となる資質・能力
素案は、学習の基盤となる資質・能力として示す情報活用能力を「情報技術の活用」に絞る方向を示しています。「情報の活用」は各教科等の特質に応じて扱い、情報技術の活用を各教科と探究的な学びを支える基盤に位置付ける考え方です。
問題発見・解決能力は、独立した「学習の基盤となる資質・能力」として示すのではなく、総合の目標や各教科等の学習過程で重視する方向が示されています。
改訂を支える条件整備
- 中学校技術分野の指導体制改善計画の履行
- 指導主事を含む研修機会の拡充と環境整備
- 国による動画教材、指導の手引き、デジタル教材の提供
- 中学技術・高校情報の教員養成課程と認定講習
- 柔軟な教員配置、外部人材、地域・企業との連携
- 技術変化に応じた学習指導要領解説の一部改訂
後続資料との関係
この素案の後、2025年9月25日に教育課程企画特別部会の「論点整理」が報告されました。2026年には情報・技術ワーキンググループなどで具体的な教科内容、授業時数、免許状、指導体制の検討が続いています。
最新状況は情報教育の制度・審議動向、2026年7月30日に示された教科構成と先行実施案は情報・技術WG取りまとめ(案)の解説、教員研修・教材・免許状などの工程は指導体制改善プランの解説に掲載しています。
一次資料
素案公表:2025年9月5日/最終確認:2026年7月31日
